停戦70年、朝鮮半島平和行動の成果と今後(全文)

2023.12.21

「脱軍備・平和レポート」第24号(13頁)で告知した通り、表題の文章全文と写真を掲載します。

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停戦70年、朝鮮半島平和行動の成果と今後

パク・ジイン(朝鮮半島平和キャンペーン活動家)

重い段ボール箱の山とともに、私たちは米国へ旅立った。その重みは、この3年間直接または間接的に触れた人々の願いの重みと言えるだろう。実に、206,629名が朝鮮半島の平和を願う気持で署名し、その切なる思いをこめて米国に向かった。

今年2023年は、朝鮮戦争の停戦協定の締結から70年になる年である。70年間、この戦争は終わらなかった。しばらく眠っているライオンの姿と似ていたと思う。いつ立ち上がるかわからない不安の中で国民は生きていく。5年前の2018年、南北首脳による4・27板門店宣言と9・19平壌共同宣言、米朝首脳による6・12シンガポール共同声明で、各国政府は新たな関係への転換に合意した時、朝鮮半島の住民は戦争の危険がなくなり、平和に共存する未来が開かれるだろうという希望の光を見た。だが、あらゆる対話が中断され、むしろ「強硬対強硬」という対峙が激化され、今の朝鮮半島はより大きな暗黒の中に落ち込んでいる。

「朝鮮半島の終戦・平和(Korea Peace Appeal)キャンペーン」は、この長い戦争を終わらせ、敵対関係を改善して対話と協議を通じ、朝鮮半島の平和と非核化を実現させるために多様な活動をしてきた。特に今年10月には、2020年から3年間全世界から集めた署名を、直接米国現地を訪問して手渡した。

この「朝鮮半島の終戦・平和キャンペーン」は、朝鮮戦争の勃発から70年経った2020年から3年間、Korea Peace Appealの4つの要求事項(①朝鮮戦争を終わらせ、平和協定を締結しよう、②核兵器も核の脅威もない朝鮮半島と世界をつくろう、③制裁や軍事的脅威ではなく、対話と協力により葛藤を解決しよう、④軍拡競争の悪循環をやめ、市民の安全と環境のために投資しよう)に対する署名運動を進めてきた。

国会議員と地方議会議員、地方自治体長、宗教界、学界、文化芸術界など国内外の多様な人士が署名をともにした。世界教会協議会(WCC)とフランチェスコ教皇、ダライ・ラマなど代表的な宗教指導者も、平和に向けた私たちの熱意に支持と応援を送ってきた。ノーベル平和賞の受賞者たち(レイマ・ボウィ、シーリーン・エバーディー、ダワックル・カルマン)と受賞団体(核兵器廃絶国際キャンペーンICAN、核戦争防止国際医師会議IPPNW、パグウォッシュ会議)の代表たち、前UN北朝鮮人権状況+特別報告官トマス・キンタナなども署名に参加して力づけてくれた。

オンラインで約6万人、オフラインで約14万人を超える人々が署名した。韓国、カナダ、米国、日本、ドイツ、オーストリアなど全世界110カ国を超える国から署名が集まった。Peace Depotをはじめ、日本の団体と個人が国際郵便で送ってくれた署名を受けとり、見るたびに感動した。

このキャンペーンは、署名運動をはじめ多様な活動を通じて絶えず朝鮮戦争の問題を喚起させ、敵対関係の改善と平和協定の締結が朝鮮半島の葛藤を解決する根本的な解決法だ、という事実を国際社会に広く知らせるのに寄与した。

朝鮮半島における終戦と平和を促す20万人の署名を手渡す
全世界で彼らをはじめ20万人以上が参加した署名運動とグローバル市民運動の結果を伝達するために、朝鮮半島における終戦・平和キャンペーン代表団はニューヨークの国連本部で開かれた第78回国連総会第一委員会(軍縮及び国際安保関連の議題を扱う委員会)の時期に合わせ、ニューヨークとワシントンを訪問した。

絶えざる接触の試みの末、何か所からか返事を受けとった。10月4日、韓国の国連代表部に署名の箱をもって訪問し、20万人の署名を直接手渡した。朝鮮半島の終戦・平和に関する全世界の市民社会と宗教界の強力な支持と献身的な活動を詳しく伝え、「平和優先の接近法(Peace First Approach)」がいつの時よりも重要だという点を強調した。まさに韓国では尹錫悦政権と面談するのが難しいために(尹錫悦大統領は“終戦”を主張する人々を“反国家勢力”と呼んでいる)、ニューヨーク現地で韓国代表部と会ったのは良い機会だった。予想よりいい雰囲気の中で面会が進められた。彼らは私たちの話に耳を傾け、キャンぺーンの成果に驚いていた。

10月5日、キャンペーン代表団はニューヨーク国連本部にある事務局にも署名の箱を持って訪ねた。国連事務総長に直接手渡そうとしたが、残念ながら、それはできなかった。私たちは現在における朝鮮半島の危機の深刻性を強調し、武力衝突の予防のために国連の積極的な役割が必要だと強調した。国連事務局では、Korea Peace Appealキャンペーンのメッセージと署名を事務総長に確実に伝えると答えた。また、朝鮮半島の危機に対して共感し、今後も希望をもって協力しようという話を交わした。

最後に10月10日、現地ワシントンで米国国務省の東アジア太平洋担当局にも署名を渡して面会した。米国政府が「力による平和」政策と軍事的な圧迫を中断し、武力衝突の予防と対話の条件づくりのために積極的に努力することを促した。

合わせて、現在国連軍事司令部の中立国監督委員会を引き受けているスウェーデンとスイスの駐国連代表部、米国議会の上・下院議員との面会も進め、市民社会の意見を詳しく伝えた。特に朝鮮半島における終戦・平和のための米国議会の役割を強調し、<H.R.1369 Peace on the Korean Peninsula Act 朝鮮半島平和法案>にまだ参与していない議員に共同発議への参加を要請した。

私たちのキャンペーンは今回の米国での訪問活動を通じ、再び「戦争と平和」の岐路に立っている停戦70年の朝鮮半島の状況を広く知らせ、「今、平和」を願う全世界の市民の声を広く伝えた。Korea Peace Appealの署名運動はこれにより終える予定である。みんながともに作った成果をうまく記録して残し、今後の活動のための論議へつなげる予定である。3年間のキャンペーンを通じて創りだしたグローバル・ネットワークと根気よく連帯し、朝鮮半島と東アジアの平和のための活動を続けていくだろう。Korea Peace Appealに思いを寄せて努力してくださったすべての方々に、この紙面を借りて感謝の意を伝える。