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核軍縮議員ネットワーク・日本

   
 
 
国際的な「核軍縮議員ネットワーク(PNND)」の日本支部として、「核軍縮議員ネットワーク・日本」が誕生しました。超党派の12人の国会議員が呼びかけ人となり、2002年7月24日に設立総会を開催しました。国際ネットワークは、MPI(中堅国家構想)が中心となって、2001年から本格的に世界的な形成を呼びかけてきました。NGOは支援と調整の役割を行うという関わりであり、あくまでも議員自身のネットワークとして活性化することを期待しています。被爆国として、日本の議員が果せる役割は大きいでしょう。以下に、その設立の経緯と活動内容を紹介します。


■国際ネットワーク

 核兵器廃絶に関してもっとも際だった現象は、市民レベルの要求と政策との大きな乖離です。最近の世論調査によると、米国で76%、英国で84%、フランスで90%、ロシアで91%、日本で97%の市民が、核兵器禁止条約を支持しています。米国の核態勢に見直しに見られる核兵器への固執や、日本政府に見られる「核の傘」依存は、民意と大きく離れた政策です。
 国会議員は、市民と政策の間を橋渡しする存在であることを考えると、核軍縮過程への国会議員の積極的関与が欠かせません。とくに、核不拡散条約(NPT)を中心とする国際的な核軍縮・不拡散過程への議員の関与が重要です。
 そこで2000年以来、MPIとPGA(地球的行動のための議員たち)が協議を重ね、昨年MPIが中心となってPNND結成を働きかけることになりました。そのために、MPIの国際運営委員であったアラン・ウエア(ニュージーランド)がコーディネーターとなり、カレル・コステル(オランダ)がヨーロッパ・コーディネーター、梅林宏道が東アジア・コーディネーターとなって、具体化を進めてきました。


■情報ネットワーク

 PNNDは、「議員同士が資料と情報を共有し、戦略を発展させるための協力を行い、核軍縮のための諸活動に参加してゆくための超党派のひろば」と定義されています。とくに政治的綱領のようなものは設けず、議員同士が必要あれば、呼びかけ合って何かを始めることのできる場を作ろうというのがPNNDの趣旨となっています。
 そのために、ウェブサイトの充実を図っており、核軍縮に関して、主要な条約、各国議会決議・法律、国連決議、国際司法裁判所の文書、各国議会議事録などが参照できます。最低限の入門情報は、アラビア語、ドイツ語、英語、スペイン語、フランス語、イタリア語、日本語、ロシア語、スウェーデン語など11か国語で載せていますが、主体は英語です。
 ウェブサイトの他には、「議員と核兵器」という議員用冊子を発行するとともに、不定期の状況報告を行っています。
 参加議員数は、最新の情報で33か国から144人と報告されています。日本の議員の参加で大幅に増えると思われます。参加議員は基本的に個人が直接にコーディネーターや他の議員と連絡を取り合うことになります。しかし、日本のように、国内ネットワークを形成する例も増えて行くと思われます。今のところは、ニュージーランドで国内の非公式な連絡体制が生まれています。
 地域会議や世界会議の開催も計画されています。


■日本ネットワーク

 日本では、上掲のように6党から12人の議員が呼びかけ人となって「核軍縮議員ネットワーク・日本(PNND日本)」が結成されました。このように、議員自身が呼びかけ人となって国内ネットワークが形成されるのは、日本が初めてのことです。7月24日に議員会館で総会を開き、会長などが選出されました、呼びかけ文にある通り、河野太郎(自)事務所が事務局となりました。
 日本の場合、国際ネットワークとの関係を考えるときに、どうしても言葉の壁が障害となります。アラン・ウエアからの提案や問い合わせなど、各議員個人との直接のコミュニケーションには限界があります。そこで、日本独自のネットワークを機能させ、日本語での情報流通を確保することになりました。また、将来的には、日本からの発信における言葉の問題も、解決して行かなければならないでしょう。
 また、当然のことですが、名前だけのネットワークにならないように、という率直な意見も準備期間に出されていました。ネットワークの人数が増えるよりも、その働きを通じて議会に影響力を強めるような存在になって欲しいと思います。
 また、超党派であることは、複雑な政治問題では、ややもすると「易きにつく」危険を伴います。しかし、超党派の積極的な意味は、地球的観点に立つということでしょう。核兵器廃絶はまさにそのような課題であり、地球的観点からの政策の深化と提案を期待します。
 被爆国日本の議員が、核兵器廃絶の目的に対して負っている国際的な役割は大きいものです。それだけに、期待も大きく、影響力も大きいでしょう。


■日本での具体的な課題

 以下に、さまざまなレベルでの具体的な課題を列記します。

1.毎年のNPT会議の前、あるいは国連第一委員会(軍縮)のまえに、国会において核軍縮問題の議論を行うこと。外務委員会の小委員会という考え方もあるでしょう。
  とくに、2000年NPTで合意された定期報告の中味、また国連決議をめぐる議論を必ず行うべきです。

2.NPT会議への政府代表団のなかに、国会議員の参加枠を確保すること。会議の意志決定に参加できなくても、内部で意見を述べる機会は与えられるし、将来の国会議論を有効にするのに役立てることができます。
  ニュージーランドなどでは、先例があります。

3.NGOとの定期的な対話の場を確保する。国の内外のNGOとの連帯は、議員ネットワークにとって、政策開発に有益な機会である。NGO側も、議員との間に好い意味の切磋琢磨の関係を築くアプローチが求められます。

4.日本の核兵器政策は、長い間、官僚主導で形成されてきた。その変革をめざすべきです。PNNDの国際人脈を通じて、官僚ルートではない海外の意見に接する機会を、積極的に増やして欲しいと考えます。

5.日本が、被爆国であるにもかかわらず日本の安全保障を米国の核の傘に依存していることについて、議員は国際的に必ず問われることになります。
  将来的に、非核法や東北アジア非核地帯建設など、議員立法の提案につながるような発展を望みたいと思います。

6.市民の立場からは、選挙区の国会議員に対してPNNDへの参加や、積極的な関与を求めること、その報告を聴くことなど、対話のパイプとして活用することが大切です。
  市民の自治体が非核宣言自治体である場合、PNND議員と自治体との接点や協力関係を作ることも、選挙区市民の取り組むべき新しい課題です。





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