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▲English 核軍縮:日本の成績表・2004 評価理由の説明
以下の見出しの次に来る太字の部分は、NPT最終文書の引用である。また、課題は太字斜体とし、とくに重要な項目(「重要課題」)に下線を引いた。 1.包括的核実験禁止条約(CTBT)の早期発効を達成するために、遅滞なく、無条件に、憲法上の過程にしたがって、署名し批准することの重要性と緊急性。
[課題の設定] 課題1(早期発効要求) 今回の評価の対象としている期間(2003年2月17日〜2004年2月16日以下、対象期間)に、CTBT署名国数は166から170に、批准国は97からに109に増加した。大多数の国がすでに署名を済ませた現段階では、署名国の数が4か国増に留まったことは理解できる。対象期間の冒頭において、署名済みだが未批准である国が69か国あった中で批准国が12か国増えたことになるが、この批准の進み具合は、決して順調とは言えない。CTBT早期発効の重要さについて、国際的関心を高めることが重要である。 中でも深刻なのは、CTBTの発効要件となっている原子力技術を持つ44か国のうち未批准である13か国の動向である。対象期間が始まるとき、この批准が過去丸2年間まったく進まない状況にあった。 13か国のうち、インド、パキスタン、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の3か国は署名もまだであった。署名はしたが、未批准の国は、アルジェリア、中国、コロンビア、コンゴ民主共和国、エジプト、インドネシア、イラン、イスラエル、米国、ベトナムの10か国であった。このうち核兵器国で未批准は米国と中国である。中でも、米国がCTBT拒絶の政策を明確にしていることは、深刻な状況を生みだしていた。 日本政府は、米国がCTBT推進政策を転換したために、国連決議案提出に際して、一時、従来のCTBT早期発効の要求を弱めようとした経緯(2001年)がある。しかし、それ以後立て直して、「CTBT早期発効」を優先課題とする姿勢を取り戻している。日本政府はこの姿勢を揺るぎなく継続すべきである。具体的には、2005年NPT再検討会議第2回準備委員会(03年4月28日〜5月9日)(以下、「03NPT準備委員会」と略記)、CTBT発効促進会議、国連総会などの機会において日本政府は「早期発効」を強く打ち出すべきである。 課題2(関心の維持・強化) 前述したように発効要件国の批准が遅滞しており、米国が強固に拒否をする状況が続くと、CTBTに対する国際的な関心の低下が懸念される。日本政府は、CTBT発効を重視する国として、問題を絶えず顕在化させ、国際的な関心を維持・強化する任務を果たすべきである。このためには、とりわけ発効促進会議をもり立てることが有効であると考えられる。 課題3(米国批判と市民への説明) 現時点でのCTBT発効への最大の障害は米国である。1999年10月に上院がCTBT批准を否決し、2001年1月に政権の座に着いたブッシュ政権がCTBTを欠陥条約であると批判し始めた。2002年のNPT準備委員会において、公式に「ブッシュ政権はCTBTの批准を追求する計画はない」(02.4.11、「情報文書」)と述べていたが、対象期間の初期に開かれた03NPT準備委員会においても「合衆国はCTBT批准を追求しない」と改めて明言した(03.5.1、「情報文書」)。この政策の背後には、米国の「核態勢見直し(NPR)」(01.12.31、一説に02.1.8)が存在することも、もはやよく知られたことである。
米国のCTBTに対する政策を変更させるためには、米国の核兵器政策そのものに対する論理的批判が欠かせないが、同時に国際世論によって米国政府を包囲する努力も必要である。そのための一法は、CTBTの普遍性を高める(加盟国を増やす)ことである。とくに、米国以外の12の発効要件国への働きかけが重要である。 02年の日本の国連総会決議(02.11.22、57/78)「核兵器完全廃棄への道程」(以下、「道程決議」)で、日本は「CTBTに署名・批准し、その早期発効を達成することの重要性および緊急性」という内容を盛り込んだが、未批准の発効要件国の中でアルジェリア、コロンビア、インドネシア、イラン、ベトナムの5か国が賛成票を投じていた。つまり、これらの国は、行政府のレベルでは早期発効の意志があることを示している。したがって、個々の政府の事情に応じた批准促進の働きかけをねばり強く行うことが求められる。
署名国が資金を拠出して設立したCTBTO準備委員会(設立、1996.11.19)の主要な任務は、発効時に国際検証システム(IMS)が整備されているよう準備することである。日本はIMSに10の観測所を持つことを求められており、その認証を得る努力をするのはもちろんであるが、日本が進んでいる分野において、他国への技術協力が求められる。また、CTBTへの米国の協力が得られない場合、米国の資金拠出が滞ることも予想される。日本は準備委員会に対して、技術協力にとどまらず、CTBTOの維持について積極的なとり組みをするべきである。 [評価] 課題1、2は、CTBTの早期発効を実現するために、新しくはないが続けなければならない基礎的な仕事である。今回の評価対象期間においても、日本はそれなりの意欲をもったとり組みを行ったと評価できる。 03NPT準備委員会において、猪口邦子軍縮大使は一般演説で「CTBTは核兵器の拡散を阻止するだけではなくて、核兵器の質的改善を制約する」(03.4.29)と強調し、日本の早期批准促進の姿勢を示した。作業文書においても、CTBTに前進がないと「核軍縮・不拡散の将来を不確実にする」「NPT体制が否定的な影響を受ける」と憂慮し、早期発効を「極めて重要」と述べた(03.5.6)。 03年9月3−5日にウィーンにおいて、第3回CTBT発効促進会議が開催された。日本は、川口外務大臣が参加することによって早期発効への積極姿勢を印象づけた。外務大臣は、演説の中で日本が早期発効のために具体的にどのような努力をしているかを説明した。会議の前には、発効促進会議議長のトゥウミオヤ・フィンランド外相、バルトナー・オーストリア外相と三名の連名で、未批准の発効要件国に早期発効を呼びかける書簡を送った。 03年国連総会における日本の「道程決議」(03.12.8、58/59)は、全体としては多くの問題を含んでいるが、CTBT早期発効に関しては、「早期発効を達成することの重要性および緊急性」という従来の水準を維持した。米国とインドのみが反対するという、日米関係の中では、異例の事態であるが、ここでは日本が踏ん張っていることを評価しておきたい。 しかし、課題3として設定した米国を厳しく批判し、日本の世論を背景に米国の翻意を促すようなとり組みは見ることができなかった。最強の核大国が核実験の選択肢を残すことに固執していることほど、CTBTにとって破壊的なことはないわけであるから、川口外務大臣、猪口軍縮大使などの演説の中で、もっと踏み込んだ要求を表明すべきである。固有名詞を出さなくても、厳しい態度を伝える方法はさまざまにあるはずである。そして、そのことを日本国民に説明すべきであろう。 外務省は、米国との二国間会議の場で米側に日本の主張を十分に伝えていると説明している。対象期間とその前後を含めると、「日米軍備管理・軍縮・不拡散・検証委員会」を3回開催している。第5回会議(03.1.24)、第6回会議(03.8.1)、第7回会議(04.2.18)である。いずれも米側はボルトン国務次官が参加している。外務省の記録によると、いずれにおいても、CTBT重視の日本の立場を伝え、米国の批准を促している。しかし、これが会議全体の中で占めている重要さはあまり大きくないと判断される。課題設定のところで説明したように、この委員会がCTBT早期発効を最優先課題として発足したこと、にもかかわらず米国が一方的にそれを否定したことを考えると、政府は国民に見える形で、米国に何らかの圧力をかけるべきであろう。 日本の米国に対する曖昧な態度は、せっかくの日本の「早期発効」のための外交努力も、他の多くの国やNGOに、素直に理解されない結果を招くと思われる。 課題4の米国以外の12か国に対する働きかけについては、国際的な努力が一定実を結んでいると考えられる。もちろん、日本のみの功績でないことは明らかであるが、日本もまた、役割の一部を担っていた。対象期間に三つの特筆すべきことがあった。第一は米国以外の12カ国未批准発効要件国のうち、アルジェリアが03年7月11日に批准を済ませたことである。この結果、米国を含めた未批准発効要件国は、一つ減って12カ国になった。日本は、批准後のアルジェリアが必要とする監視体制について技術援助をするなど、批准に向けた条件整備に協力してきた。第二は、中国の全国人民代表大会が近い将来にCTBTを批准する可能性があることである。第3回発効促進会議で楊(ヤン)大使が演説の中で触れた(03.9.4)。日本も、二国間会議で機会をとらえて、批准を働きかけてきた。第三は、発効要件国ではないが、リビアがCTBT批准を済ませた(04.1.6)。核開発疑惑のあった国の批准として重要な意味をもっている。 課題5に関しては、日本自身のIMS観測所の承認を目指した意欲的な努力が行われている。02年11月にCTBT国内運用体制を設立したが、日本が義務づけられている10個所のIMS観測所の内、高崎放射性核種監視観測所が初めて、04年2月6日(ウィーン時間)にCTBTO準備委員会暫定技術事務局(PTS)の認証を受けて正式運用を開始した。日本はまた、監視体制にかかわる海外技術者の研修や、器材の提供などの協力も行っている。 総合して、米国の果たしている破壊的な政策に対する日本の対応が極めて弱いというマイナス点が大きいが、米国と対立しながらも他の基本的な課題に地道に取り組んでいることを考慮して、評価をBとする。
[課題の設定] 課題1(米国の核実験再開準備期間短縮への抗議と対応) 対象期間の最初から、米エネルギー省による地下核実験再開の準備期間短縮の動きが、具体化していた。準備期間というのは、大統領が実験の再開を命じてから、実際に実験を行うことができるまでに要する期間である。03年2月3日に米エネルギー省が議会に提出した予算要求の中に、準備期間を現在の2〜3年から1.5年(18か月)に短縮するための予算要求が含まれていたのである。日本政府は、重大な関心を持って、米国のこの動きを中止させるべく行動を起こすとともに、このような発想が生じる背景にある米国の核政策そのものを問題にすることが求められた。 すでに前述したNPRの中に、核爆発実験再開の必要性について強いメッセージが込められていた。必要性は二つの側面から述べられている。 第一は、米国が現在保有している備蓄核兵器の信頼性と安全性を、地下核爆発実験なしに維持することが非常に困難になっているという点である。 第二は、現在の核兵器は冷戦時代に開発されたものであり、冷戦後の要求には不十分である。新弾頭を含む新しい能力(後述する9e項参照)の開発が必要であり、それには実験再開が必要になる、というものである。 その後、「2003会計年度米国防認可法」(02.11.13)3142節によって、状況はさらに一歩先へ進んだ。この法律によって、エネルギー省は実験再開準備期間を6か月、12か月、18か月、24か月に短縮するための計画書の作成を命じたのである。 このような経過を経て、結局エネルギー省は、18か月が最適の選択とする予算案を提出した。 日本政府があくまでCTBTの早期発効を目指す意思があるのなら、米国のこのような動きに対して抗議し明確な反対を表明しなくてはならない。米国が、たとえ現時点でモラトリアム継続の約束をしたとしても、期間短縮に動く論理と行為は、世界的なモラトリアム体制を崩す可能性が充分にある。 したがって、日本政府は危機感をもって、厳しく米国に対処するとともに、日本はもちろん、世界の世論に訴えてこの動きを撤回させるよう努めるべきである。 課題2(未臨界核実験反対) NPRはまた、核爆発実験再開の準備と未臨界核実験が密接に関係していることを明らかにした。これに関して、NPRには次の3点が書かれている。「」内は、NPRからの引用である。(ピースデポ『米国・核態勢見直し』)
このように、両者の関係が明確になった今、CTBTを推進し、核爆発実験のモラトリアムの継続を訴える日本は、未臨界核実験を容認する従来の態度を改め、はっきりと反対しなければならない。 現在、核実験再開に関して、もっとも危険視されるべき国は米国であるが、その他の核兵器国やインド、パキスタンなどの核実験のモラトリアム継続に関しても、国際社会の圧力を維持しなければならない。その意味で、03NPT準備委員会、CTBT発効促進会議、国連総会などの多国間協議の場において、日本政府はモラトリアム継続を訴え続けるべきである。 実際、米議会は「04会計年国防認可法」(公法108-136、03.11.24)において「エネルギー省は、合衆国が18か月以内に地下核実験を再開しうる準備態勢を2006年10月1日までに開始、達成し、以後維持しなければならない」(第3113節)と立法化した。 このような情勢における日本政府の米国に対する要求は、極めて生ぬるいと言わざるをえない。 また、課題2の未臨界核実験に関しては、NPRによって未臨界実験の位置づけが明確になってからも、日本政府の容認姿勢に変化は見られない。 本成績表の対象期間において、米国は第20回目(ブッシュ政権になってから7回目)の未臨界実験「ピアノ」(03.9.19)を行った。日本政府は、従来通りこれに抗議しなかった。さらに重要なことには、エネルギー省は新しい配置による未臨界実験「ユニコーン」を04年から開始することを発表した(03.8.22)。それによれば、従来の未臨界実験はすべて横穴配置で行われていたにもかかわらず、「ユニコーン」では、地下核実験と同じ縦穴配置で行われる。しかも、エネルギー省は「ユニコーン」は従来の横穴配置ではテストできない「重要なネバダ核実験場の能力」をテストする、と説明した(全文は、ピースデポ発行の「核兵器・核実験モニター」196号参照)。これは、実験準備期間の短縮と関係すると思われる動きである。日本政府のこれへの対応も見られない。 日本政府の中には未臨界核実験に反対すれば、米国にかえって核実験の再開をさせてしまうという議論がある。確かにクリントン政権の時代に、米議会の中にあるCTBT反対論者を説得する方法として、核爆発実験を中止しても、未臨界実験を含む備蓄兵器管理計画(SSMP)によって既存の核兵器の維持は可能であるという議論が強調された。その結果、CTBT批准を急がせるために、未臨界核実験などSSMPには反対しないという一部軍備管理論者の意見があった。 しかし、今や地下核実験の準備のために未臨界実験が活用されているのである。日本政府は、米国内の政治力学への配慮よりも、核兵器廃絶という日本自身の目標を中心に据えて発言し、未臨界実験反対の立場を明確にすべきであろう。 日本国民としては、もっとも重要な問題は、日本自身が米国の核抑止力に依存するという政策があるためにそれができないのではないかという点である。米国が「核爆発実験を再開しなければ、日本が求めている核の傘は実行できない」と言ったとき、日本は核爆発実験再開を黙認するのか、核の傘への依存を止めるのか。未臨界核実験について態度を鮮明にすることが、この問題への回答の第一歩であろう。対象期間において、日本政府のこの点に関する問題意識は極めて弱かった。 NPT再検討準備委員会や国連総会における「核実験モラトリアム継続」の要求(課題3)に関しては、日本政府は従来通りの政策を継続している。第3回CTBT発効促進会議における川口順子外相も「モラトリアム宣言は条約の代用にならない」と警告しつつ、モラトリアムの堅持を強く訴えた。 総合して、モラトリアム堅持の訴えは続けているが、核実験準備期間を短縮しようとする極めて危険な米国の動向に対して何ら新しい対応が見られず、この項目についての評価はDとする。
[課題の設定] 課題1(CD正常化への貢献) 13項目合意の第3項目である兵器用核分裂物質生産禁止条約(FMCT)の問題における前進は、ひとえに交渉を託されるべきジュネーブ軍縮会議(CD)の働きにかかっている。したがって、兵器用核分裂物質生産禁止条約(FMCT)をCTBTに次ぐ重点項目に位置づけてその推進を図ってきた日本政府にとっては、空転を続けるCDの正常化に向けて、いかに貢献するかが重要課題となる。 行き詰まりの原因は、核軍縮、FMCT、大気圏外での軍備競争の防止(PAROS)、法的拘束力のある核攻撃をしない安全の保証(消極的安全保証)という4つの重要問題について、特別委員会、あるいは作業グループなどを設置するにあたって、特別委員会の目的・任務をめぐる意見の相違が解決できないことにある。より具体的には、もっとも際立った対立は、PAROSを巡る米国と中国の対立であった。米国のミサイル防衛(MD)計画がその背景にある。米国のMD計画が、中国の核報復能力を弱めるという懸念を作り出し、国際関係を不安定にしていることの一つの現れと言ってよいであろう。 中国との関係を別にしても、MDがCDにおけるPAROSの重大性と緊急性を押し上げたことは、否定のできない事実である。米ブッシュ政権によって、対弾道ミサイル制限条約(ABM条約)が失効(02.6.13)させられたため、宇宙への兵器配備に関して、1967年の宇宙条約以外に制約がなくなってしまった。宇宙条約は、大量破壊兵器(WMD)の宇宙配備と天体への軍事基地建設を禁止しているだけである。そんな中でブッシュ大統領は、04−05年のミサイル防衛初期配備を発表し(02.12.17)、その際に次の改良計画として「宇宙配備の運動エネルギー迎撃ミサイル」の名を掲げた(国防省説明)。つまり、人類初の宇宙兵器配備が、数年先に起ころうとしているのである。したがって、宇宙兵器配備を禁止するPAROSの特別委員会に、条約交渉任務を与えるべきという中国の主張は、それ自身極めて緊急性を増していることは否めないのである。 対象期間の以前から、行き詰まりを打開する有力な調停案として5大使調停案が出されていた(02.8.29)。大使(Ambassador)の頭文字をとってA5調停案とも呼ばれる。5大使とは、デンブリ(アルジェリア)、リント(ベルギー)、レイエス(コロンビア)、サランダー(スウェーデン)、ベガ(チリ)という5人のCD議長経験者のことである。日本政府はこの調停案を支持しているが、CD参加国の一致した支持がなければ、全会一致制のCDは動けない。 このような状況下でCDの正常化のために日本は、被爆国としての自立的な外交的立場をいかに発揮するかが問われている。 課題2(交渉の目標期限) 日本政府は、FMCT交渉の期限について、02年国連総会では、以前と同様に具体的な目標を掲げた決議案を提案し、圧倒的多数の支持を得た。その内容は、「(FMCTを)交渉するための特別委員会を、2003年会期内のできるだけ早期にCDに設置し、5年以内に交渉を妥結すること」(57/78)というものである。日本政府はこの立場を堅持すべきである。 課題3(CDの枠外作業) FMCTの交渉がCDにおいて開始されるまで、交渉の促進に役立つような技術的準備を、CDの枠外で進行させることが必要になる。日本政府は01年にオーストラリア政府と共催で、政府関係者、専門家を集めたFMCTワークショップをジュネーブで開催した実績がある。そこでは、条約の基本義務、検証、条約機構などで意見交換が行われた。日本政府は、このような努力を継続すべきである。 その際、被爆国の政府として、「核軍縮および核不拡散という両方の目的を考慮して」という本項目のNPT合意の趣旨を積極的に活かすべきである。現在有り余る兵器用核物質を持っている米国やロシアに対しては、兵器用核分裂物質の「将来の生産禁止」だけでは、核軍縮に向かう義務が強化されない。「過去に生産された兵器用核物質」への対処について、日本は積極的に議論を起こすべきである。「1995年の専門コーディネーターの声明(注:いわゆる『シャノン報告』で、ピースデポの年鑑『核軍縮と非核自治体・2002』に全訳されている)とそこに含まれる任務に従って」というNPT合意の範囲の条約に、貯蔵核物質の規制を盛り込むことは困難であるかも知れないが、シャノン報告もFMCT交渉の過程で「過去の生産についての考慮」を「特別委員会で提起することを妨げるものではない」と述べている。 将来にも過去にも関係する作業として、軍事用、商業用を問わず各国が保有するすべての核分裂物質の目録を作成することは、FMCT交渉の基礎として役立つと思われる。枠外作業の一つとして、このような専門家作業の促進に、日本政府は取り組むべきである。
[評価] 課題1に関しては、5大使調停案をめぐるCDの正常化に日本がどのように貢献したかが評価の対象となる。 5大使調停案は、この成績表の対象期間の直前に、公式のCD文書となった(03.1.23、CD/1693)。そこでは、4つの重要課題(核軍縮、FMCT、PAROS、消極的安全保証)について、それぞれ特別委員会を設置するが、FMCTについてのみシャノン報告に従った条約の交渉任務を持たせ、他の特別委員会についてはそれぞれ限定的な任務を持たせる、という内容であった。最大の争点であったPAROSに関しては、次のように書いていた。 「(PAROS特別委員会は)制限や先入観を排していかなる話題や提案についても、それを特定し検討する。それには、信頼醸成や透明性のための措置、一般原則、条約上の誓約、大気圏外における軍備競争を防止することのできる体制の詳細な検討、などが含まれる。」 このように、「5議長調停案」は米国にも中国にも配慮した内容であった。しかし、他のほとんどの国が受け入れる準備があったにもかかわらず、中国と米国の間の歩み寄りを決定づけることはできなかった。そこで5大使は、中国の要求する国際条約の可能性についても言及した修正を行い(03.6.26)、合意を求めた。修正された後の文言は、次のようになった。 「(PAROS特別委員会は)制限を排して、いかなる話題や提案についてもそれを特定し検討する。それには、信頼醸成や透明性のための措置、一般原則、条約上の制約、関連する国際的な条約について交渉する可能性を含む、大気圏外における軍備競争を防止する能力を持った体制の詳細な検討、などが含まれる。」 修正案によって事態が少し動いた。ロシアがこれを支持し(03.7.31)、中国も中国の要求するものには及ばないとしながらも、「CDにおける実質的な作業を再開させるために関連諸国の懸念を勘案し、中国は、もう一度柔軟性を示したい」と述べて、修正A5案への支持を表明したのである(03.8.7)。 日本は、猪口邦子軍縮大使が、対象期間の最初のCD演説で、中国と米国に名指しで5大使調停案への譲歩を促した(03.2.20)ように、この調停案によるCDの正常化を積極的に支持しその実現を望んだ。しかし、中国が譲歩した後では、米国の建設的な態度表明が求められた。その段階で、米国の同盟国であり被爆国である日本の役割が具体的に重要になったと言えるであろう。得られた情報の中でその後の経過を見ると、ここで日本が大きな役割を果たすことはなかったように思われる。 中国が、譲歩した直後の猪口大使のCD演説は、FMCTに集中したものであったが、冒頭で正常化問題に触れた(03.8.14)。そこで「中国代表が示した新しい柔軟性に私は勇気づけられた」と中国の動きを歓迎した。しかし、それを受けて米国に前向きな高配を促すのではなく、事態の打開に向けて、「とりわけ中国と米国が、この問題に関して実りある協議を重ねていくことを期待する」と再び米中両方に協議を呼びかけた。これは公正な役割という印象を与えなかったであろう。 ある意味ではチャンスであったが、日本にCD議長の順番が巡ってきて、8月21日に猪口大使が議長に就任した。9月4日には川口順子外務大臣が、日本の外相では12年ぶりにCDで演説を行った。しかし、外相の演説は状況の打開に向かって、「軍縮会議の停滞の早期打開に向けた建設的な動きを支持します」(03.9.4)と述べるに留まり、事態の打開に新味のある要素をもたらすことはできなかった。 結局、CDの作業プログラム設定に関する行き詰まりは、対象期間に打開されることはなかった。日本は米国に対する適切な影響力を行使できなかったというべきであろう。 この背後には、米国のミサイル防衛システム(MD)の導入に踏みきる(03.12.19、閣議決定)など、ミサイル防衛に関する日米共同体制が進行しているために、日本がPAROSに関する消極姿勢を示さざるを得ないという、重要な安保政策上の問題が横たわっていると考えられる。 課題2に関して、日本政府は、03年の国連総会においても、前年と同趣旨の「1年以内の交渉開始と5年以内期限」を掲げたFMCT交渉を求める決議を提案し、圧倒的多数の支持を得た。その文言は、「(FMCTを)交渉するための特別委員会を、2004年会期内のできるだけ早期にCDに設置し、5年以内に交渉を妥結すること」(03.12.8、58/59)というものである。CDが停滞する中で、国連総会においてFMCTの期限設定に積極的な姿勢を示し続けるたことは、有意義なことであるし、とりわけ、前進したという成果を2005年再検討会議において示すためには、2004年期限は実質的な内容としても適切なことであった。 また、CDにおいて、日本政府はFMCTの中味について具体的な提案を行う作業文書(03.8.14、後にCD/1714、03.8.19)を提出するなど、積極的なとり組みをしたことを特記しておきたい。 課題3のCDの枠外でのFMCT関連の専門家会議に関しては、03年3月28日に、日本、オーストラリア、国連軍縮研究所(UNIDIR)が「多国間における軍備管理条約の検証促進」というテーマでワークショップをジュネーブで開催した。核分裂物質の目録作成について、日本政府の具体的とり組みはない。 総合して、FMCTへの積極性が認められる。また、中国が譲歩した後の日本の対米働きかけが不十分と考えられるが、CD正常化への熱意が認められる。評価をBとする。
[課題の設定] 課題1(CDの行き詰まり打開) 前項で説明したCDの行き詰まり打開のための5大使調停案(CD/1693)においては、核軍縮特別委員会の任務は「(核軍縮の)目的の達成のために前進的かつ系統的な努力に向けた実際的措置に関して、情報と意見の交換を行わなければならない」、またその際に、特別委員会は「多国間の性格をもった将来の作業の可能性に向けた諸アプローチを検討しなければならない」という内容である。核兵器廃絶への実効的プロセスを話しあって欲しいと願う私たちにとっては、極めて弱い内容であると言ってよいであろう。 とはいえ、これを設置するという作業プログラムに全会一致で合意しなければ、CDでは何ごとも始まらない。ここにおいても、日本は核兵器の非人道性を体験し、核兵器廃絶の早期実現を願う被爆国の立場から自立的な外交姿勢を保ちつつ、CDの行き詰まり打開のために積極的に行動するべきである。 課題2(核軍縮の緊急性の訴え) 今回の評価対象期間において、大量破壊兵器の拡散を口実としたイラク戦争が、国連決議と査察の継続を臨む安保理の意向を無視して、米英によって開始された(03.3.20)。その他にも、イランのウラン濃縮問題、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の核開発問題、今年に入ってパキスタンの核技術の流出や「闇市場」問題など、核兵器拡散が重大な国際問題となった。 拡散の実態がこのように拡大していることは、もちろん深刻な問題であり、それへの新しい対処が求められるが、米国主導で核兵器拡散にのみ国際社会の関心を向けようとする動きに警戒しなければならない。03NPT準備委員会における米代表ジョン・S・ウルフ国務次官補の演説は、そのような立場の典型であった。彼は「NPT条約は危険なほどにバランスを欠いている」と述べ、核兵器の数は減り続けているのに「核拡散の道はらせん状に上昇している」(03.4.28)と主張し、不拡散政策の強化を強調した。ブッシュ大統領の拡散防止構想(PSI)の提案(03.5.31)、対象期間の最後の時期に発表した7項目提案(04.2.11)などはその具体的な現れである。 しかし、ウルフ演説の認識は誤りであろう。NPTは長期にわたって大部分の核兵器の拡散を防止するのに成功してきた。にもかかわらず、その期間に核兵器の非合法化、廃絶への明確なノルムを作るのに失敗したために、今核拡散の深刻な事態を招いているのである。その意味では、新型核兵器を開発したり、核実験再開の準備期間の短縮をしている米政策のような例が、同時に厳しく非難されなければならないのである。 この状況の中で、日本は、拡散の危機の背後にある核軍縮への逆行、遅れを指摘、強調する役割を果たさなければならない。 課題3(下部機関の任務と実質の強化) 課題1で説明したように、CDに設置されようとしている核軍縮を扱う特別委員会の任務は、極めて緩やかに設定されている。これが単なる「情報と意見の交換」の場に終わらず、「核兵器禁止条約」のような国際条約の協議や交渉の場に少しでも近づくためには、積極的な国のリーダーシップが必要である。ニュージーランドなどの積極的な国は、特別委員会が協議や交渉の権限を持つよう主張していた。 日本政府は、CDの正常化の最終的な合意において、特別委員会が核兵器廃絶に実効ある任務を果たすことができるように設定されるよう、また、設置された暁には、それが少しでも実効ある活動を行うよう、被爆国としてできるだけの努力を払うべきである。 CDの行き詰まりを乗りこえ、核軍縮の特別委員会が設置されるために、さらにその特別委員会が強い任務を授権されるためには、核軍縮の緊急性を訴える国際世論の高まりが重要な要素である。 上述したような核兵器の拡散問題、テロリストによる核兵器使用の可能性などが要因となって、核兵器やその運搬手段に対する国際世論の関心と懸念が高まっている。被爆国日本の政府は、核兵器の非人道性に根拠を据えて、核兵器廃絶こそ急務であることを訴えるべきである。そのために、日本政府は、国際的な場で被爆の実相を伝えるために、さまざまなとり組みを行うべきである。
[評価] 課題1に関しては、すでに前項で説明した。日本政府は、正常化への熱意を持っているが、日本が米国のMDを導入するという政策の下で、正常化への自立的な役割を果たし得ているとは言えない。 課題2に関しては、日本の活動は両面をもっていた。一方では、日本政府は多国間会議の場で核不拡散と核軍縮は相補的な一つのことであると繰り返している。それは、正しい態度である。前述した川口外相のCD演説も、「NPT体制の下で、これまでにほぼ全ての国により、核兵器保有という選択肢を放棄する約束がなされたという事実を核兵器国は重く受けとめるべきです。・・非核兵器国のかかる決断に対し、核兵器国が目に見える核軍縮の成果を示すことが求められています」と述べた(03.9.4)。ところが、このような言葉の一方では、日本は米国の新型核兵器への動きや核実験再開準備期間短縮に関して、明確な批判の言葉を発しない。逆に、「拡散防止のため」に武力で体制打倒を目指すイラク戦争にいち早く賛成し、PSIを歓迎し、誰の目にも「核軍縮よりも不拡散」を主張する米国の強力な追随者なのである。つまり、核軍縮について、米国に対しては二重規準をもって接している。したがって、日本は課題2を実行しているとは言えないであろう。 03年の道程決議は、「核軍縮を扱うことを任務とする適切な下部機関を、2004年会期内のできるだけ早期にCDに設置すること」(58/59)と要求し、従来の方針を堅持した。しかし、課題3であるこの下部機関が行うべき任務については、日本はほとんど意見を述べていない。これは、日本政府の「ステップ・バイ・ステップ主義」の消極姿勢と関係していると思われる。つまり、FMCTが条約交渉の段階に入る次の課題であるとして、包括的な核軍縮ビジョンを示さないのである。 課題4へのとり組みに関しては、被爆国として日本政府は、核兵器廃絶へ向けての国際的イニシャティブの一環として、独自の計画を立て、国際的に原爆被害の実相を知らせるための努力をすべきである。にもかかわらず、2003年の間に政府自ら積極的に取り組んだとはいえない。 一方で、NGOが行なう計画を支援をする方針は、従来と変わっていない。2003年度に関しては、広島市・長崎市共催で開催された、イギリスのコベントリー、アメリカのアトランタでの「原爆展」にあたり、現地大使館が案内や、広報に協力したり、開会式に大使あるいは領事が参加するなどの協力をした。 また、諸般の事情で実現できなかったが、2004年春、NPT2005年再検討会議準備委員会の期間中に、日本被団協と広島市・長崎市が共催して、国連見学者ロビーで「原爆展――原爆は人間に何をし、人間は核兵器に何をすべきか」を開催する計画に対して、積極的に支援することを明らかにしていた。 総合して、第4項に関する努力は不十分であり、評価はDとする。
[課題の設定] 課題1(モスクワ条約への要求) 米ロ間の「戦略攻撃力削減条約」(モスクワ条約、あるいはSORT)は02年5月24日に署名された。ABM条約が破棄されSTART(戦略兵器削減交渉)過程が事実上終了して、それに代わる条約として結ばれたものである。しかし、この条約による戦略兵器の削減は、削減兵器を将来復活する「迅速対応戦力(responsive forces)」(後述)という概念を伴って行われることが、米国のNPRによって明らかになっていた。これは不可逆性の原則に反する考え方である。 また、モスクワ条約は、STARTUで米ロ間が合意していた多弾頭ICBM(大陸間弾道ミサイル)の廃棄を反古にして、ロシアがそれを維持できるように後退した。 したがって、日本政府は、条約が批准書を交換するまでの間に条約の改訂を米ロに求めるとともに、発効した後も追加議定書などによって、核軍縮の不可逆性を保証するよう働きかけるべきである。 課題2(米国政策への抗議) 第2項の核実験モラトリアムの項で説明した通り、米国の不可逆性を無視した法案が、対象期間の直前に議会に提出されていた。具体的には、「核実験再開準備期間の短縮」「小型核兵器の研究禁止の撤廃」「強力地中貫通型核兵器の研究・開発」である。地中貫通型核兵器は、「新型核兵器を開発しない」という米国の政策を覆し、核兵器に新しい能力(後述の9e項参照)を与えるものであり、その意味で不可逆性の原則違反である。 日本政府は、これらに対して厳重に抗議すべきである。 課題3(消極的安全保証の公約順守に関する日本の政策の明確化) 国連安保理決議(1995.4.11)において、すべての核兵器国は、NPT加盟の非核兵器国に対して核兵器による威嚇や攻撃を行わないと誓約した(消極的安全保証の誓約)。にもかかわらず、米国はNPRや「大量破壊兵器と闘う国家戦略」(02.12)において核兵器以外のWMDや大量通常兵器への対抗兵器として核兵器を位置づけ、消極的安全保証の誓約に逆行する考えを打ち出した。 そんな中で日本政府が北朝鮮の核兵器問題に関連して、核兵器のみならず化学兵器に関しても米国の核抑止力が有効であるという考え方を非公式な場で繰り返してきた。対象期間においても6者協議に関連して、北朝鮮が核兵器計画を放棄し、米国が北朝鮮に「安全の保証」を与えた後にも、米国は日本への核抑止力を維持するよう日本政府が米国に要請していたと伝えられる(03.10.30、「共同通信」)。 日本政府はこの真偽を明らかにするとともに、消極的安全保証の誓約順守の重要性を再確認すべきである。 課題4(ミサイル防衛の中止) 米国のミサイル防衛(MD)計画がCD行き詰まりの重要な要因となっていることは、すでに第3項、第4項で指摘した。また、新しい軍備競争を誘発することによって、核兵器に新たな軍事的価値を付与する作用を持つであろう。米国のNPRの基礎となった「4年期国防見直し(QDR)」(01.9.30)は、MDを一要素とする国防能力の「新しい三本柱」を定義し、MDと核兵器を併用した考え方を打ち出しているが、このような考え方は、他国の核戦略にすでに影響を及ぼし始めている。MDのもっとも直接的な影響としては、ABM条約によって禁止されていた弾道ミサイル迎撃兵器の海上、空中、宇宙への配備が解禁され、それを現実化したことであろう。 そんな中で、日本が日米弾道ミサイル防衛(MD)共同技術研究に乗りだしたことは、不可逆性を破る行為への加担を意味する。これによって東アジアの緊張を高め、軍備競争の引き金を引いている。さらに、ブッシュ政権のMD計画では日米共同技術研究の対象となっているシステムは、「海洋配備型中間飛行段階迎撃システム」と呼ばれるものであり、米国のMD計画全体の中で重要な位置を占めている。日米共同技術研究は、日米が一体となって東アジアのみならず世界の軍縮に逆行する役割を演じることを意味する。 日本自身の政策という観点から見ても、この技術研究は「宇宙の開発・利用の基本に関する国会決議」(69.5.9)に違反しており、この項目の命じる「軍備管理に適用されるべき不可逆性の原則」に違反する。 日本政府は米国のMD計画に反対するとともに、日米共同技術研究を中止すべきである。 課題5(戦術核再搭載の防止) 1991年、2年にブッシュ、ゴルバチョフ、エリツィン大統領が、「相互に調整された一方的措置」として、戦術核の廃棄と撤去を行った措置の不可逆性が、核軍縮を後退させないために重要である。日本に関しては、この措置を通じて、少なくとも平時において、艦船・航空機による核兵器の持ち込み疑惑から解放されるという直接の利点が生み出されている。この措置の不可逆性を現場から担保する方法として、日本は非核三原則の法制化を行うことが適切である。福田康夫内閣官房長官が、非核三原則が変わりうるものだと記者会見で述べた(02.5.31)後に国会で撤回した(02.6.10)が、そのような経緯を繰り返さないためにも、法制化が望ましい。 [評価] 不可逆性の原則は、NPT2000年合意の中でも極めて重要な合意であるが、日本政府はこの実現にほとんど意欲を示してこなかった。この項目に真っ向から違反する形で米国がABM条約を破棄して以来、日本政府は不可逆性の問題を口にしなくなっているように見える。 課題1に関しては、日本政府はモスクワ条約が署名されて以来、一貫してそれを高く評価してきた。たとえば署名の日に発表された外務報道官談話は、「国際的な軍備管理・軍縮・不拡散の動きを促進する」(02.5.24)と条約への評価と期待を表明した。また、国連総会第一委員会における猪口邦子大使の演説は「米ロ間の戦略的攻撃力削減条約の署名を高く評価する。そして、この条約が核軍縮努力に向けた重要な一歩として役立つべきものと期待する」(02.10.1)と述べた。対象期間にモスクワ条約が発効した(03.6.1)が、03年の国連総会における日本の「道程決議」は「さらなる核軍縮への一歩となるべき・・・前進」と肯定的に述べるに留まった(03.12.8、58/59)。この態度は、同じ国連総会に出された新アジェンダ決議が、モスクワ条約に触れて、「この条約を検証可能、かつ不可逆的なものに」(03.12.8、58/51)するよう要求したのと対照的である。新アジェンダ連合のような認識は、決して少数派のものではない。対象期間の最後の時期に、モハメド・エルバラダイIAEA事務局長自身が、「米ロ間の最近の諸合意は、賞賛すべきものであるが、検証可能で不可逆なものでなければならない」(04.2.12、「ニューヨーク・タイムズ」)と書いている。日本の消極姿勢は極めて残念である。 課題2に挙げられた米国の逆行的な核兵器政策は、すべて「04会計年国防認可法」で立法化された。「核実験再開準備期間の短縮」(第 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||