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NPT/CONF.2005/PC.I/9
2005年NPT再検討会議準備委員会
第1会期 2002年4月8−19日、ニューヨーク
新アジェンダ連合文書 2002年4月5日
新アジェンダ諸国を代表してエジプトが提出。
I 背景
1. 1995年、締約国は核不拡散条約(NPT)を無期限に延長し、その普遍性を達成するためにあらゆる努力を行うことを約束した。条約の再検討プロセスは強化され、条約の履行へ向けた原則と目的が採択された。1995年のパッケージの重要な一部分として中東決議が採択された。
2. 1996年、国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見において全員一致で次のような結論が出された。「厳格かつ効果的な国際管理の下、あらゆる側面における核軍縮につながるような交渉を誠実に行い、かつ完結させるための義務が存在する」。
3. 2000年NPT再検討会議の最終文書は核軍縮へ向けての前向きのステップを表している。とくに、核兵器国は保有核兵器の完全廃棄を達成するという明確な約束を行い、核兵器国がとるべき核軍縮へとつながる実際的諸措置について合意したのである。このような目的において、条約の強化された再検討プロセスをいっそう効果的にするために、さらなる諸措置が必要とされていた。
II 基本原則
4. 国際社会全体としての参加が国際の平和と安全にとって重要である。国際的な安全保障とは集団的な関心事であり、集団的な関与を必要とする。軍縮の分野における国際的に交渉された諸条約は、国際の平和と安全のために根本的な貢献を行なってきた。一国による、あるいは二国間での核軍縮措置は、条約を基礎とした核軍縮への多国間のアプローチを補完するものである。透明性、検証可能性、不可逆性などの根本的な原則があらゆる軍縮措置に適用されることが、本質的に重要である。
5. 私たちは、核兵器国が核兵器を無期限に保有するとの見通しは、核不拡散体制の統一性と持続性とは両立しないこと、国際の平和と安全の維持というより広い目標とも両立しないことを再確認する。
6. 核軍縮、核削減、その他関連した核軍備管理措置における不可逆性は緊要である。核不拡散を促進するための根本的な前提条件は、持続的かつ不可逆的な核軍備削減の前進である。
7. 条約の各条項は、いつ何時も、どのような状況においても、それぞれの締約国を拘束する。すべての締約国が条約の下における義務の厳格な遵守に関して負う完全なる説明責任は緊要である。
8. 軍縮のさらなる前進こそが、国際的安定を実現し、それを持続させるための主要な要因でなくてはならない。2000年NPTで核軍縮の約束はなされたのだが、その実行は引き続き緊要である。
9. 核兵器のない世界は、究極的には、普遍的で多国間において交渉された法的に拘束力のある条約、あるいは互いに補強しあう条約体系を必要とするであろう。
V 2000年NPT再検討会議
以降の進展
10. 今日に至るまで、2000年のNPT会議において合意された13項目措置の実行においてはほとんど前進がみられない。
11. 私たちは冷戦後の安全保障環境において、安全保障政策や防衛ドクトリンが依然として核兵器の保有を基礎に置くものであり続けることを懸念する。安全保障政策や防衛ドクトリンにおいて核兵器の役割を縮小していくという誓約は、まだ具体化されていない。このような前進のなさは、核兵器国による保有核兵器の完全廃棄を達成するという明確な約束と一致しないものである。
12. 加えて、私たちは新たな安全保障戦略の一環として、核兵器の将来の役割に対する新しいアプローチが現れつつあることを深く憂慮している。
13. 軍縮会議(CD)は、核軍縮をとり扱うことに失敗し続けているし、また、核軍縮と核不拡散という両方の目的を考慮して、差別的でなく、多国間の、国際的かつ効果的に検証可能な、核兵器およびその他の核爆発装置のための核分裂性物質の生産を禁止する条約の交渉を再開することに失敗し続けている。2000年NPT再検討会議の結果として生まれてきた前進への期待は、今日に至るまで満たされていない。
14. CTBT(包括的核実験禁止条約)の国際監視システムの履行は進行しているにもかかわらず、CTBTはまだ発効していない。
15. 今日に至るまで、核兵器国が透明性のための措置を増大させてきたという兆候はまったくみられない。
16. 核兵器国1か国が、一方的に、核兵器システムの作戦上の地位を低減させるための措置をとった。
17. 今日に至るまで、核兵器システムの作戦上の地位を低減させるために合意された具体的な諸措置については、いかなる形跡も見当たらない。
18. 核兵器の完全廃棄につながるプロセスに、核兵器国5か国すべてを組み込む努力がなされているという兆候は全くない。逆に、新世代核兵器の開発についての憂慮するべき兆候がある。
19. 米合衆国とロシア連邦によって、配備された保有核兵器を実質的に削減するという意志の言明がなされたことは歓迎するが、私たちは、核兵器が使用されるかもしれないという可能性が持続していることを引き続き深く憂慮している。二国間および一方的な削減の意志や過去における実績にもかかわらず、配備され貯蔵されている核兵器の総数は依然として数千に及んでいる。
20. 対弾道ミサイルシステム制限条約(ABM条約)の締約国の一つが条約を脱退すると通告したこと、また、このことがもたらす不確実性のさらなる増大、さらには、このことが、核軍縮に貢献しそれを促進するための重要な要素とされる戦略的安定に対して与える影響は、核軍縮と不拡散に逆行する結果をもたらすだろうという懸念がある。さらに、世界規模での安全保障の将来に深刻な結果をもたらし、一方的な関心のみに基づいた行動を正当化する明白な口実を生み出すことも考えられる。ミサイル防衛システムの配備を含む、核軍縮と核不拡散に否定的な影響を与えるあらゆる行為は、国際社会が懸念するところである。私たちは、地球あるいは宇宙における新たな軍備競争の危険について懸念している。
21. 二国間のSTARTプロセスが実現し、あるいは約束したことが、危険にさらされている。そこには、核兵器廃棄へ向けて行われる、核兵器の実際の解体や破壊のために必要な、すべての核兵器国を含む複数国間メカニズムの発展への可能性が含まれていた。
22. 国連ミレニアム宣言において、国と政府の元首たちは、大量破壊兵器、とくに核兵器の廃棄のために努力すること、そして、この目的を実現するために、核の危険を除去する方法を探るための国際会議を開催する可能性を含む、すべての選択肢を開放しておくことを決議した。
23. 私たちは、保障措置の下にない核施設を運転しNPTに加盟していない三カ国が、核兵器という選択肢を引き続き保持し、この選択肢を放棄しないでいることを懸念している。
24. 非核地帯のさらなる発展がいくつかの地域において、とくに南半球および隣接地域から核兵器をなくすための運動において、前進してきた。この文脈において、トラテロコ、ラロトンガ、バンコクおよびペリンダバ条約が、その地域のすべての国およびすべての関係国によって批准されることがきわめて重要である。非加盟の関係国のすべてが、非核地帯条約の議定書に加盟することを促進するために、協同したとり組みが必要である。非核地帯諸条約の締約国すべては、非核地帯間の協力を進め、他の非核地帯の提唱者達と共同して作業をしてゆくことを念頭に置きながら、共通の目的を促進してゆくよう奨励されるべきである。他方で、中東、南アジアとその他の地域において、非核地帯の創設には全く進展がみられない。
W 進むべき道
25. これまでと同じ勢いで2000年NPT再検討会議で達した実質的な合意を完全かつ効果的に履行するよう求めてゆくという私たちの決意に変わりなない。会議の結果は、核軍縮を達成するために必要な青写真を提供するものである。
26. 多国間において交渉された法的に拘束力のある安全の保証が、核兵器国から、NPT締約国であるすべての非核兵器国に対して与えられるべきである。準備委員会は、この課題についての交渉を今すぐに行なうため、その形態について2005年再検討会議に勧告を行うべきである。そうした交渉が実を結ぶまでの間は、核兵器国はこれに関する既存の約束を完全に尊重するべきである。
27. 核兵器国は、自分たちの保有核兵器と軍縮措置の履行に関して、透明性と説明責任を向上しなければならない。
28. 核兵器国が保有核兵器を一方的に、効果的に削減するための、さらなる努力が要求される。核兵器国が、自分たちの一方的な宣言を法的に拘束力のある合意として、透明性、検証可能性および不可逆性を確保するような条項を含む形で公式化することが、本質的に重要である。核兵器国は、配備における削減は前向きの兆候であるが、ほんとうの核兵器の廃棄にとってかわるものではないことを留意すべきである。
29. 核兵器国は、不可逆性の原則を適用するというNPTでの誓約を実行し、戦略核削減を行うにあたって核弾頭を破壊すべきであって、再配備することが可能な状態で保持しておくことを避けるべきである。配備における削減や、作戦上の地位の低減は、肯定的な兆候を与えるものであるが、核兵器の不可逆的な削減や完全廃棄にとってかわることはできない。
30. 非戦略核兵器のさらなる削減は優先的な事項である。核兵器国は自ら行った誓約に対する期待に応えねばならない。非戦略核兵器の削減は、透明性の高い、不可逆的なやり方で実行されるべきであり、非戦略核兵器の削減と廃棄は、包括的な軍縮交渉に含まれるべきである。この文脈において、以下を達成するために緊急の行動が必要とされている:
一方的な発議に基づいて、また、核軍縮削減と軍縮過程の重要な一部分として、非戦略核兵器をさらに削減すること:
(a)非戦略核兵器によってもたらされる脅威を削減するための、さらなる信頼醸成と透明性向上のための諸措置。
(b)核兵器システムの作戦上の地位をさらに低減させるための、具体的な合意された諸措置。
(c)1991年のブッシュ・ゴルバチョフ宣言のような非戦略核兵器削減に関する二国間の非公式な取極めを、法的拘束力のある合意へ公式化する
31. 核兵器国は、5つの核兵器国すべてを、核兵器の完全廃棄へつながる過程へと切れ目なく統合するため必要な諸措置を実行しなければならない。
32. 私たちは、CTBTの早期発効を実現するため、遅滞なくかつ無条件に、署名、批准が行なわれることの重要性と緊急性を強調する。これはCTBTの下で核実験を監視する国際的システム導入のプロセスが、条約の発効の現実的な見通しよりもはるかに進んでいるからである。このような状態は、普遍的かつ包括的な核実験禁止条約を練り上げてゆくという考え方とは一致しないものである。CTBTが発効するまでの間は、核兵器の爆発実験やその他のあらゆる核爆発のモラトリアムを支持、維持するべきである。CTBTの趣旨、目的やその条項の厳格な遵守は緊要である。
33. CDは、核軍縮をとり扱うための特別委員会を遅滞なく設置するべきである。
34. CDは、核軍縮と核不拡散という両方の目的を考慮しつつ、差別的でなく、多国間の、国際的かつ効果的に検証可能な、核兵器やその他の核爆発装置のための核分裂性物質の生産を禁止する条約の交渉を再開するべきである。
35. CDは、唯一の多国間交渉の場として、大気圏外における軍備競争をあらゆる側面において防止するための、一つまたは複数の多国間合意を適宜交渉するための、第一義的な役割を担っている。CDは、1992年2月13日の決定に含まれている任務を検討し、時機に応じたものへと改正する作業を完結させ、特別委員会をできるだけ早く立ち上げなければならない。
36. 国際社会は、NPTの普遍的な加盟を達成するための努力を倍加させ、核兵器の拡散を防止するというその決意を台無しにするようなあらゆる措置を警戒しなければならない。NPTに加盟していない三カ国(原注:インド、パキスタン、イスラエル)は、非核兵器国として、迅速かつ無条件に加入し、核不拡散を確実にするために、必要とされる包括的保障措置協定を、追加モデル議定書とともに、発効させるとともに、核兵器の開発や配備を追求するあらゆる政策を明白かつ緊急に撤回し、地域的、国際的な平和と安全、核軍縮および核拡散の防止へ向けた国際社会の努力を台無しにするようなあらゆる行為を慎まなければならない。
37. IAEA(国際原子力機関)、ロシア連邦、米合衆国間の三者構想は履行されるべきであり、そこに他の核兵器国を含める可能性を考慮するべきである。
38. すべての核兵器国が、もはや軍事目的に必要のなくなった核分裂性物質を、実際に可能な早期において、IAEAあるいはその他の関連する国際的な検証の下に置くという制度が整備されるべきである。
39. 核軍縮と核不拡散の分野における国際諸条約は遵守されねばならず、そのような諸条約から派生するあらゆる義務は完全に果たされねばならない。
40. すべての国は、新たな核軍備競争につながったり、核軍縮や核不拡散に否定的な影響を与えるようなあらゆる行為を慎まねばならない。
X 強化された再検討プロセス
41. 準備委員会は、その作業を前進させるための手続き的な課題をとり扱わなければならないが、同時にまた、1995年と2000年の会議の結果として決定された実質的な内容についてもとり扱わねばならず、審議された実質的な課題が準備委員会の事実概要に記録されることを確保しなければならない。
42. 準備委員会は、それぞれの国が、核軍縮の実現へ向けた自国の進展についての適切な説明が報告書に記載されることを保証するように、核軍縮について実質的な焦点をあてねばならない。説明責任は、締約国が提出することに合意したこの報告書を検討して評価されるだろう。
43. 準備委員会は、条約第6条および、1995年決定の第4(c)節の履行に関する、すべての締約国の定期的な報告書を検討するべきである。2000年NPT最終文書で構想された、条約と、1995年に採択された決定1、決定2および中東決議の履行に関する再検討プロセスの強化は、完全に履行されるべきである。
44. これらの報告書は、準備委員会の各会期ごとに提出されるべきである。第6条に関する報告書は、13項目措置が扱う課題や原則にわたるものでなければならず、これらの諸措置のそれぞれについて特定の完全な情報を含まねばならない(すなわち、運用中の弾頭や運搬手段の数および仕様、削減された数および仕様、警戒態勢解除措置、核分裂性物質の現在の保有量、同物質の削減と管理、不可逆性、透明性、検証可能性の分野における進展)。報告書は、これらの分野における発展だけでなく、現在の政策や意図についてもとり扱わねばならない。
(訳:田辺俊明、ピースデポ)
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