| 日本提出作業文書(抜粋) NPT/CONF.2005/PC.II/WP.15 2005年NPT再検討会議準備委員会 第2回 2003年4月28日−5月9日、ジュネーブ 2003年5月6日 T概観 1.(NPTの重要性) 2.(2005年に向けた再検討プロセス) 3.(日本の非核三原則) 4.(日本とIAEA保障措置協定) U核軍縮 5.NPTは、核不拡散と核軍縮の両方を追求している。大多数の国々が核兵器の保有を放棄しているという事実は、核不拡散体制を強化しようとする国際的な努力にとって画期的なことである。核兵器国は、この達成を真摯に受け止めるべきである。これに関連して想起すべきなのは、1995年のNPT無期限延長決定が、核軍縮の促進を含んだ「原則と目標」決定の合意と一緒になったパッケージの不可分の一部であるとういうことである。非核兵器国の側におけるそのような断固たる決意に対応して、核兵器国もまた、核軍縮に向けた明確な前進を示さなければならない。 6.可能な早期において、国際社会は、核兵器のない平和で安全な世界を実現しなければならない。核兵器国が、核軍縮諸措置を強化、継続していくことが肝要である。核兵器が使用される可能性が拡大しつつあることに対する懸念が、近年ますます頻繁に表明されるようになった。日本は、唯一の被爆国として、核の惨禍が再び繰り返されることのないよう、強く要請してきた。核使用のしきいは可能な限り高く保たれなくてはならない。こういった傾向の中で、日本は、国際社会が、恐ろしい、長期にわたる核兵器使用の結果についてよく知り、記憶に留めておくべきであると考える。 7.締約国、とりわけ核兵器国が、2000年再検討会議で合意された核軍縮諸措置の履行の前進に誠実に努力することが必要である。2000年来の国連総会において、日本は「核兵器完全廃棄への道程」と題する決議を提出してきた。この決議は、2000年再検討会議での合意に基づいて、核兵器完全廃棄を達成するためにとられるべき具体的諸措置を明示したものである。同決議はまた、核軍縮と核不拡散の現状を反映したものであり、核軍縮の前進を国際社会に強く訴えたものであった。 A.包括的核実験禁止条約(CTBT) 8.包括的核実験禁止条約(CTBT)は、核兵器の広がりや核兵器の質的改良を制限しており、核軍縮と核不拡散の促進の歴史的な標石である。CTBTは、国際原子力機関(IAEA)の保障措置と共に、NPT体制の主要な柱の一つとしての重要な役割をもっており、核兵器のない世界の実現に向けた実際的かつ具体的な措置である。にもかかわらず、1996年の採択以来、6年以上を経過して、CTBTはいまだに発行していない。このように前進がないことは、核軍縮と核不拡散の将来の確実性を弱めており、NPT体制が否定的な影響を受けることが懸念されている。 9.2001年の第2回CTBT発効促進会議の最終宣言に応えて、CTBTにいまだ署名ないし批准していない国々、とりわけ批准が条約の早期発効に必要とされている国々は、可能なもっとも早い時期に署名ないし批准することが強く求められている。同時に、CTBTOで、国際監視制度(IMS)など核実験禁止体制を確立するための努力が継続されることが重要である。また、このような体制の確立のために必要な予算が確保されることが重要である。 10.日本は、CTBTの早期発効が非常に重要であると考えており、その目的のために積極的にとり組んできた。国際監視制度(IMS)構築のための努力の一環として、昨年、日本は国内の監視施設の建設に着手し、日本のCTBT運用システムを設立した。 11.2002年11月14日、川口順子外務大臣は、オーストラリア、オランダの外相と共に、CTBTフレンズ外相会合を開催した。CTBT批准国の外相がニューヨークに集まり、外相共同声明を発表した。この声明は、可能な限り早期のCTBTの署名・批准を求めたものであった。今日まで、50カ国以上の国々の外相がこの共同声明に加わっている。日本は、2003年9月に予定されている第3回CTBT発効促進会議を視野に、さらに多くの国々がCTBTに署名・批准することを強く希望する。 12.日本は、CTBTが発効するまでの間、核爆発実験のモラトリアムを継続するという政治的意思をすべての国々が継続すべきであると考える。また、国連安保理が、決議1172(1998年)の第3節において、その2カ国のみならず、すべての国に対して、CTBTの条項に従って、いかなる核兵器の爆発実験も他のいかなる核爆発も行わないよう要求するとしたことが想起されなければならない。 B.核分裂性物質カットオフ条約(FMCT) 13.2000年NPT再検討会議の結論にもかかわらず、軍縮会議(CD)が核分裂性物質カットオフ条約(FMCT)の交渉をいまだ開始していないことはきわめて遺憾である。FMCT交渉は、遅滞なく開始されなければならない。核兵器国を含むすべての国々が、FMCTが発効するまでの間、核兵器用の核分裂物質の生産モラトリアムを継続する政治的意志を維持しなければならない。(略) 14.CDの作業計画における合意達成、およびFMCT交渉の早期開始を最優先事項と考える日本は、現在のCDの行き詰まりを打開するために最大限の努力を払っている。猪口邦子軍縮大使もまた、CDでのスピーチの中で、FMCT交渉の早期開始の重要性を繰り返した。FMCT交渉の早期開始の促進に向けた努力の一環として、2003年3月、日本はジュネーブで「多国間における軍備管理条約の検証促進」と題するワークショップを開催した。 C.米国とロシアによる核兵器の削減 15.日本は、核兵器国によって達成された核兵器削減における進展を歓迎する。これらの進展には、STARTIに従った戦略的攻撃兵器削減の完全履行、一方的削減諸措置、そして、さらなる核軍縮に向けた一歩となる、戦略的攻撃力削減に関するアメリカ合衆国とロシア連邦の間の条約への署名などが含まれる。 16.日本は、米国とロシアが署名した戦略的攻撃力削減に関する条約を、米ロがすでにそれぞれ宣言していた戦略的核兵器の削減を、法的拘束力をもった形で保証するものとして高く評価する。そして、ロシアによる批准が米に続いて遅滞なく行われ、条約がすみやかに発効することを希望する。日本は、他の核兵器国が、米ロが約束した削減の履行を待つことなく、一方的または交渉によって、それぞれの保有核のいっそうの削減を約束することを期待する。 D.非戦略核兵器 17.2002年再検討会議での合意に基づき、非戦略核兵器を保有するすべての国々が、透明性を維持しつつ、それらの削減のための諸措置をとることが肝要である。非戦略核兵器の削減は、地域的および国際的な安全保障、また核不拡散とテロ防止にとって極めて重要である。加えて、日本は、米国ならびにロシアが、1991年−1992年の宣言どおり、両国の非戦略核兵器を完全にかつ自発的に削減するというイニシアティブを履行し、またそれらのイニシアティブの履行状況に関するデータを提供するよう望む。 E.旧ソ連の非核化支援 18.日本は、実際的で具体的なステップを一歩一歩進んでいくことが、核兵器のない平和で安全な世界を、可能な早期において実現するための唯一の方法であると考える。よって、日本はこれまで以下のような実際的な措置を積極的にとってきた。 19.2002年6月、日本は当面の措置として2億ドル強の資金貢献をすると発表した。そのうち1億はロシアの余剰兵器プルトニウムの処分計画に、残りは原子力潜水艦の解体などのプロジェクトに充てられる。日本は、すでにロシアに対して、液体放射性廃棄物処理施設を供与した。日ロ両国は、現在、ビクターV級退役原潜の解体プロジェクトを実施している。日ロ両国の研究所による共同研究プログラムも、約20キログラムの兵器級プルトニウムの処分に成功した。 (国際科学技術センター(ISTC)) 20.1992年、日本は、「国際科学技術センターを設立する協定」に署名した。1994年3月にロシアにISTC事務局が開かれてから、日本は積極的にこのプロジェクトを支援している。 F.報告 21.2000年再検討会議の最終文書で合意された13項目の実際的措置の一項目であるNPT第6条の履行に関する報告をすべての締約国が提出することは、核軍縮に向けた重要な一歩である。日本は報告の具体的方法が継続して議論されるべきであると考える。とりわけ、核兵器国による核軍縮の履行の前進と将来の政策についての報告を確保することが必要である。 III.不拡散 A.NPTとIAEA保障措置への 誓約の強化 22.(IAEA保障措置と追加議定書の発効促進) 23.(IAEA追加議定書普遍化へ向けた日本 の取り組み) 24.(IAEA保障措置に関する国際会議) 25.(追加議定書普遍化の重要性) 26.(先進的な原子力技術保有国の責任) 27.(イラン) B.ロシアの余剰兵器プルトニウムの 管理と処分 28.(余剰プルトニウムの危険性と日本の貢献) C.輸出制限 29.(国際的な輸出制限の枠組み) 30.(日本のとり組み) 31.(核物質の運搬手段の拡散防止) D.核テロに対する措置 32.(国際社会の協力の重要性) 33.(核テロ対策におけるIAEAの役割) 34.(追加議定書の役割) IV.核エネルギーの平和利用 35.(核エネルギーの平和利用の意義) 36.(IAEA保障措置の遵守) 37.(電力以外の分野での利用) 38.(安全な放射性物質の運搬) V.普遍性と不遵守 A.普遍性 39.(キューバ、インド、パキスタン、イスラエル) 40.(東チモール) B.不遵守 41.NPT遵守についての諸問題に関して、日本にとっての強い懸念は北朝鮮のとっている手段である。NPTのような多国間軍縮条約の信頼性が侵食されることは、いかなる締約国にとっても利益にならない、と日本は確信する。 42.今日の国際社会は、安全保障問題に関し、多くの不確定さ、困難さに直面している。この中で、日本は、具体的行動によって不確定さを減らし相互信頼を増幅させながら国際社会に協力するという政治的意志を示すよう、北朝鮮に対し強く要請する。日本は、北朝鮮による核兵器の開発、移転、取得、保有を容認することは決してできない。日本は、北朝鮮に対し、NPTに基づくすべての義務およびIAEA保障措置協定に基づく義務を遵守するよう、また、核関連施設を再凍結し、すべての核兵器プログラムを検証可能な、不可逆的な方法で即時に廃棄するよう、強く要請する。 43.日本は、2003年4月23−25日に北京で開催された三者協議での中国の重要な役割などを含めた、関係各国の努力を歓迎する。現在、日本は、この会合の結果を注意深く分析しているところである。日本は、この問題が、日本や韓国といった関係各国の早期参加の実現と合わせて、多国間の枠組みの中で継続して対処されるべきであると考える。(略) 44.(イラク問題) VI.非核地帯と消極的安全保証 A.非核地帯 45.日本は、地域の関係国間で自由意志によって達成された制度に基づいて、また、そのような地帯の設立が地域の安定性と安全保障に貢献するとの条件の下で、非核地帯の設立を支持する。とりわけ、日本は、中央アジア諸国が非核地帯を設立する努力を行い、核テロの防止に貢献していることを評価する。 46.(中央アジア非核地帯) B.消極的安全保証 47.国連安保理決議984(1995年)および関連する核兵器国の宣言に基づく、NPTの非核兵器国に対する安全の保証に関して検討し議論することは重要である。この観点から、日本は、消極的安全保証に関する特別委員会を設立することを含む作業プログラムがCDで合意されるとの意見を支持する。 VII.市民社会および将来の世代 との対話の強化 48.(若手および市民社会からの支援、理解の重要性) 49.(軍縮・不拡散教育の重要性) 50.(国連軍縮フェロー) 51.(日本での毎年の軍縮会議) 52.(NGOとの対話の重要性) (訳:ピースデポ) |
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