■ 自治体と市民のための「ガイドライン法案」速報
第5号 1999年4月6日
発行:ピースデポ(平和資料協同組合)・ガイドライン法案プロジェクトチーム
監修:前田哲男、梅林宏道
編集:川崎哲、池田佳代
事務支援:緊急プロジェクト・スタッフ
予約・問合せ先:〒223-0051横浜市港北区箕輪町3-3-1日吉グリューネ102号ピースデポ
TEL:045−563−5101 FAX:045−563−9907
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Website: http://www.jca.apc.org/peacedepot/
○予約者に無料で、ファックスまたは電子メールで一斉にお送りします。(宛名を明記しませんのでご注 意ください。)
○平均して3日に1回、A4版3〜5ページ。
○バックナンバーは、上記ホームページにアクセスするか、ファックスでとり出すこともできます。(03−3813−8180にダイアルし、ボックス番号800#でバックナンバー一覧、810# で最新号が入手できます。)
●掲載しきれなかった情報や、記事の原資料は事務所にあります。お問い合わせを。
●各地での動きを紹介しますので、ぜひ情報を寄せてください。
●プロジェクトを支えるカンパを募集します。
個人・小グループ:1口5,000円、自治体・団体:1口10,000円
郵便振替:00280-0-38075 加入者名「平和資料協同組合」 ※「ガイドラインカンパ」と明記を。
銀行口座:横浜銀行日吉支店 普通 1216616 「平和資料協同組合」
あす4月7日(水) 衆院ガイドライン特別委員会予定
理事会8:00、委員会9:00〜
○参考人の事情聴取
株式会社東芝顧問 西元徹也
(15分) 9:00〜9:15
日本労働組合総連合事務局長 笹森清
(15分) 9:15〜9:30
元駐タイ大使 岡崎久彦
(15分) 9:30〜9:45
静岡大学助教授 小沢隆一
(15分) 9:45〜10:00
○参考人に対する質疑
大石秀政(自民)
(30分) 10:00〜10:30
桑原豊(民主)
(30分) 10:30〜11:00
遠藤乙彦(公明)
(15分) 11:00〜11:15
達増拓也(自由)
(15分) 11:15〜11:30
木島日出夫(共産)
(15分) 11:30〜11:45
保坂展人(社民)
(15分) 11:45〜12:00
○参考人の意見聴取
(株)岡本アソシエイツ代表 岡本行夫
(15分) 13:00〜13:15
国際政治軍事アナリスト 小川和久
(15分) 13:15〜13:30
静岡県立大学国際関係学部教授 伊豆見元
(15分) 13:30〜13:45
日本乗員組合連絡会議議長 川本和弘
(15分) 13:45〜14:00
○参考人に対する質疑
田村憲久(自民)
(30分) 14:00〜14:30
玄葉光一郎(民主)
(30分) 14:30〜15:00
赤松正雄(公明)
(15分) 15:00〜15:15
西村眞悟(自由)
(15分) 15:15〜15:30
佐々木睦海(共産)
(15分) 15:30〜15:45
保坂展人(社民)
(15分) 15:45〜16:00
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論説:審議打ち切りの時期ではない (前田哲男)
法案審議に幕引の動きが出てきた。特別委員会での質疑が始まったのが3月18日。委員会開催回数はまだ4回に過ぎない。各党3、4人ずつ質問に立って、ようやく論点が──問題点の大きさとともに──出揃った段階だ。にもかかわらず、早くも採決の日程が取り沙汰されている(4号2頁参照)。自民党は15日採決を提案した。月末の小渕首相訪米出発に間に合わせるためだという。論外である。審議は入り口に入ったばかりなのだ。とりあえず大声で採決の動きに異議を申し立てなくてはならない。
60年安保の際と比べてみよう。衆議院に設置された「日米安全保障条約等特別委員会」での審議は、60年2月13日に始まり、5月19日、自民党による強行採決をもって終了した。この間、委員会を開くこと39回。質問に立った委員は与野党38人。質疑時間は153時間に及んだ。今回はせいぜいその1〜2割。格段の違いだ。それでもなお、条約についての疑問点が解消されたとはいえず、同時に提案された「日米地位協定」に関しては質疑がほとんど行われることなく打ち切られたのである。その結果、“思いやり予算”や“低空飛行訓練”、“日米合同委員会の非公開性”など、恣意の運用を許すことになり、その弊害は今日まで続いている。
すでに明らかな通り、新ガイドライン=周辺事態法案は、安保条約に実質改訂に等しい。周辺事態や日本周辺地域という新概念、後方地域支援、船舶検査活動に見られる自衛隊の新任務が設定されたことでも、ガイドラインが安保を“下から作り替えた”のは疑問の余地がない。こうした改変をガイドラインという政府間実務取り極め=内閣の行政行為によってなしうるか──手続きにおける違憲性論議──も含め、徹底的に審議するのが立法府の努めであろう。さらに、これまでの審議であらわになった問題点に蓋をしたまま採決すれば、地位協定以上の自由裁量を許すことになる。新ガイドライン決定後とくに顕著になった米艦船の民間港湾・空港使用状況、いわゆる“先取り”にてらしても間違いない。
ここで審議の中から浮かび出た問題点、出なかった問題点をいくつかあげておこう。
1.【政府は「周辺事態」が安保条約のどの条文に根拠をおくものか明らかにできなかった】
自衛隊が国外で行動するさい、安保条約のどの条文に準拠するのか、5条なのか6条なのかについて政府は説明できず(どちらでもないからだが)、「安保条約の目的達成のため」とか「明記されていないからやってならないとはいえない」など、およそ法律解釈や法治国家にあるまじき答弁に終始した。この一点だけとっても法案審議は出直しである。
2.【日米地位協定2条4項bとの危険な接点が見えてきた】
予測されたことではあるが、新ガイドラインで約束された「新たな施設・区域の提供」「民間空港・港湾の一時的使用」を実現するには、この条項に根拠を求めるしかない(2−4−bについては1号、4号参照)。つまり周辺事態法案第9条で「地方公共団体」「国以外の者」に対する包括的義務(政府は「一般的義務」という)を課しておき、地位協定2−4−bを適用して新基地の収用を実現するのだろう。さらに「駐留軍用地特別措置法」再改正の動き(閣議決定された)もこれにからんでいる。再改正案によれば、土地や施設の所有者が提供を拒否しても、首相の代理裁決によって収用が可能になる、とされる。これと9条を利用すると個人や地方は手も足も出なくなる。
3.【周辺事態が「地方と民間事態」であることがますます明瞭になった】
新ガイドラインを読めばすぐにわかることだが、「後方地域支援」は自衛隊による国外活動だけにあるのではなく、「後方地域支援を行うに当たって、日本は、中央政府及び地方公共団体が有する権限及び能力並びに民間が有する能力を適切に活用する」のである。中央・地方・民間、いわば「国家総動員」とも言うべき態勢である。それを担保するために周辺事態法案第9条(と以後に続くはずの有事立法)があり、地方分権に逆行した「駐留軍用地特別措置法」再改正──土地収用権限の国家への吸い上げが予定されているのだろう。そのような構図が浮かび上がっているのに、国会審議ではそれらがほとんど解明されていない。
4.【水面下の“修正論議”が進んでいる】
これほど問題点をもちながら、委員会がたんたんと進み採決の日取りまで取り沙汰されている。正面から国民に向けて論戦をたたかわせるのではなく、国民に見えない場での話し合いによる修正で決着さようという動きであると言わざるを得ない。その修正のテーマも「周辺事態の定義」「国会承認の形」「船舶検査活動」などに限られていると報道されている。修正も話し合いは悪いことではない。国会はそのための場である。だが、委員会以外の場で修正話が進行し、国民に公開された委員会の場ではその進行状況が見えず、話し合いが決着した段階で委員会の質疑をその確認の場所とするという姿勢は、ことの重大さから考えても、また国民に開かれた政治という観点からも承服できることではない。
5.【反対意見書を採択する自治体が増えている】
そうした永田町の手法に危機感を抱いているのだろう。本紙各号にも掲載されている通り、自治体からの反対意見書、慎重審議要請、陳情は、国会審議開始後も増え続けている。市民団体、NGOによる反対集会や意思表示もいぜん衰えていない(たとえば『週刊金曜日』の「市民運動案内板」)。このような各地方の声を国会でのオープンで十分な議論に反映させていくことこそが、民主主義のルールと言えよう。
以後も以上の視点に立って速報を続けていきたい。
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資料: 初の「海上警備行動」現場指揮官の証言
3月24日、日本海の「不審船」に対して初発令された自衛隊法第82条に基づく「海上警備行動」で、海上自衛隊第三護衛隊群の護衛艦の行動を現場で指揮した三護群司令の吉川栄治海将補の3月26日の記者会見の内容が明らかになった。同行動発令時の対処法について防衛庁長官より「措置標準」というものが出されていること、不審船との交信は朝鮮語、英語、日本語でおこなわれたこと(3月24日午前8時の会見で、野呂田防衛庁長官は、「交信にハングルを使ったか」との問いに「重要な機密事項なので申し上げられない」と答えている)などが明らかになった。4月1日付「朝雲」紙より抜粋して再録する。
−−海上警備行動が発令された時の気持ち、艦内のムードは。
▼吉川栄治三護群司令
当初は通常の訓練ということで出港した。通常、不審船を見つけた場合、海保庁に通報することはいつもやってるし、監視等についても任務の中でやっており、とくに不安はなかった。私ども司令部も艦内の雰囲気も非常に冷静で、海自始まって以来の海警行動だということをあまり意識せずに冷静に対処できたと考えている。
−−不審船を追尾中、反撃を想定したか。
▼吉川
非常な高速で、我々も初めて遭遇したような船だった。ひょっとしたら反撃される可能性もなきにしもあらずと、乗員によく徹底した。上甲板からスケッチ、写真、ビデオ撮影の者については戦闘服装とヘルメットをかぶらせ万全の策をとった。
−−停止させるためにとった対応は。網を投入したという発表があったが、それ以外に何かやったことは。
▼吉川
海警行動発令時の「措置標準」というのが防衛庁長官から出されている。中身については差し控えるが、現場指揮官としては、その「措置標準」に基づき実施した。発光信号、無線等による停船命令、艦艇による警告射撃、P3Cによる対潜爆弾の投下、これらを繰り返し実施した。最後は網で船の行き足を止めるような方法も実施した。
−−停船させて立ち入り検査できなかったことについてどのように考えているか。
▼吉川
不審船舶を停船させてわが国の法令に服させるというのが私に与えられた任務だった。これを完遂することがベストであったことは言うまでもないが、権限の範囲内で適切な対応を実施すべく最大限の努力をしたと考えている。また、海警行動下令後は定められた措置標準に従い最善の処置を実施したと考えている。
−−不審船から反撃された場合、大砲で対処すると過剰防衛になるのか。小さい船に対して大きな船が大砲を撃つことは過剰防衛になるのか。現場指揮官としての所見は。
▼吉川
銃撃された場合、それを大砲で撃つというのは、私はやり過ぎではないかと。やはり比例の原則で対処する。銃撃には機関銃や小銃で、比例の原則に沿った形で対処していくべきと判断した。
−−警告射撃はどこをねらって撃ったのか。
▼吉川
それぞれ目標の前方に射撃した。百から数百ヤード前方だ。目標が非常に高速で逃走しており、変針変速、不規則な運動を繰り返すので射撃には非常に気を使った。比較的正確に自信を持って各艦は実施したと判断している。
−−射撃の判断はどの段階か。艦長の判断なのか。
▼吉川
部隊指揮官から「警告射撃を実施せよ」という令があった。それで措置標準に沿って実施した。
−−護衛艦「はるな」「みょうこう」で警告射撃の間隔が違うのは艦長の判断なのか、それとも群司令の判断なのか。ふだん訓練はどのようにやっているのか。
▼吉川
今回のように二隻同時に対処するというのは初めてだ。同じ時間に下令しているが間隔が違ったり開始の時刻が異なっているのは、警告射撃を実施する態勢を整えるためだ。いい位置からでないとチャンスを逃してしまう。射撃間隔については各艦ごと実施する停船命令の間隔だとか、目標の動静によってずれる。
−−停船命令は何語で行ったのか。
▼吉川
朝鮮語と英語、日本語を併用した。不審船からの信号は短く五回というのが一回あったが内容は分からない。
−−立ち入り検査の編成は何人で、指揮官はどのクラス、どんな装備を準備したか。
▼吉川
実際に実施していないので仮定として申し上げるが、人数は商船とか漁船タイプだとか、目標の対象によって違う。脅威の度合いによっても基準、装備は違う。今回はとくに示さなかったが、各艦それぞれ準備していたと思う。通常は砲雷長など2尉クラスを指揮官に十数人、武器は小銃、拳銃といった小火器を携行する。防弾チョッキは持っていなかった。海自の保有数が少ないので今後の課題になるだろう。我々は訓練で出たので、それを積む考えもなかった。今後は配慮すべきだろうと痛感した。
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論点整理:有事法制
3月24日の「不審船」への「海上警備行動」発動を受けて、政府は有事法制の整備について、慎重に言葉を選びながらも前向きな姿勢を見せ始めている。最近の政府答弁をいくつか挙げる。
●「(不審船に関する)今回の対応を踏まえて、必要があれば(法整備を)検討したい」:小渕首相、3月24日、衆議院本会議。
●「現実に法制化を図ることは高度の政治的判断にかかわる問題でありまして、今直ちに法制化することを考えておるわけではありませんが、政府としては、有事法制は重要な問題と認識しており、国会における御審議、国民世論の動向を踏まえて、適切に対処いたしてまいりたい・・・。(これまでの経緯の中では、有事法制を)「勉強することは結構だけれども法制化することは控える」という形で参りましたが、いろいろと新しい事態というものが起こってきておるわけでございます。そういった意味で、・・・直ちにそうしたことに着手するわけではありませんが、国民の生命・財産を守るためにいかなる措置を講ずるべきか、いろいろな事象に照らして考えることは、また対処すべきことは、政府としての責任かとも存じております」:小渕首相、3月26日、衆院ガイドライン特別委。
●「私としては、研究段階にとどまらず、その結果に基づき法制が整備されることが望ましいと考えている」:野呂田防衛庁長官、3月28日、防医大卒業式の訓示。
こうした中、「第4号」で紹介したとおり、3月31日の衆院ガイドライン特別委では、浅野勝人(自民)氏に対し小渕首相は、自衛隊法第76条(「防衛出動」:外部からの武力攻撃に際する自衛隊の行動の規定。)に関する研究は「第一、第二分類についてはかなり進んでいる」と述べ、「第三分類のグレーゾーンを詰める時期ではないかという意味合いを込めた答弁だと受けとめさせていただく」と浅野氏が応えている。
今号では、これら第一、第二、第三分類といった、有事法制検討の基礎について論点整理をおこなっておきたい。
(1)有事法制研究の出発点
防衛庁による有事法制研究は、1978年9月21日に同庁によって示された基本的姿勢を出発点としている。以下に全文を紹介する。
防衛庁における有事法制の研究について
(防衛庁統一見解、1978年9月21日)
1 現在、防衛庁が行っている有事法制の研究は、シビリアン・コントロールの原則に従って、昨年8月、内閣総理大臣の了承の下に、三原前防衛庁長官の指示によって開始されたものである。
2 研究の対象は、自衛隊法第76条の規定により防衛出動を命ぜられるという事態において自衛隊がその任務を有効かつ円滑に遂行する上での法制上の諸問題である。
現行の自衛隊法によって自衛隊の任務遂行に必要な法制の骨幹は整備されているが、なお残された法制上の不備はないか、不備があるとすればどのような事項か等の問題点の整理が今回の研究目的であり、近い将来に国会提出を予定した法の準備ではない。
また、最近問題となった防衛出動命令下令前に急迫不正の侵害を受けた場合の部隊の対応措置に関するいわゆる奇襲対処の問題は、本研究とは別個に検討している。
3 自衛隊の行動は、もとより国家と国民の安全と生存を守るためのものであり、有事の場合においても可能な限り個々の国民の権利が尊重されるべきことは当然である。今回の研究は、むろん現行憲法の範囲内で行うものであるから、旧憲法下の戒厳令や徴兵制のような制度を考えることはあり得ないし、また、言論統制などの措置も検討の対象としない。
4 この研究は、別途着手されているいわゆる防衛研究の作業結果を前提としなければならない面もあり、また、防衛庁以外の省庁等の所轄にかかわる検討事項も多いので、相当長期に及ぶ広範かつ詳細な検討を必要とするものである。幸い、現在の我が国をめぐる国際情勢は、早急に有事の際の法制上の具体的措置を必要とするような緊迫した状況にはなく、また、いわゆる有事の事態を招来しないための平和外交の推進や民生の安定などの努力が重要であることはいうまでもないが、有事の際における自衛隊の行動のための法制に係る研究も当然必要なことであり、むしろこの種の研究は、今日のような平穏な時期においてこそ、冷静かつ慎重に進められるべきものであると考える。
5 今向の研究の成果は、ある程度まとまり次第、適時適切に国民の前に明らかにし、そのコンセンサスを得たいと考えている。
(2)3つの分類と第1分類の検討
「防衛庁における有事法制の研究について」と題する防衛庁報告(1981年4月22日)では、「有事法制の研究については、その基本的な考え方を昭和53(1978)年9月21日の見解で示したところであり、現在、これに基づいて作業を進めている。」とした上で、研究の対象となる法令の区分として、次のように示している。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
研究の対象となる法令を大別すると、次のように区分される。
○防衛庁所管の法令(第1分類)
○他省庁所管の法令(第2分類)
○所管省庁が明確でない事項に関する法令(第3分類)
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その上で、「第1分類に属するものとしては、防衛庁設置法、自衛隊法及び防衛庁職員給与法があり、これらには有事の際の関係規定が設けられているが、これで十分かどうかについて検討する必要がある」とし、「第1分類についての問題点の概要」を4項目に分けて整理している。(『防衛白書』昭和56年版「資料33」に全文。)
(3)第2分類の研究
引き続いて発表された防衛庁報告「防衛庁における有事法制の研究について」(1984年10月16日)では、第2分類の検討内容が明らかされている。それによれば、「他省庁所管の法令について、現行規定の下で有事に際しての自衛隊の行動の円滑を確保する上で支障がないかどうかを防衛庁の立場から検討し、検討項目を拾い出した上、当該項目に関係する条文の解釈、適用関係について関係省庁と協議、調整を行った。」とした上で、次のように述べている。
「2 第2分類で検討した事項と問題点の概要
現行自衛隊法においては、他省庁所管の法令について、特例や適用除外の規定があり、自衛隊の任務遂行に必要な法制の骨幹は、整備されているが、今回検討した項目には、なお法令上特例措置が必要と考えられる事項もあり、また、法令上必要とされる特定行政庁の承認、協議等手続に係る事項も相当数含まれている。
特定行政庁の承認、協議等の手続は、有事に際しての自衛隊の行動の円滑を確保するため関係省庁の協力を得て迅速に措置されることが必要である。
自衛隊と他省庁との連絡協力については、自衛隊法第86条の関係機関との連絡及び協力の規定並びに同法第101条の海上保安庁との関係の規定によって、基本的枠組が整備されており、また、具体的な手続きに際して、手続きの迅速化を配慮するなど関係省庁の協力が当然得られるものと考えられるところである。」(以下略)
(4)有事立法「実務的準備ほぼ完了」と94年政府発言
以上のような経過を受け、94年の朝鮮半島緊張時には、官房長官が有事法制の実務的な準備がほぼ完了してることを明らかにした。しかしその内容は国民には明らかにされていない。第3分類について、どのような検討がどのような段階までなされているかは不明のままである。以下、94年5月2日付『朝日新聞』から要約抜粋する。
熊谷官房長官は94年5月1日、テレビ朝日の番組で以下のように語った。
朝鮮半島で軍事衝突が発生した場合の対応について「合意さえあれば、一気に危機管理体制を作ることはできる」「事態の推移を見て、国民に訴えて、政治の側も対応し直すことは必要だ。そのための素材はきちっとできている。」と述べ、政府として有事立法が必要になった場合の実務的な準備はほぼ完了していることを明らかにした。 「北朝鮮の問題は、大変な問題が極めて現実性を帯びて起こっているとの認識を持っている。」と危機感を強調。
有事立法の実現に向けた準備について「様々なシナリオに関して、備えをしておくことは当然で、検討していることは事実だ。」としながら、「平時にこれを出せば、日本の政治は大混乱する。」と、具体的な論議を公の場で行うことは困難だとの認識を示した。
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●巻末資料として、96年から98年の米主要軍艦の民間港への寄港状況全データを添付する。(ホームページには載りませんが、ファックスボックス831#でとり出せます)
(注)前号の「自治体協力」に関する内閣法制局長官の答弁について
「第4号」4頁1段目中の西川議員の質問に対する大森内閣法制局長官の答弁に「法律的には、協力することはこの法律に抵触するといえる。」という部分があるが、これは一つの文として読むと意味が解りにくいが、これは当方の傍聴メモにもとづいて作成したものである。審議から約2週間後に正式な議事録ができるので、それが発行されしだい追って確実なところをお知らせしたい。
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