■ 自治体と市民のための「ガイドライン法案」速報

第3号 1999年3月30日


発行:ピースデポ(平和資料協同組合)・ガイドライン法案プロジェクトチーム
監修:前田哲男、梅林宏道 編集:川崎哲
事務支援:緊急プロジェクト・スタッフ
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●衆院特別委員会 31日と1日に続けて審議

 ガイドライン特別委員会の審議が3月31日と4月1日の両日、続けておこなわれる。質疑の時間は両日とも8時間ずつの予定。

3月31日(水)

理事会8:00
委員会9:00〜18:00
質疑者、時間割(案)
土肥隆一(民主、1:00)
9:00〜10:00
浅野勝人(自民、0:40)
10:00〜10:40
米田建三(自民、0:40)
10:40〜11:20
達増拓也(自由、0:40)
11:20〜12:00
玄葉光一郎(民主、1:00)
13:00〜14:00
桑原豊(民主、1:00)
14:00〜15:00
若松謙維(公明、1:00)
15:00〜16:00
西川知雄(改革、0:40)
16:00〜16:40
東中光雄(共産、0:50)
16:40〜17:30
伊藤茂(社民、0:30)
17:30〜18:00

4月1日(木)

理事会8:00
委員会9:00〜18:10
質疑者、時間割(案)
安倍晋三(自民、0:40)
9:00〜9:40
阪上善秀(自民、0:40)
9:40〜10:20
前原誠司(民主、1:30)
10:20〜11:50
上原康助(民主、1:30)11:50〜12:30、13:40〜14:30
佐藤茂樹(公明、1:00)
14:30〜15:30
冨沢篤紘(改革、0:40)
15:30〜16:10
未定(自由、0:40)
16:10〜16:50
未定(共産、0:50)
16:50〜17:40
未定(社民、0:30)
17:40〜18:10

 すでに政府・自民党は、公明党などの要求を受けて、自衛隊の出動に関してのみ国会承認とする方針を打ち出したと報道されている。今号では、この点以外で重要と思われる論点を、3月26日の衆議院の特別委員会の審議の中から抜き出した。

●領域警備、武器使用基準見直しは研究課題

▼赤城徳彦(自民)
 不審船への対応について。
▼野呂田防衛庁長官
 (海上警備行動発動への経過を説明。)現行法で許されるかぎりの努力をした。初めて発令だったが、我が国がこういう事態に敢然として海上警備行動を発動することもありうるという決意を内外に示したことが、今後の同様の事態に対して抑止力となる。
▼赤城
 自民党内の国防・外交合同会議を3月24日に開催した。海上保安庁の要請を待たずにはじめから自衛隊が対応すること、その場合に「領域警備」という新たな概念を設けて権限を付与すること、警告射撃だけでは足りず「相手が反撃してこない限り武器を使用できない」とする警察官職務執行法に基づく武器使用基準では不十分ではないのか、相手が攻撃してきた場合の準備の必要性、などの意見が出た。
▼野呂田
 領域警備、武器使用基準の見直しについては、私たちもかねてから研究課題として対応してきた。現行法では、海上警備は第一義的には海上保安庁の所管であり、その点理解をいただきたい。

○警察官職務執行法第7条
 警察官は、犯人の逮捕若しくは逃走の防止、自己若しくは他人に対する防護又は公務執行に対する抵抗の抑止のため必要であると認める相当な理由のある場合においては、その事態に応じ合理的に必要と判断される限度において、武器を使用することができる。但し、刑法第36条(正当防衛)若しくは同法第37条(緊急避難)に該当する場合又は左の各号の一に該当する場合を除いては、人に危害を与えてはならない。(以下略。)

▼伊藤英成(民主)
 不審船事件を受けて今後の対応は。
▼野呂田
 武器使用は警職法の原則によるが、かじのあたりを網で捕獲するとか、5インチ砲より軽微で人命にかかわらないやり方とか、戦術論の検討は必要だ。

●北朝鮮との国交正常化に向けた努力

▼伊藤
 対北朝鮮政策について、EUと北朝鮮の関係をどう見るか。
▼高村外相
 3月23日のブリュッセルでの欧州議会本会議で、EUと北朝鮮の関係に関する決議が採択された。EU加盟国で北朝鮮を承認していないものに対して、北朝鮮との外交関係を樹立することを慎重に考慮することを呼びかけている。EUが北朝鮮への関与を強化するべきという内容のものだ。
▼伊藤
 この決議と関係者の話によれば、北朝鮮の最高人民会議代表団受け入れや、ブリュッセルとピョンヤンに連絡事務所を設置すること、EUの共同の大使館をピョンヤンに設置すること、現在ピョンヤンにいるEUの代表者の格上げなどが検討されている。日本もみならうべきでないか。
▼小渕首相
 遠くのほうが関係を作りやすいこともある。国連加盟国の中でただ一つ国交が正常化していない日本としては、努力をしていきたいが、ミサイル問題、拉致疑惑問題、不審船問題など難しい問題がある。一日も早い正常化に向けて積極的に対応していきたい。

●周辺事態の定義の統一見解

▼伊藤
 周辺事態の定義について類型化するなりして、政府統一見解を出すべきだ。
▼山崎拓委員長
 理事会でとり扱いを検討する。

●地位協定2−4−bの適用

▼赤城
 自治体・民間協力に関して、「施設が満杯だから」ということを「正当な理由」として施設の使用協力を拒めるのだとすると、実効性がない。日米地位協定第2条第4項(b)(「2−4−b」)を活用して優先使用させることはあるか。
▼竹内外務省北米局長
 2−4−bの適用は個別具体的に検討するので予め想定はできない。2−4−b適用の際も関係自治体との調整や関連法令に従った手続きが必要であり、2−4−bならばすぐに施設使用が可能になるということではない。

▼伊藤
 周辺事態法第9条による港湾、空港の使用は、日米地位協定5条に基づくのか、それとも2−4−bに基づくのか。
▼竹内北米局長
 米軍は多くの場合は施設区域を利用する。5条は施設区域でない通常の港等を米艦船が出入りする権利を認めているもので、これは周辺事態であるなしにかかわらない地位協定上の米国の権利だ。他方2−4−bによる施設区域の共同使用の場合は、地方自治体との共同使用という例はきわめて少なく、多くの場合が自衛隊の基地との共同使用になる。2−4−bの適用は、日米安保条約の目的の達成、日本側の財政負担、地域社会経済的な影響を総合的に勘案して調整をおこない、日米合同委員会での合意を受けて決定する。

●自治体協力−本法案以外での制裁の有無

▼伊藤
 自治体協力を拒んだ場合、「本法案による制裁はない」ということだが、他法による制裁はあるのか。
▼川崎運輸相
 港湾法について言うと、港湾の使用に関しては、日米地位協定で米国の港湾の使用は認められている。しかし優先使用権はない。不平等なとり扱いはしてはならない。空いていれば当然入港を認めなければいけない。他の理由なしに入港拒否をする場合には、不平等なとり扱いをしてはならない旨、私どもから申し上げる。
▼野田自治相
 港湾法上、国が必要があれば、助言や停止命令を出すことは考えられるが、これは適切な権限の措置を求めるものであって、制裁ではない。

●対人地雷は輸送しない

▼伊藤
 民間に輸送させる米軍の武器・弾薬の中に対人地雷は含まれるか。
▼野呂田
 対人地雷全面禁止条約批准に伴う国内法によって、対人地雷の輸送は禁じられているので、含まれない。

●武器使用と武力行使の政府統一見解

▼岡田克也(民主)
 PKO法では自衛隊法第95条(武器等の防護のための武器の使用)が適用されないのはなぜか。
▼柳澤防衛庁運用局長
 PKOは紛争終結直後で混乱が続いているところでの活動であるので、自衛隊が武器の使用をすることが混乱を招くおそれがあるので、95条の適用を排除した。
▼岡田
 周辺事態法案ではどうか。
▼柳澤運用局長
 適用される。
▼岡田
 憲法における武力行使と武器使用とはちがうのだという統一した政府見解がある。要は、自然法的権利だという論理だ。しかし、今回の周辺事態における武器使用は、自然法的権利ではないとの答弁が私の質問に対し予算委員会でなされた。憲法9条をどう考えるかという重大な問題だ。統一見解の出し直しを要求する。
▼山崎委員長
 とり扱いを理事会で協議する。

○武器の使用と武力の行使の関係について(91年9月27日、PKO法案審議にあたっての政府統一見解)
1.一般に、憲法第9条第1項の「武力の行使」とは、我が国の物的・人的組織体による国際的な武力紛争の一環としての戦闘行為をいい、法案第24条の「武器の使用」とは、火器、火薬類、刀剣類、その他直接人を殺傷し、又は武力闘争の手段として物を破壊することを目的とする機械、器具、装置をその物の本来の用法に従って用いることをいうと解される。
2.憲法第9条第1項の「武力の行使」は、「武器の使用」を含む実力の行使に係る概念であるが、「武器の使用」がすべて同項の禁止する「武力の行使」に当たるとは言えない。例えば、自己又は自己と共に現場に所在する我が国要員の生命又は身体を防衛することは、いわば自己保存のための自然権的権利というべきものであるから、そのために必要な最小限の「武器の使用」は、憲法第9条第1項で禁止された「武力の行使」には当たらない。

●後方地域支援は軍事目標か

▼志位和夫(共産)
 ジュネーブ条約の「追加議定書」は154カ国が批准しており、第52条で軍事目標を「軍事活動に効果的に貢献する物」に限定している。「後方地域支援」はこの52条で、文民・民用物として保護される対象となるのか、軍事目標とされ保護の対象とならないのか。
▼東郷外務省条約局長
(1)「追加議定書」署名のさい、日本政府は52条に異議をとなえず、修正も求めなかった。(2)同条項の考え方は広く国際社会で認められている。(3)後方地域支援で活動する日本の艦船、航空機等は国際法上「民用物」ではなく、軍事目標となることは当然である。
 しかし、自衛隊の艦船・航空機が軍事目標であるからといって、国連憲章の下で違法な武力の行使に対処している米軍を支援している自衛隊を攻撃することは、国連憲章上まったく不法な行為だ。

▼志位氏はさらに、過去の国会答弁で政府が「我が国に武力攻撃を加えている軍隊の武器を第三国が輸送している」場合には、この第三国に対して自衛権行使は可能としていることを挙げ、これを反対の立場に置き換えれば、米軍の武器・弾薬を輸送している自衛隊が相手国に攻撃を受ける、と指摘した。政府はこれに対して、後方地域支援活動は米軍の武力行使とは一体化しないという従前の答弁を繰り返した。

○1981年3月11日参議院予算委員会
角田内閣法制局長官:
「仮にわが国に武力攻撃を加えている国の軍隊の武器を第三国の船が輸送をしている・・・それを臨検することができるかという点でございますが・・・一般論として申し上げるならば、ある国がわが国に対して現に武力攻撃を加えているわけでございますから、その国のために働いているその船舶に対して臨検等の必要な措置をとることは、自衛権の行使と認められる限度内のものであればそれはできるのではないかというふうに私どもは考えております。」
○1981年4月20日衆議院安保特別委員会
角田内閣法制局長官:
(中立国艦船の臨検とは、具体的にどういうことかと質問されて)「たとえば中立船舶であっても、明らかに敵性化している、敵国の商船として見ていいような場合、これは国際法上もそういう考え方があるわけでありますが、その船舶が敵国政府に・・・雇い入れられているとか・・・その国の管理、支配下におかれている、いわば敵国船と同視できるような場合・・・なおかつ、自衛のためそれをどうしても臨検しなければわが国の自衛が全うされない、そういう必要最小限度の範囲内である、こういうふうに私どもは理解しております。」

●米軍からの協力を裏付ける資料配付

▼志位和夫氏はまた、「米軍の艦船・航空機(民間調達を含む)の国内港湾・空港の優先使用」を明記した統合幕僚会議の極秘内部文書を委員会場で配布し、22日付朝日新聞での報道(本速報第1号1頁参照)を裏付けた。この文書の内容は、共産党のホームページでも見ることができる。
(URL: http://www.jcp.or.jp/Day-akahat/9903/990327_145_sii_ngl_3.html#bunsyo00
しかし政府はこのような文書の存在は承知していないとした。

▼土井たか子(社民)は「日米共同計画検討委員会」の検討内容を公表すべきだとしたが、政府は性質上公表できないとした。

●巻末資料として、96年から98年までの民間空港への米軍機および自衛隊機の着陸回数の統計資料(運輸省発表)を添付する。(ホームページに掲載していませんが、ファックスボックス231#で取り出せます)



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