■ 自治体と市民のための「ガイドライン法案」速報

第2号 1999年3月26日



発行:ピースデポ(平和資料協同組合)・ガイドライン法案プロジェクトチーム
監修:前田哲男、梅林宏道 編集:川崎哲
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◆「不審船」事件:「海上警備行動」(自衛隊法第82条)発動は妥当であったか

 −−過去の政府見解との対比から−−

 日本海で発見された「不審船」2隻に対して、政府は3月24日午前0時50分、自衛隊法第82条に基づく「海上警備行動」をはじめて発令し、海上自衛隊の護衛艦が合計25回の警告射撃をおこなったほか、哨戒機が計12発の爆弾を投下した。
 今回の「不審船」事件は日本領海内の事件であり、「我が国周辺の地域における我が国の平和及び安全に重要な影響を与える事態」と定義される「周辺事態」とはまったく別の性格のものととらえるべきである。しかし、今回の事件が関連法案の審議に与える影響はきわめて大きい。
 ここでは、自衛隊法とその政府解釈に基づいて、「海上警備行動」発動の妥当性の検証が必要であることについて注意を喚起したい。

 1981年の国会答弁で防衛庁は、「いわゆる有事の事態が近づいたような」状況や「海賊的な行為が頻発する」ような状況でないと「海上警備行動」は発動されないとして、前年のソ連の領海侵犯に対しても同行動が発動されなかった理由を説明し、発動にきわめて慎重な姿勢をみせた。しかし今回はそれとはうって変わって迅速な発令をおこなっている。にもかかわらず、81年の解釈は今も変更されていないというのが野呂田防衛庁長官の説明であり、一般的には理解に苦しむ。
 また、「不審船」が現れるという事態は過去にも多数あらわれており、最近では1985年の例がある。このときの「不審船」をめぐる状況は今回とよく似ている。にもかかわらず85年には「海上警備行動」が発動されず今回は発動された理由について、防衛庁の説明は説得力を欠く。前回も今回も海上保安庁が「不審船」を捕捉できなかったことに変わりはないのだが、前回は「海上保安庁で対応できたケース」で今回は「同庁では対応が不可能なケース」というのである。
 以下に、81年の国会でのやりとりと、去る3月24日の衆院安保委協議会でのやりとりを紹介する。

●自衛隊法第82条(海上における警備行動):

 長官は、海上における人命若しくは財産の保護又は治安の維持のため特別の必要がある場合には、内閣総理大臣の承認を得て、自衛隊の部隊に海上において必要な行動をとることを命ずることができる。

●第82条に関する従来の政府解釈:
「領海侵犯があってもすぐさま発動されない」
(1981年4月17日、第94回国会参議院安全保障特別委員会会議録より。「わが国の貨物船と米国原子力潜水艦との衝突事故」をめぐる議論の中で。)

▼柳澤議員「・・・昨年ソ連の潜水艦のあの4隻の艦船が日本の領海に入ってきたときに、そのときのあなた方の答弁というのは、自衛隊法82条が発動されておらなかったので動きませんでしたと。あのときは明らかに領海が侵犯されたわけであります。もちろん、今度は人命救助という関係があるのですけれども、この自衛隊法からいくならば、やはりそういう場合、自衛隊法82条でもって「海上における人命」とか「財産の保護」云々ということが書いてあって、これに当てはめて当然動かなくてはいけないし、防衛庁長官は即刻そういう連絡を受けてそれなりの処置をとらなくてはいけない。それがなされていないから私はどういうことですかと言っている。」
▼塩田防衛庁防衛局長「その82条の事態はちょっと私、今回の場合は当てはまらないと思うのです。今回のように現場で遭難者を見て、とにかく救助しなければいけないという事態は、法律の根拠とかなんとかいう以前に、とにかく救助しなければいけないわけですから、それを82条なり何なりの長官の命を受けてやっておったのではとても間に合わないということもございます。そもそも82条という規定は、海上のそういった治安がちょっと海上保安庁だけの手には負えないというような事態の場合に設けられている規定でございまして、今回のようなケースに82条を適用してそれで行動するというようなことは、ちょっと私は考えられないと思っております。」
▼柳澤「じゃもう一回、昨年のところの点をお聞きするのですけれども、あのときは巡視船にあのときは巡視船「もとぶ」の有川船長がソ連の艦隊に向かって、そのまま進んでくれば日本の領海に入るぞ、迂回せいと言ったときに、ソ連の方からは、いえ、われわれはこのまま真っすぐ領海を通ります、日本の政府の同意は得ていますと。すぐ調べたならば、日本の政府はそんなものの同意を与えた覚えはないといって、ソ連の大使館の・・・参事官を呼んで、そんなものを認めていないぞとまで言ったわけなんでしょう。それだけのことが行われておってもあのときはこの82条を発動しなかったわけなんです。この辺についてのお考えをもう一回言ってくれませんか。そうしたならば、いまのようなこと、あのときはこうでした、このときはと言っているならば、この82条を発動するような事態なんかあり得ないじゃないですか。そこはどうなんですか。」
▼塩田防衛局長「82条というのは実際にまだ発動したことはございませんけれども、想像される事態といいますのは、いわゆる有事の事態が近づいたような、国際的な緊張が高まったような時点で、いろいろ俗に言う海賊的な行為がある、海上の治安が乱れておる、海上保安庁の警備だけではむずかしい、こういうような事態が想定されて、そういうような場合には自衛隊が所定の手続を経て出動するという趣旨の規定でございまして、一般の平時の場合の海難救助活動でありますとか、いまのケースは領海侵犯のケースでございますが、そういったことは本来海上保安庁の任務として海上保安庁の方でやっておられるわけでございまして、いずれも私は82条に直接該当するケースではなかったというふうに考えておるわけであります。」
▼柳澤「これは長官の方にお答えをいただきます。
 あのときは政府が、領海侵犯として受けとめるといってソ連に向かって抗議をしたのですよ。日本の領海が外国の軍隊に侵されたと言ったのです。いまの防衛局長のような答弁がそれで成り立つのですか。そういう答弁が出てくれば、それだったらこの82条を発動するようなことはもうありはせぬじゃないですか。日本の領海に外国の軍艦が入ってきたといって、それで日本の政府自体も、官房長官みずからが領海侵犯と受けとめますといってソ連に向かって抗議までしている。ところが、あのときは防衛庁の方は、いや82条が発動されないから動けないのですということを言っておられたのですから、そこはどういうことになるのですか。」
▼夏目防衛庁長官官房長「昨年のソ連の潜水艦が領海を侵犯した件については、いま御指摘のように82条は当然のことながら出なかったわけでございますけれども、第一義的に、領海侵犯、こういった海上における警察行動については海上保安庁の任務になっております。私どもが自衛隊法82条で規定しておりますところの海上における警備活動というのは、先ほど防衛局長がるる述べたように、有事が近くなって、海上における不審船舶によってわが方の海上交通が著しく阻害されるような場合、あるいは海賊的な行為が頻発するようなことがあってわが方の国民の生命、財産を守る必要があるときに、海上保安庁の手に負えなくなるような事態に、内閣総理大臣の命令を受けて出動するというものでございまして、先般の領海侵犯がたまたまあったからといって、すぐさまそういうものが発動されるものでもありませんし、今回のような事故、すなわち遭難者に対して救助の手を差し伸べるというのは、言うなれば、水におぼれている人間を見て当然のことながら人道的な配慮からそれを救出したというものであって、特段の法律の根拠に基づくものではございません。」

●はたして「今回は特に悪質」であったのか

 3月24日16時より18時すぎまで、緊急に衆議院安全保障委員協議会が開催された。野呂田防衛庁長官からの報告を受け、安倍晋三(自民)、前原誠司(民主)、冨沢篤紘(明改)、西村眞悟(自由)、佐々木陸海(共産)、辻元清美(社民)の各氏が質問をおこなった。
 佐々木氏は上の81年の政府見解を引用しながら、今回のケースが第82条発動の要件を満たすのか質した。長官は、81年の政府見解は変わらないとしつつ、今回は状況が特に悪質であったため、「(日本の)主権を害し、治安維持を阻害するものであり、(81年の)答弁の趣旨にかなう」と述べた。今回の状況が特に悪質であったとする判断基準については、辻元氏と政府の間で次のようなやりとりがなされた。

▼辻元:今回はどういう根拠で第82条発令の要件が満たされたと認定したのか。
▼野呂田防衛庁長官:「放っておけば日本の秩序の維持にたいへんな阻害要件になると判断したからであります。」
▼辻元:もう少し具体的にどういう事態を想定したのか。
▼野呂田:(不審船発見から、海上保安庁による追跡、停船命令、威嚇射撃をしたが、これらに応じず高速で逃走するたいへん悪質なものだったので、82条の適用を決定した、との経過を説明。)
▼辻元:同様の事例について最近のものを紹介してほしい。
▼楠木海上保安庁長官:これまで海上保安庁で確認した不審船は18隻。1990年にちらりと確認したのが最後で、91年以降はない。最近の例では、1985年4月25日宮崎沖で発見された不審船を当庁の巡視船艇、航空機により追跡した事例がある。
▼辻元:宮崎県日南市日向灘での事例で、日本漁船に偽装した高速船で、40ノットで逃走するのを巡視船23隻、航空機4機で1000キロの追尾をしたと聞くが。
▼楠木:(発見時間、発見した県の取締り船名、県水産課から海上保安部への通報、不審船の船名・登録番号、立ち入りをしようとしたところ逃走を開始、保安部での調査の結果船名詐称であることがわかった、停船命令をしつつ追尾した、最大40ノットで逃走した、2日後に中国の海域でレーダーから消えた、ことなどを説明。)
▼辻元:そのときも、高速、無線用アンテナ、船名・登録番号詐称など、今回と同様の事例であった。それならば自衛隊法第82条が前回発令されず今回発令された違いはどこにあるのか。
▼野呂田:「私はたいへん今回の場合が悪質であったということを挙げることができると思います。漁船をよそおいながら漁具も漁網も何も持っていない。それからものすごい高度な情報収集のためのアンテナを持っている。これはつぶさに申し上げるわけにはいきませんが、相当高度な情報収集で、考えれば、我が国に対するスパイ行為をやることを想像させるたいへん機能の高いものを持っている。それから、とにかく現存する日本の船の名前を詐称したり、あるいは無くなった船であることを知って、そういう船の名前を詐称したり、とにかく私どもにとりましては我慢の限度をこえた、たいへん悪質なものである。そして、こういうことからみると、日本の秩序維持という点からも、これは過去の例に比較しても、許しがたい行為であるというふうに思って82条の適用をした。こういうふうに考えております。」
▼辻元:前回も船名詐称をしたり、アンテナをたてたり、高速船だったりしている。今の説明では今回だけが決定的に悪質だったということは言えない。
▼柳澤防衛庁運用局長:「前回の事例はまさに82条を適用しなかったケースでございますので具体的な比較はちょっと難しいかとは思いますけれども、要は、海上保安庁だけでは基本的に対応が著しく困難であるか不可能である、というのが一つの要件であると思います。前回のケースは、そういうケースであれば、海上保安庁も相当な精力で対応されていたわけでありますし、基本的には、結果論はともかくといたしまして、海上保安庁で対応できるケースであったのだろうというふうに推測いたします。」
▼辻元:しかし前回も結果的にはとりのがしている。長官は「我慢の限度をこえた」と言ったが、そういうことで法の適用を判断するのか。発令は過剰反応ではなかったか。
▼野呂田:「スピードもたいへん、宮崎の場合も早かったという話ですが、海上保安庁が見失わないで3日間これを追跡したわけであります。だから当時海上保安庁の船足でじゅうぶん対応できたということが、私は最大の要件だと思います。今回は半日くらいで猛烈な差をつけられて、これはもうとても海上保安庁では対応できないということが非常にわかりましたから、運輸大臣もそのあたりを考慮して海上保安庁の要請をしたのだと思います。私の表現であまり俗っぽい話がありましたが訂正させていただきます。」

【23日午後7時前に「82条発令」の第一報】

 「時事通信ニュース速報」によると、3月23日18時49分の登録で、「海上警備行動、自衛隊法に基づき初発令」と題する、「海上保安庁は24日未明、追跡を事実上断念し、政府は官邸内に対策室を設置し、同未明、海上警備行動を初発令し、警告射撃をおこなった」とする記事が流されている。実際には、この記事が流された18時49分という時点は、首相官邸内に対策室が設置されたばかりであり、海上保安庁による威嚇射撃が開始されるほぼ1時間前であった。時事通信がどのような根拠で18時49分の時点で「82条発令」の記事を流したのかは明らかでない。(以下ドキュメント参照。)

【「不審船」関係ドキュメント】

■23日
6:42 海上自衛隊の対潜哨戒機P3Cが佐渡島沖の領海内で「第1大西丸」と書かれた不審船を発見。
9:25頃 P3Cが能登沖の領海内で「第2大和丸」などと書かれた別の不審船2隻を発見。
11:00 海上自衛隊が海上保安庁に不審船発見を連絡。
13:18 海上保安庁航空機が「第2大和丸」に停船命令。
14:00 海上保安庁航空機が「第1大西丸」に停船命令。
17:00 「第2大和丸」、「第1大西丸」が佐渡沖を北に向け航行。海上保安庁の航空機2機、巡視船艇9隻が追尾。
17:30頃 首相官邸で小渕首相と川崎運輸相、野中官房長官、高村外相、野呂田防衛庁長官らが緊急協議。
18:10 首相官邸別館危機管理センターに「官邸対策室」(室長・安藤忠夫内閣危機管理監)を設置。
20:00頃 海上保安庁の巡視船が「第2大和丸」に対し、機関銃で海面への威嚇射撃。
20:30頃 海上保安庁の巡視船が「第1大西丸」にも威嚇射撃。
21:09頃 海上保安庁の大型巡視艇が燃料不足のため「第2大和丸」を追尾を断念。
21:30 政府が危機管理センターに関係省庁局長を集め会議を開催。
21:30頃 海上保安庁の大型巡視艇が燃料不足のため「第1大西丸」を追尾を断念。
23:05頃 「第2大和丸」が日本と大陸との中間線を越える。
■24日
0:50 政府、自衛隊法第82条に基づく初の海上警備行動を発令。
1:10頃 「第1大西丸」が日本と大陸との中間線を越える。
1:19−34 海上自衛隊の護衛艦が不審船2隻に警告射撃。
3:20 護衛艦、「第2大和丸」の追跡を断念。
4:00頃 野呂田防衛庁長官が会見し、不審船2隻に向け、警告のため150キロ爆弾をそれぞれ4発投下したことなどを発表。
6:06 「第1大西丸」も防空識別圏外に出たため、追跡打ち切り。

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◆整理:米軍にチャーターされた民間機の法的立場と安全性

 準備号、第1号で、民間機が米軍によりチャーターされて武器・弾薬を運搬した実例とそれに関する政府答弁をとり上げた。ここで若干の論点整理をしたい。(内閣参質145第6号、1999年3月5日、照屋寛徳参議院議員の質問主意書に対する答弁書などから。)

(1)在沖米海兵隊による沖縄県道104号線越え実弾砲兵射撃訓練を本土に移転しておこなった訓練の実態は、以下の通りである。

年月 場所 参加兵員 発射弾数
第1回 1997年7月 北富士演習場 約130名 約550発
第2回 1997年9月 矢臼別演習場 約380名 約3,100発
第3回 1997年11月 玉城寺原演習場 約190名 約400発
第4回 1998年2月 東富士演習場 約140名 約550発
第5回 1998年4月 北富士演習場 約130名 未通知
第6回 1998年9月 矢臼別演習場 約390名 未通知
第7回 1998年11月 玉城寺原演習場 約200名 未通知
第8回 1999年2月 日出生台演習場 約190名 未通知
(在日米軍司令部から日本政府の通知による)


 射撃訓練の移転に要した日本政府の負担額(自衛隊の航空機等による輸送に係るもの=下記参照=を除く)は、第1回訓練では約1億7700万円、第2回は約1億9100万円、第3回は約1億6800万円、第4回は約9000万円。第5回以降は未確定。

(2)移転演習の際の兵員、りゅう弾砲等の物資、弾薬の輸送については、次のように民間機等を利用しておこなわれた。

 防衛施設庁が、在日米軍からの調達の依頼を受け、日本通運株式会社と輸送役務契約を締結し、当該契約に基づき、在日米軍が、民間航空機、民間船舶および民間車両により米海兵隊の人員および155ミリりゅう弾砲、車両、弾薬等の物資を、訓練を実施する演習場へ輸送した。
 ただし第2回の訓練の際には、人員の輸送に必要な民間航空機が一部を除いて確保できなかったため、自衛隊法第100条の9(日米物品役務相互提供協定に基づく米軍に対する物品又は役務の提供)に基づく輸送事業として自衛隊の航空機等による人員の輸送をおこなった。
 このうち第1回の訓練の際、防衛施設庁と日本通運との契約のもとで、全日空機が6月30日、嘉手納飛行場から横田基地まで、米海兵隊員約70名および武器・弾薬を輸送した。(弾薬を装填していないライフル約70丁、同じくピストル約20丁を木の箱十数個に収納の上貨物室に、また、ピストル1丁用の弾薬約30発を所定の容器に収納の上機長の指定した場所におのおの保管して輸送した。)このことがマスコミ等で報じられた。

(3)米軍にチャーターされた民間機は「合衆国の管理の下に公の目的で運航される」。

 この場合、武器・弾薬を運んだ民間航空機は、「米軍からの具体的な要請に基づいて防衛施設庁を通じて間接的にチャーターされた航空機でありまして、契約面におきましても、また実態面におきましても、米軍の指揮官が同航空機に乗り込み、同航空機の運航を管理していることから、その運航が米国の管理の下に公の目的でおこなわれているものである」ので「日米地位協定第5条の適用なる航空機に該当する」。(高村外相。99年3月17日参議院予算委員会)

※日米地位協定第5条第1項「合衆国及び合衆国以外の国の船舶及び航空機で、合衆国によって、合衆国のために又は合衆国の管理の下に公の目的で運航されるものは、入港料又は着陸料を課されないで日本国の港又は飛行場に出入することができる。・・・」

(4)しかしそのような民間機が「国の航空機」に該当するとは一概には言えない。

 上のように、米軍に間接的にチャーターされた民間航空機は法的には米軍の管理下にあるとする一方で、外務省はそのような民間航空機が「国の航空機」に該当するとは一概には言えない、ともしている。
 国際民間航空条約(シカゴ条約)第3条には「(a)この条約は、民間航空機のみに適用するものとし、国の航空機には適用しない。(b)軍、税関及び警察の業務に用いる航空機は、国の航空機とみなす。」とある。米軍にチャーターされ、ときとして武器・弾薬を運ぶ民間機が、シカゴ条約でいう「国の航空機」とみなされ、交戦国から攻撃される可能性もある、との指摘に対して政府は次のように述べている。「政府が民間航空機を利用しまして米軍の武器・弾薬を輸送する場合であっても、そのことのみをもって直ちに当該民間の航空機が国際民間航空条約の対象外になるとかそういう話ではございませんので、・・・航空機の所有形態、使用形態、使用目的等、具体的な事態に照らして個別総合的に判断されるということで、一概には申し上げられない」。(大島正太郎外務省経済局長。99年3月2日、参議院予算委員会)

●「米軍の管理下」にあるとみなされる航空機が、「国の航空機とは言えない」というケースが現実にありうるであろうか。周辺事態法第9条との関係で、日米地位協定あるいは国際条約との整合性に関する論議が深められる必要がある。



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