2000年 第55回 国連総会における日本決議「核兵器完全廃棄への道程」

2019.06.25

2000年 第55回 国連総会における日本決議「核兵器完全廃棄への道程」

核兵器完全廃棄への道程
A/C.1/55/L.39
2000年10月13日

総会は、

1994年12月15日総会決議49/75H、1995年12月12日50/70C、1996年12月10日51/45G、1997年12月9日52/38K、1998年12月4日53/77U、1999年12月1日54/54Dを想起し、

国際的平和と安全保障の強化と核軍縮の促進は、相互に互いを補完し強化することを認識し、

核不拡散条約(NPT)が、核不拡散の国際的体制の要として、また、核軍縮の追求のための本質的な基盤として、きわめて重要であることを再確認し、

核兵器国が、一方的に、また、核兵器国間の交渉を通じて行ってきた、核兵器削減の前進を想起するとともに、国際社会による核軍縮と核不拡散への努力を想起し、

核軍縮における一層の前進が、国際的平和と安全保障を保証しつつ、核不拡散の国際的体制を強固にすることに貢献するとの確信をも再確認し、

核兵器不拡散の世界的体制を強化しようとする国際的努力への挑戦を投げかけている、最近の核実験、および、地域的状況を心に留め、

核不拡散と核軍縮に関する東京フォーラムの報告書に、同報告書に関する加盟国のさまざまな見解を心に留めつつ、注目し、

2000年NPT再検討会議が、とりわけ、すべての締約国がNPT第6条の下で誓約している核軍縮に導くよう、保有核兵器の完全廃棄を達成するとの核兵器国による明確な約束を含む、最終文書を成功裡に採択したことを歓迎し、

1. NPTの普遍性を達成することの重要性を再確認し、NPT未加盟国に対して、非核兵器国として、遅滞なく、無条件に加盟することを要求する。

2.すべてのNPT締約国が同条約の下での義務を履行することの重要性をも再確認する。

3.NPT第6条と、1995年の決定「核不拡散と核軍縮のための原則と目標」の第3節および第4節(c)を履行するための、体系的かつ前進的な努力に向けた、以下の実際的諸措置をとることの中心的重要性を強調する。
(a)すべての国が、特に、条約発効のために批准が必要とされている国が、包括的核実験禁止条約(CTBT)を、2003年より前の早期に条約が発効するとの見通しを持って、早期に署名し批准すること。同時に、条約発効までの、核兵器の爆発実験またはその他の核爆発の一時停止。
(b)軍縮会議(CD)において、1995年の専門コーディネーターの声明およびそこに含まれる任務に従い、核軍縮と核不拡散という両方の目的を考慮に入れて、差別的でない、多国間の、国際的かつ効果的に検証可能な、核兵器またはその他の核爆発装置用の核分裂物質の生産を禁止する条約の交渉の即時開始と、2005年より前の可能な限り早期に妥結。および、条約発効までの、核兵器用の核分裂物質生産の一時停止。
(c)軍縮会議において、核軍縮を扱う任務をもった適切な下部機関を、作業プログラム確立の文脈の中で、設置すること。
(d)核軍縮、核およびその他の関連する軍備管理、および、削減措置に適用されるべき、不可逆性の原則の採用。
(e)ABM条約を、戦略的安定の要として、また、戦略的攻撃兵器の一層の削減の基礎として、条約の規定に従って、維持し強化しながら、「戦略的攻撃兵器の一層の削減と制限に関する条約」(STARTⅡ)を早期に発効させ完全に履行し、可能な限り早期にSTARTⅢを妥結させること。
(f)国際的安定を促進するような方法で、また、すべてにとって安全保障が減じないとの原則に則って、すべての核兵器国が核軍縮へつながる諸措置をとること。:
(i)すべての核兵器国による、一方的な、または核兵器国間の交渉を通じた、保有核兵器削減継続のさらなる努力。
(ii)核兵器能力について、また、第6条にもとづく合意事項の履行について、核軍縮のさらなる前進を支えるための自発的な信頼醸成措置として、核兵器国が透明性を増大させること。
(iii)一方的な発議にもとづいて、また、核軍備削減と軍縮過程の重要な一部分として、非戦略核兵器をさらに削減すること。
(iv)核兵器システムの作戦上の地位をさらに低めるような具体的な合意された諸措置。
(v)核兵器が使用される危険を最小限に押さえるとともに、核兵器の完全廃棄の過程を促進するために、安全保障政策における核兵器の役割を縮小すること。
(vi)すべての核兵器国を、適切な早い時期において、核兵器の完全廃棄につながる過程に組みこむこと。

4.核兵器のない世界を実現することは、以下を含む、核兵器国によるさらなる諸措置を必要とすることをも認識する
(a)STARTⅢを越えての核軍縮過程の継続。
(b)核兵器廃棄を達成するための作業過程において、すべての核兵器国が、一方的にまたは核兵器国間の交渉を通じて、核兵器をさらに大幅削減すること。

5.核兵器国が、核軍縮に向けた前進または努力について、国連加盟国に対して滞りなく情報を提供していくことを促す。

6.現在進行中の核兵器解体の努力を歓迎し、結果として生じる核分裂物質の安全で効果的な管理の重要性に留意し、軍事目的からもはや必要でないと各核兵器国が認めた核分裂物質を、実際的な早期において、IAEAまたは関連する国際的検証の下に置くような、すべての核兵器国による協定を要求し、そのような物質が永久に軍事プログラムの外に置かれることを保証するような、そのような物質の平和目的への移譲の協定を要求する。

7. 核兵器のない世界を達成し維持するための核軍縮諸協定の遵守を保証するために必要となるような、IAEAの保障措置を含む、検証能力のさらなる発展の重要性を強調する。

8.すべての国に対して、核兵器やその他の大量破壊兵器の拡散につながるような装備、物質または技術を移転しないという政策を、必要があれば、確認し強化しながら、核兵器やその他の大量破壊兵器およびそれらの運搬手段の拡散を防止する努力を倍増することを要求する。

9. 大量破壊兵器、とりわけ核兵器が、非国家主体の手に渡ることを防止するための一方的または協同的な努力を呼びかける。

10.核不拡散の強化という観点からIAEAモデル議定書(原注:国際原子力機関、INFCIR/540(訂正))の重要性を強調し、まだしていないすべての国に対して、可能な限り早期にIAEAと追加議定書を締結することを奨励する。

11.IAEA総会において、保障措置協定と追加議定書の締結と早期発効を促進し助長する行動計画の要素を含んだ、決議GC(44)/RES/19が採択されたことを歓迎し、この決議の早期および完全な履行を要求する。

12.核不拡散と核軍縮の促進における、市民社会の建設的な役割を奨励する。
(訳:川崎哲)