■ 自治体と市民のための「ガイドライン法案」速報 第17号 1999年5月25日 発行:ピースデポ(平和資料協同組合)・ガイドライン法案プロジェクトチーム 監修:前田哲男、梅林宏道 編集:川崎哲、池田佳代 事務支援:緊急プロジェクト・スタッフ 予約・問合せ先:〒223-0051横浜市港北区箕輪町3-3-1日吉グリューネ102号ピースデポ TEL:045−563−5101 FAX:045−563−9907 Email: peacedepot@y.email.ne.jp Website: http://www.jca.apc.org/peacedepot/ ○予約者に無料で、ファックスまたは電子メールで一斉にお送りします。(宛名を明記しませんのでご注意ください。) ○平均して3日に1回、A4版3〜5ページ。 ○バックナンバーは、上記ホームページにアクセスするか、ファックスでとり出すこともできます。(03−3813−8180にダイアルし、ボックス番号800#でバックナンバー一覧、810# で最新号が入手できます。) ●掲載しきれなかった情報や、記事の原資料は事務所にあります。お問い合わせを。 ●各地での動きを紹介しますので、ぜひ情報を寄せてください。 ●プロジェクトを支えるカンパを募集します。 個人・小グループ:1口5,000円、自治体・団体:1口10,000円 郵便振替:00280-0-38075 加入者名「平和資料協同組合」 ※「ガイドラインカンパ」と明記を。 銀行口座:横浜銀行日吉支店 普通 1216616 「平和資料協同組合」 ● ピースデポでは、この速報を引き継ぐメディアの発行の実現可能性を検討して います。今後の情報提供についてのアンケートにご協力ください。
【ガイドライン法成立にさまざまな反応】(1)基地などを抱える自治体首長のコメント○岡崎洋神奈川県知事:「国と意見交換をおこなったが、協力にあたっての手続き、期間、程度など、具体的な内容は明らかにされなかった。今後、解説文書やマニュアルの作成を早急に進めるなど、懸念を速やかに解消するよう求める」 (2)地方議員ネットワークの宣言○全国の地方議員と市民ら約600人でつくる「非核自治体全国草の根ネットワーク」(代表世話人:西田勝・元法政大教授)は24日、ガイドライン関連法に対する「不服従・非協力宣言」をするよう全国の自治体や個人、団体に呼びかける文章を発表した。呼びかけ文は、米軍の「後方支援」を行うことで、日本は「客観的に『交戦国家』となる」と指摘したうえで、市民が「不断の努力」で憲法的権利や自由を保持することをうたった憲法12条に基づき、9条を守るために関連法には服従せず、後方支援に協力しないことを宣言するよう求めている。 (3)航空11社、安全確保要請○日本航空、全日空、日本エアシステムなど日本の航空会社11社で組織する定期航空協会は24日声明を発表し、「運航の安全の確保に、国は万全を期すよう強く要望する」、「民間業者に対する協力依頼は強制力を伴わないとされているほか、不測の事態が起こり得ない状況においてのみなされると認識している」、輸送協力には(1)航空法に抵触しないこと、(2)運航の安全性が確保されること、(3)関係国から敵視されることのないこと−−が大前提とした。 (4)中国全人代、「地域の平和に脅威」と談話○中国全国人民代表大会外事委員会責任者は25日、次のような談話を発表した。 【ガイドライン法案審議を振り返って】(川崎哲) これまで約2ヶ月半、ガイドライン法案の国会審議とこれに呼応した各地の動きを追いながら本速報を編集してきた立場から、見えてきた問題点を列挙して総括にかえたい。 (1)「国民に見えない国会」の危険 毎回の委員会審議を傍聴して、公開されている最新の情報に接していても、審議の行方をはかることはできなかった。重要な案件のほとんどが、傍聴することのできない理事会や、さらには理事数名による非公式協議によって進められ、決められていたからである。 (2)地方の問題としてのガイドライン 周辺事態法9条で自治体協力の規定があることなどから、各地方議会で関連法案への反対や慎重審議を求める意見書が次々に採択されていったのが今回の安保論戦の特色の一つであった。反対・危惧を表明した自治体は少なくとも全国で215にのぼった(第14号)。港湾の非核化を求める高知県などでの条例化の試みが、「安保・外交は国の専権事項」とする政府の論理により挫折を強いられてきたことは記憶に新しいが、今回のガイドライン論戦は逆に「安保・外交は地方の問題」との側面を浮き彫りにした。統一地方選挙が終わって法案が衆院を通過し、マスコミが「成立はほぼ決定的」と報じるようになった後もこの動きは止まらず、次々と新しい地方議会が意見書を採択していったことは注目に値する。 (3)日米協議の機密性が最大の問題 審議の中で未消化に終わった部分を挙げればきりがないが、最大の問題は日米防衛当局間の協議内容の公開要求がいっさい拒絶されたことであろう。 (4)地域安全保障の議論の空白 最後に、参院で審議がおこなわれていた期間、私はオランダのハーグで開催された国際市民平和会議に参加する機会を得たが、分科会の一つで、韓国の平和活動家が日米新ガイドラインとその立法化を地域安全保障への脅威としてとらえ、名指しで非難をしていた事実を指摘したい。それは、アジア太平洋地域で「人間の安全保障」を構想するとき、日米新ガイドラインがまずその阻害要因になるという議論であった。 【今後注目すべき政府・国会の動き】 ガイドライン関連3法が成立したことで、政府や国会の動きがこれで終わったわけではなく、今回の法成立を受けてさらに新たな動きがすでに進行し、また、準備されていることに留意する必要がある。注目すべき動向として、主な点を4つ挙げる。 (1)船舶検査活動の立法化 修正協議の中でガイドライン関連法から削られた船舶検査活動の立法化に向けて、自民、自由、公明の3党は協議を進めている。最大の焦点は警告射撃を認めるかどうかという点で、各党は次のように主張している。 (2)自治体・民間協力マニュアル 周辺事態法9条の自治体・民間協力の項目は、その内容が不明確であることから、関連法案審議の最大の問題点の一つであった。2月3日には、内閣安全保障・危機管理室(内閣安危室)、防衛庁、外務省の3省庁連名による10項目の「協力項目例」が示されたが、これは単なる項目の羅列にすぎなかった。その後4月26日、衆議院の特別委員会理事会において、新たに1項目を加えるとともに各項目について数行ずつの説明を加えた11項目の「協力項目例」の文書が提出された(第10号に全文)が、この文書が政府統一見解なのかさえはっきりとしないまま審議は終了してしまった。いっぽうで新ガイドラインはその別表において、後方地域支援にあたって中央政府、地方自治体および民間が協力すべき内容を40項目にわたり掲載している。政府の示した11項目について、防衛庁は「米側のニーズを踏まえたもの」と答弁し、内閣安危室長は「具体的になるといろいろ出てくるかもしれない」と述べている。 (3)自衛隊法のさらなる改定の動き 3月24日の日本海の「不審船」事件は、ガイドライン立法審議を加速させたが、これに付随して自衛隊の任務の追加や強化を求める議論が出てきた。国会で具体的に言及されたのは、(1)自衛隊に「領域警備」という新たな権限を付与する、(2)相手が反撃してこない限り武器は使用できないとする現行の武器使用基準(警職法7条に準拠)を見直す、(3)「警戒監視活動」を自衛隊法に明記する、といった点である。(1)と(2)について政府は「かねてからの研究課題」と答弁し、(3)について首相は「防衛庁での検討結果を待ちたい」と答弁している。また、(2)に関して防衛庁は、自衛隊が海上警備行動をおこなう際に、停船命令を拒否した船舶に対して撃沈しない範囲内で船体への射撃を実施する方針を固め、船体射撃についてのマニュアルづくりに着手したと報じられている。 (4)有事立法への踏み込み やはり「不審船」事件の「追い風」を受ける形で、国会内で多くの議員が有事法制の整備を訴えた。「本来的には、周辺事態への対応の議論よりも日本有事への対応の整備がはじめにあるべきだ」との論調も多く見られた。これらの議論に対して首相は、「今直ちに法制化を考えているわけではないが、有事法制は重要な問題と認識しており、国会審議や世論の動向を踏まえて適切に対処したい」と述べ、「研究はするが法制化段階ではない」との従来の立場から一歩踏み込む姿勢を見せた。防衛庁長官は、個人的見解としながらも「研究段階にとどまらず法制整備が望ましい」と明確に述べている(第5号に詳報)。今後の政府および有事法制推進論派議員の動向を注視する必要がある。 【お知らせ=緊急制作ビデオ=「あなたのまわりに周辺事態!?
とっても危険な日米新ガイドライン」】
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