新アジェンダ連合2000年NPT再検討会議「作業文書」

NPT/CONF.2000/WP.3
2000年4月24日

2000年4月24日付けメキシコ外務大臣より再検討会議事務局長への手紙


 私はブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカ、スウェーデンの代表により提出された「核軍縮」と題する作業文書をここに謹んで伝達します。
 この作業文書が核不拡散条約(NPT)締約国による第6回再検討会議の公式文書として回覧されれば幸いです。

(署名)ロザリオ・グリーン

ブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカ、スウェーデンの代表は、NPT第6条の核軍縮を達成する義務に関して、将来さらなる進展が求められるべき分野と手段を特定するものとして以下の文書を提案する。

核軍縮

 NPT締約国の第6回再検討会議は、

 NPTの前文と条文を再確認し、

 1995年におけるNPT締約国の再検討・延長会議において採択された決定と決議の完全なる実施の重要性と現在もなお正当であることを強調し、

 圧倒的大多数の国が、核兵器その他の核爆発装置を受け取ったり、製造したり、その他の方法で入手したりしないという法的拘束力をもった誓約を行ったことを念頭に置き、また、こうした約束は、核兵器国が誠実に核軍縮を遂行するという対応する法的拘束力のある誓約をしたという文脈においてなされたことを想起し、

 国際司法裁判所の1996年の勧告的意見における全員一致の結論が、厳格かつ効果的な国際管理の下において、すべての側面での核軍縮に導く交渉を誠実におこないかつ完結させる義務が存在するとしていることを想起し、

 条約の規定の厳格な遵守が、さらなる核兵器の拡散をいかなる状況下においても予防し、かつ条約の平和と安全への重要な貢献を保持するという共通の目的のために依然として重要であることを再確認し、

 核兵器削減交渉が現在ゆき詰まっていることを懸念し、

 保障措置のもとに置かれていない核施設を操業し、NPTに加盟していない3つの国が核兵器の選択肢をひき続き保有していること、またその選択肢を否定していないことを懸念し、

 対弾道ミサイルシステム制限条約(ABM条約)が、今なお戦略的安定のための基盤であることを強調し、またその締約国が条約の統合性を保持する責任を強調し、

 核兵器の廃絶にいたるまでのあいだ、安全保障政策における核兵器の役割を戦略的な安定を強化し、廃絶の過程を促進するような仕方で低下させることの重要性を強調し、

 核兵器のない世界の維持のためには普遍的かつ多国家間において交渉された、法的に拘束力のある条約や、相互に補完し合う条約を組み合わせた枠組みの支えが必要であることを確認し、

 条約によって核兵器のない世界を達成することに拘束されており、

 条約の目的とあらゆる規定の完全なる実現と効果的な実施のために決意をもって動く必要があることを確認し、また、締約国が条約の下で義務の履行に関して説明責任を負うことを確認し、この目的のために次のことを行う。

1. 5つの核兵器国は、保有核兵器の完全廃棄を達成し、2000年から2005年の次の再検討期間において、加速された交渉にとり組み、NPT第6条の下ですべての締約国が誓約している核軍縮につながるような段階的手段を実行するという、明確な誓約を行う。

2. アメリカ合衆国とロシア連邦は、第二次戦略兵器削減条約(STARTU)を完全に実施し、STARTVの交渉を、早期締結に向けて、これ以上の遅滞なく開始することを約束する。

3. 核兵器国は、それぞれの核兵器の完全廃棄に至る過程に、5つの核兵器国すべてが早期に統合されるよう前進することを約束する。

4. 5つの核兵器国は、早期の中間的手段として、以下のことを約束する:

(a)核兵器の使用を排除するように、核政策や核態勢を変更する;

(b)完全な廃棄を待つあいだ、警戒態勢を解除し、輸送手段から核弾頭を取り外し、すべての核戦力を実戦配備から撤退させる;

(c)核軍縮の一環として戦術核兵器を削減し、その廃棄に向けて前進する;

(d)保有核兵器と核分裂性物質の保有量に関してより透明性を示す;

(e)アメリカ合衆国、ロシア連邦、国際原子力機関(IAEA)の3者構想をさらに発展させ、5つの核兵器国すべてを同様な体制のなかに含め、兵器計画から核分裂性物質を不可逆的に除去することを確定的にする;

(f)あらゆる核軍縮、核兵器削減、核軍備管理措置について、不可逆性の原則を適用する。

5. 締約国は、下記を達成することの重要性と緊急性に合意する:

(a)包括的核実験禁止条約(CTBT)の無条件かつ遅滞なき署名と批准。そして、条約が発効するまでの、核実験の一時停止の遵守;

(b)核不拡散と核軍縮の両方の目的を考慮し、非差別的で多国間の、また国際的かつ効果的に検証可能な、核兵器、その他の核爆発装置のための核分裂性物質の生産を禁止する条約と、条約が発効するまでのあいだ、核兵器、その他の核爆発装置のための核分裂性物質の生産の一時停止の遵守;

(c)軍縮会議(CD)において核軍縮を扱う任務をもった適切な下部組織の設立。

6. 締約国は、核兵器のない世界への重要な貢献として、関係する地域、特に中東や南アジアなど、緊張の高い地域における国家間において自由に合意された取り決めをもとにして、非核兵器地帯を追求し、拡大し、設立することの重要性と緊急性に合意する。

7. 締約国は、NPTの非核締約国に対して、核兵器の使用、または使用の威嚇をしないことを効果的に保証するための国際的に法的拘束力をもつ条約を早期に交渉し、締結することの重要性に合意する。

8. 締約国は、まだNPTに参加していない国に対して、無条件かつ遅滞なく条約に加盟すること、非核兵器国として加盟する際に要求される、必要なすべての措置をとることを要求する。

9. 締約国は、保障措置のもとに置かれていない核施設を操業し、NPTに加盟しておらず、また核兵器の選択肢を否定していない3つの国に対し、核兵器のすべての開発と配備を追求することを明確かつ緊急に停止することを要求し、また、地域的あるいは国際的な平和と安全や、核軍縮や核の拡散を防ぐための国際社会の努力を害するような行為をしないことを要求する。

(訳:田辺俊明、梅林宏道)





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