マレーシア決議案への林暘軍縮大使の態度表明

国連第一委員会にて、1997年11月


 議長、ありがとうございます。

 「核兵器による威嚇とその使用の合法性に関する国際司法裁判所(ICJ)の勧告的意見」と題する文書A/C.1/521.37の決議草案についての日本の立場を説明したいと思います。

議長。

 以前にも説明しました通り、悲しむべき被曝体験を持つ日本は、比類のない人間の苦しみを生み出す核兵器が、二度と使用されることがないよう心から望んでおります。そして、核兵器のない世界に向かってたゆみない努力がなされるべきであると固く信じるところであります。

 人類に対する破壊と死傷をもたらす核兵器の巨大な破壊力ゆえに、核兵器の使用は、国際法に思想的な基礎を与えている人道の精神に明らかに反するものであると、日本は信じます。

 この決議草案が述べているICJの勧告的意見は、問題の複雑さを示しています。したがって、私たちはこの勧告的意見が、核兵器の使用についての国際社会の法的見解にもたらす意味あいについて、注意深く吟味したいと思います。

 核軍縮を追求し、それに関する交渉を誠意をもって締結する義務が存在しているというICJの裁判官たちの一致した意見を、私たちは支持します。核不拡散と核軍縮の分野でたゆみない一歩一歩の前進をかちとるために具体的な措置をとらなければならないということを、日本は固く信じるものであります。

 これとの関連におきまして、私たちは次のように信じています。つまり、この草案が求めているように核兵器禁止条約の締結にいたる交渉を1998年中に始めるというのではなく、1995年に採択された「核不拡散と核軍縮のための原則と目的」が述べているとおり、国際社会はカットオフ条約についての交渉をできるだけ早く開始することがもっと重要であります。カットオフ条約こそは、包括的核実験禁止条約が成功裡に締結されたのにつづくべき現実的措置であります。

 このような理由から、日本は全体としての決議草案L.37を支持することはできません。

 議長、ありがとうございました。



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