〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月14日~4月1日)

2026.04.04

〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月14日~4月1日)

緊急特設ページ(2026年2月28日~3月13日)はこちら

 2月28日の米・イスラエルによるイラン奇襲攻撃に始まる戦争は、開始から1か月を超え、当事者たちは収束の仕方をめぐり大きな岐路に立たされています。ピースデポは、この間、イラン戦争に関わる一次資料を整理・紹介する作業を行い、アクティヴィストやメディア、政策担当者のより客観的な情勢判断に貢献することを目指してきました。前回、開戦後2週間の情報をまとめたのに続き、今回は3月14日~27日の情報をまとめました。なお、それらの情報の公開を準備している間にも、重要な動きがあり、速報として4つの文書をここに追加紹介します。

①【中国・パキスタン】中国とパキスタンによる湾岸・中東地域の平和と安定回復に向けた5つの重点イニシアチブ(3月31日)
原文:Five-Point Initiative of China and Pakistan For Restoring Peace and Stability in the Gulf and Middle East Region
(ガイド)パキスタンのシャリフ首相は3月24日に米・イランの仲介をする用意があると表明していたが、その後、中国を引き込み、北京での外相会談後、この共同声明を発表した。内容は、①即時停戦、②和平交渉の早期開始、③非軍事目標の安全確保、④航路の安全確保、⑤国連憲章の優位性支持、の5項目。

②【イスラエル】過越しの祭にむけたネタニヤフ首相の演説(3月31日)
原文:Statement by Prime Minister Netanyahu
(ガイド)戦争の成果、とりわけ、イランがいかに弱体化したかを強調する内容。現実には、イスラエルに対するイランのミサイル攻撃は止まらず、前日の30日だけでも、ハイファの石油精錬施設が被害を受け、レバノン侵攻中のイスラエル兵4名がヒズボッラーの攻撃で殺害されている。

③【米国】トランプ大統領の開戦1か月演説(4月1日)
出典:President Trump Delivers an Address to the Nation
(ガイド)戦争の成果を一方的に強調し、近い時期の撤退を示唆する内容ではあるが、「今後2~3週間で彼らに極めて激しい攻撃を加える」、「石器時代に引き戻す」として当面の攻撃続行を宣言した。他方、ホルムズ海峡の安全確保については、そこからの石油を必要とする国が責任を負うべきだとして米国の主体的関与を否認している。

④【イラン】ペゼシュキアン大統領のアメリカ国民宛書簡(4月1日)
出典:To the people of the United States of America
(ガイド)ペゼシュキアン大統領は、3月7日の声明でイランが「報復攻撃」を加えた湾岸アラブ諸国に謝罪したが、革命防衛隊による湾岸諸国に対する攻撃はその後も続き、事実上大統領の声明は無視された。今回の声明も軍事行動の指揮系統と関わらない広報外交に特化した内容で、同大統領の権限が限定され、軍との間で役割分担がされていることを示唆している。

 

3月14日~3月27日の重要文書

 

  • 2026年3月17日(火)——————————————————————————————

【国連】国連事務総長による声明(3月17日)
原文:War in Middle East Must Stop

(ガイド)
 グテーレス国連事務総長は、拡大する中東の戦争について、戦争終結を訴える声明を発表した。なお、安保理決議第2817号(2026年)とは、激化する中東紛争に対し、湾岸諸国の主権尊重と即時停戦を求めたものである。

(本文全訳)
 事務総長は、中東での戦争を終わらせなければならないと改めて強調しました。外交的解決が優先されなければなりません。安全保障理事会のすべての決議は履行されなければなりません。湾岸諸国が依然として標的とされている現状を踏まえ、最新の決議である第2817号(2026年)も遵守されなければなりません。

 

【日本】日・イラン外相電話会談(3月17日)
原文:日・イラン外相電話会談|外務省

(ガイド)
 3月9日に続いてのイラン外相との電話会談。3月9日の会談は、核開発阻止や事態沈静化に向けた「外交努力」という包括的な原則論が中心であったのに対し、今回は、留め置かれた日本関係船舶の安全確保、全船舶の航行の自由、拘束邦人の早期解放といった「具体的被害への対処」に重点が移った。

(本文)
 3月17日午後10時から30分間、茂木敏充外務大臣は、セイエド・アッバス・アラグチ・イラン・イスラム共和国外務大臣(H.E. Dr. Seyyed Abbas ARAGHCHI, Minister of Foreign Affairs of the Islamic Republic of Iran)と電話会談を行ったところ、概要は以下のとおりです。

1.冒頭、茂木大臣から、前回(3月9日)の電話会談後も攻撃の応酬が止まず、周辺国を含め被害が拡大していることを深刻に懸念している旨述べつつ、イランが湾岸諸国における民間施設やインフラ施設等への攻撃やホルムズ海峡における航行の安全を脅かす行為を直ちに停止するよう強く求めました。また、ペルシャ湾内に日本関係船舶が多数留め置かれていることについて懸念を表明し、日本やアジア諸国を含め、ホルムズ海峡における全ての船舶の安全が確保されるようイラン側の適切な対応を求めました。

2.これに対し、アラグチ外相からは、イラン側の立場について説明があり、両外相は、事態の早期沈静化に向け、引き続き意思疎通を継続していくことで一致しました。

3.茂木大臣から、イラン国内で拘束されている邦人2名の早期解放を改めて要請しました。

 

  • 2026年3月19日(木)——————————————————————————————

【米国】ピート・ヘグセス戦争長官の発表(3月19日)
原文:Hegseth Draws Distinction Between Epic Fury, Previous Conflicts

(ガイド)
 ペンタゴンでの会見でピート・ヘグセス戦争長官は、イランに対する「エピック・フューリー作戦」がイラク戦争やアフガニスタン戦争のような長期紛争とは異なると説明。今回の作戦は短期かつ決定的で、イランのミサイル基地や海軍力の破壊、核兵器保有阻止など明確な目標が達成されていることを強調した。統合参謀本部議長も現場の作戦状況を報告し、戦果の具体例を示している。また、戦闘で命を落とした米軍関係者への追悼も行われ、戦いの意義が強調された。

(本文抄訳)
 ペンタゴンでの記者会見でピート・ヘグセス戦争長官は、現在進行中の「エピック・フューリー作戦」はイラク戦争やアフガニスタン戦争のような長期的・泥沼的な紛争とは異なると強調した。長官は自身も過去の戦争に参加した経験を踏まえつつ、今回の作戦は「決定的で焦点の定まった戦い」であり、イランのミサイル拠点や海軍力の破壊、核兵器保有阻止といった具体的目標が着実に達成されていると述べた。また、作戦開始後、イランによる弾道ミサイルやドローン攻撃が90%減少しており、戦果が明確に現れていることを示した。

 会見には統合参謀本部議長ダン・ケイン空軍大将も同席し、イラン沿岸のミサイル格納施設への精密爆撃や、ホルムズ海峡などでの高速小型艦艇を対象とした作戦が継続中であることを報告した。ヘグセス長官はまた、戦闘に関連して命を落とした米軍関係者に追悼の意を表し、遺族への面会を通じて戦いの意義を伝えることの重要性を強調した。

 総じて、ヘグセス長官は今回の作戦を「永遠の戦争ではなく、短期的かつ戦略的目標を持った作戦」と位置付け、米軍の信頼性と決定力を示す戦いとして描写している。過去の紛争とは異なり、明確な戦果と目標達成が見える点が今回の作戦の特徴である。

 

【国連】国連事務総長の欧州議会での発言(3月19日)
原文:Secretary-General’s joint press encounter with H.E. Mr. António Costa, President of the European Council

(ガイド)
 中東の戦争拡大を受け、グテーレス国連事務総長は米国、イスラエル、イランに対し、戦争の早期終結、国際法の遵守を改めて強く訴えた。また、民間人の苦悩や世界経済への悪影響を懸念し、「力の法(力による支配)」を否定した。

(本文抄訳)
(略)まず、米国とイスラエルに向けて申し上げます。

 この戦争は完全に制御不能に陥る危険性があり、民間人に計り知れない苦痛をもたらし、世界経済に波及しています。特に後発開発途上国にとって、その影響は極めて深刻であり、悲劇的な結果を招く恐れがあります。今こそ、この戦争を終わらせるべき時です。

 第二に、イランに向けて:隣国への攻撃を止めなさい。彼らは紛争の当事者ではありません。 安全保障理事会は、これらの攻撃を非難し、ホルムズ海峡の封鎖解除を命じたのと同様に、攻撃の停止を命じています。

 ホルムズ海峡の長期にわたる封鎖は、この紛争とは何の関係もない世界中の多くの人々に甚大な苦痛をもたらしています。

 今こそ、「力の法」よりも「法の力」が優先されるべき時です。今こそ、戦争よりも外交が優先されるべき時です。(略)

 

【日英仏独など】日英仏独首脳などによるホルムズ海峡に関する共同声明(3月19日)
原文:ホルムズ海峡に関する英・仏・独・伊・蘭・日・加及びその他諸国の首脳による共同声明(仮訳)|外務省

(ガイド)
 日英仏独など7か国は、イランによるホルムズ海峡の事実上の閉鎖や民間インフラへの攻撃を強く非難した。航行の自由とエネルギー供給網の維持は国際的な安全保障の根幹であるとし、軍事妨害の即時停止を要求。IEAによる石油備蓄の放出を歓迎し、産油国との連携や市場安定化に向けた国際協力の姿勢を鮮明にした。なお、共同声明への参加国は後に30か国に拡大したが、米国とイスラエルは加わっていない(3月24日現在)。

(本文全訳:日本外務省仮訳)
 我々は、ペルシャ湾においてイランが非武装の商業船舶に対して行った最近の攻撃、石油・ガス施設を含む民間インフラへの攻撃、およびイラン軍によるホルムズ海峡の事実上の閉鎖を、最も強い言葉で非難する。

 我々は紛争のエスカレーションに深い懸念を表明する。我々はイランに対し、脅迫行為、機雷の敷設、ドローンおよびミサイル攻撃、ならびに商業船舶の航行を妨害するその他一切の行為を直ちに停止し、国連安全保障理事会決議2817を遵守するよう求める。

 航行の自由は、国連海洋法条約を含む国際法の下で確立された基本原則である。

 イランの行動の影響は、世界のあらゆる地域の人々、とりわけ最も脆弱な人々に及ぶことになる。

 安保理決議2817号に従って、我々は、国際海運に対するこうした干渉および世界のエネルギー供給網の混乱が、国際的な平和と安全に対する脅威を構成することを強調する。この点に関して、我々は石油・ガス施設を含む民間インフラへの攻撃を直ちにかつ包括的に停止するよう求める。

 さらに我々は、ホルムズ海峡における安全な航行の確保を目的とした適切な取組に貢献する用意があることを表明する。我々は準備計画に取り組んでいる国々のコミットメントを歓迎する。

 我々は、国際エネルギー機関(IEA)が戦略石油備蓄の協調放出を承認した決定を歓迎する。我々は、特定の産油国と協力して生産量の増加を図ることを含め、エネルギー市場の安定化に向けたその他の措置も講じていく。

 また、国連および国際金融機関(IFIs)を通じるものを含め、最も影響を受けている国々への支援を提供していく。

 海上の安全および航行の自由は、すべての国に利益をもたらす。我々は、すべての国が国際法を遵守し、国際的な繁栄と安全の基盤となる基本原則を守ることを求める。

(参考)3月19日、英・仏・独・伊・蘭・日が首脳共同声明(本文書)を発出。2026年3月24日時点での参加国は計30か国。

(注)英、仏、独、伊、蘭、日、加、韓、豪、NZ、デンマーク、ラトビア、スロベニア、エストニア、ノルウェー、スウェーデン、フィンランド、チェコ、ルーマニア、バーレーン、リトアニア、UAE、ポルトガル、トリニダード・トバゴ、ドミニカ共和国、クロアチア、ブルガリア、コソボ、パナマ、北マケドニア

 

【日本】日米首脳会談における高市首相の姿勢(3月19日)
原文:日米首脳会談及び夕食会|外務省

(ガイド)
 高市首相は、米国のイラン攻撃に対する法的評価を避けつつ、核開発や航行妨害を行うイランを強く非難した。事態の沈静化とエネルギーの安定供給を最優先とし、米国産エネルギーの増産協力や国内での米国原油備蓄といった実効的な共同事業によるエネルギー安全保障強化を打ち出した。一方で、ホルムズ海峡への自衛隊派遣については法的制約を理由に明言を避けた。

(本文抜粋)
(1)イラン情勢
 現下のイランをめぐる情勢に関し、高市総理大臣から、次を述べました。
(ア)これまで「イランによる核兵器開発は決して許されない」といった我が国の立場を一貫して明らかにしてきた。
(イ)我が国として、ホルムズ海峡の閉鎖、航行の安全を脅かす行為や周辺地域に対する攻撃といったイランの行動を深刻に懸念し、非難する。
(ウ)米国を含む国際社会と共に、事態の早期沈静化及び国際的なエネルギーの安定供給等を含む中東地域の平和と安定の実現に向けた取組が重要である。
(エ)特に、エネルギーの安定供給に関しては、日本やアジアにおける原油調達を念頭に、米国産エネルギーの生産拡大に日米で共に取り組んでいきたい。また、日本において米国から調達する原油を備蓄する共同事業を実現したい。
 その上で、両首脳は、エネルギー安全保障の観点を含め、ホルムズ海峡を含む中東地域の平和と安定に向けて、引き続き、日米間で緊密に意思疎通を続けていくことで一致しました。

 

  • 2026年3月20日(金)——————————————————————————————

【イラン】モジュタバ・ハメネイ最高指導者によるノウルーズ(新年)のメッセージ(3月20日)
原文:Full text of Leader of the Islamic Revolution’s New Year message

(ガイド)
 モジュタバ・ハメネイ最高指導者の二度目のメッセージ。3月13日のメッセージに比べ、戦時下のイラン国内外の人びとに向けた包括的メッセージという点では同じであるものの、戦争協力を鼓舞するような言葉はほとんどなくなっている。毎年ノウルーズのメッセージで設定される「標語」も「国家の統一と国家の安全保障に照らす抵抗経済」というもので、全体として余裕すら感じさせる論調になっている。

(本文抄訳)
(略)まず最初に、広場や地域、モスクなどで活動するだけでなく、ますます積極的に社会的な役割を担っている方々に、心から感謝申し上げます。その中には、公的・私的な生産組織やサービス業の組合、そして特に、職務上義務ではないにもかかわらず、人々に無償で様々な有益なサービスを提供している方々が含まれます。(略)

 第二に、敵の行動方針の一つはメディア工作であり、特に近年では、国民の一部の精神を標的にすることで、国家の統一、ひいては国家安全保障を弱体化させようとしています。我々は、この邪悪な意図が、不注意や自らの手によって実現されないよう、細心の注意を払わなければなりません。(略)

 第三に、敵の狙いの一つは、長年にわたって形成されてきた経済的・経営的な弱点につけ込むことです。長年にわたり、殉教した指導者(アッラーが彼の地位を高めてくださいますように)は、その年の主要テーマとスローガンを経済に集中させてきました。(略)偉大な殉教者となった指導者からインスピレーションを得て、今年の標語を「国家の統一と国家の安全保障に照らす抵抗経済」と宣言します。

 第四に、そして最後に、私が最初の声明で述べた、近隣諸国との関わりに関する体制の立場と政策は、真剣かつ重要な問題です。(略)トルコとオマーン(いずれも我々と良好な関係にある)に対する特定の場所を標的とした攻撃は、イスラム共和国の軍隊や抵抗戦線の他の勢力によって実行されたものでは決してないことを指摘しておきます。これはシオニストの敵による策略であり、イスラム共和国とその近隣諸国との間に不和を生み出すための偽旗作戦です。他の国々でも同様のことが起こる可能性があります。この件に関するその他の点については、既に述べました。(略)

 

  • 2026年3月21日(土)——————————————————————————————

【米国】Truth Socialで対イラン軍事作戦の縮小検討を発表(3月21日)
原文:Donald J. Trump (@realDonaldTrump)

(ガイド) 
 ドナルド・トランプ大統領は、自身のSNS「Truth Social」で米国が中東で展開してきたイランに対する軍事作戦について、目標の達成に近づいたとして縮小を検討していると発表した。投稿ではイランのミサイル能力や防衛産業の無力化、核開発阻止、同盟国の安全保障の維持を重視する姿勢を示し、ホルムズ海峡での米軍の直接関与は限定的であることを明言している。抑止力を誇示しつつ、地域安定への責任を同盟国に委ねる戦略的声明となっている。

(本文全訳)
 私たちは、中東における大規模な軍事作戦を縮小することを検討する中で、イランのテロ政権に関して、我々の目標を達成することに非常に近づいています。

1.イランのミサイル能力、発射装置、そしてそれに関連するあらゆるものを完全に無力化すること。

2.イランの防衛産業基盤を破壊すること。

3.対空兵器を含むイランの海軍および空軍を排除すること。

4.イランが核能力に近づくことを決して許さず、万一そのような状況が起こった場合には、米国が迅速かつ強力に対応できる態勢を常に維持すること。

5.イスラエル・サウジアラビア・カタール・アラブ首長国連邦・バーレーン・クウェートなどを含む、中東の同盟国を最高レベルで保護すること。

 ホルムズ海峡はそれを利用する他国が必要に応じて警備・監視する必要があり、それを米国が担うべきではありません。

 求められれば米国はこれらの国々のホルムズ海峡に関する取り組みを支援しますが、イランの脅威が排除されればその必要はなくなるはずです。重要な点としてこれは彼らにとって容易な軍事作戦となるでしょう。この件にご注目いただき、ありがとうございます。

ドナルド・J・トランプ大統領

 

【IAEA】イランのナタンズ施設が攻撃されたことについて(3月21日)
原文:https://x.com/iaeaorg/status/2035300805708804229

(ガイド)
 IAEAは、Xへの投稿でナタンズにあるイランの核施設が攻撃を受けたことを公表した。こうした攻撃は重大な原子力事故を引き起こしかねない極めて危険な行為であり、名指しは避けたものの、当事国に軍事行動の自制を求めた。

(本文全訳)
 イランからIAEAに対し、本日ナタンズ核施設が攻撃を受けたとの連絡があった。施設外での放射線量の増加は報告されていない。IAEAは現在、この報告について調査を行っている。IAEA事務局長@rafaelmgrossiは、原子力事故のリスクを回避するため、軍事行動の自制を改めて呼びかけている。

 

  • 2026年3月22日(日)——————————————————————————————

 

【IAEA】イスラエルのディモナ核施設に対するミサイル攻撃について(3月22日)
原文:https://x.com/iaeaorg/status/2035440400194768929?s=20

(ガイド)
イランの核施設が攻撃を受けた翌日、イスラエル・ディモナ近郊のネゲブ原子力研究センター付近にミサイルが着弾した。これを受け、IAEAのグロッシ事務総長は、原子力施設周辺へのさらなる攻撃を控えるよう改めて訴えた。

(本文全訳)
 IAEAは、イスラエルのディモナ市でミサイルが着弾したとの報告を把握しているが、ネゲブ原子力研究センターに被害が生じたという情報は得ていない。周辺諸国からの情報によると、異常な放射線レベルは検出されていない。状況を注視しているラファエル・M・グロッシ事務局長は、「特に原子力施設の周辺においては、最大限の軍事的自制が求められる」と強調した。

 

【G7】中東地域のパートナーへの支持に関するG7外相声明(3月22日)
原文:中東地域のパートナーへの支持に関するG7外相声明

(ガイド)
 G7とEUは、イランとその代理勢力による中東諸国やエネルギー施設への攻撃を猛烈に批判した。声明では、供給網の安全と市場安定のため、IEAによる石油備蓄放出などの対抗措置を辞さない構えを表明。イランに対し核開発や弾道ミサイル計画の停止を迫るとともに、攻撃を受けた国々の自衛権への揺るぎない支持を強調した。

(本文全訳:日本外務省仮訳)
 我々、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国及び米国のG7外相並びに欧州連合上級代表は、イラン・イスラム共和国及びその代理勢力の不当な攻撃に直面する地域のパートナーへの支持を表明する。

 我々は、国連安保理決議第2817号に沿って、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダン及びイラクの民間人及びエネルギーインフラを含む民間インフラに対する現体制による無謀な攻撃を最も強い言葉で非難する。イランの体制によるこれらの国への不当な攻撃は、地域及び世界の安全保障も脅かす。我々は、イランの体制による全ての攻撃の即時かつ無条件の停止を求める。我々は、ホルムズ海峡及び関連する全ての重要な水路を含む海上航路の防護及び航行の安全、サプライチェーンの安全並びにエネルギー市場の安定の重要性を再確認する。我々は、3月11日にIEAによって決定された備蓄放出等、エネルギーの世界的供給を支援するために必要な措置を講じる用意がある。

 G7は、イランが核兵器を決して取得してはならないこと、弾道ミサイル計画を止めなければならないこと、地域及び世界中における安定を損なう活動を終わらせなければならないこと並びに自国民に対する恐るべき暴力及び弾圧を停止しなければならないことを繰り返し表明してきた。

 我々は、イラン及びその代理勢力によって不当に攻撃された国々が、自らの領土を守り、自国民を守る権利を支持する。我々は、これらの国々の安全、主権及び領土一体性への揺るぎない支持を再確認する。

 我々は、イラン及びその民兵組織が、特にイラク・クルディスタン地域における外交施設やエネルギーインフラ、並びに米国及び対ISIS連合軍、そしてイラク国民に対して行った大胆な攻撃を非難する。

 

  • 2026年3月23日(月)——————————————————————————————

【IAEA】イランのブーシェフル原子力発電所への攻撃について(3月23日)
原文:https://x.com/iaeaorg/status/2036026150812627283?s=20

(ガイド)
 イランのブーシェフル原子力発電所では3月17日に稼働中の発電ユニットからわずか数メートルの場所にミサイルが着弾した。同原子力発電所はロシアの国営原子力企業ロスアトムの支援を受けており、数百名のロシア人技師らが働いているため、ロシア政府は米国・イスラエルを厳しく批判する声明を出し、IAEAに対しても「断固とした批判」を要請していた。

(本文全訳)
 イランの稼働中のブーシェフル原子力発電所付近での軍事活動に関する最近の懸念される報告を受け、IAEAのラファエル・M・グロッシ事務局長@RafaelMGrossiは本日、ロスアトムのリハチェフ事務局長と電話会談を行い、最新情報を受け取った。

 原子力安全・保安に関する7つの不可欠な柱に基づき、グロッシ事務局長は、いかなる軍事行動も原子力発電所の物理的完全性および安全性、ならびに安全な環境下で重要な業務を遂行できなければならない運転要員の安全を脅かしてはならないと改めて強調した。

 

  • 2026年3月24日(木)——————————————————————————————

【米国/イスラエル】イスラエルのメディアがリークしたトランプ大統領の「15項目和平案」の中の14項目(3月24日)
原文:מסמך 15 הנקודות של טראמפ לסיום המלחמה באיראן – והחשש בישראל

(ガイド)
 3月24日、米トランプ大統領がパキスタンを仲介役としてイランに伝えたことをニューヨークタイムズ紙が報じた。その内容は、イランの弾道ミサイルおよび核開発計画、海上航路の問題に対処することとしか言及されていなかったが、同日晩、イスラエルのテレビ局「チャンネル12」が関係者3名から得たとされる情報をまとめたものを報道した。

(本文抄訳)
 米国のイランに対する要求:
・既に蓄積されている既存の核能力を解体すること。
・イランは核兵器開発を一切行わないと約束すること。
・イラン領土内で核物質の濃縮は一切行わないこと。
・すべての濃縮された核物質は、当事者間で決定されるスケジュールに従ってIAEAに引き渡されること。
・ナタンズ、イスファハン、フォルドゥの核施設は廃止され、破壊されること。
・IAEAは、イラン国内のすべての情報にアクセスできること。
・イランは代理戦争のパラダイムを放棄すること。
・地域における代理勢力への資金提供と武器供与を停止すること。
・ホルムズ海峡の開放を維持し、自由航行区域として維持され、誰もそれを封鎖しないこと。
・ミサイル計画:後日決定することとするが、数と射程距離は制限されなければならない。
・ミサイルの今後の使用は、自衛目的のみとする。

イランが得られるであろう対価
・全ての制裁措置の解除。
・ブーシェフルにおける民生用原子力プロジェクト(発電)の推進と開発への支援。
・いわゆるスナップバックの脅威は排除される。

 

【イラン】米国の「15項目和平案」に対しイランが提示した「5項目条件」(3月24日)
原文:Iran rejects US proposal, lays out five conditions for ending imposed war: Source to Press TV

(ガイド)
 イランは、国営放送局「プレスTV」を通じて、「15項目提案」が米国からパキスタンを介して伝えられたことに対し、過去2度にわたり米国が「交渉」の最中に奇襲攻撃を仕掛けた経緯に類似しているとして、新たな攻撃に向けた「策略」だとて即座に応じることを拒否した。そして対案として交渉開始に必要な5条件を提示した。

(本文抄訳)
 イランは、現在進行中の戦争を終結させることを目的としたアメリカの提案に対し、否定的な反応を示し、終結はテヘラン独自の条件と時期でのみ実現すると主張している、とイランの政治安全保障担当高官が水曜日にプレスTVに語った。

 提案の詳細を知る当局者は、プレスTVの独占インタビューで、イランはドナルド・トランプ米大統領に戦争終結の時期を決めさせることは許さないと述べた。(略)

 その当局者は、2025年の春と冬に行われた過去2回の交渉との類似点を指摘し、それらを欺瞞的なものだったと評した。

 同当局者は、いずれの場合も米国は真に有意義な対話を行う意図はなく、その後イランに対して軍事侵略を行ったと強調した。

 そのため、テヘランは友好的な地域仲介者を通じて伝えられた今回の提案を、緊張を高めるための策略とみなし、否定的な反応を示した。

 当局者は、イランが戦争終結に同意する5つの具体的な条件を提示した。それらは以下の通りである。

・敵による「侵略と暗殺」の完全な停止。

・イスラム共和国に戦争が再び課されることがないよう、具体的な仕組みを確立すること。

・戦争損害賠償金の支払いを保証し、その内容を明確に定めること。

・地域全体で、あらゆる戦線において、また、あらゆる抵抗グループに対し、戦争を終結させること。

・イランによるホルムズ海峡に対する主権の行使は、イランの自然権および法的権利であり、今後もそうあり続ける。それは相手方の約束の履行を保証するものであり、認められなければならない。

 同当局者はさらに、これらの条件は、米国とイスラエルが2月28日に新たな攻撃を実行するわずか数日前にジュネーブで行われた第2回交渉でテヘランが以前に提示した要求に追加されるものであると指摘した。

 イランは、誠意をもって行動するすべての仲介者に対し、停戦はイランの全ての条件を受け入れることを前提としていると伝えた。

 「それ以前に交渉は行われない」と当局者は強調し、提示された条件が満たされるまでイランの防衛作戦は継続されると改めて述べた。(略)

 

【中国】王毅外相はイランのアラグチ外相と電話会談を行った(3月24日)
原文:王毅同伊朗外长阿拉格齐通电话— 中华人民共和国外交部

(ガイド)
 この電話会談で、中国の王毅外相は、武力行使に反対し「対話による解決」を重んじる同国の原則的立場を強調した。イラン側は国家主権の保全と全面停戦への意欲を示し、中国の調停に期待を表明した。中国側は客観的・公正な立場から他国の主権侵害に反対し、早期の和平交渉開始と地域の安定に尽力する姿勢を示した。

(本文全訳)
 2026年3月24日、中国共産党中央政治局委員であり外相である王毅は、要請に応じてイラン外相のアッバス・アラグチと電話会談を行った。

 アラグチ外相は、地域情勢の展開に関する最新の状況を説明し、中国側による緊急人道支援に謝意を表した。また、イラン国民は一層結束し、外来の侵略行為に対抗して国家主権と独立を守っていると述べた。イラン側は、一時的な停戦ではなく全面的な停戦の実現に尽力しているとした。ホルムズ海峡はすべての国に対して開かれており、船舶は安全に通航できるが、交戦当事国についてはこの限りではないと述べた。各方面が講じる措置が情勢の沈静化に資するものであり、衝突の激化につながらないことを望むとし、中国が引き続き停戦促進に積極的な役割を果たすことに期待を示した。

 王毅は中国側の原則的立場を改めて表明し、すべての懸案は対話と交渉を通じて解決されるべきであり、武力を用いるべきではないと強調した。対話は戦闘を継続するよりも優れていると述べ、これはイラン政府および国民の利益に合致するとともに、国際社会の広範な願いにも応えるものであると指摘した。すべての関係当事者があらゆる平和の機会を捉え、できるだけ早く和平交渉のプロセスを開始することを期待すると述べた。中国は引き続き客観的かつ公正な立場を堅持し、他国の主権侵害に反対するとともに、積極的に停戦を促し、地域の平和と安定の実現に尽力するとした。

 

  • 2026年3月25日(水)——————————————————————————————

【国連】国連事務総長の中東情勢に関する記者会見(3月25日)
原文:Secretary-General’s press encounter on the situation in the Middle East

(ガイド)
 深刻な中東情勢を踏まえて、事務総長は記者会見において、諸国の軍事行動を厳しく批判するとともに、戦争の被害を最小に抑え、外交による早期の戦争終結を訴えた。

(本文抄訳) 
中東での戦争が勃発してわずか数時間後、私はこの戦闘が、誰も制御できない連鎖反応を引き起こす恐れがあると警告しました。3週間以上が経過した今、戦争は制御不能な状態にあります。この紛争は、指導者たちでさえ想像もできなかった限界を突破してしまいました。(略)

 これは行き過ぎです。エスカレーションの階段を登り続けるのをやめ、外交の階段を登り始め、国際法を完全に尊重する姿勢に立ち返るべき時が来ています。(略)

 私は、この紛争とその余波に対する国連の取り組みを主導するため、ジャン・アルノー氏を私の個人特使に任命しました。

 米国とイスラエルに対して私が伝えたいのは、人々の苦しみは深まり、民間人の犠牲者は増え続け、世界経済への打撃はますます甚大なものとなっている今、戦争を終わらせるべき時が来ているということです。

 イランに対して、紛争当事国ではない近隣諸国への攻撃を止めるよう求めます。安全保障理事会はこれらの攻撃を非難し、その停止を要求しています。(略)

 私は先日のレバノン訪問の際、こうした影響の一部をこの目で直接目撃しました。そこでも、戦争は止めなければなりません。ヒズボラはイスラエルへの攻撃を止めなければなりません。

 そしてイスラエルは、民間人に最も大きな被害を与えているレバノンでの軍事作戦や空爆を止めなければなりません。ガザでの事態がレバノンで繰り返されてはなりません。(略)

 国連システムは、戦争による影響を最小限に抑えるべく、全力を挙げて取り組んでいます。そして、その影響を最小限に抑える最善の方法は明らかです。それは、戦争を直ちに終わらせることです。

 戦争は解決策ではありません。私たちには、この惨事から抜け出す道が必要です。外交こそが、その道です。国際法の完全な尊重こそが、その道です。

 平和こそが、その道です。

 

【IAEA】イランのブーシェフル原子力発電所への攻撃について(3月25日)
原文:https://x.com/iaeaorg/status/2036536815809618185

(ガイド)
 イランのブーシェフル原子力発電所に対する攻撃に関するIAEAの注意喚起。3月17日にも同様のケースが発生している。同発電所ではロシア人技術者が多く働いており、ロシア外務省はこれらの攻撃を厳しく非難する
声明を発表している。

(本文全訳)
 IAEAは、本日、ブーシェフル原子力発電所の敷地内に別の発射体が着弾したとの情報をイランから受け取った。イラン側の発表によると、発電所自体に損傷はなく、職員の負傷者も出ず、発電所の状況は正常である。IAEA事務局長@rafaelmgrossiは、紛争中の原子力安全上のリスクを回避するため、最大限の自制を求める呼びかけを改めて行っている。

 

【中国】中国政府の中東問題特使は、湾岸協力会議加盟国の駐中国代表とグループで会見を行った(3月25日)
原文:中国政府中东问题特使翟隽集体会见海合会国家驻华使节

(ガイド)
 中国の翟隽・中東問題特使は湾岸協力会議加盟国の駐中国代表と会見し、戦闘激化への懸念を示すとともに、湾岸諸国の安全保障上の立場への理解と支持を表明し、情勢沈静化に向けて努力すると述べた。湾岸側は中国の役割拡大に期待を示した。中国はイランと湾岸諸国双方との協力関係を模索している。

(本文全訳)
 2026年3月25日、中国政府の中東問題特使である翟隽は、湾岸協力会議諸国の駐中国使節とグループで会見を行った。

 翟隽は、現在の戦闘が中東地域の安全と安定を著しく損なっていると述べた。また、中国側は湾岸諸国の正当な安全保障上の懸念を重視し、湾岸協力会議加盟国が自国の主権、安全および領土保全を守るための努力を理解し支持すると表明した。その上で、中国は引き続き湾岸諸国と緊密な意思疎通を維持し、情勢の沈静化に向けて不断の努力を行う意向を示した。

 湾岸協力会議加盟国の駐中国代表は、現在の情勢に対する見解を説明するとともに、地域の平和と安定の早期回復に向け、中国がより大きな役割を果たすことへの期待を表明した。

 

  • 2026年3月27日(金)——————————————————————————————

【米国】トランプ大統領のTruth Social投稿(3月27日)
原文:https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/116297295543838717

(ガイド)
 これは3月27日にTruth Socialで投稿されたトランプ大統領の発言である。トランプ大統領は米国はイランとの戦闘が続く中、イラン政府の要請を受けてエネルギー施設への攻撃停止期間を10日間延長し、締め切りを2026年4月6日午後8時(米東部時間)まで先送りにしたことを発表した。声明は Truth Social を通じて発表され、現在も交渉が継続していると強調した。

(本文全訳)
 イラン政府の要請に基づき、本声明をもってエネルギー施設の破壊を10日間延期し、2026年4月6日(月)東部時間午後8時までとすることを表明いたします。現在、協議は継続中であり、フェイクニュースメディアやその他の一部による誤報報道とは裏腹に協議は極めて順調に進んでいます。本件へのご注目に感謝申し上げます。

ドナルド・J・トランプ大統領

 

【イラン】国連人権理事会緊急会合におけるアラグチ・イラン外相の演説(3月27日)
原文:Urgent debate to discuss the Protection of Children and Educational Institutions in International Armed Conflict

(ガイド)
 多数の児童が死亡したイラン南​部ミナブの小学校への攻撃(2月28日)に関して開催された国連人権理事会緊急会合にオンライン参加したアラグチ・イラン外相の演説。この会合では、ボルカー・ターク人権高等弁務官が米国に対し、調査の早期完了と結果公表を要請した他、この攻撃で娘2人を失った女性モハデセ・ファラハトさんもオンライン参加し、「この悲劇を忘れてはならない」と訴えた。

(本文抄訳)
 イランは今日、二つの強権的な(bullying)核保有国、米国とイスラエルによって押し付けられた違法な戦争の渦中にいます。

 この侵略戦争は、明白に正当化しようのない、残虐極まりないものです。両国は2月28日、イランと米国が、イランの核開発計画に対する米国の懸念を解消するための外交交渉を行っていた最中に、この侵略を開始しました。両国は、交渉の場を破壊するという手段によって、わずか9ヶ月の間に二度も外交を裏切ったのです。

 この侵略行為の中でも特に凄惨なものの一つが、イラン南部ミナブ市にあるシャジャレ・タイエベ小学校への計画的かつ段階的な襲撃であり、そこでは175人以上の生徒と教師が冷酷に虐殺されました。(略)

 シャジャレ・タイエベ小学校は、過去27日間にわたる米国とイスラエルによる違法な戦争においてなされた彼らの残虐行為の唯一の犠牲者ではありません。人権と国際人道法は、侵略者によって前例のない残虐な方法で大規模かつ組織的に侵害されています。彼らは戦争法および人道と礼儀の基本原則を全く無視し、民間人と民間インフラを標的にしています。(略)

 米国とイスラエルによる、高貴な国家イランに対するこの不当な気まぐれな戦争は、占領下のパレスチナ、レバノン、そしてその他の地域における過去の無法行為と残虐行為に対して沈黙を貫いたことの直接的な結果です。不正義に対して無関心と沈黙を続けることは、安全と平和をもたらすどころか、さらなる不安と人権侵害を招くだけです。国連とその中核的価値観、そして人権の枠組み全体が深刻な危機に瀕しています。(略)

 イランはこれまで戦争を望んだことは一度もありません。イラン国民は、地球上で最も豊かな文明の一つを受け継ぐ、平和で高潔な国民です。しかしながら、彼らはあらゆる犯罪を平然と行う残忍な侵略者に対し、断固たる決意と覚悟をもって自衛してきました。そして、この防衛は必要とされる限り継続されるでしょう。

 

【IAEA】イランのブーシェフル原子力発電所への攻撃について(3月27日)
原文:https://x.com/iaeaorg/status/2037239914102653250

(ガイド)
 ペルシア湾に面したブーシェフル原子力発電所(付近)で3回目となる攻撃に関するIAEAの懸念表明。言及されている「7つの柱」とは、グロッシIAEA事務局長が2022年ロシアによるサボリージャ原発占拠を受けて発表したもので、①原子力施設の物理的一体性の維持、②核セキュリティに係る全てのシステムと装備の完全な機能保持、③施設の職員による適切な核セキュリティに係る職務遂行と決定能力の保持、④サイト外からの配電網を通じた電力供給の確保、⑤物流のサプライチェーン網及び輸送の維持、⑥サイト内外の放射線監視システム及び緊急事態への準備・対応措置、⑦規制当局とサイトとの間で信頼できるコミュニケーション、の7項目。

(本文全訳)
 現在進行中の紛争という状況下において、IAEAのラファエル・グロッシ事務局長@rafaelmgrossiは、イランのブーシェフル原子力発電所付近で発生したと報じられている一連の軍事攻撃、特に火曜日の夜に行われた最新の攻撃について、改めて深い懸念を表明した。

 同発電所は稼働中で大量の核物質を保有していることから、グロッシ事務局長は、施設への被害がイラン国内およびその周辺の広範囲に及ぶ重大な放射線事故につながる恐れがあると警告している。

 グロッシ事務局長は、このような原子力事故のリスクを回避するため、最大限の自制を改めて呼びかけるとともに、紛争下における原子力の安全・保安を確保するための「7つの柱」を遵守することの重要性を強調した。

 

【G7】イランに関するG7外相声明(3月27日)
原文:イランに関するG7外相声明

(ガイド)
 本声明は、民間人や民間インフラへの攻撃停止を求め、エネルギーなど供給網の混乱から市民生活を守る連携を確認し、ホルムズ海峡の「航行の自由」を国際法に基づき回復・維持する必要性を強調している。3月22日のG7声明はイランの軍事行動への「非難と対抗」に焦点を合わせていたのに対し、本声明は紛争による「世界経済や市民生活に対する悪影響の緩和」に比重を置いている。

(本文全訳:日本外務省仮訳)
 我々、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、英国及び米国のG7外相並びに欧州連合(EU)上級代表は、2026年3月26日から27日まで、フランスのヴォー・ド・セルネ修道院においてG7フランス議長国下で、一堂に会した。

 我々は、イラン及び地域の情勢について議論した。

 我々は、この争いが地域のパートナー、民間人及び重要インフラに与える影響を最小化することの重要性、並びに人道支援の取組を調整する必要性を強調した。

 我々は、民間人及び民間インフラに対する攻撃の即時停止を求める。武力衝突において民間人を意図的に標的とすること及び外交施設を攻撃することにはいかなる正当化もあり得ない。

 我々は、経済、エネルギー、肥料及び商業サプライチェーンの混乱といった我々の市民に直接的な影響を及ぼす世界的な経済への打撃を緩和するためのものを含む、多様なパートナーシップ、調整及び支援イニシアティブの価値に焦点を当てた。

 我々は、国連安保理決議第2817号及び海洋法に整合的な形で、ホルムズ海峡を安全かつ通航料なく通過する航行の自由を恒久的に回復する絶対的な必要性を改めて表明した。