核兵器・核実験モニター バックナンバー

【日誌】核・ミサイル/沖縄(16年8月21日~9月5日)

公開日:2017.04.14

DPRK=朝鮮民主主義人民共和国/EEZ=排他的経済水域/PNND=核軍縮・不拡散議員連盟/SLBM=潜水艦発射型弾道ミサイル/THAAD=高高度防衛ミサイル/UFG=ウルチフリーダムガーディアン

●8月21日 中国海警局の公船4隻が尖閣諸島の久場島沖領海に侵入。外務省は中国側に抗議。8月17日以来。
●8月22日 朝鮮半島有事に備えた米韓合同軍事演習UFG、韓国各地で開始。9月2日まで。
●8月22日 DPRK軍参謀本部、UFG受け、侵略の兆候見せれば核先制攻撃すると警告。
●8月22日 トルコ・ガジアンテップでの20日爆弾テロの死者54人に。エルドアン大統領はISの犯行の可能性を示唆。
●8月23日 防衛省、ジブチ自衛隊拠点で、海外で治安悪化時の邦人国外退避の訓練。
●8月23日 DPRK国連代表部、安保理議長にUFGを議題に緊急会合開催を申入れ。
●8月24日 DPRK、西岸の新浦沖海上からSLBM1発を発射。約500km飛行し日本の防空識別圏内に落下の模様。
●8月24日 都内で日中韓外相会談。DPRKに核・ミサイルでの挑発行動自制や安保理決議順守を求めることで一致。
●8月24日 中韓外相が都内で会談。王中国外相は終了後、THAAD韓国配備に反対と強調。
●8月24日 政府、安保関連法に基づく自衛隊訓練の実施を発表。南スーダンPKO派遣予定の陸自部隊は「駆けつけ警護」訓練予定。
●8月25日 DPRK、24日のSLBM発射を金正恩氏が現地で指導し「核攻撃能力を完全に保有」と強調。朝鮮中央通信。
●8月25日 河野統合幕僚長、安保法に基づく駆けつけ警護などの新任務につき「武器使用規定を徹底的に教育」と述べる。
●8月26日付 安倍政権、過去に廃案となった共謀罪の新設案。適用対象絞った「テロ等組織犯罪準備罪」。
●8月27日 安保理、DPRKのSLBM発射を強く非難する報道機関向け声明を発表。
●8月29日 カザフスタン首都アスタナで同国政府とPNND共催の核軍縮会議。17年核兵器禁止交渉開始など盛り込んだ宣言を採択。
●8月31日 防衛省、17年度予算概算要求を発表。対前年当初予算比2.3%増、過去最大の5兆1685億円。
●8月31日 外務省、17年度予算概算要求で8.3%増の7,730億円を要求。テロ対策関連経費が増加。
●8月31日 原子力規制委、原発廃炉で出る放射性廃棄物のうち制御棒など放射能レベルが比較的高い廃棄物を、深い地中に埋めるなどの基本方針を決定。
●9月2日 東京地裁で安保関連法違憲訴訟の第1回口頭弁論。原告らが安保法制は平和的生存権を侵害と主張。
●9月2日 仏原発で原子炉部品に強度不足の鉄の合金の使用の疑い。日本の全原発も同じ方法で製造された部品を使用と判明。
●9月1日 オバマ政権が、爆発を伴う核実験の自制を求める国連安保理決議の採択を求めていると判明。
●9月5日 DPRK、西岸からミサイル3発を発射。日本のEEZ内に落下。

沖縄

●8月20日 東村・高江ヘリパッド工事現場周辺で取材中の県内紙記者を機動隊が強制排除。弁護士ら「報道の権利を侵害」と指摘。
●8月22日 米軍伊江島補助飛行場で、LHDデッキ改良工事着工。着陸帯敷地は約2倍、幅800m超。F35・MV22飛来で訓練増の可能性。
●8月22日 県、沖縄防衛局へ北部訓練場N1地区への立ち入り調査要請。ヘリパッド建設による赤土流出の有無について調査。
●8月23日 高江ヘリパッド建設問題。マスコミ労組、20日に起きた記者の強制排除に対し抗議声明を発表。
●8月23日 翁長知事、辺野古新基地建設阻止に向けサンゴの区域外移植不許可を検討。県漁業調整規則に基づき知事判断が必要。
●8月23日 東村・伊集村長、自民党県議団への高江区直接交付金創設要請について、区民の意見を尊重する姿勢示す。
●8月24日 島尻安伊子氏、沖縄担当相補佐官に就任。
●8月24日 16年度第2次補正予算、沖縄関係176億円。「沖縄地域安全パトロール隊」予算に4億1千万円を計上。
●8月25日 翁長知事、高江ヘリパッド工事現場での「過剰警備」を批判。
●8月25日 高江ヘリパッド工事。沖縄防衛局、N1地区裏ゲートにフェンスを設置。
●8月25日 第3次嘉手納爆音訴訟結審。原告2万2,054人。早ければ本年度末にも判決。
●8月28日 高江ヘリパッド工事。防衛省、資材搬入に村道・村管理農道使用を検討。代替案にヘリ空輸。自衛隊輸送ヘリ活用も検討。
●8月29日 防衛省、高江・N1裏ゲートでのフェンス設置作業の際に防衛局職員が「市民の暴行を受けた」として被害届提出へ。
●8月29日 沖縄市でF15戦闘機騒音。最大103.2db。基地政策課へ苦情11件。
●8月31日 米軍犯罪対策の「沖縄・地域安全パトロール」へ気象台・税関・労働局職員なども動員。国出先機関15官署に協力要請。
●8月31日 17年度沖縄関係予算3210億円。16年度当初予算比140億円減。沖縄振興一括交付金は1,338億円。
●8月31日 米軍キャンプ・ハンセン一部返還地のうち、幸喜区内市有地(約55ha)を名護市へ引渡し。引渡し後の危険物、国が処理。
●9月1日 MV22オスプレイ、初の県外訓練移転。9月12日~10月5日、グァムで実施。普天間配備16機参加。関連費用は日本負担。
●9月2日 在日米海軍、米軍牧港補給地区以南での外泊を原則禁止。今月より沖縄入りの全乗組員対象。綱紀粛正策の一環。
●9月5日 米退役軍人らの平和団体「ベテランズ・フォー・ピース」、高江ヘリパッド工事への抗議活動に参加。

くわしく

【コラム】創刊時を振り返り、今を考える 主筆 梅林宏道

公開日:2017.04.14

 本誌の創刊号(1995年7月15日)が出たのは、もう21年も前になる。
 ニューヨークで開催された1995年NPT再検討・延長会議に参加して、私は冷戦終結を受けた世界規模の核兵器廃絶運動が始まることを感じた。それが本誌を創刊するきっかけとなった。
 当時を振り返って、米国の運動状況の今との違いが気になっている。
 80年代の反核運動において、米国の運動の主流は核兵器廃絶ではなくフリーズ(核凍結)であった。それが、冷戦終結という歴史的転機を経て、1995年会議に結集した世界のNGOは、米国の主流派も含めて「廃絶」という目標を共有した。
 当時、私は、世界の核軍縮NGOと接し始めたばかりの時期であったが、世界的な廃絶運動において米国の運動の主流を巻き込むことの重要さを認識していた。米国は最強の核保有国であると同時に、市民社会の声が届きやすい国であるという点において、米国の運動への期待が大きかったのである。当時の中心課題であったCTBT締結も、国際世論の圧力の下でクリントン政権が決断したことから実現した。
 今、世界の核兵器廃絶運動は核兵器禁止条約の交渉開始を勝ち取ったという画期的な成果とともに、どのような内容の条約交渉なのかを考える重要な局面を迎えている。しかし、米国の平和運動主流は、核兵器禁止条約で世論を動員することに、近未来を展望した確信を持てないでいるように思われる。
 CTBTについて言えば、長い核実験禁止運動の歴史を背景に、米国の運動主流は政権を動かす展望を持っていたと思う。核爆発実験をしなくても核兵器の維持は可能だというハト派エリートの議論を、賛成しないながらも援軍としていた。今日、核兵器がなくても通常兵器の優位をもってすれば米国の安全は保障されるというハト派エリートの援軍的議論はあるが、前提となる核兵器廃絶への世論のベースはまだ弱い。
 私たちの前にはまだ一波乱も二波乱もあるだろう。確かなことは市民社会の役割が決定的に重要だということだ。日本の私たちがなすべきことの第一は、被爆国と呼ぶには余りにも恥ずかしい日本政府の現状を変えることにあることはもちろんである。その努力の中で米国の市民社会への視点を持つことにも注意を払いたいと思う。

くわしく

【メッセージ】500号記念特集号に寄せて本誌を様々な形で支えて下さっている各界の方々、88人よりメッセージをいただきました。

公開日:2017.04.14

広島・長崎・非核自治体・被爆者
◆松井 一實
広島市長
情熱に支えられた調査活動に感銘

 「『核兵器・核実験モニター』創刊500号記念特集号」の発行をお喜び申し上げますとともに、関係者の皆様の御尽力に心から敬意を表します。
 本誌の副題とされている「軍事力によらない安全保障体制の構築」を目指すためには、外交・安全保障における為政者の意識を変えること、さらには、為政者を選ぶ国民や市民の意識を変えることが必要です。
 今年、広島は、オバマ米国大統領の訪問という歴史的な年を迎え、平和宣言で、各国の為政者に「連帯」を強固にし、信頼と対話による安全保障の仕組みづくりに「情熱」を持って臨むよう訴えました。その一助になるのが、平和に関する系統的な情報・調査研究活動を通じて平和運動の基礎を作る情報を提供する本誌であり、皆様の活動を大変心強く感じるとともに、その役割は今後ますます大きくなっていくものと考えています。
 最後に、通巻500号を迎えた「核兵器・核実験モニター」の今後一層の充実を願うとともに、関係者の皆様の御活躍をお祈りいたします。

◆田上 富久
長崎市長
核は世界の今と未来の問題

 「核兵器・核実験モニター」が500号を迎えられるにあたり、長きにわたり、「核兵器のない世界」の実現に向けて発信を続けられていることに深く敬意を表します。
 私たち長崎市民は、核兵器による惨禍が二度と起こらないよう、被爆の実相を伝え、核兵器廃絶を訴え続けてまいりました。
 第70回国連総会において、核兵器廃絶に向けた法的措置などを議論する公開作業部会の設置が決議され、今年2月から国連欧州本部で議論された結果、核兵器禁止条約の交渉を来年中に開始するよう国連総会に勧告する報告書が採択されました。この一歩を大切にし、核兵器廃絶に向けた取組みが前進することを期待します。
 核兵器のもたらす危険性は、決して被爆地だけの過去の問題ではなく、世界が抱える今と未来の問題です。長崎市は、核兵器廃絶と恒久平和の実現に向けて、今後とも着実に歩み続けてまいりたいと考えております。
 最後に、貴誌の今後ますますのご健勝とご活躍を心から祈念申し上げます。

◆鈴木 恒夫
藤沢市長
市民活動を支える情報源

 「核兵器・核実験モニター」500号記念特集号の発行を心からお祝い申し上げます。1995年の創刊以来、20年以上もの間、軍事力によらない安全保障体制の構築をめざし活動されているピースデポの皆様の活動に敬意を表します。
 昨年、米国ニューヨークで開催されたNPT運用検討会議においては、実質事項に関する合意文書を採択することができないという、残念な結果に終わりました。
 しかし一方では、本年5月、オバマ大統領が現職の米国大統領として、初めて被爆地広島を訪問されるという歴史的な出来事がありました。この訪問は、市民一人ひとりの手による地道な活動とその思いが一つでも届いたものと思っております。
 これからもピースデポの皆様には、市民の手による平和のためのシンクタンクとして、綿密な調査・分析などに基づく信頼性の高い情報を発信するとともに、核兵器廃絶や恒久平和の実現に向けて更に活動を推進されることを期待いたします。

◆秋葉 忠利
広島県原水禁代表委員、前広島市長
論理を伴う人間的共感

 500号発刊おめでとうございます。約20年にわたっての愛読者の一人として、多くのことを学ばせて頂きました。また、この「モニター」の発行だけでなく、日本そして世界の、市民を主体とする平和運動の主要な一翼を担われ活動されてきた梅林宏道さんをはじめとする「Peace Depot」の皆さんに心から感謝しています。
 被爆体験やその他の戦争体験が出発点になって世界市民が進めている平和実現のための熱い思いを、事実によって裏付け、論理的な議論によって強力化し、人間的な共感を伴ったアピールによって普遍化してきた皆さんのこれまでの軌跡は、核兵器廃絶や戦争根絶も可能であることを示してくれました。
 特に、国家という枠組みに捉われて、より大きな人類史的な見地からの未来を俯瞰できない人たちを説得するに当たって、一次資料の発掘、その読み解き、それに基づいた創造的な問題提起は、大きな力になってきました。
 オバマ大統領の広島訪問後のアメリカの世論の劇的変化を引用するまでもなく、私たち共通の目的実現の機運が高まっています。今後とも「核兵器・核実験モニター」に、また皆さんの創造的エネルギーに満ちた活動に、大いなる期待を寄せています。

◆片岡 勝子
核戦争防止国際医師会議(IPPNW)日本支部 事務総長
若手リーダーが登場されんことを
 「核実験・核実験モニター」を購読するようになって久しい。タイトルともなっている世界の核実験・核兵器の現状、核兵器削減・廃絶に関する各国及び国際的な取組みに関する正確で信頼性のある記事が掲載されているのみならず、丁寧な解説や論文にも敬服している。3か月以前の無料購読記事のリストは、過去の記事検索に好都合である。通常、年1回出版される書籍の『核軍縮・平和』は、纏めて年間の動きを追い、長期間の歴史を顧みるのに重宝している。
 「核兵器・核廃絶モニター」のもう1つの役割は、軍縮や平和に関するリーダーを育てておられることであろう。私はデータをもたないものの、これを購読し、日常の研究や討論などに利用している若い人達のなかから、平和研究者やジャーナリストとして育っている人達が多いのではないかと思う。
 貴誌のますますのご発展をお祈りする。

◆調 漸
長崎大学 副学長
核兵器廃絶長崎連絡協議会 会長
若者への指針の役割を期待

 発刊500号、おめでとうございます。
 ピースデポとは梅林宏道先生に長崎大学の核兵器廃絶研究センター(RECNA)の2012年4月に初代センター長をお引き受けいただいた頃からのお付き合いです。RECNAが開催する会議にも数多く参加いただき、感謝にたえません。
 さて、私たちは地方大学にいて、被爆者をはじめ、核廃絶を願う様々な方々と共に多くの学生たちと日々出会います。今様の学生たち‥‥そう、温順しく、口下手で、人懐こいが、なかなか殻から出てこない学生たち‥‥と思っていたら、最近、自分で考え、発言し、仲間を作る学生たちが小さいけれども塊として出現しているような気がしています。SEALDsも然りでしょうか。若い彼らがこれから何を産み出すのか? 何処へ行くのか、大学の中で何を始めるのか、何が始まるのか、楽しみにしています。できる限り見守り、時には背中を押すようなことができたらと思うこの頃です。
 501号からの「核兵器・核実験モニター」には、若者への指針の役割を期待します。正確で、速報的な情報と意見をこれからもお願いします。1000号を目指してください。

◆田中 熙巳
日本原水爆被害者団体協議会
(日本被団協) 事務局長
被爆者運動への貢献に感謝
 「核兵器・核実験モニター」500号達成、おめでとうございます。1995年7月の創刊号以来、梅林宏道さんをはじめ、スタッフのみなさんの並々ならぬご努力に心より敬意を表します。
 私は98年9月の78号から定期購読をさせていただき、日本被団協の事務局役員として、被爆者運動に計り知れない恩恵を受けてきました。
 月に2回の時宜にかなった、かなり専門的な重要な情報やデータ、的確な解説や論評を掲載し、ほぼ20年間継続刊行されたことに並々ならぬご苦労があったことを推察し、頭が下がります。
 とりわけ、市民やジャーナリスト、研究者や平和運動家、ボランティアの協力を得ながら少数の優れたスタッフで成し遂げられたことは特筆すべきです。
 各国の核政策や国連の動き、世界のNGO、自治体の動き、とりわけ、年ごとの核弾頭数の信頼のおけるデータ、国連総会決議の詳細な情報を提供して下さったことは他では得難い情報でした。心から感謝します。
 残念ながら核をめぐる情勢はまだまだ厳しい状況にあります。ひきつづきのご活躍を切に願ってやみません。

◆土山 秀夫
世界平和アピール七人委員会 委員
“市民目線”からの平和追求の理念

 「核兵器・核実験モニター」誌が500号を迎えるに当たり、現在に至る歴代のスタッフの方々の営々としたご努力にあらためて深く敬意を表します。
 限られた人数の手による、平均10頁内外のパンフレット風冊子ながら、内容的には常に核兵器の最新情報を取り上げ、鋭い分析力でさばいて見せる充実した記事に啓発させられています。ピースデポ特別顧問の梅林宏道さんの“市民目線”からの平和追求の理念が、脈々と受け継がれているのも頼もしい限りです。私は核兵器関連の論文や講演原稿を書き終えて後、該当する項目について「モニター」誌の記事と読み比べしますが、しばしば共通した考え方に安心と自信を与えてもらっています。
 安倍政権の「軍事力による」安保体制の構築志向は、ピースデポの目指す地平とは正に対極にあり、今後とも厳しく批判し、また提言し続けて下さるよう切に期待します。

◆朝長 万左男
核廃絶地球市民集会長崎実行委員長
次の20年に期待

 私がピースデポー・「モニター」と出版物を購読し始めてかれこれ10年が経ちます。地方の核廃絶運動者にとって核兵器情報の最高文献として愛読しております。これらは私の書棚の最重要位置を占拠しています。核兵器を巡るあらゆる政治・軍事・平和のジャンルを網羅した情報のデポーとして文句なく役立ちます。寄稿文も専門学者のみならず、広く執筆者を網羅しておられ、これさえ読んでおれば世界の核情勢にはついていける感じです。
 欲を言えば、同種の書籍・ジャーナル、特に海外のものに比して、量的にも文章としても読む上でやや堅い感じがつきまとうところがあり、もう少し短文に徹して、読みやすさを追求していただければありがたい。
 次の20年間に、ピースデポーを読んで育った若い人々が核兵器禁止条約の実現と、核のない世界を目の当たりすることになるよう念願します。

◆平岡 敬
元広島市長
情報は、市民の灯台であり羅針盤
 広島の目指す平和は「軍事力による平和」ではありません。核抑止力を前提とした安全保障論を否定し、核軍縮ではなく核廃絶、核兵器の非合法化を求めています。しかし、揺れ動く国際情勢、国内の政治状況の中で、広島の訴えは絶えず試練にさらされてきました。
 いま、オバマ米大統領の広島訪問が演出した“和解”によって、原爆投下責任を問う声は圧殺され、広島の反核平和運動は無害化されてしまいました。米国に従属する日本が「核の傘」から出るためには、私たちはもう一度、非人道兵器による理不尽な虐殺への怒りを取り戻さねばなりません。
 これまで私たちを力づけ、励ましてくれたのは「核兵器・核実験モニター」から提供される整理された資料、的確な情報でした。それは「核なき世界」を追求する私たちにとっての灯台、羅針盤でした。核兵器禁止へ向けての国際的な動きが強まるなか、ピースデポの活動に感謝するとともに、今後一層の発展を願ってやみません。

◆水本 和実
広島市立大学広島平和研究所研究員
連携の拡大に期待

 「核兵器・核実験モニター」創刊500号記念特集号の発行、おめでとうございます。NPO法人ピースデポは、核軍縮の分野における日本の市民活動の草分け的存在であり、日ごろの実証性の高い調査・研究を、「核兵器・核実験モニター」を通じて、世の中に発信されてきました。その内容は、研究者や実務家、メディア関係者などにも影響を与えております。
 今後も引き続き、実証性の高い調査・研究に基づく発信に加え、被爆地の研究や平和行政、平和教育、市民活動等との連携を視野に入れて活動されることを期待いたします。

◆森口 貢
長崎の証言の会 事務局長
被爆国市民の行動指針に
 

 「核兵器・核実験モニター」の65号では「イラク攻撃は法的根拠がなく、国際紛争は武力によらない解決こそ課題」と提言している。
 それから18年、ISの勃興、そして、シリアをはじめ中近東での紛争は解決のめどは見えない。一方、北東アジアの情勢も緊張が高まっている。北朝鮮は核実験を繰り返し、疑問があるにしても、水爆実験も成功したという。核兵器の数は減ってはいても、米国は兵器の改良に莫大な予算をつけている。
 「核なき世界の実現は険しい」が、「安全保障のために核の傘は必要」とする日本政府の政治姿勢を転換させる行動を積極的に起こすことが、被爆国日本の市民の務めではないだろうか。この力が世界から紛争もなくしていく力にもなっていくのではないだろうか。こうした行動の指針を示してくれるのが、ピースデポの活動であると期待している。

◆森瀧 春子
核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表
継続に敬服、共に歩みたい
 20年余りも営々と続けて発行されてきた事実の重みにただ敬服するばかりです。
 反核平和に取り組む市民運動にとっては常に正確で充分な情勢把握が必須です。その重要な資料提供の役割を果たし続けてこられたピースデポのスタッフのみなさまに心から感謝いたします。
 核兵器廃絶、原発廃絶、戦争阻止の運動にとって、国内外の情勢はこの20年間一刻も緩むことなく厳しさを増すばかりに思える中で、民衆のたゆまぬ闘いを支えるのは信頼できる理論的な情勢分析だと思いますが、「核兵器・核実験モニター」は常にその提供を担ってこられました。
 陣容的にも財政的にも厳しい状況の中、今後もそのかけがえのない灯りを絶やすことなく私たちの道を照らしていただきたいと願っています。核兵器廃絶、原発廃絶、核被害の根絶にとって今ほど私たちの緊急の課題は取り組みを迫られています。共に歩んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。

◆山口 響
長崎の証言の会
ピースデポ元協力研究員
分析記事の充実をのぞむ
 来年にも核兵器禁止条約の国際交渉が始まろうとしています。核をめぐる国際政治は、NPTが無期限延長され、CTBTが署名開放された約20年前以来の、もっと長いスパンで言えば、NPTが成立した約半世紀前以来の、激動の岐路に立っています。ピースデポの活動が今ほど必要とされている時はありません。
 「モニター」誌面に目を転じてみれば、各種の数値データや翻訳資料などが豊富であり、後世の利用に耐え得るものになっていると思います。欲を言えば、一次資料をベースとした骨太の二次的分析記事がもっとほしい。「モニター」が創刊された約20年前と比べ、インターネットが普及し、紙媒体で速報する意義はほぼ失われています。現在の年18回発行体制はやめて、月1回の発行とし、分析記事を厚くする方向を考えてみられてはいかがでしょうか。発行回数減に見合うだけの内容の充実があれば、読者は納得すると思いますが。

国会議員

◆阿部 知子
衆議院議員(民進党)
「原発ゼロの会」事務局長
プルトニウム問題は喫緊の課題

 
 日頃より「核兵器・核実験モニター」から多くの示唆を頂いています。通巻500号を迎えられたことに敬意と感謝を申し上げます。
 「原発ゼロの会」は2011年3月11日の東日本大震災と東京電力福島第一原発事故を受けて、2012年3月に発足した超党派の議員連盟(国会に議席を有する全党から議員が参加)です。明確に原発ゼロを目指し、あらゆる政策を動員してそれを可能にすることを趣旨としています。国会開会中には「国会エネルギー調査会(準備会)」を開催し、有識者・NGOと行政から出席を得て、国会議員と3者でエネルギー・原子力政策をオープンに議論することを続けています。
 喫緊の課題の1つに原発の使用済み燃料の再処理と余剰プルトニウムの問題があり、米国はじめ国際社会から懸念の声も上がる中で2018年の日米原子力協定改定にどう対処するかという問題もあります。
 引き続き、皆さんから情報を得、また連携を深めながら、しっかり取り組んでいきたいと思っています。

◆伊波 洋一
参議院議員(無所属)
 膨大な労力に感謝

 「核兵器・核実験モニター」が本年7月に500号に達したことを喜んでいます。500号でオバマ「広島演説」と備蓄核弾頭数削減の停滞の乖離を指摘したように、1995年7月以来20年間も毎月2号発行して国連など国際社会で取り組まれる核軍縮の動きや核保有国の核開発の動きを丹念にフォローし、関係論文・資料を日本語に正確に翻訳して日本国内の関係者に伝えてきたことに心から敬意を表します。
 本誌の継続は主筆を務める梅林宏道氏が膨大な時間と負担を引き受けて成り立ったことに感謝します。喫緊の課題である北東アジア非核地帯の提言や北朝鮮の核開発をめぐる6か国協議の記事など掲載される論文は多くの研究者や平和運動家の指針となってきました。私も、フランスの核実験に反対する1995年9月のタヒチでの世界反核議員会議をレポートしたことがあります。現在も多くの方々の参加と協力で成り立っており、本誌とピースデポがますます発展することを願っています。

◆岡田 克也
衆議院議員(民進党)
北東アジア非核兵器地帯は重要なカギ

 1995年の貴誌創刊から20年、500号発行を迎えるまでのご尽力、そして、核軍縮・不拡散分野におけるご貢献に対し、心より敬意を表します。貴誌の情報や政策提言が果たしてきた大きな役割は論を待たないと思います。民主党・民進党にとっても、党の核政策や北東アジア非核地帯構想の取りまとめなどにおいて、貴誌の存在は大きな知的バックボーンとなりました。
 他方で、「核なき世界」に向けた国際社会の取り組みは道半ばです。核兵器の削減と役割低減、核の非人道性に関する議論、先制不使用宣言や核兵器禁止条約をめぐる動きなど、課題は山積しています。特に、貴誌が長年提唱しておられる北東アジア非核兵器地帯条約は、東アジアの非核化、平和と安定の実現に向けて重要なカギになると確信しています。貴誌の役割は今後ますます重要になることでしょう。大いに期待しています。

◆近藤 昭一
衆議院議員(民進党)、沖縄等
米軍基地問題議員懇談会 会長
核なき世界への道標として
 

 「核兵器・核実験モニター」創刊500号、おめでとうございます。
 創刊以来、貴誌が世界平和と核兵器廃絶に向けた市民レベルの運動を発展させるうえで多大な貢献をしてきたことに心から敬意を表します。世界の核兵器や核兵器廃絶運動に関する貴重な情報を提供してくださり、私も大いに学ばせていただいています。
 ピースデポの皆様とのつながりでいえば、私が副会長を務める核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)日本では、相談役として梅林宏道さんにアドバイスをいただきながら活動をしています。また、私が会長を務める沖縄等米軍基地問題議員懇談会も、辺野古新基地建設問題やオスプレイの飛行訓練に関して、外務省や防衛省、環境省、国交省などの関係省庁に要請行動を行っていますが、その際には、湯浅一郎さんを中心とするピースデポの皆様と密に連携しているところです。
 「核なき世界」の実現に向けて、ピースデポに期待し、共に努力したいと思います。

◆鈴木 馨祐
衆議院議員(自民党)、
核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)日本 事務局長
現実的核軍縮を真剣に追求

 この度、「核兵器・核実験モニター」のご創刊500号を迎えられましたこと、関係者の皆様の20年以上にわたる並々ならぬご尽力に心より敬意を表する次第であります。
 被爆国であり、また中国、北朝鮮という核兵器の弾頭数を増加させている2つの軍事大国の脅威に曝されている日本だからこそ真剣に現実的な核軍縮を目指すべきと考えております。
 核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)日本の事務局長として、微力ではありますが精一杯この問題に取り組んでまいる所存でございます。
 最後になりましたが、ピースデポの皆様の多大なるご尽力と強いご決意に心より敬意を表しますと共に、米国現職大統領による広島訪問という画期的な年に、改めて戦争の無い世界の実現に向け全力で努力をしてまいることをお誓いし、創刊500号に寄せるメッセージとさせていただきます。

◆谷合 正明
参議院議員(公明党)
心の中に平和の種を植えていく
 創刊500号記念特集号の発刊に際し、20年以上にわたる精緻な情報提供に心より敬意を表します。
 私は12年前に参議院議員として初当選以来、被爆者援護と核廃絶に取り組んできました。事務局長を務める党核廃絶推進委員会では、ピースデポをはじめとするNGOの皆様との連携を進めてまいりました。
 本年、オバマ大統領の広島訪問が実現しました。しかし、それはゴールではありません。核廃絶への歩みを着実に進めなければなりません。核兵器禁止の法的枠組みの検討について、核兵器保有国を巻き込んだ条約づくりが求められています。唯一の戦争被爆国である日本の役割と責任は大きいのであります。
 昨年訪問したパレスチナ自治政府ガザ地区の中学校の先生から、ヒロシマ、ナガサキのことをもっと知りたいと言われました。軍縮教育の重要性を再認識しました。厳しさを増す世界の安全保障環境のもと、「核兵器廃絶」と「軍事力によらない安全保障体制の構築」という目標を果たすためには、将来を見据えて、世界中の若い世代の一人一人の心の中に、平和の種を植えていくこと。迂遠の道のりだが、ゴールはその積み重ねの先にしかないように思えます。貴誌の役割は大きい。

◆辻元 清美
衆議院議員(民進党)
日本の政策転換を迫りたい
 「核兵器・核実験モニター」通巻500号、本当におめでとうございます。
 私が国会議員になったのが「モニター」創刊から1年後の1996年。以来ずっと、「東アジアから核をなくそう」と与野党の垣根を超えて訴えてきました。安全保障委員会や外務委員会に所属する私は、核廃絶に対する日本政府のスタンスを追及する機会が多くありました。その都度「モニター」を読み込み、ピースデポの皆さんの知恵を借りて政権と対峙してきました。改めて御礼を申し上げます。
 いまオバマ米大統領が、核の「先行不使用」宣言を検討しています。しかしオバマ大統領を広島に迎えたはずの安倍総理が「先行不使用」に反対したと米紙が報じました。報道を否定している安倍総理ですが、疑いをはらすためにも、唯一の被爆国として積極的にアメリカの政策転換を後押ししていくべきです。
 思いを同じくする皆さんとともに、核のない世界をめざしてがんばりましょう。

◆浜田 昌良
参議院議員(公明党)
対話による平和外交を

 創刊500号記念、 誠におめでとう御座います。 私自身、 ピースデポの会員として、 毎回のレポー トを読ませて頂き、国際的動向やNGOの皆様のご意見を参考にさせて頂いています。今年は、5月のオバマ米大統領の被爆地・広島訪問等、 核兵器の非人道性への共感の輪の拡大の中、8月の多国間核軍縮交渉に関するオープンエンド作業部会(OEWG)で、 核兵器禁止に向けて交渉を行う国際会議を2017年中に開催するよう国連総会に勧告する、報告書が採択されました。
 この国際会議をどういう議題・手続きで開催していけばよいか、 また、 そのための合意形成をどのように行っていくのか。 実効ある核廃絶を進めるため、今年の国連総会・第1委員会での唯一の戦争被爆国としての我が国の外交手腕が問われています。
 公明党・核廃絶推進委員会座長として、 この7年間、政府と国会、 地方議員そしてNGOをつなぐ役割を果たしてきましたが、 これからが正念場。 「対話による平和外交を進める力」を最大限発揮して参ります。

◆福島 みずほ
参議院議員(社民党、副党首)
情報は活動の指針 

 「核兵器・核実験モニター」の500号記念、本当に長い間、この冊子の発行活動を支えてきたスタッフの皆さん、市民の皆さんに心から敬意を表します。この冊子が不要になる社会が1日も早く来ることを願っているのは、関係する皆さんと同じ思いです。しかし、現状は課題が山積です。
 戦争ができる国に転換させる戦争法を成立させた安倍政権、そしてその方向を加速させるような新防衛大臣の就任など、ますます「きな臭さ」が増大しています。憲法改悪も当然、阻止して行かなければなりません。この動きに何が何でもブレーキをかけるためには、私たちの力と英知の結集が必要です。
 そのためにも、これからの私たちの活動の指針となるような正確な情報、先見性のある提言をピースデポの皆さん、そしてこの冊子で発信をし続けてくださることを期待しています。そして、私も市民として、国会議員として一緒に活動させていただきます。どうか、これからも共に頑張ってまいりましょう。

◆福山 哲郎
参議院議員(民進党)
もっと多くの人に読まれてほしい

 「核兵器・核実験モニター」500号記念をお慶び申し上げます。創刊以来20年以上にわたり、貴重な情報を提供し続けていただいていることに敬意を表します。
 今年、オバマ大統領が米国の現職大統領として初めて広島を訪問したことを機に改めて核廃絶への関心が高まっていますが、今なお道半ばです。被爆者が高齢化するなか、次の世代に向けて、戦争や被爆の体験を受け継いでいくことが重要になります。唯一の戦争被爆国として、我が国は先頭にたって、核兵器の使用が如何に非人道的であり、多くの人々に筆舌に尽くしがたい苦しみをもたらすかということを引き続き訴えていかなければなりません。
 「核兵器・核実験モニター」がより多くの方々に読まれるとともに、NPO法人ピースデポの活動が一層広がり、核兵器のない世界に向けた歩みが進んでいくことを望んでいます。私も民進党「核兵器のない世界を目指す議員連盟」事務局長として微力ながら尽力して参ります。

平和・軍縮・国際政治
◆浅田 正彦
京都大学教授
核軍縮の岐路

©Audio Visual Library of International Law
 核軍縮は岐路を迎えている。2009年に「核のない世界」演説で世界に鮮烈な印象を与えたオバマ大統領の任期も残すところあと半年を切った。この分野において目に見える成果を挙げることができなかった同大統領は、未発効のCTBTについて国連安保理決議の採択を模索し、また核兵器の先制不使用宣言を行うことを検討していると伝えられる。国連のオープンエンド作業部会(OEWG)は、核兵器禁止条約交渉のための会議の2017年開催を多数決で勧告した。
 他方、国内においては、オバマ大統領の広島訪問をマスコミが大きく取り上げたことを除けば、相変わらず議論は低調である。同じような議論の繰り返しである。核軍縮を進めるべきであるとする主張とアメリカとの核同盟による安全保障の信頼性の維持が重要であるとする主張のいずれをとるにしても、ともかくも議論は低調である。隣国北朝鮮が着々と核とミサイルの開発を進めているにも拘らず、である。「核兵器・核実験モニター」が、そのような議論の閉塞感を破る起爆剤となってくれることを祈っている。

◆阿部 信泰
元軍縮担当国連事務次長
「もう止めよう」と決断すれば核は無くせる

 ピースデポの方々のお顔を目に浮かべながら、創刊500号を心からお祝い申し上げます。核兵器使用の危険をなくし、削減・廃絶しようとする努力は今日もたゆまず続けられています。この目的に向かって励んでおられる皆様に頭の下がる思いです。
 私自身も、この20年近くこの問題を中心に活動してまいりましたが、よく友人から「核兵器を持っている国は決してこれを手放さない。無駄な努力はしない方がよい。」などと親切な(?)助言をいただきます。しかし、私はそうは思いません。人間が作ったものは人間が「もう止めよう。」と決断すれば廃棄できるのです。出世の誘惑、金儲けの誘惑、鉄の規律の独裁体制の下では、変革は無理だ、血の嵐を招く、ということもよく言われます。そういう場合もあるかもしれません。しかし、あれほど堅固と言われたソ連・東独の独裁体制だって崩壊したではありませんか。
 その時は突然やって来ます。その時のために頑張りましょう。

◆荒川 譲
鹿児島県護憲平和フォーラム代表、鹿児島大学名誉教授
ひとつのお願い

 多くの疑念・批判にもかかわらず、安倍晋三氏が政策実現や選挙で連勝しているのは、巧みな情報操作と硬軟両用の外交手段による。後者については、尖閣や拉致を材料にした中国・朝鮮(DPRK)に対する強圧的外交で、東アジアの安全保障環境の先鋭化を創り出し、中国・朝鮮からの攻撃もありうるとの危機意識をいたずらに広げ、軍備増強を進めている。この分野の客観的な正しい情報を扱っているメディアはあまりにも少ない。
 本モニター誌は、創刊以来核兵器を主題にして、多大な成果を上げてきたが、今後にもそれを期待する。他方、東アジアの安全保障についても、情報不足と誤解の是正に役立つ資料解説や論説を随時行って、この分野のメディア形成の先導役に多少なりとも対応してもらえまいか。例えば501号巻頭の田巻論文がこの点のモデルになる。
 このような方向性は、本誌の副題「軍事力によらない安全保障体制の構築をめざして」にも適うものであろう。

◆新崎 盛暉
沖縄大学名誉教授
研ぎ澄まされた問題意識に期待する

 創刊から20年というのは、沖縄における普天間返還・辺野古新基地建設問題の20年とほぼ重なり合う年月です。貴誌の特徴は、やはり、他のメディアには見られない独自の視点に立った解説と、それが具体的資料に裏付けられていることではないかと思っています。
 私も常々参考にさせていただいていますが、とくに379号(11/7/1)の「普天間日米協議、振り出しに」という記事の資料、米上院委報告書は、その一部を、私の著書『新崎盛暉が説く 構造的沖縄差別』(高文研、2012年)、『日本にとって沖縄とは何か』(岩波新書、2016年)で、引用(もちろん出典明記の上)させていただいています。
 80歳にもなると、辺野古や高江などの現場の闘いに参加することはとてもできませんが、物書きという仕事を通じて現場で闘う人たちの広報部門の一部は担えているのかな、と思っています。広い視野から情報を提供してくれる貴誌は、そうした私たちの仕事を支えてくれています。今後とも問題意識を研ぎ澄ましながら、活躍されることを期待しています。

◆榎本 珠良
明治大学研究・知財戦略機構
共同研究員(国際武器移転史研究所)
先駆的な活動の継続に敬意

 冷戦終結後、銃器などの通常兵器は「事実上の大量破壊兵器」と呼ばれて問題視され、国際的な合意形成が進み、その過程にNGOも参与しました。しかし、通常兵器分野の日本のNGOには、精緻な調査を行い自ら考え討議するのではなく、英米に拠点を置く「国際キャンペーン」の分析や提言内容を研究者に翻訳・解説してもらい、翻訳された内容と情緒的メッセージを掲げて「グローバル市民社会」を称する傾向がみられます。また、条約の採択といった華やかな局面に活動を行いアピールする一方で、条約の履行確保段階の課題には取り組まない団体も多くみられます。
 ピースデポのように精緻な調査や情報提供を主旨とする団体を日本で継続するにあたっては、地味で面倒な調査を担おうとする人材の確保や資金調達など多くの困難に直面されてきたのではと推察いたします。通常兵器分野の日本のNGOのために翻訳・解説を行ってきた研究者として、ピースデポの皆様の先駆的な活動に敬意を表するとともに、今後の活動の継続を切に祈っております。

◆遠藤 誠治
成蹊大学法学部教授(国際政治学)
「現実主義」の矛盾を見据える

 日本の安全保障をめぐる議論の枠組みが大きく揺らいでいる。軍事力による脅し、特に核兵器による脅しがなければ日本の安全は守れない、ということを前提としなければ、現実的ではないとする感覚が広がっている。この感覚は、中国や北朝鮮への恐れを背景としているために、転換することが難しい。
 そんな中だからこそ、オルターナティブな安全保障構造を作ろうとする世界の動きとそこへ向かう困難の大きさを、データと証拠をもって伝えてきた本誌の存在はますます重要だ。
 各国の軍拡がもたらす緊張や矛盾を、東アジアの市民、特に中国の市民と共有しつつ、軍事力に依存しない安全保障のための基盤を作れないだろうか。「現実主義」の矛盾を見据えなければ、現実の矛盾を深めてしまう。そう考える市民のためのデータベースとしてフォーラムとして、本誌がさらなる役割を果たすことを大いに期待したい。

◆君島 東彦
立命館大学教授
日本平和学会会長
平和運動・研究のネットワークを

 「核兵器・核実験モニター」が500号を迎えられたとのこと、21年間に及ぶご尽力に御礼申し上げたい。東アジアの平和・安全保障について考えるとき、「モニター」が提供するhard factsが出発点になる。
 いまあらためて、核保有国が角逐している東アジアで持続的な平和をつくるには、梅林氏やピースデポが提唱してきた方向性──「専守防衛」「非核三原則」「東北アジア非核兵器地帯」──が有効性を持っていることを再確認したい。安保法制に反対するということは、これらの政策を追求することを意味するはずである。
 これからの「モニター」あるいはピースデポには、東アジアあるいはアジア太平洋地域の平和運動、平和研究者を横につないで、ネットワークをつくるイニシアティブを発揮することを期待したい。軍産官学複合体──日米にも中国にもある──に対抗するこの地域の平和のネットワークが、戦争を抑制しうるであろう。そして、この平和のネットワークの真ん中に、沖縄の人々がいるのではないかと思う。

◆黒澤 満
大阪女学院大学教授
大阪大学名誉教授
「継続は力」を信じる

 「核兵器・核実験モニター」の500号刊行を心よりお慶び申し上げます。継続は力です。いつも手元にファイルを置き利用させていただいています。今も第1号をなつかしく拝見しています。核軍縮問題につき事実に基づく研究および議論のための最新の材料を提供していただいていることは、核軍縮の進展を考える上で不可欠のものであり、その意味で日本における核軍縮の議論の進展に大きな役割を果たしていることを改めて認識しています。また以前に「日本政府の核軍縮の成績表」を作成したことなどは、外務省にも大きな影響を与えたものであったので有益だったと考えています。イアブックも手元に置き利用させていただいていますが、刊行がもう少し早くなればもっといいのにとは思っています。マンパワーの関係から難しいとは思いますが。今後とも核兵器が廃絶されるまで、「核兵器・核実験モニター」が刊行されることを期待しています。継続は力ですから。

◆高橋 博子
明治学院大学国際平和研究所客員研究員
権力を監視する「モニター」

 マンハッタン計画に象徴されるように核兵器・核実験に関する情報は「安全保障上」機密扱いです。また特定秘密保護法や安全保障関連法によって、市民・ジャーナリスト・研究者は監視と思想調査の対象となってます。「核兵器・核実験モニター」は500号にわたって、この関係性の逆転を図ってきたのだと思います。監視(モニター)されるべきなのは、核兵器を作り、核実験を行い、核被害を隠そうとする側なのですから。今後ますます大事な活動になると思いますので、ピースデポの活動にエールを送りたいと思います。

◆中村 桂子
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)准教授、前ピースデポ事務局長
「被爆地の声」の理論的支柱

 このたび500号発刊を迎えられたということで、とても感慨深いものがあります。あらためてバックナンバーをめくってみましたが、私がスタッフとして初めて誌面に「登場」したのが147号(2001年9月15日号)。その後395・6合併号(2012年3月15日)まで名前がありますので、全500号のうち、ちょうど半分にかかわったことになります。
 一次資料を使った丁寧な分析と豊富な資料を提供し、市民社会の議論を活性化させてきた「モニター」の役割についてはおそらく多くの方がコメントされるでしょう。私自身、被爆地である長崎に移ってから、「モニター」が提起してきた様々な視点や分析、北東アジア非核兵器地帯構想をはじめとする具体的な政策提言が「被爆地の声」を支える理論的支柱となっていることをあらためて実感してきました。
 最後に、毎号の発送作業に膨大な時間と労力を割いてくださっているボランティアの皆さんに心からお礼を申し上げたいと思います。皆さんとのおしゃべりが懐かしいです。

◆西崎 文子
東京大学大学院総合文化研究科教授
「被爆国日本」の実体を創る仕事です

 戦後71年、「被爆国日本」という言葉が虚しく響くときがあるのは残念なことです。日本政府が、ヒロシマ・ナガサキを平和のシンボルとして掲げながらも米国の核抑止論を全面的に支持し、核廃絶実現に向けての積極的な発信をする意思を持たないことは、近年とくに明確になってきました。
 とはいえ、そのような風潮にあらがう強い動きが日本社会にあったこともまた、否定するわけにはいきません。その一つが、ピースデポの情報誌「核兵器・核実験モニター」の持続的な刊行だったと私は考えます。「核廃絶」という究極の目標を見据えながら、その実現に具体的な道筋をつけるためには何が必要なのか、国際組織や多国間で進められている一つひとつの政策がそれとの関係でどのような意味を持つのか。このような疑問への答を専門的知見とともに人びとに提供することは、核なき世界を構想するときに不可欠なものだからです。
 ピースデポの活動がより多くの人びとに認知され、被爆者運動などとの連携を強めることによって、「被爆国日本」という言葉に実態が与えられることを願ってやみません。

◆藤田 明史
大学非常勤講師(平和学)
オバマ演説に「違和感」を覚える
 オバマ米大統領の核兵器についての演説に関して、私の違和感をここに書く。
 まずプラハ演説(2009.4.5)。そこでは「核兵器を使用した唯一の核保有国として、米国には行動する道義的責務がある」と述べられた。原文は次のようだ。
 “And as a nuclear power – as the only nuclear power to have used a nuclear weapon, the United States have a moral responsibility to act.”  
 私は当初から、なぜここでは‘a nuclear weapon’であって、nuclear weaponsでもなければthe nuclear weaponでもないことに疑問を持って来た。もしヒロシマおよびナガサキが明確に表象されていたなら、複数形または定冠詞が使用されたであろう。別の可能性としては‘a moral responsibility to act’にあるような‘a’の使用法である。しかしnuclear weaponは、それ自身あたかも1単語のごとく具体物を指示するから、そう解釈するのには無理があろう。すなわち、ここでの‘a’の使用は私には非常に奇妙なものに思えるのだ。英語に特有な意図的に不明瞭な言い方(slur)なのか。
 広島演説(2016.5.27)では冒頭に次のように述べられた。「71年前のある晴れた雲ひとつない朝、死が空から降ってきて世界は変わった。」私はここでも上述と同じ性質の違和感を覚える。「ピカは落さにゃ落ちてこん」――私もこう叫びたい。ここに表現されているのは、大統領の「思想性」だろうか? 私には「無思想性」のように思える。
 ピースデポの地道な活動が今後も継続されていくことを期待している。

◆藤原 修
東京経済大学現代法学部教授(国際政治学、平和研究)
平和運動のもっとも厄介な障壁に挑む

 ピースデポ20年の成果は次のように整理できよう。広島・長崎の原爆被災体験に基づく核廃絶の理念と、日本政府の「核の傘」への依存という矛盾を、東アジア非核地帯の設置によって乗り越えることが可能であることを明らかにした。北朝鮮などの脅威を口実に核抑止の必要を強調し、段階的軍縮を現実的とする政府の発想に対して、核廃絶を地域的に先取りする非核地帯化政策を進めることによって、むしろ地域の安保環境を改善させる論理を対置して、核廃絶の政策論を確立した。
 しかし、なお安保体制の壁は高い。これを乗り越えるには歴史認識問題や憲法、沖縄基地問題を含むトータルな安保政策の見直しが必要だが、例えば、沖縄問題の解決には沖縄基地の本土移転が避けられないのではないか。ピースデポは望みうる最良の平和政策にたどりついたが、同時に最後の最も厄介な障壁に直面することにもなった。これをどう克服するか、日本の平和運動の正念場である。

◆山田 寿則
明治大学法学部兼任講師
図説記事の充実を希望 
 この度創刊500号を迎えられたとのこと、誠におめでとうございます。核兵器を含む安全保障の問題は市民生活に多大な影響を及ぼすものでありがなら、なかなか市民の目に触れないところにその実情は存在しています。非開示情報の存在だけでなく、開示された情報であってもそれを読み解くことができなければ、それが真に意味するところを把握することは困難です。
 この困難で多大の労苦を伴う作業を地道に積み重ねて来ている貴誌の存在は、日本の核軍縮コミュニティーにおいて極めて貴重です。近年は掲載情報の出典に遡及できる工夫も進み、一層有用性の高い紙面となっていると思います。一読者としての我儘ですが、図説記事がさらに充実するとよりわかりやすいのではと想像します。
 今後の貴誌の更なる発展に期待しています。

自然科学・工学

◆安斎 育郎
安斎科学平和事務所〈ASAP〉所長
現状認識と未来選択への指針

 先日、トーベ・ヤンソンの『ムーミン』とサンテクジュペリの『星の王子さま』について話す機会がありました。ムーミン第2作(1946年)は、巨大な彗星がムーミン谷に落ちてくる話ですが、前年の長崎原爆の日に31歳の誕生日を迎えたヤンソンの核兵器に対する警告の意味が込められていたと言われます。また、『星の王子さま』(1943年)には、3本のバオバブの木の芽を抜くことを怠ったために、巨大化した木が星を突き崩してしまう話がありますが、これは、日独伊ファシズム3国の危険な芽を摘み取らなかったために世界が第二次大戦に向かう危機に陥ったことを警告しているとも評されています。
 現代に生きる私たちは、危機に向かう気配を敏感に感じ取り、その危険性の芽を摘み取り、破滅への道を避けるべきでしょう。「核兵器・核実験モニター」は、私たちの核問題についての現状認識と未来の選択にとって、最も確かで重要な情報誌だと思います。敬意と謝意と祝意を表します。

◆猪野 修治
湘南科学史懇話会代表
個人史と重なる思いが絶えない
 2015年12月14日(月)、私は、NPO法人ピースデポ事務所(日吉)で梅林宏道氏(同特別顧問)と山本義隆氏(物理学)のはじめての会談を実現させた。この会談は、1967年10月8日の佐藤訪米阻止闘争の渦中に羽田沖弁天橋で虐殺された山崎博昭氏(当時京大生18歳)を追悼する「ベトナム反戦闘争とその時代」展(東京)を、山本氏らが開催するに当たり、米軍相模原補給廠から搬出されるベトナム向け戦車阻止闘争を率いた梅林氏の諸活動の実態を調査するために設定されたものである。
 2016年6月15日(土)、私は、井野博満氏(金属材料学)がコーディネーターを務める「原発事故を考える町田市民の会」の講演会「原発と核武装」に参加し、「日本を取り巻く核状況」(梅林宏道)、「ひとは『核』」をどう考えるか」(山口幸夫)のよく知る二人の物理学者の講演を拝聴した。上記の相模原の戦車阻止闘争後、それを共に率いた梅林・山口の両氏が同時に講演するのはおそらくはじめてのことである。これは井野氏のご配慮の賜物である。
 この二つの会談と講演会は個人史的に大きな出来事だった。最後になり恐縮だが「核兵器・核実験モニター」のスタッフの労に深謝する。

◆小沼 通二
世界平和アピール七人委員会委員
恥ずべき日本の核兵器依存
 創刊号からの読者として、非常に多くのことを学ばせていただきました。20年以上500号にわたり訴え続けてきても、無差別大量殺戮の非人道的な核兵器が存在し続けていることは恐ろしいことです。しかも、広島・長崎・ビキニでの体験を持つ日本の政府が核兵器に依存し、廃絶を妨害し続けていることは腹立たしく、世界に対して恥ずかしい思いです。執筆・編集・刊行に携わってきた皆さまに心からの敬意をお送りし、今後のご努力を期待します。

◆白鳥 紀一
元物理学者
事実に基づく理性的外交を
 ピースデポの継続する活動に改めて敬意を表します。原則を貫くことが継続してこそ運動が成り立つわけです。
 最近の主張・論説でいえは、北朝鮮に対して取るべき対応策は、国内で他に見られない、理にかなった提案でした。そしてそれは、感情に流されない事実のきちんとした収集・報道に基づいています。「気に入らない」国に対してこそ理性的に話すことが必要でしょう。
 しかしこのような、事実に基づいて理を通した主張・報道が他に見られないということこそが、核廃絶を願う我々の直面している最大の問題です。そして、初めて広島を訪問した大統領が核先制攻撃政策を変更しようとすると首相が異議を唱えたといわれ、何といい訳をしようとそれに違和感を持たれない国に、我々は生きています。
 核廃絶運動が必要とされない社会を創るまで、ピースデポの更なる活動が必要とされましょう。

◆菅沼 純一
科学・技術ジャーナリスト
NDJ(核軍縮研究会)会員
反核運動の新しい息吹

 「21世紀を迎え、私は年をとり元気とはとても言えませんが、核兵器はまだまだ元気なのが残念です」と、ピースデポの故・服部学さんは2000年の年賀状に書いている。
 核兵器に価値を与えているのは「国家」である。国家を単位に構成されている国連の常任理事国はそろって核保有国で、そのため核兵器廃絶を目指す条約は常に大きな壁に行く手を阻まれる。非核兵器保有国は数でもって、核保有国の動きを包囲し制限し、核保有国に対して〈核兵器は使いにくい無用の長物だ〉思わせなければならない。
 ピースデポの登場は、従来の日本の核兵器廃絶運動に新しい息吹をふきこみ、何かを起こし得ると感じさせた。運動の単位を旧来の組織から個々人に奪い返し、NGOを通して国際的につながろうという姿勢が私には魅力的だった。
 核保有勢力は、人々の税金で核兵器を製造・維持し、良くも悪くも現在の政治・社会システムを再生産している。こちら側は端から無力のボランティア、初めから大きなハンディを負っている。運動の持続には個々の精神と意志と、それらの結合のみが頼りだ。現実には残念ながら、ピースデポの意図に反してピースデポの存在価値は差し当たり減りそうもない。

◆鈴木 達治郎
長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)センター長・教授
忘れえぬ強い印象

 「核兵器・核実験モニター」500号、誠におめでとうございます。
 私は原子力政策から核軍縮・不拡散問題に関与し始めた、ということもあり、「ピースデポ」という団体も、あまりよく知らない段階で、この「モニター」を読む機会がありました。その時に、日本にこのような有用でかつ簡潔にまとめられている定期刊行物があることに、強い印象を持ったことを覚えています。この分野における貴重な独立の情報源として、また、簡潔で鋭い分析記事など、どれだけ参考にさせていただいたか、わかりません。
 最近では、オバマ大統領広島訪問、国連作業部会の勧告など、核兵器廃絶に向けて明るいニュースもありますが、核兵器近代化計画、「先制核不使用政策」への反対、北朝鮮の核・ミサイル能力の拡大・・・と問題は尽きません。
 500号という歴史は素晴らしいと思います。そして、ぜひ今後もこの地道で貴重な「モニター」の発刊を継続していただくことをお願いします。スタッフの皆さんに心より感謝と尊敬の意を込めて・・・

◆豊島 耕一
佐賀大学名誉教授
個人の良心を発動させる規範

 本紙が号を重ねるにもかかわらず核廃絶の道のりはまだ遠いですが、しかしこの8月19日,国連核軍縮作業部会は核兵器禁止条約の協議を総会に勧告することを決定。核廃絶プロセスが現実性を持ち、目に見えるようになる第一歩ではないでしょうか。
 他方わが国は、核の「傘」依存だけでなく、新たに武器輸出禁止が撤廃され、また軍学共同解禁への動きも油断できません。ひとたびアメリカのように軍産学共同体が出来上がってしまえば、それ自体が戦争の原動力となり、引き返すことは非常に困難になります。
 巨大な組織のなせる業ですが、その中の個人の良心の新しい発動形態に注目すべきです。新しい専門職倫理の教科書には「組織上の不服従」という項目が見られます。個人の良心に反するプロジェクトには「不参加による不服従」が可能で、「使用者は従業員に、仕事を失うか、さもなければ良心に反するかの二者択一を迫るべきではない」としています。
 組織には良心は存在せず、存在するのは個人の心の中です。教科書の上の記述は、「命令だからやむを得ない」という弁解を困難にするでしょう。

◆山本 義隆
予備校講師
「核兵器の廃絶」を語ること
 戦前の歴史を読むと、戦艦の保有トン数の多寡が「大国性」の指標であるかのような議論がされていて、滑稽な気がします。戦後、アメリカの核独占が敗れたのち、戦艦にかわって原爆保有が大国の条件の位置をしめました。ドゴールのフランスも毛沢東の中国も、原爆保有こそが国家の発言力を高める条件だと見なしたのです。1950年代に岸信介が潜在的核兵器保有として原子力開発を位置づけたのも同一の発想でしょう。そして現在の日本におけるプルトニウムの大量備蓄は、潜在的核武装路線の現実性を担保しています。
 とすれば、福島の事故後も原発放棄にむかわない日本にたいして、外国は、とくにアジアの諸国は、日本の将来的核武装の疑いを強めているでしょう。現実にもインドが民生用原子炉から原爆を造りだしたことは、アジアの諸国によく知られています。そう考えると、日本からの「核兵器廃絶」の主張は、いくら「唯一の被爆国」を強調したところで、脱原発の実践がともなっていなければ共感をうるのが難しいと思われます。
 ピースデポのこれまでの活動に敬意を表するとともに、「核兵器・核実験モニター」が、原発への目配りをもともなって、さらに充実し発展することを願っております。

宗教者
◆神谷 昌道
世界宗教者平和会議(Religions for Peace/WCRP)国際軍縮安全保障常設委員会 シニアアドバイザー
核問題と市民をつなぐ懸け橋

 「核兵器・核実験モニター」(以下、「モニター」)創刊500号の発刊を心からお祝い申し上げます。
 「モニター」が発信する情報の多岐性や即時性への評価は広く聞かれますが、私が注目するのは、多様な論点の核心を平易な言葉で読者に伝えているところです。その意味で「モニター」は、核に関わる複雑な問題を市民生活レベルの視点へとつなぐ“架け橋”であります。
 さらに「モニター」は、核問題にとどまらず、在日米軍基地の問題などについても情報収集・分析して、軍事力によらない安全保障体制の構築を目指して世論喚起に努めています。これは、核兵器の廃絶から戦争の防止(不戦)へとつなぐ“架け橋”でもあります。
 この2つの“架け橋”としての役割は、核兵器の廃絶と世界の恒久平和を市民の目線で考える上で欠かせません。今年8月9日の平和祈念式典で発表された「長崎平和宣言」の中で田上富久市長さんは、「事実を知ること、それこそが核兵器のない未来を考えるスタートラインです」と述べられました。今後、「モニター」が発する情報がさらに洗練され、核廃絶と不戦を願う多くの人々の手元に届くことを切に願っています。

◆小橋 孝一
日本キリスト教協議会(NCC)議長
着実・的確な紙面に感謝

 今回WCRPの評議員の任務に連ならせていただきました。お送りくださる貴誌を読ませていただき、多くのことを教えられ感謝しています。
 何よりも「核廃絶」に向けての粘り強い活動、そのための緻密な幅広い多角的な記事に、その都度新しく目が開かれます。
 8月2~3日の「世界宗教者平和会議」でも、世界各地での宗教者の活動と粘り強さに心を打たれ、「北東アジア非核兵器地帯の設立」への思いを強くいたしました。
 イエスは現代の私たちに向けて、「剣(核兵器)を鞘に納めなさい(廃棄しなさい)。剣(核兵器)を取る者は皆、剣(核兵器)で滅びる」(マタイによる福音書26章52節)と告げておられます。
 このみ言葉に従うためにも、貴誌に期待するところ大です。

◆杉谷 義純
WCRP国際軍縮・安全保障常設委員会委員長
平和運動の知の拠り所

 貴会の情報誌「核兵器・核実験モニター」が20年もの間、継続的に発行され、500号を達成されましたことに、心よりお喜び申し上げます。これもひとえにピースデポ関係者のご熱意、ご努力の賜物であると敬服いたしているところでございます。軍縮は私たち市民一人ひとりの命に深く関りがあるにもかかわらず、国家機密として扱われることが多く、その内容を十分知り得ない情況におかれています。
 そうした中で「核兵器・核実験モニター」は多彩かつ緻密な軍縮情報を非常に分かり易く提供頂き、私たちの活動を進めるうえで貴重な指針を示して下さっております。そのおかげで世界宗教者平和会議(WCRP)も核兵器廃絶に向けて、国内外の諸宗教者の連帯による各国政府への提言や市民への啓発・教育キャンペーンを継続的に実施することができているのです。現在はまさに核兵器廃絶に向けて正念場の時です。引き続き市民運動の「知の拠り所」としての「核兵器・核実験モニター」がその役割を果たし続けられることを期待し、合わせて貴会の一層のご発展を祈念申し上げます。

◆髙見 三明
(宗)カトリック長崎大司教区 大司教
北東アジア非核兵器地帯設立に向けて

 今や全世界が暴力と恐怖に脅かされているといっても過言ではない状況です。イスラーム過激派による無差別テロがヨ-ロッパ各地で行われ、アフリカの国々やシリアでは内紛が続き、中近東も不安定な状態にあります。また、北東アジアでも日本の隣国が挑発的な行為を繰り返して日本国民の不安をあおっています。日本政府はそれを口実に軍備増強や安保関連法の整備を進め、さらに憲法9条の改正を目論んでいます。
 しかし、日本は、近隣諸国との間に緊張を高める軍備は止めて、憲法9条を盾に、徹底した対話外交で平和を構築する姿勢を貫くべきです。武力に対して武力で対抗することは、平和を確実に遠ざける妄想にすぎません。人間同志が武力で向き合うなら、不安、恐れ、死、そして憎しみしか生まれません。皆が人間らしく生きるためには武器を廃棄することです。その方法の一つが、北東アジア非核兵器地帯構想だと思います。理想は、EUのような北東アジア連合ですが。

◆山崎 龍明
浄土真宗本願寺派僧侶、
武蔵野大学名誉教授
核兵器先制不使用と日本

 「人間はかくも愚かで、悲しいものなのか」。核兵器先制不使用を提言したオバマ大統領に反意を表した安倍首相の報道があったときの私の感慨である。安倍首相はそんなことはいってないと米国の新聞記事を批判した。であるならば、正式に新聞社に抗議すればいい。しかし、それはしない。
 一歩ゆずって誤報であるとするならば、あらためて、オバマ提案に対する自身の所見を発表すべきである。それもしない。なぜか、できないのである。私は本稿を書くに当たってあらためて8月6日と9日の広島、長崎の追悼集会の安倍首相の式辞を読んでみた。いずれも核兵器の残虐性を述べている。これだけ読むと安倍首相は非核思想の持ち主だと錯覚してしまう。しかし、実際は核の抑止力を信じ、日本の核武装化まで考えていることは誰の目にも明らかである。それはこの国の国連での核問題に対する姿勢をみれば明らかである。このような両舌は断じて許されない。いやゆるすならその人の資質が問われるであろう。

ジャーナリスト・編集者

◆岩垂 弘
平和・協同ジャーナリスト基金代表運営委員
意欲的紙面づくりに敬意 
 「核兵器・核実験モニター」が500号を超えたとうかがい、心からお慶び申し上げます。
 日本のマスメディアにも内外の核問題に関する情報が載りますが、一般的に言って、それは情報量が極めて少ない上に、内容も断片的、表面的で、核問題をもっと深く継続的にフォローしたいと願う人にとっては、なんとも不満が残ります。
  それにひきかえ、「核兵器・核実験モニター」は核問題の専門家によってつくられているので、そこに載る情報は、核問題を勉強したいと思っている者にはとても役立ちます。核問題を世界的な視野で敏速に分析し、問題点を指摘し、展望までを示そうとする意欲的な紙面作りに敬意を表します。土山秀夫氏の特別連載エッセー「被爆地の一角から」も敬服しながら愛読しております。

◆太田 昌克 
共同通信編集委員
NPOに「抜かれた」経験

 「また抜かれた・・・」。記者になってから四半世紀。特ダネを他社に抜かれる辛酸はこれまで再三舐めてきた。だが、NPOに対し「抜かれた」と心底思ったのは、あれが最初で恐らく最後だろう。ピースデポの独自調査で2007年に表面化した海上自衛隊提供燃料の転用問題だ。インド洋で活動する海自補給艦が米補給艦に提供した燃料が、空母キティホークに間接給油され、イラク戦争での軍事行動に転用された疑惑が浮上。日本政府は当初否定していたが、ピースデポが入手した米軍資料から実際の給油量が説明の4倍に上ることが判明、しかも空母は間接給油後、開戦直前のペルシャ湾に直行していた。権力監視と調査報道は本来、メディアの「お家芸」。メディアの力量が問われて久しい昨今、ピースデポに学ぶところはあまりに多い。これからもご指導ください。

◆岡本 厚
岩波書店代表取締役社長、「世界」前編集長
情報に裏付けられた安全保障論を

 違憲の安保法制が、国民の納得のないまま強行採決されて、1年。日本は、戦後の最も大きな曲がり角を曲がろうとしている。日中は、東シナ海海域をめぐって争い、それぞれの国内への宣伝によって、それぞれの国民の民族主義が煽られている。そこに、大国化した中国の拡張主義があることは明らかだが、あえて対立を演出しようとする日本政府の言動の問題もある。
 そんなとき、もっとも必要とされているのは、民間の自由な立場からの、正確な情報とデータに基づく安全保障政策の提起であり、議論である。しかし、残念なことに、安全保障問題についての国民の関心は必ずしも高くなく、メディアの批判的報道も最近、めっきり減ってしまった。
 「核兵器・核実験モニター」は一貫して、安保問題に関する正確なデータとメディアでは報じられない多角的な情報を発信し続けている、きわめて貴重な存在である。その営為は500号を超えた。その持続する志も、称賛に値する。いま、いよいよ重要さを増しているこのメディアが、さらに志を持続することを願う。
◆小川 和久
軍事アナリスト
変わらぬ「独立シンクタンク」の必要性

 設立時から「助言者」として名前を連ねてきました。それは、スタート時点の代表・梅林宏道さんの冷静な科学者らしい人柄に接し、考え方に共鳴したからです。日本にも、平和の実現を目指すスウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)のような安全保障問題のシンクタンクが必要だと思っていましたし、ピースデポがその嚆矢になればという期待もありました。
 それから29年。「ピースデポのような活動は政府がやるべきだ」といっていた若手キャリア官僚も、それを実現できる立場に出世したものの、着手もしないで事務次官級で退官してしまい、まともな調査研究活動はピースデポにしか見られないというのが日本の現状です。さらなる発展を期待しております。

◆加戸 靖史
朝日新聞 論説委員
硬軟取りまぜた発信を期待

 「核兵器・核実験モニター」の通巻500号にあたり、編集・発行に携わってこられたみなさんのご努力に心から敬意を表します。
 私が購読者になったのは、広島総局で原爆・平和報道を担当した2008年からです。10年の核不拡散条約(NPT)再検討会議では、現主筆の梅林宏道さんや当時の中村桂子事務局長に取材で直接お世話になりました。
 核軍縮は長い歴史があり、記者がその流れを理解して追っていくのは容易ではありませんが、「モニター」は一次情報を平易に分析されているので、とても心強い存在です。
 私が毎号楽しみにしているのは「連載」。土山秀夫先生の鋭い筆鋒はもちろん、若い人たちを中心にしたインタビューは読み応えあり。堅い話題に終始しがちな「モニター」の貴重な「窓」になっていると思います。
 核兵器の威力を信奉する国際政治を変えるため、市民社会の力の結集がますます求められる時代です。とりわけ無関心層の耳目を引くような、硬軟取り混ぜた発信を今後も続けていってほしいと願っています。

◆金崎 由美
中国新聞ヒロシマ平和メディアセンター記者
バックナンバーを机の上に

 定期購読を始めた2007年10月1日の記念すべき第289号が、いまも手元にある。米ブッシュ政権が包括的核実験禁止条約(CTBT)に露骨に背を向けていると誌面から知り、新鮮に驚いたっけ。原爆平和報道の担当としては駆け出しで、つくづく無知だった私。月2回届く郵送物から多くの情報と取材の気付きをいただいた。基本は現在も変わらない。
 思い起こせば第289号の発行とほぼ同時に、当時のオバマ上院議員が「核兵器なき世界を目指す」と表明していた。あれから大統領として広島を訪れるまでの9年間…どころか、創刊から第500号を刻むまでの21年間で、世界は核兵器廃絶にどれだけ近付いたというのか。希望は、市民社会が先導する最近の廃絶を目指す潮流である。東京、ソウル、ニューヨークやジュネーブの動向と、被爆地を市民目線でつなぐ媒体は、ますます貴重になる。バックナンバーの綴りを机上に置きながら、広島で愛読を続けます。定期発行という大変さも思いつつ。

◆半田 滋
東京新聞 論説兼編集委員
民間「安保白書」を目指してほしい

 「核兵器・核実験モニター」は客観的で偏りのないデータが満載されている。防衛省の担当記者として、必要なのは第一次情報なので、記事を参考にさせてもらうことも少なくない。
 情報には偏りがなく、客観的である必要があるとの視点から、この場を借りて今年の防衛白書をみてみたい。中国、北朝鮮についての記述が昨年よりそれぞれ4ページずつ増え、安倍晋三首相の「安全保障環境が悪化している」との言葉を裏付けるように「不安定要因がより顕在化・先鋭化」したとの認識を殊更に強調した。その一方で安全保障関連法に対する批判には触れておらず、同法を絶賛している。政権に対する政治的配慮ばかりがにじみ、政府文書としては客観性を欠いている。白書で批判的に記述した中国や北朝鮮のあり方を批判できる国ではなくなりつつあることを裏付けたといえるだろう。
 防衛白書がこのような体たらくであることより、「核兵器・核実験モニター」の「民間の安全保障白書」としての重要性は増している。現在の路線を維持しつつ、新たな読者の獲得にも努力して欲しいと願っています。

◆森永 玲
長崎新聞論説委員長
在野の説得力
 核兵器廃絶と軍事力によらない安全保証体制の構築を目標とするピースデポの理念は、創設者である梅林宏道さんが、初代センター長を務めた長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)の研究活動にも強く反映されています。
 RECNAは昨年、北東アジア非核兵器地帯の実現へ向けた「包括的アプローチ」を提言しました。毎年8月9日の長崎市長による「長崎平和宣言」で、長年強調されてきた「核の傘」からの脱却という宿願に対し、専門的な知見に基づいたモデルを初めて世に出してもらったのだと思います。
 今年5月のオバマ米大統領の広島訪問は、戦争の加害者である日本が、核兵器使用の被害者として、米国の加害にどう向き合うか-があらためて問われた出来事であったと私は受け止めています。「核兵器・核実験モニター」500号の紙面で、広範な情報から導かれたオバマ演説の分析を拝読し、在野から語るこの説得力は、非核不戦を訴える私たちの貴重な後ろ盾であると感じた次第です。

市民運動・NGO
◆岩本 香苗
神奈川ネットワーク運動市民活動連携部長
市民の情報集荷場(デポ)

 1年前の安保法制の成立は日本の平和政策の大きな転換点となりました。
 「軍事力によらない安全保障体制の構築をめざして」市民サイドからの発信を強めていく必要があります。
 第2の基地県・神奈川に住む私たちは、航空機騒音や様々な事件、事故などを見て、知って、日常生活の中で、戦場に直結する基地を感じ取ることができます。私たちにできることの一つとして、昨年、今年と「神奈川の基地をめぐるピースリングツアー」を実施しました。人々の生活や命を奪う軍事力ではなく、人と人がつながることで安心して暮らせる社会が構築できることを確信し、生活の場から平和のネットワークを紡いでいきたいと思います。
 ピースデポ「核兵器・核実験モニター」は平和活動をする市民の拠り所として一次資料に基づいた信頼できる情報を、これからも発信し続けてください。

◆大久保 賢一
日本反核法律家協会 事務局長、
弁護士
核兵器依存勢力との戦いはつづく

 500号すごいですね。20年余、毎月2回の発行を維持することは大変だったことでしょう。私にとって、貴誌の情報は貴重なものでした。とりわけ、外国の情報を提供してもらえるのは、英文読解力のない私にはうれしいことでした。
 オバマ大統領は、様々な核兵器依存勢力の抵抗にあいながらも、「核兵器のない世界」を展望しています。不十分さを指摘することは可能ですが、「先制不使用」に反対している日本政府に比べれば、その志は評価したいと思います。また、「核兵器のない世界」を実現するための法的枠組みを検討しようという動きも現実化しそうです。これらの動きをサポートするのは市民の運動です。ヒバクシャ国際署名も成功させたいものです。
 核兵器が使用されてから70年余の時が過ぎています。けれども、以来、武力の行使としての核兵器は使用されていません。核兵器依存勢力との戦いはもうしばらく続くでしょう。貴誌が、私たちに貴重な情報を提供し続けてくれることを期待しています。

◆柏原登希子
ふぇみん婦人民主新聞編集部
まだ「モニター」は必要です

 「モニター500号、おめでとうございます!」と先日、田巻さんに申し上げたら、田巻さんは「うれしくありません」と苦笑いされていた。本当だったら、「核兵器・核実験モニター」が500号も続かないことが理想だ。しかし、私たちは、人類はまだ「核兵器廃絶」を手にしていない。そんな中で、「核兵器廃絶」という人類が目指すべき到達点を「理念」にとどめることなく、日本やアジアをはじめ世界中の核兵器、安全保障環境の監視と綿密な調査・分析を通じて、「核廃絶」への確かな道しるべとなってきたのが、「核兵器・核実験モニター」だ。緻密な研究によって導き出された「北東アジア非核兵器地帯」の提唱も、「モニター」にかかれば、「理想」でなく、核廃絶に向けた「必然」、私たちの課題となる。
 そんな力を持った「モニター」を、私たちはこれまでも、そしてこれからも頼りにし、読み続け、学ばせていただくことになると思う。「モニター」が必要なくなるその日まで、ともに歩みましょう。

◆金子 豊貴男
リムピース共同代表、第四次厚木基地爆音訴訟団団長、相模原市議
誌面で運動交流も出来たらいい

 500号の発行、おめでとうございます。毎月2回の「モニター」の発行は本当に大変だと思います。私もいくつかの刊行物発行に係わっていますが、月2回の締め切りは、ほんとに大変だと思います。編集者の苦労がわかりますし、締め切りに追われ原稿を書く執筆者の苦労も並大抵のものではないと思います。
 特に「モニター」の原稿は資料的価値も高く、保存しておく資料です。その意味でも、毎号毎号に込められた一つ一つの原稿・記事を読む側がどう受け止め、活用するか、私たち読者に課せられた課題でもあります。
 今後も、継続して、資料的価値の高い、そして、平和運動、核兵器反対の運動に活用できるようなものをお願いします。また、過去の記事の検索機能なども今後の運動に役立てる観点から進めて頂ければ、と思います。
 後は他の団体、例えば私たちがやっているリムピース、全国の爆音訴訟団の活動等も順次紹介して、運動の交流ができる紙面などもどうでしょうか。日本の平和運動・反基地運動、沢山ありますが、全体が見えている組織・運動体は少ないと思います。今後のピースデポの活動に期待しています。

◆河合 公明
創価学会平和委員会 事務局長
根源的な問いを発しつづけること

 「なぜ核兵器を廃絶するのか-国際秩序の新しいビジョンを拓く」と題された巻頭記事(331-2号所収)を今、思い起こしています。梅林さんはそこで、「核兵器廃絶の努力は、人間社会が新しい秩序を創り出そうとする挑戦に強く結びつく規範によって語られる必要がある」と綴りました。
 8月にはジュネーブの国連作業部会で、2017年に核兵器禁止条約の交渉を開始するよう国連総会に勧告する報告書が、広範な支持をもって採択されました。核兵器の禁止という歴史的な一歩を踏み出せるか。国際社会は正念場を迎えています。
 この「なぜ核兵器を廃絶するのか」という根源的な問いが今、ますます重要です。その問いに対する答えの深さが、そのまま運動の広がりと力強さ、すなわち「新しい秩序を創り出そうとする挑戦」の行く末を左右すると思うからです。「核兵器・核実験モニター」の役割が、さらに重要な局面に入ってきました。

◆川崎 哲
ピースボート共同代表
様々なパターンの記事があったらよい

 「核兵器・核実験モニター」500号おめでとうございます。編集から発送にまで日々汗を流しておられるスタッフや多くのボランティアの皆さんに感謝申し上げます。
 核兵器をめぐる情勢は、新たな核兵器禁止条約の可能性を含め、激しく動いています。従来どおり5年ごとのNPTプロセスを見ているだけでは、世界の潮流をとらえることができません。そうした中で、新しい発想や革新的な視点を提示することがこれまで以上に必要になっていると思います。そして誌上で論争を展開することもできるでしょう。
 また、専門家が読んで理解するための論文調のものだけでなく、一般にも分かりやすい概説を増やしたり、チャート図を多様するなどの工夫も可能でしょう。政治家やそのスタッフが一目でみて理解できる「政策メモ」形式のものもニーズがあると思います。さらには、過去の記事がオンライン検索で活用しやすくなると、とても有益です。今後の展開に期待します。

◆川村 一之
非核自治体全国草の根ネットワーク世話人、元新宿区議会議員、元ピースデポ理事
非核兵器地帯構想は偉大な業績
 「核兵器・核実験モニター」500号達成、おめでとうございます。「モニター」は1990年代の後半、非核自治体運動から非核法制定運動へと広がりをみせる頃に発行されました。当時、「モニター」は誌上で非核自治体の役割を評価し、非核兵器地帯を自治体から国へと広げ、東北アジアに拡大する構想を主張していました。この東北アジア非核地帯構想の考え方は日本非核宣言自治体協議会の方針に組み込まれました。残念ながら、未だに実現していませんが、東北アジアの緊張緩和に6か国協議の進展と朝鮮戦争を終結する米朝平和条約の締結などと並んで非核兵器地帯化が大きな柱になることは間違いありません。東北アジア非核地帯構想は「モニター」の大きな成果だと思っています。

◆呉東 正彦
原子力空母の横須賀母港問題を考える市民の会共同代表、弁護士、ピースデポ監事
原子力空母で重要な示唆

 「核兵器・核実験モニター」500号おめでとうございます。今年はオバマ米大統領の広島訪問等、大きな進展もありましたが、安倍内閣や日本政府の動きにはそれに逆行するものも見られますね。そのような中で「核兵器・核実験モニター」の役割はますます重要になっているのではないかと思います。
 また、私の取り組んでおります横須賀の米原子力空母問題も、481号でも取り上げて頂きました。そして私自身の原子力空母問題の研究・整理にも、梅林さん、湯浅さんの貴重なアドバイスをその都度頂き、ピースデポの事務所に伺うことを毎回楽しみにしています。横須賀にも、度々原子力空母等の核問題の講演にお越し頂き、有難うございます。
 今後ますますの核兵器・核実験モニターとピースデポのご発展をお祈り申し上げます。

◆猿田 佐世
新外交イニシアティブ(ND)事務局長、弁護士
情報のクオリティに感服

 500号おめでとうございます。ピースデポの発信する情報のクオリティーの高さに常に感激しながら勉強させていただいております。
 日本の社会には市民の声を実際の政策に反映するシステムがあまりありません。核兵器廃絶、安保法制反対など市民が声を上げる中、その運動に理論的根拠をあたえ、また、判断の際に必要になる情報を市民に十分に提供する存在はとても重要です。
 ピースデポはそういった存在のまさにさきがけとして、市民の立場に立った研究と情報発信をずっとやってこられました。送られてくる通信を、資料として見返す時のためにファイルに綴じる、そんな通信を続けて出せる市民団体は多くありません。その送付を500号までやってこられたというのは本当に素晴らしい。
 これからも、貴重な情報や分析を私たちに提供いただければと思います。「新外交イニシアティブ」も、後に続けと、努力してまいります。

◆杉原浩司
武器輸出反対ネットワーク(NAJAT)代表
平和運動の「宿題」に答えたい

 私が考える平和運動の宿題。
 (1)憲法9条の非軍事理念への誇りが強く理想主義的な反面、軍事に弱い。よって、政府にリアルな論争を仕掛ける力が弱い。さらに、マスコミに登場するこの分野の「識者」があまりにも政権寄りで、若い世代の論客を育てられていない。
 (2)フルタイムスタッフをしっかりと抱えたシンクタンクや活動団体が非常に少ない。外務・防衛官僚や国会議員は、ある意味ではフルタイムの活動家と言えよう。それに対して、市民側の層が薄過ぎる。
 (3)事実=ファクトの力を活かしきれていない。小さな記事から重要な行動が生まれるかもしれないのに。
 (4)アクション化、キャンペーン化の力、つまり、世論や問題を可視化する力がまだまだ弱い。
 (5)運動内部の、また運動相互の開かれた交流や議論の場が少ない。
 「核兵器・核実験モニター」の貴重な役割に感謝しつつ、更なる飛躍を期待したい。私は当面、NAJATという場で宿題に取り組みたいと思う。

◆杉山 百合子
「世界中の核弾頭」は貴重な資料
 知人に紹介されて「ピースデポ」という、平和のための資料を共同管理するという発想に共感を覚えて「核兵器・核実験モニター」を読み始めたのを覚えています。
 毎年作って下さる、世界中にある核爆弾・核弾頭の一覧は貴重。もちろん全体像は推定でしかわからないのだけど、一覧にすることで意味を持つ。もっと注目されていいと思います。
 いつだったか、梅林さんが当地藤沢に来られたときにずっと持っていた疑問を伝えてみたことがあります。 「なぜ核兵器だけなんですか? 武器全部への反対でなく、核兵器に特化した活動なんですか?」。
 その答えが印象に残っています。「核兵器は強者の武器だから」

◆高橋 紀代子
はだの・平和都市宣言につどう会代表
非核兵器地帯構想を広めたい
 1998年、インド、パキスタンの相次ぐ核実験があり、核兵器廃絶をどう考えたらよいのかと思っていた時期、朝日新聞の小さな記事を見つけ、平和資料共同組合の講演会に参加しました。外務省の軍縮担当者や海外のNGO活動家など、多角的な意見を聞くことができ、北東アジア非核地帯化という構想に納得させられたことで即入会したいと思いました。
 「モニター」誌や梅林さんのご著書を読むにつけ、北東アジア非核地帯化が、理にかなった実現可能な構想であることを確信しています。
 平和はたゆまぬ努力によってのみ築かれ保たれるというキャッチコピーのもと、地域で、軍事を排する平和運動を続ける中で、モニター誌を参考にさせて頂いています。特に国際会議の傍聴記や翻訳、一次資料から紡ぎ出される情報の確かさに魅せられています。米国で公開された公文書や海外のNGOの視点など、国内だけでは知りえない情報は今後とも貴重です。
 まだまだ正確に知られていない北東アジア非核地帯化を広報していきたいと思っています。

◆玉置 啓子
平和資料館・草の家 副館長
多面的情報に期待

 「モニター」誌に掲載される一次情報や分析、論評、具体的提案にはいつも啓発され、教えられています。
 私が特に注目するのは、ピースデポが「軍事力によらない安全保障体制の構築をめざして」提言を行っていることです。戦争や紛争が続く中、この目標が実現可能であることを具体的に提案し実行していくことが大切です。
 昨年高知では、「安保法」以後の情勢について田巻代表を講師に講演会を開き、アメリカの世界戦略と日本の安保法が呼応しあって、核抑止力を頂点とする戦略を進めている一方、イランの核協議合意のような新しい動きがあることなどを学びました。イランのその後を続けて知りたいと思います。
 最近は国連での核兵器禁止条約に関する様々な情報を興味深く読んでいます。
 草の家はイラク戦争以来、街頭で「ピースアクション」を続けていますが、「世界に広がる『非核の傘』」などの資料をチラシに使って宣伝しています。
 今後も多面的な情報と、実効性のある提案を届けて下さるよう期待しています。

◆土田 弥生
原水爆禁止日本協議会 事務局次長
画期的なことが始まった、と思った

 「核兵器・核実験モニター」創刊500号おめでとうございます。
 思い返すと、このモニターの発行は、軍事や核兵器、それにかかわる国際政治の動きについて市民に情報を提供し、市民の認識や理解を深め運動を発展させるという点で、日本の運動やNGO活動の先駆けの役割を果たしてきたと思います。私自身も、それは何か新しい画期的なことだと感じたのを覚えています。そして、それはとても必要で重要なことだったと思い起こしています。
 実際、今、核兵器の禁止・廃絶を実現させようと思えば、国連やNPTなど国際政治の動きを学ばなければ、正しい方向に進むことができません。ですから、私たちもモニターに学んで、国際情報資料を発行し、情報を提供することに努めてきました。
 モニターを作る作業は、資料を集めたり翻訳したり、地道な作業だと思います。それを、500号も続けてきたその努力に敬意を表します。今後とも情報発信の先駆的役割を発揮していただき、ピースデポのさらなる発展を期待します。

◆内藤 雅義
反核法律家協会理事、弁護士
「共生」のメッセージ発信を 
 「核兵器・核実験モニター」500号おめでとうございます。モニター誌は、「市民の活動に役立つ、平和のシンクタンクをめざ」す(7本柱の冒頭)ピースデポが、市民に「一次資料」による正確な情報、分かりやすい分析に奉仕するものとしての位置づけられるのだと思います(7本柱の4)。
 今、私たちは、世界的な分断と差別の拡大の中で、なかなか目先のことにしか目が行かない状況に追い込まれています。それが国家主義と経済功利主義が結びついた安倍政権をささえる背景でもあります。ただ、他方で国連OEWGから総会に向けての核兵器禁止条約への動きやアメリカの核兵器先制不使用問題議論など、別な動きもあります。
 状況にあった一次資料の選択は容易ではなく、それを分かり易く分析、説明することは更に困難だと推測します。専門的知識を理解しやくする努力(インデックスと相互レファレンスみたいなものがあると良いなと思います)とともに、非人道性が核兵器廃絶の動きをもたらしたように、人の視点に立った共生こそ重要であるというメッセージをいろいろな形で発していただければと思います。

◆西尾 漠
原子力資料情報室 共同代表
こちらも500号でした
 原稿の依頼をいただいて、「えっ、500号?」と思ってよく見たら、8月1日号では既に501号になっていました。実は『原子力資料情報室通信』も今年、2月1日号で500号を数えていたのです。
 ただし『原子力資料情報室通信』は月刊、『核兵器・核実験モニター』は月2回刊です。月刊でもあたふたしているのに、月2回だなんて。おまけに翻訳もたっぷりあるのですから、その大変さは想像することすらできません。参加・協力者として十数名の方のお名前が載っていますが、編集実務者は何人なのでしょうか。
 論文やエッセイが的確なことに、もちろん感心しています。でも、それ以上に毎号、きちんと編集されていることに敬意を表します。届いたときに読む以上に、後になって調べるのにとても役立つ編集がされていることに。
 これからも期待しています。

◆長谷川 長昭
非核の政府を求める京都の会
事務局長
地域活動を支えるグローバルな視点

 「核兵器・核実験モニター」500号記念、おめでとうございます。御誌は、「核兵器のない世界」をめざす内外の運動にとって、いわばめざすべき方向を提示する、まさに「モニター」の役割を果たされてきました。このような役割を20年にわたって続けられてきたことに、深い敬意を表します。私どものようにローカルな活動にたずさわるものにとって、グローバルな視点からの問題提起と情報の提供は、海原を航行する船舶にとっての灯台のように、たいへん、有益で心強い存在であります。こうした役割を、御誌が今後とも果たされていくことを期待しております。
◆藤本 泰成
フォーラム平和・人権・環境共同代表、原水爆禁止日本国民会議 事務局長
調べ、学び、積み重ね、掘り起こす

 正確な知識を集積していくこと、知識の厚みが豊かな社会へ向けた知恵をつくり出す。私はそう思います。権力の恣意的な情報を鵜呑みにせず、様々な人間の動きの断片をつなぎ合わせ、何がどう絡み合い作用し合って社会が動いているのかを、しっかりと把握していくことこそが、平和な社会を作りあげていくとりくみに重要なのだと思います。
 私たちの平和への思いがいかに強くとも、時に思いは衝突し、紡ぐ言葉と行為は対立をしていく。求める社会のあり方は同じであるはずなのに、不確かな知識は、不遜で不具合な知恵をもたらし、私たちは敗北を繰り返してきたのではないでしょうか。いろいろな場所で、いろいろな場面で、人々はそんな愚かともいえる状況をつくってきた過去があります。平和で豊かな社会に向けて歩み出そうとする私たちは、しかし、自ら調べ、学び、真実を掘り起こさなくては、解決の糸口さえ見いだせないでしょう。
 ピースデポの役割は、正にそこにあると思います。混沌とした社会だからこそ、その役割は重要です。今後も、ますますのご活躍を祈念します。

◆松井 和夫
核戦争に反対する医師の会元共同代表
「世界市民」の常識広めるメディア

 「モニター」500号おめでとうございます。同時に、緻密な分析、深い内容の執筆や編集に携われてきた方々に敬意をこめ深く感謝申し上げます。
 私たちは医師として核の非人道性については敏感に反応しますが、例えば国際舞台で運動が、背景を含め実際にどのように動いているのかなどの最新情報を独自に得、分析するのは苦手です。「モニター」は私たちの弱点を補ってくれる貴重な情報源であり、ありがたく利用させて頂いています。
 口先だけの「全力で取り組みます」
は、もううんざり。安倍さんの平和や核廃絶などの概念は私たち一般国民とはかなり異なるようです。でも、国連での反対から棄権への変化など、少しは非常識を自覚し気にしているようです。が、もっともっと自覚して頂く必要があります。核廃絶を妨害させないためには、世界の常識を広め市民の声を大きくするほかありません。私たちの責任も大きいです。
 秋の国連総会でのOEWGの核禁止条約交渉開始勧告、目が離せません。困難な道は続くでしょうが、新たな段階が始まったことは確か。今後、「モニター」が果たす役割はますます大きくなるでしょう。期待しています。

◆安田 和也
公益財団法人第五福竜丸平和協会事務局長
引きつづき第五福竜丸に伴走を

 核なき世界をめざして市民・被ばく者・非核国はじめさまざまな努力が重ねられてきたことをピースデポの資料をとおして改めて確認しつつ、貴重な情報とその分析を提供くださることに感謝いたします。
 ビキニ水爆実験被災船第五福竜丸が遺され展示館が建てられて40年です。この船を遺した人びとの願い、今この船とともにある私たち、核も戦争もない平和な港に投錨する日への希望を保ち続けたいと思います。ビキニ事件から62年目の去る5月に高知県の元マグロ船乗組員、遺族が被害放置への救済を求め提訴しました。太平洋の核実験開始からは70年、大気圏実験は米106回、英21回、仏41回(他に地下実験146回)に及び、もちろん2000回余の世界の核実験による人びとの苦しみは大きく救済も不十分です。展示館は小さな施設ですが、大きな木造船の実物をとおして核と戦争の事実を発信しつづけたい、市民・研究者とのネットワークを広げながら、第五福竜丸の航海を続けたいと願います。

◆山本みはぎ
不戦へのネットワーク
情緒に流されず、軸がぶれない

 「核兵器・核実験モニター」500号、おめでとうございます。毎月2回、客観的な事実に基づいた正確な情報を送り続けることの努力と熱意は並大抵のものではないと敬服します。
 安倍政権のもとで、安保法制(戦争法)が成立し、改憲が現実味を帯びてきた今、核廃絶はもとより、貴会が目指す「軍事力によらない安全保障体制の構築をめざして」を実現するための活動がより一層求められていると思います。8月にあった国連核軍縮作業部会で、核兵器禁止条約交渉のための会議開催の勧告文章に日本は棄権をしました。アメリカの核の傘のもとで、アメリカの軍事戦略の一端を担い、安保法制(戦争法)を成立、施行し改憲まで公言する今の日本の状況を心底危惧します。東アジアをめぐる状況も予断を許しません。こういった状況だからこそ、情緒に流されるのではなく、「モニター」がもたらしてくれる信頼できる情報や世界の動向などの情報が必要だと思います。ぶれない軸をもって活動を続けてこられて皆さんに改めて敬意を表します。頑張りましょう。

仲間たち
◆朝倉 真知子
平和といのち・イグナチオ9条の会
北東アジア非核化を願う

 
 私にとって「モニター」を読むことは、国連の軍縮の会議やNPT再検討会議での協議の過程を知っていくことで、ダークマターの存在を知ることです。国連加盟国の提案が分裂や融合を繰り返し、最終文書として纏められていき、それらがそのつどピースデポの解説と見解付きで報告されています。2010年NPT再検討会議での報告(モニター354号、364-5号とブックレット)からは新たな視点を知りました。核兵器は非人道兵器であり、その使用は壊滅的な人道的結果をもたらし、国際人道法に違反していること。にもかかわらず「核兵器禁止条約」への進展を困難にしているのは、「抑止論」が障壁となっていること。私は「抑止論が他国を攻撃する意思と能力とを準備する政策」であることと「核兵器は全人類と地球における全生態系を破壊しうる力を持つこと」を強く認識しました。まずは、「北東アジア非核兵器地帯」を構築したいものです。

◆有地 淑羽
核兵器廃絶ネットワーク京都
人々との繋がりが財産

 5月7日、平和行進を歩き横浜の交流会に、遅刻して飛び込んだ会場は核兵器の資料室と情報紙をつくるための設立集会でした。部屋が違う?と途中で思ったものの最後まで参加して、ビールをごちそうになり連絡先を残して京都に帰りました。
 それから、我が家のFAXにはインドとパキスタン核実験関係の情報や抗議文、ポストには国連や世界の反核NGOの情報が届くようになりました。こんな大切な情報を家の台所に置いておいてはいけないと、入ってきたFAXは京都の核廃絶運動の方々にそのまま転送し、その後私が参加した世界法廷運動の事務局にも「がらがらぽん」という誤字だらけの手書きのニュースに入れて拡散しました。
 モニターの情報で繋がっていった人たちが、私にとっての平和運動の財産です。歴代の事務局の皆さんが身をすり減らしてモニターの制作に当たってこられたことを深く感謝しております。そして500号ありがとうございます。

◆有銘 佑理
沖縄民衆連帯、本誌「沖縄日誌」担当
政策提案のレベルを上げたい
 「軍事力によらない安全保障体制の構築」「核兵器のない世界」の実現に向け、日々目まぐるしく変化する世界の軍事情勢の中から膨大な資料を分析し、私たち市民へ情報提供をしてきたピースデポの弛まぬ努力に心から敬意を表します。
 しかし、今年はオバマ米大統領の広島訪問実現の一方で、政府の米核先制不使用への反対が伝えられ、沖縄では辺野古新基地建設・北部訓練場ヘリパッド建設、先島への自衛隊配備が強行されたりと、日本は我々の目指す社会像とはますます反対の方向へ動いているようです。
 私が参加した「2011年度ピースデポ海外派遣事業」において、インターンシップを経験した韓国では、民間シンクタンクが強力な政策提言をしている姿を目の当たりにしました。
 日本でも、今後は市民一人一人が政府の行動を監視し、政策への直接影響力を強めていくために、戦後から粘り強く続いてきた市民運動の力をバネにしたレベルアップが必要だと感じます。次回創刊1000号記念の頃にはより明るい社会が実現できるよう、個々人の行動・組織の構築においても知恵を出し合い、共に行動していきましょう。
◆金 マリア
国連軍縮局ウィーン事務所
政事インターン
黙々と、世界を平和な場所に変える

 ピースデポのスタッフとして働いた2年間、「核兵器・核実験モニター」を書く機会をいただいたことは忘れられない特別な経験でした。日吉のあの小さい事務所で、全世界から集めた資料を記事に生み出すため静かに騒いでいたスタッフとボランティアの皆さんが浮かびます。
 私は、日本語の分かる人なら「モニター」を読めば核軍縮と不拡散に関する最新の情報と奥行きのある分析を得ることが可能だと自負します。
 「小グループの思慮深く献身的な市民が世界を変えることができる。実際、そのような者だけが世界を変えるのである。」ホームページに書かれているこの言葉とおり、ピースデポは「核兵器・核実験モニター」を通して世界をもっと平和な場所に変えてきました。これからもこつこつと、もくもくと努力を続けてくれると信じ、感謝と応援の拍手をお送りします。

◆高名 晶子
憲法9条の会・諫早 代表世話人
ピースデポは私の指針

 
 1995年、新しく建て替えられた長崎原爆資料館の平和学習室で梅林宏道氏の講演を聞きながら私は「これだ」と思った。私が探していたものがそこにあった。
 1954年から被爆者に係る仕事を直接的・間接的に続けて来た。93年、ワシントンのスミソニアン航空宇宙博物館は第2次大戦終結50周年の展示として原爆展を企画し、長崎・広島両市へ被爆資料の借用申し込みがあり、館長と学芸員らが来崎し本島等市長と会談した。当時、私は市国際文化会館の職員でありこの件に係り合いを持った。長崎市としては原爆の威力を示すと共に、きのこ雲の下で起こったこと、それが50年続いていることを示すような展示を要望した。周知のとおり米在郷軍人会の猛烈な反対を端緒にスミソニアン論争に発展し、企画は中途で廃止された。日本の被爆50年はアメリカにとり戦勝50年であった。
 この展示は当時ワシントンのアメリカン大学に留学していた広島出身学生の努力により同大学で小規模ながら実現した。この件で連絡を取る中で私は数回にわたり公的・私的にワシントンや他の地のアメリカ人を訪れた。彼等はおしなべて良識ある人々であった。被爆者の実情を聞くとシンパシイを表し、涙ぐむ人もあった。良心的兵役拒否の牧師の家族は別として、おしなべてトルーマン大統領の原爆投下決定は戦争終結のための合理的決定であったと言った。
 私たち日本人が核兵器の使用がいかに不条理な行為かを発信するには合理的な平和構築への提案と、核兵器使用の不合理さの発信が必要である。ピースデポ・「モニター」はその指針である。アメリカを訪問する時に、「モニター」の英語版を持っていきたいものである。

◆林田 光弘
明治学院大学国際学研究科博士課程前期、元SEALDs立上げメンバー
「いのち」の重さと向き合う調査活動

 Peace Depotの皆さんとのお付き合いは10年以上前に遡ります。国際政治の視座を持って核軍縮を具体的に考えたことのなかった中学生時代の私にとって、Peace Depotの皆さんの話はいつも新鮮で刺激的でした。昨年はNPT再検討会議にも派遣していただき、現在まで交流が続いていること大変光栄に思います。
 さて、このたびは「核兵器・核実験モニター」創刊500号おめでとうございます。近年、無料webコンテンツの充実により、分かりやすさを追求してイシューを単純化した言説が溢れているような印象を受けます。とりわけ外交問題、国際問題に関しては誘導的な情報を鵜呑みにして、危機感を煽るような言動が絶えません。モニター内で扱われる兵器や米軍の動きに関する記事は「いのち」に関する情報・思考であり、Peace Depotの皆さんはその重さときちんと向き合うまなざしで持って執筆されてきました。まさに、「核兵器・核実験モニター」は私たち市民が自分たちの生きる権利を守るための情報という楯です。

◆薮 玲子
英語通訳ガイド、
ピースデポ元非常勤スタッフ
「航海日誌」が語る戦争の一面

 2003年の春から7年間、私はピースデポで梅林さんのリサーチの仕事をした。そのひとつが、米国の情報公開法で入手した米軍鑑の航海日誌を読むことだった。主に横須賀を母港とする船の航海位置や日々の活動の記録だ。洋上で行う様々な作戦訓練。沖合での監視活動。多くの軍艦が訓練成果を競い合う“軍艦オリンピック”。息抜きの為の“船上ピクニック”。そして、長い航海を終えてついに帰港。「霧にかすむ港にゆっくりと船が入ってゆく。愛する家族が待つ横須賀に帰ってきた」という言葉には安堵と喜びが溢れていた。
 乗組員が交替で書く日誌は手書きで、几帳面な字も、大らかな字も、ミミズが這ったような字もあったが、真面目に任務を遂行し、家族を愛する男たちの姿が目に浮かんだ。戦争は、こういう人たちに武器を持たせ、戦わせることなのだ。
 「核兵器廃絶」の道は、普通の人々が戦争に巻き込まれない世界へと続いている。ピースデポはその道を照らす光。たゆまない努力と貴重な活動に心からの敬意を表します。

◆ロメイ・小百合
ローマ第三大学国際政治学部博士課程
雨垂れ石を穿つ

 「核兵器・核実験モニター」500号記念、おめでとうございます。20年近くも平和問題に関わり続けるシンクタンクであり 、その継続する情熱と精神力に敬意を表意致します。
 初めてピースデポに出会ったのは、ローマで大学院の卒論を書いていた時でした。北東アジア非核兵器地帯について調べていたら、ピースデポの地図付きレポートや重要な情報が目にとまり、資料の豊富さと正確さに感心し飛びつきました。そして3年後の今春、短期間ではありましたが博論準備のリサーチのための日本滞在の折、まず訪れた場所がピースデポでした。
 日本は世界唯一の被爆国であるにもかかわらず、原発との関連性の問題をも切り離して考えるという一般的に問題意識が低い現状下において、この問題を取りあげ常に提起し続ける困難さは容易に察することができます。しかし、その中でも少しずつ戦争を知らない次代層にも影響を与えているのは確かだと思います。
 残念ながら、現在も世界は平和からはほど遠い一層複雑で混乱した状況にあります。それだからこそ、ピースデポには大きな役目を背負って引き続き世界へ発信し続けて欲しいと願っています。そして、市民を巻き込む力があるシンクタンクとしてより平和な世界を目指す架け橋になって欲しいし、又それができると確信します。

くわしく

【巻頭言】励ましを糧に、今後も歩んでゆきます  編集長 田巻一彦

公開日:2017.04.14

 1995年7月15日に発行された本誌創刊号には、世界各国のNGOによるネットワーク「アボリション2000」の発足声明が掲載されています。「声明」は次のように核保有国に求めています。「限られた時間枠を定め、有効な検証と執行のための条項を備え、核兵器の段階的除去を求める核兵器廃絶条約の交渉を1995年に開始し、2000年までに締結すること」。
 核兵器は2000年に廃絶されることはなく、現在も存在し続けています。1万5,000発余りの核兵器は、人々が安全に、安心して暮らすことを妨げ、世界を、富と力を専有する一握りの国々が支配する場所にしています。
 しかし、市民の核兵器廃絶運動は、視座をいっそう豊富化しながら、核兵器保有国を包囲してきました。今年8月の国連総会・核軍縮公開作業部会(OEWG)の報告書は、核兵器を禁止するための法的拘束力のある文書を交渉するための会議を「2017年に開催する」よう勧告しました。
 「核兵器廃絶」と「軍事力によらない安全保障体制の構築」という2つの使命をもった本誌が、この大きな流れの中で、小さいが確かな役割を果たせたことを、皆さんとともに確認したいと思います。その目的がまだ達成されていないという無念の想いとともに。
 本記念号には、本誌を様々な形で支えてくださっている方々から、たくさんの暖かい励ましのメッセージが寄せられました。ありがとうございます。そして、今後もこの情報誌へのお力添えをくださるようお願いいたします。
編集長 田巻 一彦

くわしく