■ 短信:2001国連総会日本決議案



●11月3日

 11月1日の午後(NY時間)に、日本決議の修正案が提出されました。私の意見と入手したニューヨークでの反応をお知らせします。

(1)「明確な約束」を、昨年と同様に前文に前提事項として位置づける要求は無視されました。
 原案と同じように主文3の「実際的措置」の一つの位置に留めたうえで、主文3のシャポーと呼ばれる枕詞のところの表現を「実際的措置をとることの重要性」から「実際的措置の重要性」として、今後の課題であるという印象を除くという修正を加えました。また、主文3(e)の「明確な約束」を述べた項に「2000年NPT再検討会議で合意されたように」という修飾語を入れて、既定の約束であるという点を明確にしようとしています。日本は、前文に入れるよりは、この方が強いと主張しているようです。
 原案よりは、改善されたと言えるでしょうが、「実際的措置の一つ」に「明確な約束」の地位を低めた日本の姿勢は不変です。昨年の日本決議の書き方や、新アジェンダ諸国が「明確な約束」を強調するスタンスからすると、後退させたという評価は消えないでしょう。

(2)CTBTに関する項目は、2003年は復活させませんでしたが、「CTBTの早期発効を達成するために、遅滞なく無条件に憲法の手続きにしたがって署名および批准することの重要性と緊急性」という表現を導入し、「早期発効」の要求は復活させました。2003年問題以外に、昨年と比較して、「とりわけ発効に必要な国」という言葉を除いているのは、アメリカへの配慮だと思われます。
 日本のNGOとしては、2003年を落としたことは、強く批判されるべきであると考えます。また、「早期発効」を復活させる位なら、なぜ最初から入れないのか、米国への追随ぶりをさらけ出し、評判を著しく落とすことを予測できない外交の不明を改めて感じます。

(3)ABM条約への言及は一切復活しませんでした。この点に関しては、新アジェンダなど、ABM体制の維持・強化を主張する国には、強い批判点として残ります。STARTに言及がまったく無いという批判に応えて、前文に過去のSTARTの功績を示す一言を入れましたが、これは意味のない彌縫策です。

 他にも修正点はありますが、主な点は以上です。

 この修正によって、新アジェンダや非同盟運動がどれだけ「賛成」に回るかは、今後の情報に待たなければなりません。NYのNGOも、判断が難しいようです。私は、国によるばらつきが出るでしょうが、新アジェンダ諸国はCTBTに関しては許しうるが、「明確な約束」とABMに関しては厳しいのではないかと想像します。
(梅林宏道)


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