| 日本提出作業文書(抜粋) NPT/CONF.2005/PC.III/WP.11 2005年NPT再検討会議準備委員会 第3回 2004年4月26日−5月7日、ニューヨーク 2004年4月28日 1.概観(略) 2.核軍縮 NPTは、核不拡散と核軍縮の両方を追求している。大多数の国々が核兵器の保有を放棄しているという事実は、核不拡散体制を強化しようとする国際的な努力にとって画期的なことである。核兵器国は、この達成を真摯に受け止めるべきである。これに関連して想起すべきなのは、1995年のNPT無期限延長決定が、核軍縮の促進を含んだ「原則と目標」決定の合意と一緒になったパッケージの不可分の一部であるということである。非核兵器国の側におけるそのような断固たる決意に対応して、核兵器国もまた、核軍縮に向けた明確な前進を示さなければならない。 可能な限り早期において、国際社会は、核兵器のない平和で安全な世界を実現しなければならない。核兵器国が、核軍縮諸措置を強化し、継続していくことが肝要である。核兵器が使用される可能性が拡大しつつあることに対する懸念が、近年ますます頻繁に表明されるようになった。日本は、唯一の被爆国として、核の惨禍が再び繰り返されることのないよう、強く要請してきた。日本は、これを回避するためにあらゆる努力が払われなければならないと確信する。核使用のしきいは可能な限り高く保たれていなければならない。こういった傾向の中で、日本は、国際社会が、恐ろしく且つ、長期にわたる核兵器使用の結果についてよく知り、記憶に留めておくべきであると考える。 締約国、とりわけ核兵器国が、2000年再検討会議で合意された核軍縮措置の履行の前進に誠実に努力することが必要である。2000年来の国連総会において、日本は「核兵器完全廃棄への道程」と題する決議を提出してきた。この決議は、2000年再検討会議での合意に基づいて、核兵器完全廃棄を達成するためにとられるべき具体的諸措置を明示したものである。同決議はまた、核軍縮と核不拡散の現状を反映したものであり、核軍縮の前進を国際社会に強く訴えたものであった。 (1)包括的核実験禁止条約(CTBT) 包括的核実験禁止条約(CTBT)は、核兵器の広がりや核兵器の質的改良を制限しており、核軍縮と核不拡散の促進の歴史的な道標である。CTBTは、国際原子力機関(IAEA)の保障措置と共に、NPT体制の主要な柱の一つとしての重要な役割を持っており、核兵器のない世界の実現に向けた実際的かつ具体的な措置である。CTBTの普遍化に向けた努力は、1996年の採択以来7年間で、171カ国の署名および112カ国の批准という結果をもたらした。しかしCTBTはいまだに発効しておらず、したがって、核軍縮と核不拡散の将来の確実性を弱めており、NPT体制が否定的な影響を受けることが懸念されている。 日本は、CTBTの早期発効が非常に重要であると考えており、その目的のために積極的に取り組んできた。CTBTにいまだ署名ないし批准していない国々、とりわけ批准が条約の早期発効に必要とされている国々に対して、可能な限り早期に署名ないし批准するよう、2国間協議の機会および多国間会議で積極的に呼びかけてきた。CTBT早期発効の重要性を強調した前述の日本提案国連決議は、2003年の第58回国連総会において、圧倒的多数の賛成投票によって今一度採択された。川口順子外務大臣は、直々に強い働きかけを行うべく、2003年9月に開催された第3回CTBT発効促進会議に出席した。 第3回CTBT発効促進会議の最終宣言に応じて、CTBTにいまだ署名ないし批准していない国々、とりわけ批准が条約の早期発効に必要とされている12カ国は、可能な限り早期に署名ないし批准を行うよう強く求められる。 また、CTBT機関準備委員会において、国際監視システム(IMS)などの核実験禁止検証体制を確立するための努力が継続されることが重要である。また、このような体制の確立のために必要な予算が確保されることが重要である。IMS確立の一環として、日本のCTBT国内運用体制の管理下において、国内の監視施設の建設が着々と進められている。 CTBT機関準備委員会日本政府代表部の高須幸雄大使は、2004年の準備委員会議長に選出され、CTBT早期発効に向けてあらゆる努力を払っている。 日本は、CTBTが発効するまでの間、核爆発実験のモラトリアムを継続するという政治的意思をすべての国々が継続すべきであると考える。また、国連安保理が、決議1172(1998年)の第3節において、すべての国に対して、CTBTの条項に従って、いかなる核兵器の爆発実験も他のいかなる核爆発も行わないよう要求するとしたことが想起されなければならない。日本は、いかなる核兵器の爆発実験も行わないよう、繰り返しすべての国に強く要請する。 (2)核分裂性物質カットオフ条約(FMCT) 2000年NPT再検討会議の結論にもかかわらず、軍縮会議(CD)が核分裂性物質カットオフ条約(FMCT)の交渉をいまだ開始していないことはきわめて遺憾である。FMCT交渉は、遅滞なく開始されなければならない。核兵器国を含むすべての国々が、FMCTが発効するまでの間、核兵器用の核分裂物質の生産モラトリアムを継続する政治的意思を維持しなければならない。(略) FMCTに関する交渉開始への具体的な貢献として、日本は、FMCTの実質的な内容に関する問題について議論を深め、また、交渉の早期開始を促進するために、2003年8月14日のCDにおいてFMCTに関する作業文書を提出した。 日本は、CDにおける作業プログラムに関する合意の達成と、それによるFMCT交渉の早期開始の実現を最優先事項と見なしている。日本は、現在のCDの行き詰まりを打開するために最大限の努力を払っている。CDの議長を務めた2003年8月18日から12月31日までの期間、この目的に向けた日本の努力は倍化された。この期間内の9月4日には、川口順子外務大臣がCDを訪れ、FMCT交渉を開始することの必要性および緊急性を強調しながら、CDにおいて実質的な議論が早期に再開されるよう訴えた。 (3)核兵器国による核兵器の削減 日本は、核兵器国によって達成された核兵器削減における進展を歓迎する。これらの進展には、STARTIに従った戦略的攻撃兵器削減の完全履行、一方的削減諸措置、そしてさらなる核軍縮に向けた一歩となる、戦略的攻撃力削減に関するアメリカ合衆国とロシア連邦の間の条約への署名などが含まれる。 日本は、米国とロシアが署名した戦略的攻撃力削減に関する条約を、米ロがすでにそれぞれ宣言していた戦略的核兵器の削減を、法的拘束力をもった形で保証するものとして高く評価する。日本は、米ロが約束した削減の履行を待つことなく、すべての核保有国が、保有核兵器を削減し、一方的または交渉によって、それぞれの保有核のいっそうの削減を約束することを期待する。これに関連して日本は、そのような手段をこれまでにとっていない核保有国が、核兵器の削減を直ちに始めることを希望する。 (4) 戦略核兵器 2002年再検討会議での合意に基づき、非戦略核兵器を保有するすべての国々が、透明性を維持しつつ、それらの削減のための措置をとることが肝要である。非戦略核兵器の削減は、地域的および国際的な安全保障、また核不拡散とテロ防止にとって極めて重要である。加えて、日本は、米国ならびにロシアが、1991年−1992年の宣言どおり、両国の非戦略核兵器を完全かつ自発的に削減するというイニシアティブを履行し、またそれらのイニシアティブの履行状況に関するデータを提供するよう望む。 (5)旧ソ連の非核化支援 日本は、実際的で具体的なステップを一歩一歩進んでいくことが、核兵器のない平和で安全な世界を、可能な早期において実現するための唯一の方法であると考える。よって、日本はこれまで以下のような実際的措置を積極的にとってきた。 2002年6月、日本はG8グローバルパートナーシップのために2億ドル強の資金貢献をすると発表した。そのうち1億はロシアの余剰兵器プルトニウムの処分計画に、残りは原子力潜水艦の解体などのプロジェクトに充てられる。 (原子力潜水艦) 日本は、すでに、ロシアに対して液体放射性廃棄物処理施設を供与した。2003年12月、日本とロシアは、ビクターIII級退役原潜の初の解体プロジェクトに着手した。これは今秋までに完了する予定である。 (ロシアの余剰兵器級プルトニウムの管理と処分)(略) (国際科学技術センター(ISTC))(略) (ロシア以外の旧ソ連国に対する支援)(略) (6)報告 2000年再検討会議の最終文書で合意された13項目の実際的措置の一項目であるNPT第6条の履行に関する定期報告をすべての締約国が提出することは、核軍縮に向けた重要な一歩である。 第1回準備委員会よりも多くの報告書が第2会準備委員会において提出され、透明性の強化に寄与したことは、勇気付けられる事実である。日本は、第1回ならびに第2回準備委員会において包括的な報告書を提出した。日本は、この傾向が今後も続き、さらに強化されることを希望する。報告の具体的方法が継続して議論されるべきであると考える。 日本は、すべての国家、とりわけ核保有国が、核軍縮に向けた努力に関する報告の作成を進めることを期待する。 3.不拡散 (1)NPTとIAEA保障措置への誓約の強化(略) (2)輸出制限(略) (3)核テロに対する措置(略) (4)アジアの核不拡散協力における日本の推進努力(略) 4.核エネルギーの平和利用(略) 5.普遍性と遵守(略) (1)普遍性(略) (2)遵守 (北朝鮮) NPTおよび他の関連する多国間条約の信頼性が損なわれることは重大な懸念事項であり、いかなる国にとっても決して利にはならないと強く確信する。こうした観点から、日本は、北朝鮮の不遵守について深く憂慮する。 北朝鮮は、公式にも非公式にも、核兵器を開発し、あるいはすでに保有していると表明ないし暗示してきた。北朝鮮が追求する核計画は、日本の国家の安全に対する直接的な脅威である。それらはさらに、北東アジアの平和と安定を脅かし、国際的な不拡散体制に対する重大な挑戦となっている。 こうした観点から、日本は次の立場を明らかにしており、これらを受容するよう長い間北朝鮮に求めてきた。 −北朝鮮による核兵器の開発、取得あるいは保有、実験ないし運搬は決して許容されない。 −北朝鮮は、NPTの下におけるすべての義務を遵守し、したがって、IAEA保障措置協定の義務も遵守しなければならない。 −北朝鮮は、完全、検証可能、不可逆的な方法によって、秘密裏のウラン濃縮計画を含む、すべての核計画を速やかに廃棄しなければならない。 北朝鮮は、今日までこれらの目標に従う姿勢をほとんど示していないが、6カ国協議などの外交手段を通じて北朝鮮の核問題を平和的に解決するために、日本は最善を尽くす努力を続ける覚悟である。しかしながら、北朝鮮は迅速に決定を下し、国際社会の要求に対し積極的に応えなければならない。 (イラン)(略) (リビア)(略) 6.非核兵器地帯と 消極的安全保証 (1)非核兵器地帯 日本は、地域の関係国間で自由意志によって達成された制度に基づいて、また、そのような地帯の設立が地域の安定性と安全保障に貢献するとの条件の下で、非核地帯の設立を支持する。 (略) (2)消極的安全保証 国連安保理決議984(1995年)および関連する核兵器国の宣言に基づく、NPTの非核兵器国に対する安全の保証に関して検討し議論することは重要である。この観点から、日本は消極的安全保証に関する特別委員会を設立することを含む作業プログラムがCDで合意されるとの意見を支持する。 7.市民社会および将来の世代 との対話 (略) (訳:石田恭子、ピースデポ) |
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