核軍縮:日本の成績表 非核地帯 日米安保 核兵器・核軍縮
ASEAN地域フォーラム 有事法制 核軍縮・議員ネットワーク 「テーマ別」の目次

ASEAN地域フォーラム(ARF)への手紙

ASEAN事務総長オン・ケン・ユン閣下、
並びにASEAN地域フォーラム参加国外務大臣殿

第11回ASEAN地域フォーラム
(2004年7月2日、ジャカルタ・インドネシア)

2004年5月10日

拝啓、事務総長並びに外務大臣。

 太平洋軍備撤廃運動(PCDS)を代表して、貴職に手紙を書いています。PCDSは調査、情報、支援のネットワークであり、アジア・太平洋地域における平和のために過去19年間活動をしてきました。私たちはこの手紙を、東南アジア諸国連合(ASEAN)の事務局長、並びに2004年7月1日、インドネシアのジャカルタで開催されるASEAN地域フォーラム(ARF)に参加予定の全ての諸国家、あるいは諸国家グループの外務大臣に送っています。

 以前のやりとりからお気づきの通り、PCDSはARFの動向を綿密に追い続け、ARFに関する年次報告書を発行してきました。同封したのは、「第10回年次ASEAN地域フォーラムのハイライト」(2004年5月発行)と題された最近の報告書です。
 
 貴職に宛てるこの手紙において、私たちは今年も、アジア・太平洋の安定にとって決定的に重要なただ一つの問題に焦点を当てたいと思います。それは、朝鮮半島情勢を中心とする東北アジアの平和と安全保障の問題であり、これについてはARFが重要な影響力を持ちうると信じています。

 繰り返しになりますが、ARFは歴史的に、朝鮮半島情勢を年次フォーラムの議題や会期間作業で取り上げるのに適切な問題であると特定してきたと思います。ARFは、この件は引き続き未解決の問題であり、それが潜在的には地域全体に深刻な含意を持つと認識してきました。(昨年、私たちは貴職にこの件に関するARFの実績をまとめた短い文書、「ファクトシート:朝鮮半島情勢に関するARF議長声明1994―2002からの引用」をお送りしました。)この件に関するARFの懸念は、2003年6月18日、プノンペンでの第10回ASEAN地域フォーラム議長声明の中でも引き続き明らかになっています。注目すべきは次の部分です。「外相たちは、この地域における恒久的平和と安全保障のために核問題の平和的解決を要求した。その点について、外相たちは、ARFがこれまで有用かつ建設的な役割を担ってきたとの認識を共有し、朝鮮半島の緊張緩和に助力するARF議長のさらなる努力を支持することで合意した」。

 2003年11月の「信頼醸成措置に関する会期間支援グループ(ISG)」(2003年11月20―22日、中国・北京)での議長概要報告が述べているところによれば、「朝鮮半島における核問題は参加者にとって引き続き最も重要な論点である。会合は、朝鮮半島における平和と安全を維持する重要性を強調した。以前のARF会合での議論を想起しつつ、参加者は核兵器のない朝鮮半島を要求し、当事者のあらゆる懸念に対処する努力を支持した」。

 新しい前向きな動向は、ARFが最後に開催されてから、6者協議の二つの会合が朝鮮半島の危機を解決するために行なわたことです。これに加えて私たちが心強く感じたのは、来たる第11回ARFの議長が北朝鮮を訪れ、本年のARFに参加して課題を議論するよう平壌を促したしたことです。私たちは、ARFのこうした積極的な措置を賞賛します。というのも、6者協議のメンバーが2国間、あるいは多国間ベースで会談する追加的な機会が、ARFの際に与えられると信じているからです。

 ARFが6者協議の過程を促進する一方で、ARFはこうした会談を以下のような具体的で目に見える行動によって支援できることを、私たちは提案したいと思います。

1.東北アジアにおける協調的安全保障の枠組に関する会期間支援グループ(ISG)を設立する:ARFは現存する機構をさらに活用することで、朝鮮半島での手詰まり状況打開に寄与できます。例えば、東北アジアでの安全保障問題に特化したISGを設置することが可能です。これに関して想起していただきたいのは、私たちが継続して提案している東北アジア非核地帯(NEA−NWFZ)です。というのも、これこそが問題の純粋に平和的な解決に結びつくと信じているからです。私たちの提案は現実的なものであり、地域の関係諸国によってすでに表明されている政策に基づいています。しかも、NEA−NWFZに関係する可能性のある、北朝鮮を含む全ての国がARFのメンバーです。参考までに、この件に関する最近の論文、この手紙の署名者の一人による「東北アジア非核地帯(NEA−NWFZ)(2004年4月発行)」のコピーを同封します。この論文は、2004年4月26日−5月7日のNPT準備委員会(国際連合)の際に開催されたワークショップ「モデル東北アジア非核地帯条約―危機を超えて道を拓こう」において配布されたものです。

2.北東アジアでの予防外交(PD)適用に向けたトラックU研究グループを設立する:私たちは北東アジアにおける平和と安全の課題は朝鮮半島の問題に対処するだけでは解決できないと信じています。少なくとも、朝鮮半島、日本、中国間の関係が、ARFの予防外交に関する活動の文脈において十分に考察されることが必要です。私たちは、ARFの創設者たちが、PDをARFの三つの主要な進化段階の第2番目のものと想定していることを知っています。私たちはARFが地域NGOの参加を得てトラックUの研究グループを組織し、PDを北東アジアにおける平和と安全保障に適用する可能性について検討するよう提案します。

 私たちの懸念への貴職の関心に感謝します。第11回ASEAN地域フォーラムが生産的で実りあるものになることを念願いたします。

平和を願って

パトリシア・ウィリス(PCDS資料コーディネーター)
梅林宏道(PCDS国際コーディネーター)
(訳:田辺俊明、ピースデポ)



ページの先頭に戻る


核軍縮:日本の成績表 非核地帯 日米安保 核兵器・核軍縮
ASEAN地域フォーラム 有事法制 核軍縮・議員ネットワーク 「テーマ別」の目次

特定非営利活動法人
ピースデポ
〒223-0051 横浜市港北区箕輪町3-3-1-102
TEL:045-563-5101 FAX:045-563-9907
Email:
office@peacedepot.org