|
||||||||
| ASEAN地域フォーラム(ARF)への手紙 ASEAN事務総長オン・ケンヨン殿 ARF参加国外務大臣殿 第10回ARFについて 事務局長及び各国外務大臣殿。 私たちは、PCDS(太平洋軍備撤廃運動)を代表してお手紙を差し上げています。PCDSは、過去18年間にわたり、アジア太平洋地域の平和のために活動してきた調査、情報、相互支援のネットワークです。この手紙は、ASEAN事務局長、及び6月18日にカンボジア王国で開催される第10回ARFに出席する予定のすべての国と国家グループの外務大臣に宛てました。 PCDSはARFの活動に強い関心を持ち続けています。ARFは、大きな変化を遂げつつあるこの地域の安全保障問題に関する唯一の高レベルの政治的協議体であるからです。最近のさまざまな事件を考えるとき、ARF過程はとりわけ重要になっています。世界中で国家間や国内の深刻な抗争や武力紛争が起き、強国の軍事力による「解決」への依存が増している時にあって、ARFは非軍事的な安全保障の組織を象徴しています。その意味において、第10回ARFはこの歴史的な好機を捕らえ、その有効性を十分に強化し、世界に対して非暴力的な国際関係のモデルの役割を果たすべきであると、私たちは信じます。世界は、人間の安全保障を−−妨げるのではなく−−築くための積極的な方法を心から必要としているのですから。このようなリーダーシップは、近年のASEAN自身の考察において強調されている「ASEANのイメージの強化」に、大いに役立つことでしょう。 私たちのこれまでの手紙からお分かり頂けるように、PCDSはコミュニティ・レベルの活動に深く関与している幅広い地域的平和ネットワークの観点から、ARFの発展をつぶさにフォローして参りました。2002年のARFに関する私たちのレポート「『テロとの戦争』が2002ARFを支配」(2003年5月)を同封します。 これまで毎年のARFに対して、PCDSは多くの項目の勧告リストをお送りしてきました。今年は、私たちはアジア太平洋の安定にとって死活的に重要であり、かつARFが重要な影響力を発揮しうる一つの重要な問題−−つまり朝鮮半島問題に集中したいと考えています。具体的には、次の通りです。 私たちは、ARFが、東北アジア諸国間、及び彼らと中国、ロシア、米国などの関係国との間の建設的な対話を発展させる仲介役を果たすように、来るべきARFを最大限に活用するよう、ASEANの指導者たちに要求します。ARFはアジア太平洋地域の安保問題を専門に扱う唯一の多国間フォーラムであり、すべての当事国が参加しているからです。 北朝鮮の秘密核兵器開発計画に関する米国の報告、その後の北朝鮮のNPT脱退宣言など、2002年の10月以来、この地域の安全保障上の風景を一変させるような、さまざまな出来事が起こりました。北朝鮮の行動は極めて問題でありますが、一方で米国の北朝鮮に対する敵視政策の継続は、不安定な現状をより悪化させています。 歴史的に見ると、ARFは朝鮮半島の状況を毎年の協議や、協議と協議の間の中間作業の適切な対象事項として扱って参りました。それは、ARFが朝鮮半島問題の解決がなければ地域全体に深刻な結果をもたらす可能性があると認識してきたからです。皆さんに、ARFのこの問題に関するとり組みの実績を思い出していただくために、「ファクトシート:朝鮮半島問題に関するARF議長声明の抜粋−−1994〜2002」を同封いたしました。 過去5か月の間、ASEAN事務総長、ARF議長、(ASEAN諸国や協議対象国の両方の)さまざまなARF参加国、及びその他の人たちによる「この問題の主要対立国である米国と北朝鮮(両国ともARF参加国です)の間の和解に向けて努力する場としてARFを活用する」ことを求める発言に接して、私たちは勇気づけられてきました。危機が悪化してもう一つのイラクになることを阻止する関係国間の話し合いが実現するように、ARFを活用すべきだとする提言がありました。また、ARFが地域の安全保障にとって重要な機関であるとしてその役割を証明するためには、朝鮮半島問題にしっかりと取り組む必要がある、との主張もありました。直接の仲裁ではなく、対立国が面子を失わないで会うことの出来る貴重な機会をARFが別に創出するという提言もありました。たとえば、2002年ARFにおいて、コリン・パウエル米国務長官と白南淳(パク・ナムスン)北朝鮮外相の間で持たれた短いコーヒー・タイムが、2001年1月のブッシュ政権の登場と、つづく「悪の枢軸」発言以来初めての米朝高レベル会談の場を提供しました。 私たちは、2003年3月19日に出された「朝鮮半島情勢に関するASEAN常任委員会委員長の声明」(資料1に全訳)を嬉しく思いました。それは次にように述べています。ASEAN諸国の外相は「朝鮮半島において進展しつつある、アジア太平洋全域の平和と安全と安定に対して深刻な脅威となりうる情勢に関して、引き続き懸念を表明した…外相たちは、ASEAN常任委員会委員長兼ARF議長が、関係当事国間の対話に関与する一致した努力をするよう要請した。外相たちは、ARFが朝鮮半島のような政治・安全保障に関する建設的な対話と協議を行うための重要なフォーラムであり続けると確信した。外相たちは、朝鮮半島の統一、ひいては地域の平和と安定をもたらす重要な段階として、非核化された朝鮮半島の重要性と必要性を再確認した。」 ARFのもう一つの参加国である中国の努力によって、4月中旬までに、米朝両国は4月23−25日に北京で予備的な会談をするという妥協に合意しました。初期の報道では会談は困難なものであったが、米朝両国は再会談の余地を残したということです。米朝間の行き詰まりの打開は、永い骨の折れる過程となるでしょう。しかし、今年のARFはこの過程に勢いを吹き込む重要な機会であり、私たちは、皆さんがそのために可能な最善を尽くすよう要請します。 この点に関して、私たちは、皆さんに訴え続けてきた東北アジア非核地帯設立の提案を想起して頂きたいと思います。私たちはこの提案こそ、問題の真の解決に導くものであると信じるからであります。私たちの提案は地域の関係国が宣言している公的な政策に基礎を置いた現実的なものです。参考までに、本書簡の署名者の一人がこのテーマに関して行った最近の意見発表のコピーを同封致しました。この意見発表は、ジュネーブで開催されたNPT再検討準備委員会の正式セッションにおいて、4月30日に条約加盟国代表に対して行われたものです。 私たちの要望に対して、皆さまが関心をそして下さることを期待しています。第10回ARFが生産的で重要なものになることを祈念いたします。 2003年5月15日 梅林宏道 PCDS国際コーディネーター パティ・ウィリス PCDS資料コーディネーター (訳:ピースデポ) |
||||||||
|
||||||||
| 特定非営利活動法人 ピースデポ |
||||||||
| 〒223-0051 横浜市港北区箕輪町3-3-1-102 TEL:045-563-5101 FAX:045-563-9907 Email: office@peacedepot.org |