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NPT再検討プロセスとは

核兵器廃絶に活かすべき国際会議です


(13+2)項目は、2005年に向けたそのための手がかりです。

 

NPT第6条は核軍縮義務を定めています

 核不拡散条約(NPT)は、核兵器の拡散を防止することを目的とした条約で、1968年に署名され、1970年に発効しました。NPTは、米、ロ、英、仏、中の5カ国を公認の核保有国(核兵器国)と定め、それ以外の国(非核兵器国)が、核兵器を持ったり開発することを禁止しています。2003年9月現在で189カ国が加盟しています。180を超す非核兵器国が核兵器を持たないと誓うかわりに、5つの核兵器国が核軍縮について「誠実に交渉を行うことを約束する」(第6条)としている点で、「とりひき」の条約と言えます。

NPT第6条:
「各締約国は、核軍備競争の早期の停止および核軍備の縮小に関する効果的な措置につき、ならびに厳格かつ効果的な 国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小に関する条約について、誠実に交渉をおこなうことを約束する。」

 

条約には弱点とジレンマもあります

 NPTには2つの欠陥が指摘されています。
 1つは、非核兵器国が核兵器を持たないよう厳密な検証システムを定めているのに、核兵器国の核軍縮義務は精神条項に留まっているという「差別性」です。この差別性を理由に、インド、パキスタン、イスラエル、キューバの4カ国は加盟していません。このうち、インドとパキスタンは1998年5月に核実験を行って核保有宣言をしています。公言はしていないイスラエルとあわせて、3カ国がNPT非加盟の事実上の核保有国です。
 もう1つは、「原子力の平和利用」に対する積極推進の立場です(条約第4条)。原子力エネルギーの安全性や環境への影響に関する議論をさておいて、NPTのめざす核兵器の拡散防止の立場だけ考えても、「原子力の平和利用」の技術の拡散は、まちがいなく核兵器の拡散の道を広げます。この点で、NPTは自己矛盾に陥っています。

 

再検討プロセスは、核軍縮交渉の会議です

 条約の運用状況を点検するために、1975年から5年ごとに条約の再検討会議(運用検討会議)が開かれています。再検討会議と次の5年後の会議の間には、ほぼ毎年、準備委員会が開かれます。NPT再検討会議と準備委員会は、核兵器国に核軍縮義務の履行を求めることができる多国間交渉のプロセスなのです(NPT再検討プロセス)。

NPT第8条3項:
「前文の目的およびこの条約の規定が実現されることを確保するようにこの条約の運用を検討するため、この条約の効力発生の5年後にスイスのジュネーブで締約国の会議を開催する。その後5年ごとに、締約国の過半数が寄託国政府に提案する場合には、条約の運用を検討するという同様の目的をもって、さらに会議を開催する。」

1995年:
「体系的かつ前進的努力」に合意しました 

 1995年には、NPTの無期限延長が決定されました。それとひきかえに結ばれた「核不拡散と核軍縮のための原則と目標」文書(「原則と目標」)は、「核削減への体系的かつ前進的な努力を断固として追求する」としています。

「原則と目標」第4節(c):
「核兵器国は、核兵器の廃絶を究極的な目標として、世界的に核兵器を削減するため体系的かつ前進的な努力を断固として追求し、また、すべての国が、厳重かつ効果的な国際管理の下における全面的かつ完全な軍備縮小を断固として追求すること。」

2000年:「明確な約束」と
(13+2)項目が合意されました

 2000年5月の第6回NPT再検討会議では、核廃絶交渉の加速を力強く求める非核国グループ「新アジェンダ連合」(ブラジル、エジプト、アイルランド、メキシコ、ニュージーランド、南アフリカ、スウェーデン)が核兵器国と交渉を重ね、全会一致の最終文書が採択されました。その中には、核兵器国が核廃絶を達成するという「明確な約束」がはっきりと記されています。

2000年NPT再検討会議最終文書
第6条関連第15節の6:

「すべての締約国が第6条の下で誓約している核軍縮につながるよう、核兵器国は保有核兵器の完全廃棄を達成するという明確な約束を行う。」

 この「明確な約束」とあわせて、核軍縮のための「実際的措置」13項目が合意されました。第6条関連の13項目と、第7条関連で重要な2項目をあわせた(13+2)項目が今後どのように履行されていくかが、今後のNPT再検討プロセスの焦点となります。

北朝鮮をめぐる情勢は、まさに(13+2)項目に関係しています

 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)による核の瀬戸際外交が続けられています。03年1月にNPTからの脱退を宣言した北朝鮮は、2月下旬には寧辺の原子炉を再稼動させました。4月には約8000本の使用済み燃料棒の再処理をほぼ終了、核兵器の保有を米側に伝えたと報道されました。この問題の解決に向け、03年8月および04年2月に6者協議が開催されるなど、多国間での粘り強い交渉が続けられています。(13+2)項目は、この問題の平和的解決に向けた手がかりとして、今こそ活用されるべきです。特に、北朝鮮への核攻撃をしないこと、東北アジア地域の非核化を促進することなどを含む、(+2)項目の履行努力は、この問題の解決に直接結びついています。それは、武力の威嚇や制裁に頼る前に、東北アジア地域の信頼関係を前進させることをうたった02年9月の平壌宣言を実行することにもつながります。

日本の「核の傘」政策が問われます

 日本政府は、13項目の合意に基づいて核軍縮政策を進めると表明しました。そして、「核兵器完全廃棄への道程」という題名の核軍縮決議案を国連総会に提出し採択されています。しかし、「核の傘」に依存する日本の政策は、これらと矛盾をはらんでいます。日本が「核の傘」から脱却し、被爆国としての立場から、独自の外交を展開することが求められています。


要請先:
(東京)
 川口順子外務大臣 天野之弥軍備管理・科学審議官
 100-8919東京都千代田区霞ヶ関2-2-1外務省
 軍備管理軍縮課
 TEL 03−5501−8221
 FAX 03−5501−8220

(ジュネーブ)
 軍縮会議日本代表部 猪口邦子軍縮大使
 FAX (41)22−788−38−18
 Email: mission.japan-cd@ties.itu.int

(ニューヨーク)
 国際連合日本代表部 原口幸市大使
 TEL (1)212−223−4300
 FAX (1)212−751−1966
 Email: mission@un-japan.org

 

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