【巻頭言】励ましを糧に、今後も歩んでゆきます  編集長 田巻一彦

公開日:2017.04.14

 1995年7月15日に発行された本誌創刊号には、世界各国のNGOによるネットワーク「アボリション2000」の発足声明が掲載されています。「声明」は次のように核保有国に求めています。「限られた時間枠を定め、有効な検証と執行のための条項を備え、核兵器の段階的除去を求める核兵器廃絶条約の交渉を1995年に開始し、2000年までに締結すること」。
 核兵器は2000年に廃絶されることはなく、現在も存在し続けています。1万5,000発余りの核兵器は、人々が安全に、安心して暮らすことを妨げ、世界を、富と力を専有する一握りの国々が支配する場所にしています。
 しかし、市民の核兵器廃絶運動は、視座をいっそう豊富化しながら、核兵器保有国を包囲してきました。今年8月の国連総会・核軍縮公開作業部会(OEWG)の報告書は、核兵器を禁止するための法的拘束力のある文書を交渉するための会議を「2017年に開催する」よう勧告しました。
 「核兵器廃絶」と「軍事力によらない安全保障体制の構築」という2つの使命をもった本誌が、この大きな流れの中で、小さいが確かな役割を果たせたことを、皆さんとともに確認したいと思います。その目的がまだ達成されていないという無念の想いとともに。
 本記念号には、本誌を様々な形で支えてくださっている方々から、たくさんの暖かい励ましのメッセージが寄せられました。ありがとうございます。そして、今後もこの情報誌へのお力添えをくださるようお願いいたします。
編集長 田巻 一彦