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| PCDSからARFへの手紙 2001年4月24日 ロドルフォ・C・セベリノ・Jr.東南アジア諸国連合(ASEAN)事務局長閣下 アセアン地域フォーラム参加国・外務大臣閣下 第8回ARFについて 事務局長および外務大臣の皆様、 私たちは、太平洋軍備撤廃運動(PCDS)を代表して手紙を書いています。PCDSは、研究、情報、支援のネットワークであり、過去16年にわたり、アジア太平洋地域にける平和のために活動を行ってきました。 私たちはARFの活動について依然として強い関心をもっています。というのも、ARFが大きな変化を遂げつつあるこの地域において、安全保障に関する唯一の政治的、協議的な機関であるからです。私たちとのこれまでのやりとりからお気づきのことかと思いますが、PCDSは、ARFの動きを綿密に追い続け、ARFについての報告書を多く発行しています。これらは、コミュニティ・レベルに強く関与している幅広い地域的平和ネットワークの視点から書かれたものです。私たちは5月のARF上級事務レベル会議に先立って手紙を送り、私たちの提案が、来たるARFに考慮されることを望んでいます。私たちは、ARFが地域の安全保障上の課題において、確実な前進をすることができるように、下記に注意を促したいと思います。 私たちは、2000年のARFにおいて、予防外交の課題に関していくらの進展があり、「予防外交の概念と原則」と題された文書が紹介されたことに勇気づけられました。しかし、私たちはこの概念が、法的な義務について何も定めるものではなく、また、「国家間」の紛争だけにかかわるものであるという点において、全く不充分なものであると感じています。ARFが「加盟国の内政への不干渉」という原則を引き続き支持することで、国内の紛争が地域的波及しないよう予防する能力が著しく制約されているのです。私たちは、大臣級の臨時的な機構として、地域の平和と安全に影響を及ぼすような問題に対処して緊急事態に対応する新たなメカニズム―ASEAN「トロイカ」ができることを支持しますが、この機構がアセアン諸国の内政事項とされる課題について対処することが禁止されていることを、改めて懸念しています。 バンコクでのASEAN会合において、ARFの議長が、変化しつつある安全保障環境においては、何が排他的な「内政」事項であるかについては、再定義が必要であると示唆しました。私たちは、こうした再定義を支持し、1999年のASEAN会合において前面に押し出され、ARFの加盟国が、加盟国の内政事項について、公けにコメントすることを許可する「柔軟な関与の原則」を引き続き支持します。私たちは、ARFを含む、本年のASEANの会合において、この原則が前面に押し出されることを要求します。ARFは強化され、新たな紛争の予防と阻止においてより大きな役割を担うべきです。 私たちが毎年行う要求のひとつは、ARFの活動により影響を受ける全ての当事者が、このフォーラムに出席するという原則をARFが採用することです。私たちは、昨年のARFにおいて、この方向での重要な進展があり、朝鮮人民民主主義共和国(DPRK)がはじめて参加したことに満足しています。ARFがこの重要なステップを踏んだことを歓迎します。ASEANが朝鮮半島でよい方向に事態が進展していることについて満足していることは、第4回ASEAN非公式サミット(2000年11月)のプレス声明によって表明されましたが、私たちも全く同じ気持ちであり、「(この)勢いが持続し、最終的には、平和的な統一へとつながり、東アジアの安定に貢献する」ことを希望します。 しかし、朝鮮半島についての私たちの楽観は、予断を許さないものであり、ARF2000の「議長声明」にその大枠が示された、朝鮮半島におけるさまざまな実りある構想の重要性を、合衆国の新政権が、充分に認知していないのではないか、と懸念しています。この構想には、「南北対話、米朝会談、日朝会談、4者会談、より広い国際的努力、そして、ミサイルテスト発射一時的停止についてのさらなる進展、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)の活動を含む1994年の枠組み合意の完全な実施」が含まれます。私たちは、朝鮮半島の安定を追求する、これらの、あるいは他の構想をARFが強く支持すると改めて確認するよう要求します。同時に、私たちは、DPRKに対する「強硬路線」の政策が、DPRKのARFへの継続的な参加など2000年の重要な成果を台無しにするかもしれないことについて、ARFが先手を打って、合衆国を説得することを要求します。 2000年の「議長声明」は、「核保有国による核軍縮に向けての、体系的かつ前向きな努力の重要性」を記すとともに、「核兵器の完全撤廃という目標に向けてさらなる努力をするように要求」しました。私たちは、ARFがそのような努力への支援を一層強力にするために、核軍縮と、不拡散のための会期間の支援グループを設置し、地域の安全保障の前提条件でもある大量破壊兵器の撤廃のため、地球規模のキャンペーンにARFが貢献することを改めて進言します。 さらに、2000年のNPT再検討会議においては、全会一致で最終文書が採択され、重要な進展がありました。この文書は、2005年の見直し会議に向けてとるべき13の実際的な措置を含むものです。これらの措置は、核保有国だけに関係するものではなく、その同盟国や他の関係国にもかかわるものです。私たちは、全ての国がこれらの段階的措置を実行するよう、ARFが奨励することを要求します。とくに、包括的実験禁止条約(CTBT)の早期発効へ向けて努力が集中されるべきです。 私たちは、ARFが、加盟している全ての核兵器保有国に対して、遅滞なく、東南アジア非核地帯条約議定書に署名するように促すことを要求します。議定書を核保有国が遵守することで、核軍縮への意思が真摯なものであることを確固として示すことができますし、インドやパキスタン、さらには、他に核保有を希求している国に対する「誠実さ」を示す証しとなります。私たちは、ASEANが国連安全保障理事会の常任理事国である5つの核保有国を招き、5月にハノイでこの件に関する直接的な交渉を行うことに満足しており、また、この会合によって、この重要な構想に、大変必要とされていた勢いがつくように願っています。 これに関連して、私たちは、地域における安全保障環境を改善するために、ARFがSEANWFZの効力を増すような構想を検討するよう進言します。例えば、SEANWFZを西方向に「拡張し」、バングラデシュとスリランカを含める可能性について、両国との議論を促進するべきです。また、SEANWFZの「周辺を薄める」というアイデア、つまり、近隣の核保有国が戦術核兵器を使用しない、あるいは、使用の威嚇をしないという約束の信頼性を高めるために、地帯外ではあるがSEANWFZの境界付近に配備されている核兵器を撤収させるといというアイデアも検討するべきです。SEANWFZの場合、こうした取り決めは、北側の境界において適用することができます。 東北アジアで非核地帯(の設置)を求めることは、ARFの権限とその地理的な範囲に含まれる予防外交の理想的な事例となり得ます。そのような努力は、信頼醸成措置への努力を基礎として、それと調和させながら行われるべきでしょう。東北アジア非核地帯の設立プロセスそのものが、関連諸国間での核についての疑惑を極小化し、核開発が競争的にエスカレートするのを防ぐことができるのです。この意味において、そのような努力は、原則的には、ARFの予防外交の概念と原則に一致します。 とくに、東北アジア非核地帯は、地域の非核保有国、つまり、韓国、DPRK、日本が中核的な構成員となる、地域における信頼醸成と予防外交に実質的な貢献をするでしょう。このどちらの目的も、ARFの使命に含まれるものです。この体制には、中国、ロシア、合衆国といった、この地域における核保有国による消極的安全保証も含まれるでしょう。 ARFへのDPRKの参加をもって、このような条約に参加できる潜在的な当事者は全てARFに出揃ったことになります。これが意味するのは、ARFがSEANWFZの設置に関するASEANの専門的能力を利用しながら、この安全保障の選択肢についての検討を促進するよう発案できるということです。本提案について、PCDSのやや詳しい文書―現状報告:東北アジア非核地帯(2001年4月)―を同封します。 ARFの議長声明によれば「弾道ミサイル防衛システムが持つ意味」について、ARFで議論されたとのことです。私たちは、プレスへの声明で、議長が、NMDとTMDは、アジアにおける信頼醸成に否定的なインパクトを与える軍事力強化であると考えられると認めたことに満足しています。彼はまた、ARFにおいては、誰もこうした軍事技術に好感を持って話したりしていないとほのめかしました。合衆国の新政権が配備しようと計画している戦略ミサイルシステムは、2000年のARFの時点で考えられていたものよりもはるかに包括的なものであり、ARFはこの不安定化を引き起こすような進展を、可能な限り強い言葉で力強く、かつ明快に非難する義務を負っています。昨年私たちが述べましたように、地域のいくつかの国がミサイル防衛システムを開発しようとすると、地域と世界中における新たな軍拡競争を促進し、核軍縮の努力をも台無しにするでしょう。参考までに、PCDSの出版物―弾道ミサイル防衛とアジア太平洋地域(2001年2月)を同封します。 通常兵器と軍事費の削減を(略) 人間の安全保障について(略) ARFはその幼児期を過ぎ、今や第8回目の会合を開こうとしています。私たちは、ARFをもっと実質的かつ妥当性のある機関にするための手段が講じられるべきであると信じています。こうした理由により、ARFを1日のイベントから複数日にまたがるイベントにすることを進言します。私たちはまた、ARFが現在の危機的な安全保障上の課題で、妥当性があるもののうち、選択されたもの―例えば戦域ミサイル防衛や、インドネシアやその他の場所での不安定な状況―についての議論を取り上げることを進言します。 バンコクでの昨年のASEANの会合におけるオブザーバーとして、東チモールの政治的指導者たちは、東南アジアとの密接な関係を要求し、その中には、可能な限り早い機会におけるASEAN加盟が含まれていました。私たちは、ASEANが東チモールの意思を支持するとともに、ARFへの参加を早めることを要求します。 貴方との以前のやりとりにあったように、私たちは改めてARFのような国際機関におけるNGOの参加の重要性についての課題を提起します。7年が経過しましたが、地域大で、コミュニティ・レベルに強く関与している私たちのようなNGOは、依然としてARFのプロセスの周辺に位置づけられています。「予防外交」あるいは「紛争解決へのアプローチ」などの意味と範囲についての合意など、基本的な課題についてほとんど進展の見られないARFは、より広範囲な基礎を持つNGOのインプットによって新しいアイデアとエネルギーをその活動に注入することができ、大きな利益を得るでしょう。「外部の関係者との連絡調整」が、ARFの会期間の作業で、予防外交のひとつの要素として認識されていますが、私たちは、そのような関与はできるだけ広範囲であるべきことを進言します。ARFは、トラック2の非政府当事者をまき込むものではありますが、私たちは、ARFが、コミュニティに基礎を持ち、ARFに強い関心を寄せる人々のグループとの対話を始め、他の国際機関でも行っているように、人々のグループがARFプロセスに参加する方法を探ることで、利益を得ることになると信じています。私たちは、まず最初の段階としてARFとNGOの文書の公的な交換、そして、事務局長経由でのARF参加者、ARFのメディアに対するNGO文書の配布を始めることを改めて進言します。 私たちの関心事に注意を払っていただき感謝します。生産的かつ実質的な第8回アセアン地域フォーラムを願ってやみません。 平和を願って 梅林宏道(国際コーディネーター) パトリシア・ウィリス(資料・コーディネーター) |
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