〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月28日~4月17日)
2026.04.24
〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月28日~4月17日)
2月28日に米国とイスラエルが開始した対イラン戦争は、パキスタンの仲介により、4月8日、2週間の停戦合意に至りました。その直後、イスラエルはレバノンに対する過去最大の空爆を実行し、米国はイスラエルのレバノン攻撃が停戦合意に含まれないとする立場を明確にしました。この事態を受け、パキスタン政府は停戦合意を維持するために集中的な外交努力を行い、4月11日には、米国のヴァンス副大統領とイランのガリバフ国会議長らによるイスラマバードでの協議を実現しましたが、合意には至らず、トランプ大統領はホルムズ海峡の「逆封鎖」を宣言しました。また、米国の仲介により4月17日にはレバノン・イスラエル間の停戦が別途合意されましたが、この合意は、紛争当事者であるヒズブッラーが関与しておらず、また、イスラエルはレバノン南部の広範な地域を占領したままであるため、極めて不安定な状況にあります。
本緊急特設ページは、「脱軍備・平和モニター」の立ち上げプロジェクトとして7週間にわたり〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争をフォローしてきたが、今回で一区切りとします。今後は、3週間毎に①多国間不拡散体制、②核兵器国の動向、③朝鮮半島情勢、④中東・イラン情勢、⑤日本の安全保障問題、の5分野を中心としたモニターを行い、その中で、イラン情勢についても引き続き、フォローしていきます。引き続き、「脱軍備・平和モニター」への注目をよろしくお願いいたします。
緊急特設ページ(2026年2月28日~3月13日)はこちら
緊急特設ページ(2026年3月14日~3月27日)はこちら
3月28日~4月17日の重要文書
- 2026年3月28日(土)
【IAEA] イランがIAEAにブーシェフル原子力発電所周辺への攻撃を通知
【IAEA] イランがIAEAに重水製造施設、イエローケーキ生産施設への攻撃を通知 - 2026年3月30日(月)
【国連】国連の人道専門家が米国・イスラエルとイランは戦争を終結させるために人権にっ焦点を当てなければならないと述べた
【IAEA】IAEAはイランが報告した重水製造施設について報告 - 2026年3月31日(火)
【中国・パキスタン】中国とパキスタンによる湾岸・中東地域の平和と安定回復に向けた5つの重点イニシアチブ
【イスラエル】過越しの祭にむけたネタニヤフ首相の演説 - 2026年4月1日(水)
【米国】イラン作戦の進捗に関するトランプ大統領の演説
【イラン】ペゼシュキアン大統領のアメリカ国民宛書簡 - 2026年4月2日(木)
【日本】日・サウジアラビア外相電話会談
【英仏独日など40か国以上】ホルムズ海峡に関する外相オンライン会合 - 2026年4月4日(月)
【IAEA】IAEAはイランのブーシェフル原子力発電所への攻撃について報告 - 2026年4月6日(月)
【IAEA】IAEAはイランのブーシェフル原子力発電所への攻撃について報告
【日本】日・イラン外相電話会談
【日本】日・パキスタン外相電話会談 - 2026年4月8日(水)
【米国】Truth Socialにおけるトランプ大統領の対イラン停戦および攻撃停止声明
【米国】エピック・フューリー作戦の成果と今後の対応に関する米国防総省の発表
【仏伊独英日など】中東における紛争に関する共同声明
【国連】国際赤十字委員会の国連代表エリーゼ・モスキーニ氏が国連安全保障理事会で演説
【イラン】イランが公表した10項目の停戦案
【イスラエル】レバノン戦線における停戦を否定するネタニヤフ首相の声明
【日本】日・イラン首脳電話会談
【イラン】イラン・日本首脳電話会談 - 2026年4月10日(金)
【国連】敵対行為の終結と人権侵害の調査を求めるイラン真相調査団によるプレスリリース
【日本】最近のイスラエル・レバノン情勢について(外務大臣談話) - 2026年4月13日(月)
【米国】トランプ大統領の対イラン封鎖に関するTruth Socialの投稿
【中国】王毅外相はパキスタンのダール副首相兼外相と電話会談を行った
【中国】王毅が、ハルドゥーン・アラブ首長国連邦大統領中国担当特使と会見した
【ASEAN】中東情勢に関するASEAN外相声明 - 2026年4月14日(火)
【日本】日・オマーン首脳電話会談
【中国】習近平国家主席がアラブ首長国連邦アブダビ首長国のハーリド皇太子と会談
【国連】国連事務総長の中東情勢に関する記者会見における発言 - 2026年4月15日(水)
【日本】日・イラン外相電話会談
【中国】王毅外相はイランのアラグチ外相と電話会談を行った
【ASEAN】中東情勢に関する第2回ASEAN外相特別会合の結果に関するASEAN議長声明
【国連】国連専門家がイスラエルの停戦合意後のレバノン空爆を非難、即時停戦を要求 - 2026年4月16日(木)
【米国】停戦・封鎖下におけるヘグセス戦争長官の対イラン声明
【米国】米国仲介によるイスラエルとレバノンの停戦合意文書
- 2026年3月28日(土)——————————————————————————————
【IAEA] イランがIAEAにブーシェフル原子力発電所周辺への攻撃を通知(3月28日)
出典:https://x.com/iaeaorg/status/2037653641520157021?s=20
(ガイド)イランのブーシェフル原子力発電所周辺への攻撃が続いており、これに対しIAEAグロッシ事務局長が、繰り返し自制を呼びかけた。
(本文全訳)
イランがIAEAに、ブーシェフル原子力発電所周辺での新たな攻撃を通知したと伝えた。これは10日間で3件目の同様の事件だ。稼働中の原子炉に損傷はなく、放射線漏れも報告されておらず、発電所の状態は正常だとイランは述べている。 グロッシ事務局長 は、原子力発電所近辺での最近の軍事活動に関する報告について再び深い懸念を表明し、原子炉が損傷した場合に重大な放射線事故を引き起こす可能性があると述べた。グロッシ事務局長 は、核事故のリスクを避けるため、最大限の軍事的な自制を求める呼びかけを繰り返しした。
【IAEA] イランがIAEAに重水製造施設、イエローケーキ生産施設への攻撃を通知(3月28日)
出典:https://x.com/iaeaorg/status/2037635341343986127?s=20
https://x.com/iaeaorg/status/2037595664939651457?s=20
(ガイド)IAEAは、イランのイエローケーキ生産施設・重水製造施設が攻撃されたとの報告をうけた。
(本文抄訳)
イランから、ヤズド州のシャヒード・レザイエ・ネジャドイエローケーキ生産施設(アルダカンとしても知られる)が本日攻撃されたとの通報を受けた。敷地外の放射線量の増加は報告されていない。IAEAは報告を調査中。
イランからコンダブにある重水製造施設も攻撃を受けたと報告を受けた。それとは別に、放射性物質Co-60とCs-137を使用する製鉄施設が攻撃を受けた、と報告された。ともに外部への放射線漏れは検出されていない。
- 2026年3月30日(月)——————————————————————————————
【国連】国連の人道専門家が米国・イスラエルとイランは戦争を終結させるために人権にっ焦点を当てなければならないと述べた。(3月30日)
出典:Ending war between USA-Israel and Iran must focus on human rights of Iranians: UN experts | OHCHR
(ガイド)
国連人権高等弁務官事務所の専門家達が、米国・イスラエルとイランの戦争を終結させるためには、人権に焦点を当てなければならないと発言。イランにおける人道的危機を直ぐにでも終わらせなければならないと訴えた。
(本文抄訳)
国連の専門家*は本日、米国とイスラエルによる軍事攻撃がイランの人権状況を劇的に悪化させ、死者が増加しているほか、同国の人々が直面する既存の経済的・環境的圧力をさらに深刻化させていると警告した。「イラン国民は、外部からも内部からも攻撃を受けている」と専門家らは述べた。(略)
「イラン国民は、異常なほど高い処刑率、市民社会の活動の場が組織的に狭められていること、女性や少女に対する差別など、長年にわたる人権侵害の構造に耐え続けている」と専門家らは述べた。専門家らは、2025年12月に始まった全国的な抗議活動への参加に関連して、今月コムで3人の男性が処刑されたことを非難した。(略)
「米国とイスラエルによる軍事攻撃は、国連憲章に違反するだけでなく、こうした状況を劇的に悪化させ、国内での弾圧を激化させている。」彼らは、イランによる一部の報復攻撃は、国連憲章に定められた自衛権の範囲を超え、地域諸国に多大な犠牲を強いていると警告した。(略)
「戦争の終結は緊急かつ必要だが、それだけではイランの人権危機は解決しない」と専門家たちは警告した。「イランにおける人権状況の悪化は、空爆が始まってから始まったわけではなく、空爆が止まったからといって終わるわけでもない。」
【IAEA】IAEAはイランが報告した重水製造施設について報告(3月30日)
出典:https://x.com/iaeaorg/status/2038339917424832954?s=20
(ガイド)
IAEAは衛生画像の分析等により、イランが攻撃をうけた重水製造施設は深刻な損傷をうけて、稼働していないことを確認した。
(本文全訳)
衛星画像の独立した分析と施設に関する知識に基づき、IAEAは、イランが3月27日に攻撃を受けたとの報告をしたKhondabの重水製造施設が深刻な損傷を受け、もはや稼働していないことを確認した。この施設には申告された核物質はない。
- 2026年3月31日(火)——————————————————————————————
【中国・パキスタン】中国とパキスタンによる湾岸・中東地域の平和と安定回復に向けた5つの重点イニシアチブ(3月31日)
出典:Five-Point Initiative of China and Pakistan For Restoring Peace and Stability in the Gulf and Middle East Region
(ガイド)
パキスタンのシャリフ首相は3月24日に米・イランの仲介をする用意があると表明していたが、その後、中国を引き込み、北京での外相会談後、この共同声明を発表した。内容は、①即時停戦、②和平交渉の早期開始、③非軍事目標の安全確保、④航路の安全確保、⑤国連憲章の優位性支持、の5項目。
(本文全訳)
中国共産党中央政治局委員兼中華人民共和国外交部長の王毅閣下と、パキスタン・イスラム共和国副首相兼外務大臣のモハマド・イシャク・ダール上院議員は、2026年3月31日に北京で会談し、湾岸・中東地域の情勢について協議した。
両者は以下の点を提示した。
I.即時停戦:中国とパキスタンは、即時停戦と紛争拡大防止のための最大限の努力を求める。人道支援は、紛争の影響を受けたすべての地域に許可されなければならない。
II.和平交渉の早急な開始:イランおよび湾岸諸国の主権、領土保全、国家の独立、安全保障は守られなければならない。対話と外交こそが紛争解決のための唯一の現実的な選択肢である。中国とパキスタンは、関係当事者が交渉を開始することを支持し、すべての当事者が紛争の平和的解決に尽力し、和平交渉中は武力行使または武力行使の威嚇を控えることを約束する。
III.非軍事目標の安全:軍事紛争における民間人保護の原則は遵守されるべきである。中国とパキスタンは、紛争当事者に対し、民間人および非軍事目標への攻撃を直ちに停止し、国際人道法(IHL)を完全に遵守し、エネルギー、海水淡水化、発電施設などの重要インフラ、および原子力発電所などの平和的な原子力インフラへの攻撃を停止するよう求める。
IV.航路の安全:ホルムズ海峡とその周辺海域は、物資とエネルギーの重要な国際輸送ルートである。中国とパキスタンは、関係各国に対し、ホルムズ海峡で立ち往生している船舶と乗組員の安全を確保し、民間船舶および商船の早期かつ安全な航行を許可し、海峡の正常な航行をできるだけ早く回復するよう求める。
V.国連憲章の優位性:中国とパキスタンは、真の多国間主義を実践し、国連の優位性を共同で強化し、国連憲章の目的と原則および国際法に基づき、包括的な平和枠組みを確立し、永続的な平和を実現するための合意の締結を支持するよう呼びかける。
【イスラエル】過越しの祭にむけたネタニヤフ首相の演説(3月31日)
出典:Statement by Prime Minister Netanyahu
(ガイド)
戦争の成果、とりわけ、イランがいかに弱体化したかを強調する内容。現実には、イスラエルに対するイランのミサイル攻撃は止まらず、前日の30日だけでも、ハイファの石油精錬施設が被害を受け、レバノン侵攻中のイスラエル兵4名がヒズボッラーの攻撃で殺害されている。
(本文抄訳)
イスラエルの兄弟姉妹の皆さん、自由の祭典を目前に控え、イスラエルはかつてないほど強大です。(略)この闘いにおいて、我々は計り知れないほどの偉業を成し遂げてきました。(略)
1.我々は戦略的な逆転劇を成し遂げました。(略)イランのアーヤトッラー政権はかつてないほど弱体化し、イスラエル国家はかつてないほど強大になっています。(略)
2.イランが全人類にもたらす危険性を世界に知らしめました。(略)
3.作戦開始前は、我々はイランと単独で戦っていました。今日、我々は米国と肩を並べて戦っています。(略)それだけでなく、イランという共通の脅威に対抗するため、この地域の重要な国々とも新たな同盟関係を構築しています。(略)
4.我々はテロ政権の基盤を揺るがしました。(略)遅かれ早かれ、この政権は崩壊する運命にあると断言します。
5.我々は2つの存亡にかかわる脅威に深刻な打撃を与え、それらを除去しました。(略)「ライジング・ライオン」作戦では、イランが核兵器と多数の弾道ミサイルで武装するという差し迫った脅威を退け、「ローリング・ライオン」作戦では、これらの破壊兵器を製造するイラン政権の産業能力を粉砕し、補完的な成果を上げました。(略)
6.我々を締め付けていたイランのテロリスト軍の力を弱体化させました。(略)
7.我々は国境をはるかに超えた場所に安全保障地帯を設置しました。ガザ地区では、地区の半分以上の領域に。シリアでは、ヘルモン山脈からヤルムークまで。そしてレバノンでは、侵略の脅威を阻止し、我々のコミュニティへの対戦車ミサイル攻撃の脅威を押し返すための広大な緩衝地帯に。
8.我々はセキュリティの概念を変えました。攻撃を開始し、敵を奇襲するのは我々です。
9.我々は自国の防空システムが世界最高であることを証明しました。(略)
10.我々はイスラエル国民とイスラエル経済の素晴らしい回復力を示しました。(略)
- 2026年4月1日(水)——————————————————————————————
【米国】イラン作戦の進捗に関するトランプ大統領の演説(4月1日)
出典:Trump: Objectives in Iran Near Completion, Terrorist Nation ‘Bully No Longer’
(ガイド)
本資料は2026年4月1日にホワイトハウスで行われたドナルド・トランプ大統領の演説であり、イランに対する軍事作戦の進捗、軍事的成果、および核兵器保有阻止に向けた今後の方針について述べたものである。
(本文抄訳)
ドナルド・トランプ大統領はホワイトハウスからの今夜の演説において、国民に対し、エピック・フューリー作戦の一環として、米軍はイランにおける作戦目標の達成に近づいていると述べた。そのうえで、大統領は、今後2〜3週間で攻撃をさらに強化し、イランが軍事力を展開する能力を恒久的に無力化するとともに、核兵器保有の可能性を完全に排除すると述べた。(略)
トランプ大統領は国民に対し、米軍がイランの軍事能力を一つまた一つと徹底的に打ち砕いてきたその手際は見事であったと述べた。
「我々は、この政権が米国を脅かしたり国境の外に軍事力を展開したりする能力を体系的に解体している」と大統領は語った。「それは、今や完全に壊滅したイラン海軍の排除を意味し、同国の空軍およびミサイル計画に前例のない打撃を与え、防衛産業基盤を壊滅させることである。我々はそれをすべて成し遂げた。彼らの海軍は消滅した。空軍も消滅した。ミサイルはほぼ使い果たされるか、無力化されている。」
大統領は、これらの一連の行動を総合すると、イランの軍事力を著しく機能不全に陥らせ、テロ組織の代理勢力を支援する能力を壊滅させたと述べた。
米中央軍によれば、作戦開始以来、イラン国内で1万2,300以上の地点が攻撃され、1万3,000回以上の戦闘飛行が実施され、155隻以上のイラン軍艦艇が損傷または破壊された。
米軍は、イランが国外に軍事力を展開する能力を引き続き封じ込める一方で、トランプ大統領は国民に対し、この紛争の中で命を落とした軍人たちを忘れないよう呼びかけた。(略)
大統領はまた、米軍への支援を提供したことに対し、イスラエル、サウジアラビア、カタール、アラブ首長国連邦、クウェートおよびバーレーンを含む中東の同盟国に謝意を表明した。(略)
大統領はさらに、エピック・フューリー作戦を適切に位置づけて捉えることが重要であると述べ、その上で、第二次世界大戦はほぼ4年続き、朝鮮戦争は3年以上、ベトナム戦争はほぼ20年、そしてイラクの自由作戦(訳注:イラク戦争)は8年以上に及んだと指摘した。
「我々は、この極めて強力で卓越した軍事作戦において、最も強大な国の一つに対して32日間にわたり戦ってきた」と彼は述べた。「その結果、その国は徹底的に打撃を受け、事実上もはや脅威ではなくなっている。かつては中東の覇権的存在であったが、もはやそうではない。」
大統領は、米軍の行動によって、米国民はいまやイランの侵略行為や核による威圧への恐怖から解放された世界を展望できるようになったと述べた。
「我々が取ってきた行動により、イランが米国および世界にもたらしてきた不穏な脅威を終わらせる瀬戸際にある」と大統領は語った。 「世界は注視している。そしてすべてが終わったとき、米国はかつてないほど安全で、強く、繁栄し、より偉大な国となっているだろう。」
【イラン】ペゼシュキアン大統領のアメリカ国民宛書簡(4月1日)
出典:To the people of the United States of America
(ガイド)
ペゼシュキアン大統領は、3月7日の声明でイランが「報復攻撃」を加えた湾岸アラブ諸国に謝罪したが、革命防衛隊による湾岸諸国に対する攻撃はその後も続き、事実上大統領の声明は無視された。今回の声明も軍事行動の指揮系統と関わらない広報外交に特化した内容で、同大統領の権限が限定され、軍との間で役割分担がされていることを示唆している。この戦争が米国の国益ではなくイスラエルの要請に沿ったものだとの主張が明確に述べられている。
(本文抄訳)
アメリカ合衆国の国民の皆様、そして、歪曲や捏造された物語が氾濫する中で、真実を求め、より良い生活を求め続けるすべての人々へ。(略)
イランとアメリカの関係は当初敵対的ではなく、イラン人とアメリカ人の初期の交流は敵意や緊張に満ちたものではありませんでした。しかし、転換点となったのは1953年のクーデターでした。これは、イランの資源の国有化を阻止することを目的とした、アメリカによる違法な介入でした。このクーデターはイランの民主化プロセスを阻害し、独裁政権を復活させ、イラン国民の間にアメリカの政策に対する深い不信感を植え付けました。この不信感は、アメリカがシャー政権を支援し、1980年代の戦争中にサダム・フセインを支援し、近代史上最長かつ最も包括的な制裁を課し、そして最終的には、交渉の最中に二度もイランに対して挑発のない軍事侵略を行ったことで、さらに深まりました。(略)
これは根本的な疑問を提起します。この戦争は、アメリカ国民の利益のうち、一体どれを真に守っているのでしょうか? イランからの客観的な脅威は存在し、このような行為を正当化するものだったのでしょうか? 罪のない子供たちの虐殺、がん治療薬製造施設の破壊、あるいはある国を石器時代にまで爆撃したと自慢することは、アメリカの国際的な地位をさらに損なう以外に、何か目的があるのでしょうか?(略)
アメリカがイスラエルの代理として、その政権の影響を受け、操られてこの侵略に加わったという事実はないでしょうか? イスラエルはイランの脅威を捏造することで、パレスチナ人に対する犯罪から世界の目をそらそうとしているのではないでしょうか? イスラエルは今や、最後のアメリカ兵と最後のアメリカ納税者の資金が尽きるまでイランと戦おうとしており、自らの妄想の重荷をイラン、地域、そしてアメリカ自身に押し付け、不当な利益を追求しようとしているのは明らかではないでしょうか?(略)
- 2026年4月2日(木)——————————————————————————————
【日本】日・サウジアラビア外相電話会談(4月2日)
出典:日・サウジアラビア外相電話会談|外務省
(ガイド)
茂木外相は、ホルムズ海峡が緊迫する中でのサウジアラビアによるエネルギーの安定供給に謝意を述べるとともに、ファイサル外相の外交努力に敬意を表し、日本も事態沈静化へ向けサウジアラビアと協力する意向を伝えた。また、両氏は紅海等を含む航行の安全確保に向けた緊密な連携で一致した。
(本文)
4月2日、午後6時50分から20分間、茂木敏充外務大臣は、ファイサル・ビン・ファルハーン・アール・サウード・サウジアラビア外務大臣と電話会談を行いました。
1.冒頭、茂木大臣から、緊迫した情勢が続いている中で、イランの攻撃によるサウジアラビアにおける被害が拡大していることについてお見舞いを述べました。また、茂木大臣から、ファイサル外相自ら仲介による外交的解決に向けて尽力されていることに敬意を表するとともに、日本としても事態の早期沈静化に向け、外交努力を続けており、引き続きサウジアラビアとも協力したい旨述べました。さらに、茂木大臣から、ホルムズ海峡が事実上閉鎖されている中、サウジアラビアが市場へのエネルギー供給に最大限尽力していることについて謝意を述べました。
2.これに対し、ファイサル外務大臣から、サウジアラビアとしても外交的解決を図るべく各国と共に仲介努力を続けているとして、今後の見通し等について説明が行われました。
3.両大臣は、事態の早期沈静化に向けて緊密に連携していくこと、及び、エネルギーの安定供給の観点を含め、ホルムズ海峡及びバブ・エル・マンデブ海峡の航行の安全の重要性について一致しました。
【英仏独日など40か国以上】ホルムズ海峡に関する外相オンライン会合(4月2日)
出典:ホルムズ海峡に関する外相オンライン会合|外務省
(ガイド)
英国主催のホルムズ海峡に関する外相級オンライン会合には、茂木外相のほか、英国、フランス、ドイツ、イタリア、オランダなどの国々や、国際機関の代表が出席した。参加国は3月19日に共同声明を発出した国々が中心で、航行の安全確保に向けた連携を確認した。
(本文)
4月2日、午後8時から、英国の主催によるホルムズ海峡に関する外相オンライン会合が開催され、茂木敏充外務大臣が出席しました。
1.会合では、各国・国際機関からの参加者が、3月19日に英・仏・独・伊・蘭・日で発出されたホルムズ海峡に関する首脳共同声明の立場を確認し、ホルムズ海峡における航行の安全の確保に向けた外交的取組に関する議論を行いました。
2.茂木大臣からは、日本として、事態の早期沈静化の重要性を改めて強調しました。また、日本の船舶を含め、ペルシャ湾内に留め置かれている全ての船舶及び船員の安全の確保のために、日本はIMOで安全な海上回廊の設置を提案していることを説明し、各国の協力を呼びかけました。さらに、エネルギーの安定供給のためにも、各国がそれぞれできる取組を行っていくことの重要性を強調しました。
3.各国・国際機関の参加者からはそれぞれの取組について説明があり、今後も緊密に連携していくことで一致しました。
- 2026年4月4日(月)——————————————————————————————
【IAEA】IAEAはイランのブーシェフル原子力発電所への攻撃について報告(4月4日)
出典:https://x.com/iaeaorg/status/2040360500047819000?s=20
(ガイド)
IAEAはイランのブーシェフル原子力発電所の敷地近くに飛翔体が命中し、1人が死亡したとの報告をうけた。これは最近数週間で4件目の事件である。
(本文抄訳)
イランから、国際原子力機関(IAEA)は今朝、ブーシェフル原子力発電所(NPP)の敷地近くに飛翔体が命中したとの通報を受けた。これは最近数週間で4件目の同様の事件である。イランはまた、IAEAに対し、敷地内の物理的保護要員の1人が飛翔体の破片により死亡し、敷地内の建物が衝撃波と破片の影響を受けたとの通報をし行った。放射線レベルの上昇は報告されていない。IAEAグロッシ事務局長 は、報告された事件について深い懸念を表明し、原子力発電所(NPP)の敷地やその近隣地域が決して攻撃されるべきではないと述べ、補助施設の建物には重要な安全装置が含まれている可能性があると指摘した。(略)
- 2026年4月6日(月)——————————————————————————————
【IAEA】IAEAはイランのブーシェフル原子力発電所への攻撃について報告(4月6日)
出典:https://x.com/iaeaorg/status/2041109442553352609?s=20
(ガイド)
IAEAは独自に行った分析により、ブーシェフル原子力発電所は損傷を受けていないことを確認した。しかしグロッシ事務局長は、原子力施設に対しては絶対攻撃をしてはいけないと繰り返し訴えた。
(本文抄訳)
IAEAは、最新の衛星画像に対する独自の分析および同施設に関する詳細な知見に基づき、イランのブーシェフル原子力発電所(BNPP)の近くで、施設境界からわずか75メートルの地点を含む、最近の軍事攻撃による被害を確認した。4月5日の画像に対するIAEAの分析によれば、BNPP自体に損傷はないことが示されている。
IAEAのラファエル・グロッシ事務局長は、大量の核燃料を保有する稼働中の施設であるBNPP付近での軍事活動の継続が、イラン国内およびその周辺地域の人々や環境に有害な影響を及ぼす深刻な放射線事故を引き起こす恐れがあると、改めて警告している。(略)
【日本】日・イラン外相電話会談(4月6日)
出典:日・イラン外相電話会談|外務省
(ガイド)
茂木外相は事態の早期沈静化と航行の安全確保をアラグチ外相に強く求めたほか、拘束されている邦人の早期解放を要請し、外交による解決を促した。
(本文)
4月6日午後7時から30分間、茂木敏充外務大臣は、セイエド・アッバス・アラグチ・イラン・イスラム共和国外務大臣と電話会談を行いました。
1.冒頭、アラグチ外相から、イラン情勢に関する現状やイランの立場について説明がありました。
2.これに対し、茂木大臣から、攻撃の応酬の長期化に深い懸念を表明するとともに、事態の早期沈静化が何よりも重要という日本の一貫した立場を改めて強調しました。また、現在関係国間で行われている外交的取組に真摯に向き合うよう求めました。加えて、ホルムズ海峡における日本関係船舶を含む全ての船舶の安全が確保されるよう強く求めました。
3.また、茂木大臣から、イラン国内で拘束されている邦人1名の早期解放を改めて要請しました。これに対し、アラグチ外相からは要請を重く受け止める旨の返答がありました。
4.両外相は、事態の早期沈静化に向け、引き続き意思疎通を継続していくことで一致しました。
【日本】日・パキスタン外相電話会談(4月6日)
出典:日・パキスタン外相電話会談|外務省
(ガイド)
茂木外相はパキスタンの仲介努力に敬意を表し、事態の早期沈静化とホルムズ海峡の航行の安全確保に向けた協力を要請した。両氏は地域安定のため、緊密に連携していくことで一致した。
(本文)
4月6日、午後4時45分から約30分間、茂木敏充外務大臣は、イスハーク・ダール・パキスタン副首相兼外務大臣と電話会談を行いました。
1.茂木大臣から、現下の中東情勢の悪化を深く懸念しているとした上で、パキスタンが関係各国と共に行っている仲介努力に敬意を表するとともに、事態の早期沈静化が最も大切であるという日本の立場や取組を説明しました。
2.また、茂木大臣から、ホルムズ海峡における航行の安全の重要性について提起し、そのためにパキスタンとも緊密に連携していきたい旨述べました。
3.これに対し、ダール副首相から、現下の中東情勢をめぐるパキスタンの取組について説明があるとともに、事態の沈静化及びホルムズ海峡の航行の安全のために日本とも協力していきたい旨の発言がありました。
4.両外相は、引き続き、意思疎通を継続していくことで一致しました。
- 2026年4月8日(水)——————————————————————————————
【米国】Truth Socialにおけるトランプ大統領の対イラン停戦および攻撃停止声明(4月8日)
出典:https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/116365796713313030
(ガイド)
本資料は2026年4月8日にドナルド・トランプ大統領がTruth Socialに投稿した声明であり、イランへの攻撃停止と停戦合意、ならびに交渉の進展について述べたものである。
(本文全訳)
パキスタンのシャバズ・シャリフ首相およびアシム・ムニール元帥との協議を踏まえ、また彼らから本日夜に予定されていたイランへの攻撃を見送るよう要請があったこと、さらにイラン・イスラム共和国がホルムズ海峡の完全かつ即時かつ安全な開放に同意することを条件として、私はイランへの爆撃および攻撃を2週間停止することに同意する。これは双方による停戦となる。
この決定の理由は、我々がすでにすべての軍事目標を達成し、それを上回る成果を上げていること、さらにイランとの長期的な平和および中東の平和に関する最終的な合意に向けて大きく前進しているためである。我々はイランから10項目の提案を受け取り、それが交渉の基礎として十分に機能しうるものであると考えている。これまでの主要な対立点のほとんどはすでに米国とイランの間で合意に達しているが、この2週間の期間は合意を最終的にまとめ、正式に成立させるためのものである。
アメリカ合衆国大統領として、また中東諸国を代表する立場として、この長年の問題が解決に近づいていることは大変名誉なことである。本件にご関心をお寄せいただき感謝する。
ドナルド・J・トランプ大統領
【米国】エピック・フューリー作戦の成果と今後の対応に関する米国防総省の発表(4月8日)
出典:https://www.war.gov/News/News-Stories/Article/Article/4454276/epic-fury-quelled-for-now-objectives-accomplished-us-forces-remain-ready/
(ガイド)
本資料は2026年4月8日に米国防総省で行われた記者会見において発表されたものであり、イランに対する軍事作戦「エピック・フューリー作戦」の目標達成状況とその具体的成果について説明したものである。併せて、停戦合意の内容やホルムズ海峡の再開、米国とイランの交渉の開始といった動向に加え、停戦後も維持される米軍の警戒および即応態勢について言及している。
(本文抄訳)
昨夜、イランの指導者たちは停戦に合意し、ホルムズ海峡の開放や核兵器開発の放棄などを含む今後の道筋について大統領と協力することで合意した。(略)
大統領はソーシャルメディア上で、「世界平和にとって大きな日だ」と述べ、イランとその近隣諸国にとって良い結果になると予測した。「米国で経験しているように、これは中東の黄金時代になるかもしれない」と語った。
米国は2月28日、「エピック・フューリー作戦」の一環として、イランに対する戦闘作戦を開始した。その目的は、イランの攻撃用ミサイル、ミサイル生産施設、イラン海軍、その他の安全保障インフラを破壊し、イランが核兵器を保有することを決して許さないことであった。これらの目標は達成された。(略)
「イスラエルのパートナーと共に、米軍は計画通り、予定通り、初日から定められた通りに、すべての目標を達成した」と、ピート・ヘグセス陸軍長官は今朝、国防総省で行われた記者会見で述べた。(略)
統合参謀本部議長のダン・ケイン空軍大将によると、38日間の戦闘作戦において、米軍統合部隊は1万3000以上の標的を攻撃した。その中には、航空機が既に空中にいる間に出現する4000の動的標的も含まれている。(略)
ケイン氏によれば、最も重要なのは、イランの防衛産業基盤が破壊されたことだという。(略)
ケイン氏によると、20以上の海軍生産施設が破壊されたことで、イランが水上艦隊を再建するには何年もかかるだろう。また、核産業基盤の80%も攻撃を受けたため、核兵器保有能力も著しく低下した。(略)
「停戦は一時的な中断であり、統合軍は命令や要請があれば、過去38日間で示してきたのと同じ速さと正確さで戦闘作戦を再開する準備ができている。そして、我々はそうならないことを願っている」とケイン氏は述べた。(略)
【仏伊独英日など】中東における紛争に関する共同声明(4月8日)
出典:中東における紛争に関する共同声明
(ガイド)
4月7日に米国とイランが2週間の停戦で合意したことを受け、日本や欧米諸国の首脳らはこれを歓迎する共同声明を発表した。外交による恒久的な終戦交渉を促し、民間人保護やエネルギー危機の回避、ホルムズ海峡の航行の自由確保に向け、緊密に連携する方針を強調している。
(本文全訳:外務省仮訳)
マクロン仏大統領、メローニ伊首相、メルツ独首相、スターマー英首相、カーニー加首相、フレデリクセン・デンマーク首相、イェッテン蘭首相、サンチェス西首相、フォン・デア・ライエン欧州委員会委員長、コスタ欧州理事会議長及び高市総理大臣
我々は、本日、米国とイランの間で合意された2週間の停戦を歓迎する。
この重要な合意の実現に尽力したパキスタン及び関係するすべてのパートナーに感謝する。
今後の目標は、数日以内に、迅速かつ恒久的な戦争終結に向けた交渉を行うことである。これは外交的手段によってのみ達成し得るものである。
我々は、実質的な交渉による解決に向けた迅速な進展を強く促す。
これは、イランの民間人を保護し、地域の安全を確保するために極めて重要である。また、深刻な世界的なエネルギー危機を回避することにもつながる。
我々は、こうした外交的努力を支持する。この目的のため、我々は米国及びその他のパートナーと緊密に連携している。
我々は、レバノンにおいてを含め、すべての当事者に対し、停戦の履行を求める。
我々の各国政府は、ホルムズ海峡における航行の自由を確保するために貢献する。
【国連】国際赤十字委員会の国連代表エリーゼ・モスキーニ氏が国連安全保障理事会で演説(4月8日)
出典:UN Security Council: Safety and security of humanitarian personnel | International Committee of the Red Cross
(ガイド)
国際赤十字委員会の国連代表モスキーニ氏が、安全保障理事会にて、継続する戦争(ウクライナ戦争、イスラエル・ガザ戦争、イスラエル・米国・イラン戦争)の結果、多くの人命が失われ、国際赤十字委員会のスタッフも犠牲になったことを報告。一刻も早く人道的視点から戦争の終結と人命の保護を訴えた。
(本文抄訳)
先週の土曜日、イランで、イラン赤新月社の職員4人目が、人道支援活動中に命を落としました。アボルファズル・ダハナヴィさんは20歳で、16歳の時から赤新月社のボランティアとして活動していました。
先月、レバノンでは、レバノン赤十字社の職員であるユセフ・アサフさんが、レバノン南部での救助活動中に致命傷を負いました。
ガザでは、2023年10月7日以降、パレスチナ赤新月社の職員およびボランティア54名と、国際赤十字委員会(ICRC)の職員4名が殺害されました。その多くは、明確に身分を明かし、調整された人道支援活動に従事中に命を落としました。イスラエルでの凄惨な攻撃の余波で、マゲン・ダヴィド・アドムの職員少なくとも6名が命を落としました。(略)
2025年だけでも、赤十字・赤新月運動のスタッフやボランティアのうち、少なくとも31人が、人命救助という極めて重要な人道支援活動に従事中に命を落としました。
その多くは、赤十字・赤新月の標章を身につけ、明確に識別可能な車両や施設、その他の拠点にいる最中に襲撃されました。彼らは父親であり、母親であり、兄弟であり、姉妹であり、友人であり、同僚でした。人命を救う活動を行うために、並外れた危険を冒した、ごく普通の人々だったのです。(略)
ご列席の皆様、本日、私は皆様に、単純ながらも緊急を要するメッセージをお伝えいたします。私たちは戦争の中で、人間性を失いつつあります。
人道支援要員に対する攻撃が、何の罰も受けずに見過ごされるたびに、この悪質な傾向は続きます。そのような攻撃の一つひとつが、支援要員の命は犠牲にしても構わないものであり、戦争のルールや、それらが保障すべき保護措置も無視してよいものであるというメッセージを、他者に送ることになるのです。
ご列席の皆様、このような事態はこれ以上続けてはなりません。武力紛争の当事者は、制限なく戦争を続けることは許されません。(略)
国際人道法は明確です。各国は人道支援要員を尊重し、保護しなければなりません。また、各国は、こうした規則が遵守されるよう、政治的、外交的、財政的な影響力を活用しなければなりません。
2024年5月24日、本理事会は、この悲劇的な傾向を食い止めるため、決議第2730号を採択しました。また、オーストラリアが「人道支援要員の保護に関する宣言」を発表した重要な取り組みに対し、我々は感謝の意を表します。(略)
本日、国際赤十字委員会(ICRC)は、安全保障理事会、すべての国家、および紛争当事者に対し、人命を救うために自らの命を危険にさらしている人々を保護するため、即座かつ具体的な措置を講じるよう呼びかけます。
具体的には、以下のことを意味します:
- 自国の軍隊、および提携・支援する勢力による国際人道法(IHL)の遵守を確保すること。
- 攻撃の調査を行い、加害者に責任を問うこと。
- 人道支援要員の安全を脅かす有害な言説に対抗すること。
- 迅速かつ妨げのない人道支援へのアクセスを確保すること。
- 特に最大のリスクを負う現地スタッフに対する「ケアの義務」措置を支援すること。
人道支援要員の命、そして彼らが支援する人々の命は、皆様の行動にかかっています。
【イラン】イランが公表した10項目の停戦案(4月8日)
出典:What is Iran’s 10-point proposal to end war?
(ガイド)
4月6日、イランの国営通信社は、イランが10項目の停戦案をパキスタンを通じて米国に提出したことを報じた。4月8日にトランプ米大統領がこの提案を「交渉の基礎として十分に機能しうるもの」だとして停戦合意したことをSNS投稿で述べた後、革命防衛隊に近いメフル通信社が、10項目の詳細を伝えた。
(本文全訳)
イランの10項目提案の詳細は以下の通りである。
1.米国は原則として、非侵略を保証することを約束すべきである。
2.イランによるホルムズ海峡の支配継続。
3.イランのウラン濃縮の権利の承認。
4.すべての主要制裁の解除。
5.すべての二次制裁の解除。
6.国連安全保障理事会決議の全ての終了。
7.IAEA理事会のすべての決議の終了。
8.イランに与えられた損害に対する賠償金の支払い。
9.米軍戦闘部隊の地域からの撤退。
10.レバノンのヒズボラに対するものを含め、あらゆる戦線での停戦。
トランプ大統領はこれらの条件を交渉の基礎として受け入れることで、イランに対する必死の脅迫や虚勢から後退した。
同情報筋によれば、IAEA理事会および国連安全保障理事会によるイランに対するすべての決議の破棄も、この提案の一部である。
【イスラエル】レバノン戦線における停戦を否定するネタニヤフ首相の声明(4月8日)
出典:Statement by PM Netanyahu
(ガイド)
パキスタンの仲介により4月8日に合意されたイランと米国の停戦を受けて出されたイスラエル首相の声明。トランプ大統領が「交渉の基礎として十分に機能しうる」とした10項目のイラン提案に含まれていた「あらゆる戦線での停戦」に矛盾する、レバノンのヒズブッラーに対する攻撃継続が述べられている。
(本文抄訳)
(略)我々は必要とあらばいつでも戦闘に復帰する準備ができています。引き金に指をかけています。
ご存じの通り、米国とイランの間で2週間の暫定停戦が今夜発効しました。これはイスラエルとの完全な連携のもとで行われました。決して土壇場での奇襲ではありません。ここで強調しておきたいのは、これは作戦の終わりではないということです。これは、我々の全ての目標を達成するための道のりにおける通過点に過ぎません。(略)
6週間前、私たちは歴史上初めて、友人であるトランプ大統領と、偉大な同盟国であるアメリカ合衆国と肩を並べて戦争に臨みました。(略)
私たちは共に、イスラエル国家と自由世界全体に対する存亡の危機を取り除くために立ち上がり、その任務を遂行しています。一歩ずつ、目標を一つずつ達成しながら、任務を遂行しているのです。
もし我々が「ライジング・ライオン作戦」を開始していなかったら、そしてさらに「ローリング・ライオン作戦」を開始していなかったら、イランはとっくに核兵器を保有し、イスラエルを破壊し、我々全員の存亡を脅かす何千発ものミサイルを保有していたでしょう。(略)
私は、イランとの一時停戦にヒズボラを含めるべきではないと主張しました。そして、我々は彼らへの攻撃を継続しています。
本日、我々はヒズボラに対し、ポケベル以来最大の打撃を与えました。ヒズボラが安全だと確信していた場所を含む100か所を、わずか10分で攻撃しました。
北部の素晴らしい住民の皆様、私たちは皆様に安全を取り戻すことに尽力しています。
私たちは国境を越えたレバノン、シリア、ガザ地区に強固な安全保障地帯を構築し、ガザ地区の半分以上を支配下に置き、ハマスをあらゆる方面から締め付けています。(略)
【日本】日・イラン首脳電話会談(4月8日)
出典:日・イラン首脳電話会談|外務省
(ガイド)
高市首相はイランのペゼシュキアン大統領に対し、米国・イラン双方による緊張緩和の動きを歓迎しつつ、事態の沈静化と外交による早期合意への期待を表明した。特にホルムズ海峡における船舶航行の安全確保を強く求めたほか、拘束されている邦人問題の早期解決を要請した。
(本文抜粋)
4月8日、午後4時から約25分間、高市早苗内閣総理大臣は、マスウード・ペゼシュキアン・イラン・イスラム共和国大統領(H.E. Dr. Masoud Pezeshkian, President of the Islamic Republic of Iran)と電話会談を行いましたところ、概要は以下のとおりです。
1.冒頭、高市総理大臣から、事態の沈静化が何より重要であることを始めとする、我が国の立場について改めて伝えました。
2.その上で、高市総理大臣から、今般の米国・イラン双方の発表を前向きな動きとして歓迎しているとした上で、最も重要なことは、今後、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られることであり、外交を通じて、最終的な合意に早期に至ることを期待している旨述べました。
3.さらに、高市総理大臣から、ホルムズ海峡は世界の物流の要衝、そして国際公共財である旨強調し、日本関係船舶を含むすべての国の船舶の航行の安全確保を求めました。
4.また、高市総理大臣から、4月6日に保釈された邦人1名をめぐる問題の早期解決を要請しました。
5~6(略)
【イラン】イラン・日本首脳電話会談(4月8日)
出典:Iran deeply distrusts US due to betrayal of diplomacy: President Pezeshkian
(ガイド)
イランのペゼシュキアン大統領は高市首相に対し、停戦受け入れは平和への責任感によるものだと主張しつつ、米国の過去の裏切りに対する強い不信感を表明。米国に10項目の和平案を提示したことを明かした。また、ホルムズ海峡の不安定化は米・イスラエルの攻撃が原因とし、自国の措置は国際法に基づく正当な防衛であると強調した。
(本文抄訳)
(略)水曜日、イランのペゼシュキアン大統領と日本の高市早苗首相は電話会談を行い、最近の地域情勢および戦争終結に向けた取り組みについて協議した。双方は、外交と緊張緩和の重要性を強調した。
会談においてイラン大統領は、米国がこれまで外交を繰り返し裏切り、核交渉中にイランに対して軍事行動を取ったことを理由に、イスラム共和国は米国に対して強い不信感を抱き続けていると述べた。
また、米国およびイスラエル政権による最近の対イラン軍事攻撃の様相について説明し、これは国連憲章および国際法に対する明白な違反であると指摘した。
ペゼシュキアン大統領は、イランが停戦受け入れを決定したのは、外交を重視し、地域の平和と安定に対して責任ある姿勢をとっていることの表れであると述べた。
さらに、イランは停戦の確立および戦争終結の枠組みとして、10項目からなる計画の概要を米国に提示したと付け加えた。
また同大統領は、地域およびホルムズ海峡の不安定化は、米国およびイスラエル政権による軍事行動の直接的結果であると述べた。
さらに、同海峡においてイランが講じている措置は国際法に基づくものであり、侵略側がこの戦略的要衝を利用して対イラン攻撃を行うことを防ぐことを目的としていると指摘した。(略)
- 2026年4月10日(金)——————————————————————————————
【国連】敵対行為の終結と人権侵害の調査を求めるイラン真相調査団によるプレスリリース(4月10日)
出典:Iran Fact-Finding Mission calls on parties to the devastating regional conflict to end hostilities and investigate alleged violations, and strongly condemns violent rhetoric
(ガイド)
米国・イスラエルのイランに対する攻撃により、イラン国内の民生用施設・インフラの被害は深刻であり、基本的な医療・科学・教育施設も破壊されている。人権状況報告者達は、多くの人命が失われ、生命の危機に瀕している事実を訴え、米・イスラエルの軍事行動は、国際人道法違反であり、国際犯罪に相当すると厳しく批判した。
(抄訳)
イラン・イスラム共和国に関する独立国際人権状況調査団は、数千人の民間人の命を奪った壊滅的な暴力が数週間にわたって続いたことを受け、現在進行中の地域紛争の当事者に対し、敵対行為を停止し、暴力を煽動または正当化する言動を止め、国際法を完全に遵守するよう求めた。
米国およびイスラエルによる空爆によって、イラン国内で民間人の死者が増え続け、民間インフラや、医療・科学・教育の重要施設に対する被害が報告されているが、これらはイランの民間人に対し、取り返しのつかない被害と長期的な影響をもたらしている。もし事実が確認されれば、これらの攻撃の一部は、国際人道法で定義される「民間施設に対する意図的な攻撃」または「意図的な不均衡な攻撃」という戦争犯罪に該当する可能性がある。(略)
米国とイスラエルによるイランへの空爆による犠牲者は増え続けており、死者数は3,000人を超えたと報じられている。少なくとも216人の子供、251人の女性、およびイラン赤新月社の救急隊員3人が死亡し、1,881人の子供と4,610人の女性が負傷したとされている。
イランの医療および教育インフラは甚大な被害を受けた。少なくとも315カ所の医療・救急施設、760カ所の学校・教育施設、29の大学が被害を受け、機能に支障をきたしたと報じられている。その中には、同国で最も歴史のある研究・医療機関の一つであるテヘランのパスツール研究所も含まれており、4月2日に攻撃を受けた。また、がんや多発性硬化症の患者向け医薬品を製造する製薬施設「トフィグ・ダル」も、3月31日の先行攻撃で被害を受けた。(略)
4月7日に合意された一時的な停戦は歓迎すべき極めて重要な一歩ではあるが、同地域における敵対行為の終結を恒久的なものにすることは不可欠である。当ミッションは、すべての当事者を巻き込んだ人権に基づく包括的な和平プロセスの推進、国際法違反の疑惑に対する当事者による公平かつ効果的で透明性のある調査、ならびにそのような調査結果の速やかな公表を緊急に求める。これには、ホルモズガン州ミナブにあるシャジャレ・タイエベ小学校への攻撃に関する米国防総省の調査結果の公表も含まれる。同攻撃により、168人の児童・教職員が死亡したと報じられている。
【日本】最近のイスラエル・レバノン情勢について(外務大臣談話)(4月10日)
出典:最近のイスラエル・レバノン情勢について(外務大臣談話)
(ガイド)
2026年3月初旬からのイスラエルとヒズブッラーによる攻撃の応酬激化を受け、日本政府は深刻な懸念を表明した。イスラエルの地上作戦開始や国連平和維持軍(UNIFIL)要員の犠牲を非難し、敵対行為の即時停止と国際法の遵守を要求。安保理決議第1701号の履行と、外交的解決に向けた最大限の自制を強く求めた。
(本文)
1.3月2日のヒズボッラーによるイスラエルへの攻撃以降、双方の攻撃の応酬が激化し、多数の民間人の死傷者が発生し、民間インフラにも多大な被害が及んでいることについて、我が国として深刻な懸念を表明します。
2.3月16日には、イスラエルによるレバノンにおける地上作戦の実施が発表されました。国際社会が自制を求める中で、本作戦が実施されていることを我が国として強く懸念します。レバノンの主権と領土一体性が尊重されることを強く求めます。
3.また、3月29日から30日にかけ、国連レバノン暫定隊(UNIFIL)の要員3名が犠牲になりました。国連の要員に対する攻撃は許されるものではなく、我が国として、UNIFILの安全を脅かすいかなる行為も非難します。また、犠牲となった要員に心からの哀悼の意を表します。
4.我が国は、事態の更なる悪化を防ぐべく、イスラエルとヒズボッラーとの間の敵対行為の即時停止を求めるとともに、全ての関係者に対し、国際人道法を含む国際法の遵守、国連安全保障理事会決議第1701号を含む関連決議の完全な履行、そして、更なるエスカレーションを回避するため、最大限の自制を行うこと、及び外交的解決に真摯に取り組むことを強く求めます。
- 2026年4月13日(月)——————————————————————————————
【米国】トランプ大統領の対イラン封鎖に関するTruth Socialの投稿(4月13日)
出典:https://truthsocial.com/@realDonaldTrump/posts/116392448970133700
(ガイド)
本資料は2026年4月13日にドナルド・トランプ大統領がTruth Socialに投稿した声明であり、核問題の未解決を受けた海上封鎖の実施と今後の対応について述べたものである。
(本文全訳)
会談はうまくいき、大半の点では合意に達した。しかし、最も重要な一点、すなわち核問題については合意に至らなかった。
これを受けて、米国海軍―世界最強の海軍が―直ちにホルムズ海峡に出入りしようとするあらゆる船舶に対する封鎖の実施に向けた措置を開始する。
いずれは「すべての船が自由に出入りできる」状態に戻るだろう。しかしイランは「どこかに機雷があるかもしれない」と述べるだけでそれを妨げている。どこにあるかは彼らしか知らない。これは世界規模の恐喝行為であり、各国の指導者、特にアメリカ合衆国は、決してそのような恐喝に屈することはない。
私はまた、国際水域においてイランに通行料を支払ったすべての船舶を追跡し、拿捕するよう海軍に命じた。不正な通行料を支払った者に、公海での安全な航行は認められない。
さらに、イランが海峡に設置した機雷の除去も開始する。米国や平和的な船舶に発砲するイランの者は徹底的に撃滅されることになる。イランはこの状況を終わらせる方法を誰よりもよく理解しているはずだ。この事態はすでに同国を壊滅的に打撃している。彼らの海軍は消滅し、空軍も消え、防空およびレーダーは機能していない。ハメネイ師や多くの指導者もすでに死亡している。全ては核兵器への野望の結果である。
封鎖はまもなく開始される。他国もこの封鎖に参加することになる。イランがこの違法な恐喝行為から利益を得ることは許されない。彼らは資金を求め、そして何より核を求めている。
さらに、適切な時期には我々は完全に戦闘準備を整えており、米軍はイランに残されたわずかな戦力も最終的に排除するだろう。
ドナルド・J・トランプ大統領
【中国】王毅外相はパキスタンのダール副首相兼外相と電話会談を行った(4月13日)
出典:王毅同巴基斯坦副总理兼外长达尔通电话
(ガイド)
王毅外相は、パキスタンが仲介した米国とイランの一時停戦を「公正」と高く評価した。また、脆弱な停戦を維持し戦端再開を防ぐ重要性を強調。両国が提唱する「5項目の提案」を軸に、地域の平和回復へ向けた連携強化を確認した。
(本文全訳)
2026年4月13日、中国共産党中央政治局委員兼外相の王毅は、パキスタンの副首相兼外相のダールと電話会談を行った。
ダールは、パキスタンがイランとアメリカの接触・協議を仲介した状況について詳しく紹介し、中国の和平促進の努力に感謝を表し、中国と緊密に意思疎通と協力を行い、共同で地域の平和実現のために積極的役割を果たす意向を示した。
王毅は中国の原則的立場を改めて強調し、パキスタンがアメリカとイランの一時停戦を促し、イスラマバードでの会談を主催したことを評価し、公正かつ均衡の取れた仲介的役割を果たしたと称賛した。王毅は、現在の停戦はきわめて脆弱であり、地域情勢は重要な転機にあると述べた。差し当たっての急務は、戦争の再開を全力で回避し、貴重な停戦の機運を維持することである。国際社会は引き続き和平促進と対話推進の努力を強化し、停戦を損ない対立をエスカレートさせるいかなる行為にも明確に反対すべきである。中国とパキスタンが提起した、湾岸および中東地域の平和と安定の回復に関する5項目の提案は、国際社会の和平促進に対する共通認識を示しており、依然として問題解決のための努力の方向となり得る。中国は、パキスタンがより大きな役割を果たすことを歓迎し、パキスタンを含む国際社会とともに、中東地域の平和と安定の早期回復のために引き続き積極的な貢献を行う意向である。
【中国】王毅が、ハルドゥーン・アラブ首長国連邦大統領中国担当特使と会見した(4月13日)
出典:王毅会见阿联酋总统中国事务特使哈勒敦— 中华人民共和国外交部
(ガイド)
王毅外相は、アラブ首長国連邦の主権と安全を守ることを支持し、ホルムズ海峡の封鎖に反対するとともに、外交による早期停戦を訴え、平和に向けて貢献することを強調した。
(本文抄訳)
2026年4月13日、王毅中国共産党中央政治局委員・中央外事工作委員会弁公室主任は北京において、アラブ首長国連邦アブダビ首長国皇太子のムハンマド・ビン・ザーイド・アール・ナヒヤーンの訪中に随行したアラブ首長国連邦大統領中国担当特使のハルドゥーン・アル・ムバーラクと会見した。(略)
王毅は、現在の中東情勢に関する中国側の原則的立場を詳しく説明し、中国側は湾岸アラブ諸国の合理的な安全上の懸念を完全に理解しており、アラブ首長国連邦が国家主権・安全および正当な権益を守ることを支持すると述べた。ホルムズ海峡の封鎖は国際社会の共通利益に合致せず、政治的・外交的手段を通じて全面的かつ持続的な停戦を実現することこそが問題解決の根本的な道である。中国は一貫して積極的に和平促進と戦闘停止に尽力しており、アラブ首長国連邦を含む国際社会とともに努力し、中東情勢ができるだけ早く再び平和と安定を取り戻すよう後押ししたい。
(略)アラブ首長国連邦側は、中国側が中東情勢の緊張緩和を推進するために行ってきた積極的努力を評価し、中国側がより重要な役割を果たすことを期待するとした。
【ASEAN】中東情勢に関するASEAN外相声明(4月13日)
出典:ASEAN Foreign Ministers’ Statement on the Developments in the Middle East
(ガイド)
ASEANは、2026年4月8日に合意された米・イラン間の2週間の停戦を歓迎した。声明では、国際法に基づく航行の自由の重要性を再確認し、ホルムズ海峡の安全な通過回復を求めつつ、持続的な平和へ向けた交渉の継続を両国に促した。
(本文抄訳)
1.我々、東南アジア諸国連合加盟国は、2026年4月8日に発表されたアメリカ合衆国とイラン・イスラム共和国との間の2週間の停戦を歓迎する。
2.我々は、海上の安全および保安を維持し、国際法(1982年の国連海洋法条約を含む)ならびに国際民間航空機関および国際海事機関による関連する基準および推奨される慣行に従い、国際航行に用いられる海峡における航行の自由および上空飛行の自由を維持することの重要性を再確認する。この点に関して、我々は、1982年のUNCLOS(訳注:国連海洋法条約)に従い、ホルムズ海峡における船舶および航空機の安全で妨げのない継続的な通過通航の回復を求めるとともに、すべての当事者に対し、海上人命安全条約に従って船員および船舶の安全を確保するよう求める。
3.我々は、アメリカ合衆国およびイラン・イスラム共和国に対し、紛争の恒久的終結ならびに地域における持続的な平和と安定につながる交渉を継続するよう求める。我々は、この点に関する協働的努力について、パキスタン・イスラム共和国および関与するすべての当事者の努力を称賛する。(略)
- 2026年4月14日(火)——————————————————————————————
【日本】日・オマーン首脳電話会談(4月14日)
出典:日・オマーン首脳電話会談|外務省
(ガイド)
高市首相はオマーンのハイサム国王に対して、同国から邦人保護において多大な協力を得たことへの謝意を伝えた。また、ホルムズ海峡の安全確保と事態の沈静化が不可欠であるとし、外交による早期合意に向けた協力を確認した。
(本文)
4月14日、午後4時から約20分間、高市早苗内閣総理大臣は、ハイサム・ビン・ターリク・アール・サイード・オマーン国王(H.M. Sultan Haitham bin Tariq bin Taimur Al Said, Sultan of Oman)と電話会談を行いました。
1.冒頭、高市総理大臣から、オマーンで人的・物的被害が発生していることにお見舞いの意を伝えると共に、事態発生以降、邦人保護においてオマーンから多大な協力を得たことに対する謝意を表明しました。
2.また、高市総理大臣から、週末の米国・イラン間の協議は合意に至らなかったが、最も重要なことは、今後、停戦が維持され、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られることであり、外交を通じて、最終的な合意に早期に至ることが重要との我が国の立場を伝えました。
3.さらに、世界の物流の要衝、そして国際公共財であるホルムズ海峡の安定回復が急務であり、日本やアジア諸国を含むすべての国の船舶につき、自由で安全な航行が一日も早く確保されることが不可欠である旨強調しました。
4.これに対し、ハイサム国王からは、外交的手段による問題解決の重要性を強調しつつ、ホルムズ海峡の安全な航行を含め事態の安定化に向け、引き続き日本を含む各国とも協力していきたい旨の発言がありました。
5.両首脳は、引き続き緊密に意思疎通を継続していくことで一致しました。
【中国】習近平国家主席がアラブ首長国連邦アブダビ首長国のハーリド皇太子と会談(4月14日)
出典:习近平会见阿联酋阿布扎比王储哈立德
(ガイド)
習近平国家主席は中東・湾岸地域の安定に向け、和平交渉を推進する建設的な役割を強調した。平和共存、国家主権の尊重、国際法の遵守、発展と安全の推進という「4つの主張」を掲げ、中国式近代化の経験を共有することで地域の平和と発展に貢献することを表明した。
(本文抄訳)
(略)両国は中東および湾岸地域の現状について意見交換を行った。習近平国家主席は、和平交渉を推進するという中国の原則的な立場を強調し、中国は今後もこの分野で建設的な役割を果たしていくと改めて表明した。
習近平は中東の平和と安定の維持と促進に関して4つの主張を提示した。第一に、平和共存の原則を堅持すること。中東の湾岸諸国は相互依存の関係にあり、揺るぎない。我々は湾岸諸国の関係改善を支援し、中東と湾岸地域のための共通の包括的かつ協力的な持続可能な安全保障体制の構築を促進し、平和共存の基盤を固めるべきである。第二に、国家主権の原則を堅持すること。主権はすべての国、特に発展途上国が生存し、繁栄するための基盤であり、不可侵である。中東の湾岸諸国の主権、安全、領土保全は真に尊重されるべきであり、その人員、施設、機関の安全は真に保護されるべきである。第三に、国際法の支配の原則を堅持すること。国際法の権威を堅持するということは、都合の良い時にそれを用い、都合の悪い時にそれを放棄することではない。世界が弱肉強食の法則に逆戻りすることを許してはならない。我々は、国連を中心とする国際システム、国際法に基づく国際秩序、そして国連憲章の目的と原則に基づく国際関係の基本規範を断固として堅持しなければならない。第四に、発展と安全を一体的に推進するという原則を堅持する。安全は発展の前提条件であり、発展は安全の保証である。すべての関係者は、中東湾岸諸国の発展に好ましい環境を作り出し、積極的な役割を果たすべきである。中国は、中国式近代化の機会を中東湾岸諸国と共有し、地域の発展と安全のための肥沃な大地を耕すことを望んでいる。(略)
【国連】国連事務総長の中東情勢に関する記者会見における発言(4月14日)
出典:Secretary-General’s Press Encounter – on the Middle East
(ガイド)
4月14日、国連事務総長は記者会見において悪化する中東情勢について、国際法の遵守と外交による問題解決を訴えた。
(本文抄訳)
正義は本来、目が見えないものです。 しかし今日、あまりにも多くの人々が、正義そのものから目を背けることを選んでいます。世界中で――とりわけ中東では――国際法への敬意が踏みにじられています。
武力の行使や敵対行為の遂行に関する規則が無視されています。民間人は耐え難い被害にさらされています。人道上の義務は無視されています。国連やその要員に与えられている保護さえも侵害されています。国際法に対するこうした全面的な攻撃は、結果をもたらします。
無法は混乱を生みます。無法は苦しみを助長します。無法は破壊へとつながります。 今こそ、国際法から後退する時ではありません。今こそ、国際法を再確認すべき時です。
(略)
この危機に軍事的な解決策はありません。和平合意には、粘り強い取り組みと政治的意志が必要です。真剣な交渉を再開しなければなりません。停戦は維持され、必要に応じて延長されなければなりません。そして、ホルムズ海峡を含む国際的な航行の権利と自由は、すべての当事者によって尊重されなければなりません。
今こそ、自制と責任が求められる時です。今こそ、事態の悪化ではなく外交に重きを置くべき時です。今こそ、国際法へのコミットメントを新たにするべき時です。
- 2026年4月15日(水)——————————————————————————————
【日本】日・イラン外相電話会談(4月15日)
出典:日・イラン外相電話会談|外務省
(ガイド)
茂木外相はイランのアラグチ外相に対し、ホルムズ海峡の安全確保と事態沈静化の重要性を強調した。協議の早期合意を強く期待するとともに、国際的な物流の要衝における航行の自由を改めて要請し、今後も緊密に意思疎通を継続することで一致した。
(本文)
4月15日午後8時30分から30分間、茂木敏充外務大臣は、セイエド・アッバス・アラグチ・イラン外務大臣と電話会談を行いました。
1.冒頭、茂木大臣から、アラグチ外相との間で極めて緊密な意思疎通ができていることは大変有意義である旨述べました。その上で、日本としては、今後も、停戦が維持され、ホルムズ海峡の航行の安全確保を含む事態の沈静化が実際に図られることが最も重要であると考えており、協議が再開され、話し合いを通じて、最終的な合意に早期に至ることを強く期待している旨伝えました。
2.また、茂木大臣は、日本は仲介国を含む関係国との間で電話会談を重ねてきており、各国と共に最終的な合意に向けた外交的取組を支持している旨述べました。
3.また、茂木大臣から、世界の物流の要衝、そして国際公共財であるホルムズ海峡の安定回復が急務であり、日本やアジア諸国を含むすべての国の船舶の自由で安全な航行が一日も早く確保されるよう改めて強く求めました。
4.これに対し、アラグチ外相からは、週末の米国・イラン間の協議の結果や今後の見通しも含め、イラン側の考えについて説明があり、両外相は、引き続き意思疎通を継続していくことで一致しました。
【中国】王毅外相はイランのアラグチ外相と電話会談を行った(4月15日)
出典:王毅同伊朗外长阿拉格齐通电话
(ガイド)
王毅外相はイランのアラグチ外相と米イラン交渉の進展について協議した。王毅外相はイランが主権と安全、民族の尊厳を守ることを支持するとともに、習近平主席の「4つの主張」に基づき停戦と航行の自由の重要性を強調。外交による危機解消と地域安定への建設的役割を果たすことを表明した。
(本文全訳)
2026年4月15日、王毅中国共産党中央政治局委員・外交部長は、アラグチ・イラン外相と電話会談を行った。
アラグチは、イランとアメリカの交渉の最新情報およびイラン側の今後の方針を伝えたうえで、イラン側は平和的交渉によって、引き続き理性的かつ現実的な解決方案を模索する意向であると述べた。イラン側は、中国側がこれまで一貫して情勢の緊張緩和と沈静化を推進するために行ってきた努力を高く評価し、中国側が和平促進と戦闘停止のために積極的役割を果たすことを期待すると述べた。
王毅は、中国側は従来どおりイランが自らの主権・安全および民族の尊厳を守ることを支持すると述べた。習近平主席は、中東の平和と安定の維持・促進に関する4つの主張を厳粛に提起しており、危機の解消に向けて中国の方策を示している。現在の情勢は戦争から平和に転換する重要な転機に来ており、平和の窓が開きつつある。中国側は停戦と交渉の勢いを維持することを支持しており、これはイラン人民の根本的利益に合致するものである。また地域諸国および国際社会の共通の期待でもある。イランはホルムズ海峡沿岸国家として、その主権・安全および正当な権益は尊重され保障されるべきである。同時に、国際海峡における航行の自由と安全も保障されるべきであり、海峡の正常な通航の回復に努めることは国際社会の一致した声である。中国側は、習近平主席の4つの主張の精神に基づき、引き続き情勢の緊張緩和を進め、地域諸国の関係改善を促し、最終的に中東地域の持続的な平和と安定の実現のために建設的役割を果たすつもりである。
【ASEAN】中東情勢に関する第2回ASEAN外相特別会合の結果に関するASEAN議長声明(4月15日)
出典:ASEAN Chair’s Statement on the Outcomes of the Second Special ASEAN Foreign Ministers’ Meeting on the Situation in the Middle East
(ガイド)
ASEAN外相は特別会合で中東情勢を協議し、米国とイランの一時停戦を歓迎した。国際法に基づく主権尊重や航行の自由の重要性を再確認するとともに、エネルギー安全保障や物流への悪影響を最小限に抑えるため、対話による紛争の恒久的終結を求めた。
(本文抄訳)
1.ASEAN外相は、2026年4月13日にテレビ会議方式により第2回特別会合を開催し、急速に展開する中東情勢について意見を交換するとともに、エネルギー、食料安全保障、ASEAN加盟国国民の安全を含む、ASEANに対するさまざまな影響について議論した。本会合はまた、2026年3月13日の特別会合の成果のフォローアップを図るとともに、2026年5月の第48回ASEAN首脳会議に先立ち、今後の可能な進め方についても協議することを目的とした。
2.本会合は、2026年4月8日に発表されたアメリカ合衆国とイラン・イスラム共和国との間の一時的停戦を歓迎し、その完全かつ効果的な実施への期待を表明するとともに、両当事者に対し、外交と対話の道を引き続き進み、紛争の恒久的終結および地域における持続的な平和と安定につながる交渉努力を一層強化するよう求めた。この点に関して、本会合は、この停戦が海上および航空輸送ルートの混乱を緩和し、特に商船および非戦闘船舶にとっての関連コストおよび遅延を減らすことに資する可能性があることに留意した。
3.本会合は、すべての国家が国際法に従い、紛争を平和的手段によって解決し、すべての国の主権および領土的一体性を尊重する義務を再確認した。これには、国際連合憲章、東南アジア諸国連合憲章、および東南アジア友好協力条約が含まれる。本会合はさらに、武力紛争において民間人および民間インフラを保護する義務を、国際法および関連する国連安全保障理事会決議に従い、改めて強調した。
4.本会合は、特に商船および非戦闘の船舶・航空機に関して、1982年の海洋法に関する国際連合条約に従い、海上安全および航行・上空飛行の自由を確保することの決定的な重要性を強調し、エネルギーおよび必需物資の流通の混乱を最小限に抑え、世界経済の安定に対する悪影響を軽減する必要性を指摘した。本会合はまた、海上人命安全条約(SOLAS)に従い、船員および船舶の安全を確保する必要性を強調した。
5~13.(略)
14.本会合は、地域の平和・安定および繁栄を維持し、国際法を擁護し、対話と外交を緊張緩和および紛争対処の主要な手段として促進することの重要性を強調した。ASEAN外相は、中東情勢の動向を引き続き注視し、ASEANに対する影響を特定し、さらなる影響を予測するために連携して調整を行うことで一致した。
【国連】国連専門家がイスラエルの停戦合意後のレバノン空爆を非難、即時停戦を要求(4月15日)
出典:UN experts condemn Israel’s unprecedented bombing in Lebanon after ceasefire announcement, demand immediate halt to hostilities
(ガイド)
国連の人権専門家20人が、停戦後におこなったイスラエルによるレバノン空爆を厳しく非難し、即時停戦を要求する声明を発表した。
(本文抄訳)
私たちは今、国際法秩序や外交、そして何よりもレバノンの民間人の命や環境に対する、絶え間ない極度の軽視を目の当たりにしている(略)
イスラエルは、停戦が発表されたまさにその瞬間――パキスタンの仲介者がレバノンも対象に含まれると述べていた停戦だ――を選んで、1980年以来最大規模の組織的な攻撃を同国に対して仕掛けた。これは自衛ではない。これは国連憲章への露骨な違反であり、平和への展望を意図的に破壊する行為であり、多国間主義と国連に基づく国際秩序に対する侮辱である。(略)
一斉避難命令の発令に加え、避難民が戻るはずだった都市部や村落の住宅が破壊された事実は、ガザでのジェノサイドの際に始まった『ドミサイド(居住地破壊)』のパターンと一致している。住宅の意図的な破壊は、戦争の武器であり、集団的処罰の一形態である。特に、同国南部の農村部にあるシーア派地域において顕著だ。また、これは民族浄化を示唆している。(略)
民間人の強制移住は、人道に対する罪を構成し、国際法上、戦争犯罪にあたる。(略)
提言:
- イスラエルは、レバノンにおけるすべての軍事作戦を直ちに停止し、停戦枠組みおよび安全保障理事会決議第1701号を遵守し、軍を撤退させ、避難民の安全な帰還を可能にし、レバノンとの直接交渉を行うこと。
- 米国は、その影響力を用いて、イスラエルがレバノンの民間人およびインフラに対する攻撃を遅滞なく停止するよう確保すること。
- 国際人道法および人権法に対する重大な違反の確かな証拠が存在する限り、すべての加盟国はイスラエルへの武器移転を停止すること。
- 国際社会は、3億800万米ドルの緊急支援要請への資金提供を含め、レバノンの人道支援活動を支援すること。
- 2026年4月16日(木)——————————————————————————————
【米国】停戦・封鎖下におけるヘグセス戦争長官の対イラン声明(4月16日)
出典:Hegseth Urges Iran to ‘Choose Wisely’ During Epic Fury Ceasefire, Blockade
(ガイド)
本資料は2026年4月16日に米国防総省での記者会見において発表された、ピート・ヘグセス戦争長官による対イラン声明である。停戦および海上封鎖が実施される中で、イランに対する交渉方針や軍事的圧力のあり方を示した資料である。
(本文抄訳)
米国とイランは2026年4月8日から2週間の停戦に入り、米国は4月13日、イランと取引する船舶を対象にペルシャ湾で海上封鎖を開始した。ペンタゴンの会見でピート・ヘグセス戦争長官は、停戦期間中に新たなイランの政権が賢明な選択を行い、米国との合意に向けて誠実に取り組むよう促した。その合意は、先週トランプ大統領が「中東に黄金時代をもたらし得る」と述べたものである一方、イランが核兵器を決して保有しないことを確実にする内容でもあるとされた。
同長官はまた、イラン軍指導部に対し、「我々はあなた方を注視している。我々の能力はあなた方とは同じではない――我々の軍とあなた方の軍では力が違う。これは対等な戦いではないということを忘れるな。我々は、あなた方がどの軍事資産をどこへ移動させているのか把握している」と警告した。
ヘグセス戦争長官はまた、イラン軍指導部に対し、イランはもはや自らの戦力を再建する能力を有していないと指摘した。その理由として、エピック・フューリー作戦の一環として、米中央軍の部隊がイランの軍事産業基盤を破壊したためであると述べた。(略)
【米国】米国仲介によるイスラエルとレバノンの停戦合意文書(4月16日)
出典:Ten Day Cessation of Hostilities to Enable Peace Negotiations Between Israel and Lebanon
(ガイド)
4月14日、イスラエルとレバノンの代表団はワシントンDCを訪れ、米国のマルコ・ルビオ国務長官同席の下、34年振りとなる直接協議を行い、10日間の停戦および包括的和平に向けた協議の開始で原則合意した。16日にはトランプ大統領がレバノンのアウン大統領およびイスラエルのネタニヤフ首相と電話会談を行い、同日、停戦合意が発効した。イスラエルと戦闘状態にあったヒズブッラーも停戦に原則同意したが、イスラエルのレバノン南部占領は継続し、攻撃の応酬が続いており、24日には2度目の高官協議が行われたが、停戦の行方は極めて不安定と言わざるを得ない。
(本文抄訳)
4月14日にアメリカ合衆国の仲介により、レバノン共和国政府(以下「レバノン」)とイスラエル国政府(以下「イスラエル」)の間で実りある直接協議が行われ、レバノンとイスラエルは、両国が両国間の永続的な平和、互いの主権と領土保全の完全な承認、そして両国間の国境沿いの真の安全保障の確立に資する条件を作り出すために努力するとともに、イスラエルの固有の自衛権を維持するという合意に達した。(略)
イスラエルとレバノンは、両国が戦争状態にないことを確認し、米国が仲介する形で、両国間の永続的な安全保障、安定、平和を確保する包括的な合意の達成を目指し、誠意ある直接交渉を行うことを約束する。
そのため、米国は以下のことを理解する。
- イスラエルとレバノンは、イスラエル政府による善意の表明として、2026年4月16日午後5時(米国東部標準時)から最初の10日間、敵対行為を停止する。(略)
- この初期期間は、交渉において進展が見られ、かつレバノンが主権を主張する能力を効果的に示せば、レバノンとイスラエルの相互合意により延長される可能性がある。
- イスラエルは、計画された攻撃、差し迫った攻撃、または進行中の攻撃に対し、いつでも自衛のために必要なあらゆる措置を講じる権利を保持する。(略)
- 2026年4月16日午後5時(米国東部標準時)以降、レバノン政府は国際社会の支援を受け、レバノン領土内のヒズボラおよびその他の非国家武装集団がイスラエルの標的に対して攻撃、作戦、または敵対行為を行うことを阻止するための具体的な措置を講じる。
- すべての当事者は、レバノンの主権と国防に対する責任はレバノンの治安部隊のみにあることを認め、他のいかなる国や集団もレバノンの主権の保証人であると主張することはできない。
- イスラエルとレバノンは、米国に対し、両国間の直接交渉を促進し、国際的な陸上国境の画定を含む残されたすべての問題を解決し、両国間の永続的な安全保障、安定、平和を確保する包括的な合意を締結することを要請する。(略)


