核兵器・核実験モニター バックナンバー

【日誌】核・ミサイル/沖縄(17年6月6日~7月5日)

公開日:2017.10.12

DPRK=朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)/EEZ=排他的経済水域/GDP=国内総生産/ICBM=大陸間弾道ミサイル/NATO=北大西洋条約機構/PAC3=改良型パトリオットミサイル3/SIPRI=ストックホルム国際平和研究所/THAAD=高高度防衛ミサイル


●6月7日 日印原子力協定が参院で承認。
●6月10日付 3~9日、日本海と沖縄沖で海自護衛艦「ひゅうが」、「あしがら」が米空母ロナルド・レーガンと共同訓練。
●6月14日 日米外務・防衛官僚が参加し、トランプ政権成立後初の日米拡大抑止協議。
●6月15日 空自小牧基地でPAC3機動展開訓練を実施。福岡(16日)、朝霞(21日)、北熊本駐屯地(26日)でも実施予定。
●6月15日 文・韓国大統領、南北首脳会談17周年式典でDPRKが核・ミサイルの追加挑発を凍結すれば対話に臨むと演説。
●6月15日 国連NYで核兵器禁止条約交渉が再開。7月7日まで。(本号参照)
●6月17日付 13~15日、南シナ海で海自護衛艦「いずも」「さざなみ」が米空母ロナルド・レーガンと共同訓練と報道。
●6月20日 自民党安保調査会、19年度からの次期中期防衛力整備計画への提言で、NATOのGDP比2%目標を参考にすると明記。
●6月21日 桂・駐印DPRK大使、米韓合同軍事演習の中止を条件に核・ミサイル実験の凍結を話し合う意思ありと述べる。
●6月21日 米中がワシントンで初の外交・安全保障対話。DPRK問題など議論。
●6月24日 安倍首相、秋の臨時国会に自民党の改憲案を提出する考えを示す。
●6月25日 朝鮮労働党機関紙、社説で「自国の核抑止力は交渉対象にならない」。
●6月26日付 政府がF35戦闘機に初の空対地ミサイル導入を検討。読売新聞報道。
●6月27日 3選の川勝静岡県知事、浜岡原発再稼働に同意しない意向を示す。
●6月27日 韓国政府、新古里原発5、6号機の建設を中断し国民的議論の対象にする方針を決定。
●6月29日 金・DPRK国連次席大使、国連安保理で核先制攻撃はしないと発言。
●6月29日 訪米中の文・韓国大統領、米議員との懇談で「THAAD配備を覆す意思なし」。
●6月29日 ムニューシン米財務長官、DPRKの資金洗浄に関与したとして中国の丹東銀行を米金融機関と取引禁止に。
●6月30日 訪米中の文・韓国大統領とトランプ米大統領、DPRKの核・ミサイルプログラム断念につながれば対話を排除せずと表明。
●6月30日 文・韓国大統領、米ワシントンでDPRKが核・ミサイル実験を凍結しても米韓合同軍事演習を中止しないと講演。
●7月3日 SIPRIが核兵器保有9か国の核弾頭数を1万4,935発と発表。米ロが93%保有。
●7月4日 DPRKが亀城付近から日本海に向け弾道ミサイル発射。40分間約900キロ飛行し日本EEZに落下。ICBMと発表。
●7月4日 関電高浜原発3号機が営業運転再開。これで全国3か所5基が運転中に。
●7月5日 東海(日本海)で韓国軍が短距離弾道ミサイル、在韓米軍が地対地ミサイルを発射。DPRKへの対抗措置。

沖縄

●6月6日 普天間所属オスプレイ1機が伊江島補助飛行場に緊急着陸。警告灯点滅。7日午後、普天間へ帰還。
●6月7日 翁長知事、国に辺野古工事差止求め7月にも提訴へ。岩礁破砕許可取得を要求。
●6月8日付 米海兵隊機「クラスA」事故率4.49件。過去12年間で最高。米海軍安全センター発表の17米会計年度統計。
●6月10日 普天間飛行場所属オスプレイ1機が奄美空港に緊急着陸。空港への事前連絡なし。修理を終え、11日午後に離陸。
●6月12日 防衛省、石垣市内で陸自配備に関する住民説明会開催。住民256人が参加。
「リスク説明不十分」との批判相次ぐ。
●6月12日付 米軍、防衛省へ14日に嘉手納基地での降下訓練実施を伝達。防衛省は訓練見合わせ求める。
●6月14日付 普天間飛行場返還条件8項目中、達成項目は岩国基地へのKC130移駐のみ。政府は19年2月までの運用停止を困難視。
●6月14日 米軍北部訓練場ヘリパッドH地区からの赤土流出を確認。15日に沖縄防衛局が東村及び高江区を訪れ謝罪。
●6月15日 ジュネーブで開会中の国連人権理事会で沖縄平和運動センターの山城議長がスピーチ。(本号参照)
●6月16日 在日米海軍司令官にグレゴリー・フェントン少佐が就任。前海軍作戦本部作戦・計画担当部長。
●6月19日 昨年12月名護市安部でのオスプレイ墜落事故調査報告書提出期限。米軍からの提出なし。期限を9月までに延長。
●6月20日付 嘉手納基地へのF16 暫定配備で嘉手納町・北谷町・沖縄市の騒音発生が増。嘉手納町は70db以上の騒音が53.3%増。
●6月20日 名護市、沖縄防衛局の辺野古新基地建設現場周辺でのサンゴ流入調査は「新基地建設前提」などとして同意せず。
●6月21日 在韓米軍烏山基地から飛来しているU2偵察機、嘉手納基地に緊急着陸。
●6月23日 「慰霊の日」。翁長知事、沖縄全戦没者追悼式で「辺野古に基地造らせないよう不退転の決意」と平和宣言。
●6月26日 米海兵隊最新鋭ステルス戦闘機F35Bが県内初飛来。嘉手納基地に2機。着陸時に70db以上の騒音を観測。27日にも飛来。常態化に懸念。
●6月26日 県環境部、在沖米軍施設を対象に使用履歴・環境汚染事故などをまとめた「米軍基地環境カルテ」を作成・公開。
●6月27日 辺野古新基地建設で新たに埋立て区域西側のK1護岸工事に着手。
●6月29日 防衛省、県内6校への空調機維持費補助廃止を決定。翁長知事、県議会で政府決定を批判。政府へ継続要請求める方針。
●7月1日 宜野湾市、「普天間未来基金」設立。全国からの寄付で跡地開発の財源確保。
●7月1日 米軍北部訓練場ヘリパッド建設工事を再開。G地区の進入路を整備。
●7月4日 嘉手納町議会、外来機の飛来による騒音激化で抗議決議と意見書を全会一致で採択。「異常なほど過密状態」と指摘。

くわしく

【新連載エッセー「全体を生きる」第1回】「タイトルの解題のために」 梅林宏道

公開日:2017.10.12

 土山秀夫さんのあとを受けて、新しい連載コラムを書くことになった。
 ちょうど12年前の同じ7月15日号に、土山さんの「被爆地の一角から」が始まった。土山さんは私とちょうど一回り上の丑年生まれなので、同じ80歳の同じ日に連載を始めるという縁起をかつがせて頂いた。ついでに言うと、私を継いでピースデポの代表になられた湯浅一郎さんは、私と一回り下の丑年生まれだ。
 連載のタイトルを定めるのに迷った。土山さんの「被爆地の一角」という立ち位置は分かりやすくて、しかもインパクトがある。それに倣って私の立ち位置は何だろうかと問うてみた。ないわけではない。しかし、短く表現しようとするとなかなか難しい。いろいろと考えあぐねたのち、結局のところ最初に浮かんだ「全体を生きる」と決めることにした。周りの人たちに分かりにくいと評されたタイトルなので、第1回はこのタイトルに込めた私の考えを説明することに使いたいと思う。
 私の人生を大きく変えた出来事は「ただの市民が戦車を止める会」という市民運動を始めたことであった。1972年、世界的なベトナム反戦運動のうねりの終盤期に起こった大きな闘争の中での行動であった。米陸軍相模補給廠で修理されベトナムの戦場に送り返されていた米軍戦車の輸送を、運動の力で少なくとも100日間阻止することができた。
 「戦車を止める会」の運動がきっかけで、韓国民主化闘争と連帯する日韓民衆連帯運動、米海軍の核巡航ミサイル・トマホークの配備に反対するため、米軍基地反対の全国の市民運動がネットワークを形成した反トマ全国運動、同じ趣旨でアジア太平洋規模の国際ネットワークを結成して活動した太平洋軍備撤廃運動(PCDS)…と、私の市民運動は続き、それがNPO法人ピースデポ設立へと発展していった。
 しかし、「戦車を止める会」を作って市民運動に飛び込んだきっかけは、私が米軍基地のすぐ近くに住んでいたという偶然の要素だけではなかった。私にとってはより根の深い思想形成の歩みからくる必然性があった。戦車闘争の数年前の1969年に、畏友山口幸夫らと同人誌「ぷろじぇ」を創刊していた。やがて高木仁三郎も加わった。それは科学技術者の生き方へのこだわりから生まれた思考と言論の場であった。
 天文少年であり発明工作が好きであった私は、磁性物理学を専攻し、科学技術者として生きようとしていた。私はテレビのない時代の淡路島で高校時代までを過ごした。環境のせいにするわけではないが、極めて貧弱な思想形成をした無邪気な田舎出の若者として東京で大学生活を送った。大学院1年生のときに60年安保闘争があり、同い年の樺美智子が死んだ。その頃から少しずつ社会思想や哲学に関心を広げ、やがて相当な勢いでサルトル思想を読んだ。
 サルトルの実存主義的マルクス主義は、私にとっては生きることの意味を考える手がかりであった。高度に科学技術が発達し、大量消費で人間の欲望を掻き立てながら突き進む社会において、科学技術者が人間らしく生きるとはどのような生き方なのだろうか?
 この問いと向かい合うために、私は「ぷろじぇ」で科学技術の本質を考えようとした。そのとき「人間らしく」を考えるキーワードの一つとして「全体」という言葉があった。仕事は仕事、趣味は趣味として割り切るという考え方を否定し、「人間が一個の全体的な存在となる」、「人間としての全体を取り戻す」というような表現を「ぷろじぇ」発刊の辞は使っていた。
 実際には「全体」という静止したものはない。また、一人の人間で取り戻せるような「全体」もないであろう。しかし、私には、個別の専門領域に留まっている知的実践を越えなければならないという確信があった。1980年、当時教えていた大学を辞めてフリーになった。世界の中の存在、歴史のその時間に生きる存在としての自分という立ち位置を選んだのである。

くわしく

【在日米軍再編】岩国で進む、世界規模でも突出した基地強化空母艦載機移駐で配備機数が倍増

公開日:2017.10.12

 在日米軍再編の中で最も突出した岩国基地の強化が今年、いよいよ具体化されようとしている。6月23日、岩国市議会の最終日、福田岩国市長は、厚木基地に配備されている空母艦載機61機の岩国移駐受け入れを公式に容認した。これにより、7月以降、約1年をかけて艦載機移駐が順次進められる。これが完了すれば、岩国基地の米軍機は倍増し、嘉手納基地(沖縄県)をしのぐ極東最大の軍事空港となる。岩国で進む基地強化の現状を見る。


「米軍再編」における岩国基地

 在日米軍再編の前提である米軍の世界再編は、2003年11月、当時のブッシュ大統領が、米ソ冷戦終結で経済のグローバル化が進み、世界のあらゆる地域での脅威にいつでも対応できる軍事基地のネットワークが必要であることを宣言して始まった。ブッシュ政権は、同盟国の役割強化、不確実な時代に対処するため柔軟性と機動力を持った基地の展開、迅速展開能力の発展、特定地域に焦点を当てるのでなく地球規模の部隊運用など5つの原則を打ち出した。そこでの基本的な考え方が「蓮の葉戦略」である。地球表面を大きな池に例え、水面に浮かぶ大中小の蓮の葉を軍事基地になぞらえて、以下のような大中小の基地を配置する。
 まず、第1は常駐部隊がいてインフラがそろった恒久的な「主要作戦基地」(大きな葉)である。日本と韓国の米軍基地は冷戦時代に対ソ包囲網の一環として置かれたが、そのまま主要作戦基地と位置づけられた。第2は、より簡素で常駐部隊がいるわけではないが、ローテーションで部隊配置できる「前進作戦地」(中くらいの葉)。第3は、フィリピン、インドネシア、ベトナム、シンガポール、インド等の港を米艦船が自由に使える程度の「安保協力地点」(小さい葉)である。09年に登場したオバマ政権も米軍再編については基本的にブッシュ路線を継承した。
 在日米軍の再編については、05年10月29日に中間報告として「日米同盟:未来のための変革と再編」1が発表され、06年5月の最終合意2に至る。再編は06年から始まり14年には終わる予定であった。岩国基地関連では、中間報告において、「空母艦載機の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐」として次のようにされた。「米空母及び艦載機の長期にわたる前方展開の能力を確保するため、空母艦載ジェット機及びE-2C飛行隊は、厚木飛行場から、滑走路移設事業終了後には周辺地域の生活環境への影響がより少ない形で安全かつ効果的な航空機の運用のために必要な施設及び訓練空域を備えることとなる岩国飛行場に移駐される」。そして最終合意には以下の項目が示されている。
1. 第5空母航空団の厚木飛行場から岩国飛行場への移駐は、F/A-18、EA-6B、E-2C及びC-2航空機から構成され、(1)必要な施設が完成し、(2)訓練空域及び岩国レーダー進入管制空域の調整が行われた後、2014年までに完了する。
2. 厚木飛行場から行われる継続的な米軍の運用の所要を考慮しつつ、厚木飛行場において、海上自衛隊EP-3、OP-3、UP-3飛行隊等の岩国飛行場からの移駐を受け入れるための必要な施設が整備される。
3. KC-130飛行隊は、司令部、整備支援施設及び家族支援施設とともに、岩国飛行場を拠点とする。航空機は、訓練及び運用のため、海上自衛隊鹿屋基地及びグアムに定期的にローテーションで展開する。KC-130航空機の展開を支援するため、鹿屋基地において必要な施設が整備される。
4. 海兵隊CH-53Dヘリは、第3海兵機動展開部隊の要員が沖縄からグアムに移転する際に、岩国飛行場からグアムに移転する。
5. 訓練空域及び岩国レーダー進入管制空域は、米軍、自衛隊及び民間航空機(隣接する空域内のものを含む)の訓練及び運用上の所要を安全に満たすよう、合同委員会を通じて調整される。
6. 恒常的な空母艦載機離発着訓練施設について検討を行うための二国間の枠組みが設けられ、恒常的な施設を2009年7月又はその後のできるだけ早い時期に選定することを目標とする。
7. 将来の民間航空施設の一部が岩国飛行場に設けられる。
 再編の中心をなす1.が今年後半から始まるのである。まず早期警戒機E-2Dが5機、17年7月以降に移駐。その後、11月頃にFA-18E/Fスーパーホーネット24機、18年1月頃、EA18Gグラウラー電子戦機6機、及びC-2グレイハウンド輸送機2機が配備される。最後に18年5月頃に再びFA-18E/Fスーパーホーネット24機の移駐が予定されている3。ちなみに艦載機部隊は、軍人1700人、軍属600人、家族1500人、合計3800人とされる。2.の海上自衛隊17機の厚木への移駐計画は、地元の要請もあり現状維持として岩国に残留する。3.は、14年8月、普天間から空中給油機15機が岩国に移駐し完了した。空中給油機の鹿児島県鹿屋やグアムへのローテーション展開は進んでいる。4.のCH53Dの移駐に関する詳細は不明。5.は1.の前提条件となるが、調整の結果、16年11月、山陰沖と四国沖に岩国臨時留保空域が設定された4。7.は、12年12月、錦帯橋空港と銘打って開港した。
 6.は、再編合意の後しばらく動きはなかったが、11年6月21日、日米安全保障協議委員会(2プラス2)の共同文書5の中で、空母艦載機離発着訓練の恒久的施設の候補として種子島の北西約12kmにある鹿児島県馬毛島が明記された。これに対し、西之表市など種子島屋久島1市3町は、07年4月、「米軍空母艦載機離着陸訓練施設馬毛島問題対策協議会」を設置し、一貫して反対の立場を表明している結果、こう着状態が続いている。現在、国は土地所有者との交渉に必要な不動産鑑定業務を行っているとされる。この件は、米軍再編の構想が出てくる1年前の04年、広島湾を挟んで岩国基地の対岸にある黒神島(広島県沖美町(当時))への建設案に沖美町長が合意するという事態が発覚したが、広島県知事も一切知らない中での構想で、1週間でとん挫した経緯がある。厚木、三宅島、大黒神島と転々と候補地が変わりつつ、長きにわたり実現できない懸案事項である。

海軍と海兵隊が共存する極東最大の軍事空港になる

 岩国は米海兵隊の航空基地であるが、空母艦載機部隊が移駐すれば単なる海兵隊基地ではなくなる。原子力空母は動く軍事空港であり、これを使えば世界中どこの海にも軍事空港を配置することができる。湾岸戦争(91年)以来、米軍の戦争の中心は空母打撃団である。どこかで戦端を開く必要があれば空母を現場に近い海に急派し、空母を拠点にして空母艦載機による空爆と、随伴する巡洋艦、駆逐艦のトマホーク攻撃で戦端を開く。03年3月のイラク戦争では5つの空母打撃団が展開した。その中には当時横須賀を母港にした空母「キティホーク」も含まれ、艦載機はペルシャ湾からの空爆をくり返した。随伴した巡洋艦「カウペンス」が真っ先にトマホークを発射した。トランプ政権になってもこの戦略は基本的に変わらない。海外で原子力空母が配備されているのは横須賀だけである。その空母打撃団の中心部隊が岩国に来れば、岩国は海軍基地としての性格も持つことになる。
 更に基地の南端には佐世保配備の強襲揚陸艦が接岸できる程度の大型岸壁がある。オスプレイの普天間配備に際しては、この岸壁を使用し、大型輸送船でオスプレイを岩国に陸揚げし、試験飛行の後、普天間に移動したという経緯もある。つまり海陸両用の軍事空港である。キャンプシュワブを作り替えて普天間の代替施設をという名目で新基地を作ろうとしているのも、この岩国の形を流用して海空両用の軍事空港を作るということである。このような事態を引き寄せたのは、騒音対策と銘打って、滑走路を沖合に移設するべく海面埋立てにより基地の敷地を37%広げることと、米軍再編構想を練るタイミングとがぴたりと合ったためである。岩国では、滑走路沖合移設事業として、冷戦終結から間もない97年6月から基地の東側216haの埋立てが行われ、元々537haであった基地は、753haへと拡張されたのである。
 岩国基地の配備機数がどのくらいになるか、実は明確にされていないが、極東最大になることは間違いない。15年3月現在、海兵隊機は岩国市によれば75機である6。これには、14年、普天間から移駐したKC130空中給油機15機も含まれる。このうちのハリアー6機とホーネット10機の最新鋭ステルス戦闘機F35Bへの更新が17年1月から始まっている。厚木から移駐する空母艦載機61機を含めると合計136機になる。これまで極東最大といわれた嘉手納空軍基地は全部合わせても100機以内である。岩国はこれに海上自衛隊機が約36機加わるから、足せば約170機が岩国基地に配備されることになる。さらに海軍仕様のオスプレイ2機が、4年後ぐらいに機種変更として配備される。現在は1本の滑走路を使う形だが、場合によっては旧滑走路も使わざるを得なくなるかもしれない。
 このように岩国で進む再編強化は、普天間代替施設としての辺野古新基地建設と並び、在日米軍再編の中でも最も突出している。一方で、米軍の世界再編において、在日米軍再編は、最も重要な主要作戦基地の再編にあたる。この両者を重ねて考えれば、岩国での基地強化は米軍の世界再編の中でも最も突出していることが浮かび上がる。更に空母、及び海兵隊航空基地が海外に配備されているのは日本だけであることを合わせみれば、米軍の世界規模での海外展開において岩国基地の位置づけが飛躍的に高まることは間違いない。(湯浅一郎) 


1 www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/henkaku_saihen.html
2 「再編実施のための日米のロードマップ」(06年5月1日)。www.mofa.go.jp/mofaj/kaidan/g_aso/ubl_06/2plus2_map.html
3 山口県岩国基地対策室;「岩国基地再編案に関する再検討結果」(17年3月)。www.pref.yamaguchi.lg.jp/press/201703/036760_f1.pdf
4 同上。
5  www.mofa.go.jp/mofaj/area/usa/hosho/2plus2_gai1106.html
6 岩国市;「基地と岩国 平成26年版」、15年3月。

くわしく

<資料3>上記報告書に対する日本政府のコメント(抜粋訳)

公開日:2017.10.12

A/HRC/35/22/Add.5
2017年5月30日

第60節
 (略)容疑に関連して、山城氏が沖縄防衛局職員に暴行を働いたのは名護市辺野古地区のキャンプ・シュワブではなく、米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯移設のための工事用道路上においてである。
 彼の嫌疑は、同所において沖縄防衛局職員の公務を妨害したことと、同職員に全治2週間の負傷を負わせたことである。
 加えて、山城氏には名護市辺野古地区のキャンプ・シュワブの工事用ゲートの前に約1500個のコンクリート・ブロックを積み上げて移転作業を妨害した嫌疑がかけられている。
 (略)山城氏は、大衆的な抗議行動もしくは異議申し立てではなく、職員への暴行を含む違法行為を理由に逮捕された。
 警察は、16年10月17日以降三度にわたって山城氏を逮捕した。一度は現行犯逮捕、他の二度は、山城氏の犯行の嫌疑が十分にありかつ逮捕が必要であると判断した裁判官が発付した令状に基づく逮捕である。
 (略)
 山城氏の勾留に関しては、裁判所が彼の嫌疑が十分にあり、かつ勾留の必要が認められたため勾留状を発付した。さらに起訴後、裁判所は勾留継続の特別の理由があると認め、勾留期限を延長した。
 勾留は、刑事訴訟法第207条ならびに同法第60条第1項に基づくものであった。勾留期限の延長は同法第60条第2項に基づいて行われた。
 以上述べたように、山城氏の違法行為に対する関係当局の対応はすべて適正であり、関係法令に合致し、適切な手続きを踏んで行われた。
第72節
 (略)
 「沖縄における大衆的抗議行動に加えられている圧力」の懸念の詳細は必ずしも明らかではないが、抗議行動の状況において、警察は現場の安全と秩序を確保するという目的に照らして最低限求められる適切な態様の警備上の措置をとる。警察は過剰な物理的実力を行使したことはない。この過程において、不法行為が現認された場合には、我々は関連法に従い、逮捕を含む必要な措置をとることによって事態に対処する。
(訳:ピースデポ)

出典:資料2と同じ。

くわしく

<資料2>表現の自由に関する国連特別報告者の日本訪問報告書(抜粋訳)

公開日:2017.10.12

A/HRC/35/22/Add.1
2017年5月29日
人権理事会 第35会期
議案3 開発の権利を含む人権、市民、政治、経済、社会並びに文化的権利

特別報告者による日本における言論・表現の自由の促進と保護に関する報告

Ⅰ~Ⅲ(略)
Ⅳ. 言論及び表現の自由に関する状況
A.~E.(略)

F.大衆的示威行動
58.日本には強力かつ賞賛に値する大衆的示威行動の文化がある。(略)それにも拘わらず、活動家の間には抗議行動に対する不必要な規制、参加者の録画、右翼的な政治傾向を持つ人々による妨害、イスラム共同体への監視などといった懸念がある。特別報告者はこれらの懸念を警察庁の職員に伝え、率直に議論した。特別報告者はこれら事象をフォローし、大衆的抗議行動に最大限の自由を提供するという日本のコミットメントに関する対話を継続する。
59.(略)
60.特別報告者の懸念に関連して最近起こった一つの事例は、16年10月、沖縄平和運動センターの指導者である山城博治氏が逮捕された事件である。彼は、沖縄北部・東村の米軍用ヘリパッド付近の有刺鉄線を切断した嫌疑で逮捕された。彼はまた、名護市辺野古地区のキャンプ・シュワブにおける移転作業を妨害し、防衛局職員の肩を掴んで揺さぶり負傷させたという罪に問われた。山城氏は威力業務妨害及び暴行については無罪を主張したが、有刺鉄線を切断した器物損壊については認めた。山城氏は5か月にわたり勾留され、この間審理は行われなかった。このような長期勾留は山城氏の容疑に照らして不当というべきものである。本報告書執筆の段階では山城氏は釈放されているが、特別報告者は、このような政府の行為がとりわけ表現、大衆的抗議行動及び異議申し立てを萎縮させることを懸念している。
(略)
72.訪問及び訪問に関連して後に入手した情報に基づき、特別報告者は沖縄における大衆的抗議行動に対する圧力に関してとりわけ懸念を抱いている。報告者は大衆行動に圧力が加えられたことを認める一方、公的機関、とりわけ法執行機関は、報道に取り上げられることを含めて、これら抗議と異議申し立てが有効に機能するようすべての努力を払うべきである。参加者彼らに対する不均衡なペナルティを含めて、抗議行動を悪事のように扱うことは、公共政策に対する異議を唱えるという全ての日本国民の基本的な自由を弱体化させるであろう。

Ⅴ.結論及び勧告(略)
         (訳:ピースデポ)

出典:
 www.ohchr.org/EN/Issues/FreedomOpinion/Pages/Annual.aspx

くわしく

<資料1>沖縄平和運動センター・山城博治議長の国連人権理事会におけるスピーチ

公開日:2017.10.12

2017年6月15日、ジュネーブ

 私は沖縄における米軍基地による人権侵害に対し、平和的な抗議運動を行っている山城博治です。
 日米両政府は沖縄の人々の強い反対にもかかわらず、新たな軍事基地を沖縄に建設しようとしています。
 市民は沖縄の軍事化に反対して毎日抗議活動を行っています。日本政府はその市民を弾圧し、暴力的に排除するために大規模な警察力を沖縄に派遣しました。
 私は抗議活動の最中、微罪で逮捕され、その後、二回さかのぼって逮捕されました。勾留は五カ月間にも及びました。
 面談は弁護士以外との接見を一切禁じられ、家族とも会うことを許されませんでした。私は自供と抗議運動からの離脱を迫られました。
 これらは当局による明らかな人権侵害です。
 しかし私も、沖縄県民もこのような弾圧に屈しません。私は、日本政府が人権侵害をやめ、新しい軍事基地建設に反対する沖縄の人々の民意を尊重することを求めます。
(原文英語、訳出典:東京新聞)

くわしく

【沖縄と表現の自由】「沖縄反基地活動家の長期勾留は人権侵害」と国連報告書

公開日:2017.10.12

 17年6月15日、ジュネーブで開催された国連人権理事会において、沖縄平和運動センター議長・山城博治氏が演説し、氏自身が16年10月に抗議行動の中で逮捕され17年3月まで、実に5か月間にわたって長期勾留された体験を語り、警察による人権侵害を告発した(資料1)。
 国連の言論及び表現の自由促進に関する「特別報告者」であるデイビッド・ケイ氏は、この事案を17年5月29日付の報告書でとり上げ、住民、法律家、当局などから事情を聴いた結果を人権理事会に提出している。ケイ氏は日本政府の行動は、表現、大衆抗議行動を萎縮させる不当な人権侵害だと指摘した(資料2)。
 これに対して日本政府は、5月30日付で国連に提出されたコメントで、逮捕・勾留は適正かつ適法になされたと反論した(資料3)。(田巻一彦)

くわしく

【核兵器禁止条約交渉】国連会議、成案を採択して閉幕「使用の威嚇」を禁止し、保有国加盟の道筋を整理

公開日:2017.10.12

ニューヨーク国連本部で開かれていた交渉会議は7月7日、核兵器禁止条約の最終案を投票総数124か国中122か国という圧倒的多数の賛成で採択して閉幕した。6月15日から始まった第2会期の審議経過を振り返りつつ、条約の内容を概観する。


 ニューヨークで開かれていた核兵器禁止条約を交渉する国連会議(議長:エレイン・ホワイト・コスタリカ大使)は7月7日、条約を投票総数124か国中122か国という圧倒的多数の賛成で採択し1、2会期・計4週間あまりの日程を終えた。非人道大量破壊兵器である核兵器を違法として「悪の烙印」を押し、それにより核なき世界を引き寄せようとする、ここ数年来の有志国と市民社会の努力が、ついに具体的条約として結実した。条約の全文や日本社会にとっての意味を含む評価は次号に掲載することにし、本号では審議経過と条文の変遷を振り返りつつ、採択された最終案の内容を概観する。

数次にわたる改訂

 6月15日に再開された交渉会議は、週末を挟み21日午前の部まで4日半、公開審議の場で議長の条約素案2を冒頭から順に検討した。市民社会も積極的に参加し、日本からもピースデポを含む計8団体の代表者が発言した3。ピースデポの発言は日本など核依存国の条約参加に関するもので、19日に筆者が行った。条約にこれら諸国の核依存政策の変更を促す条項を入れてはどうか、そうすれば当該国の条約参加を求める国内世論の喚起にも資するのではないかと、日本の状況に引き付けて提案した4
 21日午後の部以降、会合は政府間の非公式のものが大部分となり、条約改訂案の発表を公式会合で行う形で日程が進行した。
 6月27日、それまでの討議を踏まえた第2次条約案が議長から発表された。第2次案では前文が長くなり、保障措置や核保有国参加に関わる規定をはじめ数々の修正が加えられた。一方、附属書は削除された。その後も主に非公式会合での交渉が続き、7月3日に第3次案が発表された。第3次案は、禁止事項に「使用の威嚇」が入り、核廃棄の検証機関が規定されるなど、重要な変更がいくつかなされた。そして6日、さらなる若干の修正を踏まえた条約最終案(A/CONF.229/2017/L.3/Rev.1)が判明した。
 

前文を大幅に加筆

 前文は、第2次案に至る過程でかなりの加筆修正がされた。参加者の様々な意見を取り入れた結果、パラグラフ数は24に増え、分量にして素案の2倍近くとなった。
 核リスク、核軍縮の倫理的責務、核活動の先住民族に偏った影響、国際人権法、平和教育・軍縮教育などへの言及が加わり、総じて核被害の非人道性に関連する記載が厚くなった。
 また、国連憲章の「武力による威嚇」の文言が加わり、「軍事上および安全保障上の概念、ドクトリン、政策における核兵器への依存の継続を憂慮する」と記載されるなど、核依存国を意識したと取れる表現が追加された。前述のピースデポ発言では「軍事上および安全保障上の概念、ドクトリン、政策において核兵器がいかなる役割も果たしていないこと」を締約国に申告させる規定を提案したのだが、前文のこの加筆は同じ問題意識を表している。
 歓迎しがたい変更点もあった。まず、核兵器使用の国際法・国際人道法違反を「宣言」していたのが、「考慮」するという表現に弱まった。また、核エネルギー平和利用の「奪い得ない権利」を確認する節が加わった。3月会期以来、NPT上のこの権利を強調する声が多くの国からあがっていたのが反映された格好だ。

「通過」「融資」は明文で禁止せず

 禁止事項を定めた第1条の規定は、第3次案の段階で、「使用の威嚇」が明文で禁止され、核実験については「核爆発を伴う」との限定が外された。
 「使用の威嚇」は、核抑止概念を違法化する意義などを根拠に明文での禁止を求める声が、3月会期に引き続き第2会期でも多くの国やNGOからあがっていたが、それが通った。
 「実験」に関しては会期序盤の公開審議で、CTBTでは規制されない未臨界実験やコンピュータ実験も対象とすべきとの意見が出る一方で、検証が困難などとする慎重論も見られた。しかし、条約が核兵器そのものの禁止を目的とするのだから、限定を外すのは当然といえよう。
 公開審議では他に、素案にない「通過」や「融資」を禁止事項として明示すべきとの発言も目立った。特に「融資」の禁止は、核兵器産業に打撃を与えられるとして複数のNGOが明文化を強く主張した。これに対し主導国などから検証や履行が困難だとして反対意見が出された。「通過」についても、検証の困難性を理由にした消極的な意見が聞かれた。結局、「通過」と「融資」は最終案で明記されるに至らなかった。

保有国「加盟後廃棄」の道筋を明確化

 締約国の申告事項(第2条)としては、第3次案の段階で、「所有」「保有」「管理」の有無のほか、「核共有(ニュークリア・シェアリング)」政策の中で米戦術核が配備されている一部NATO加盟国を念頭に、「領域内での他国の核兵器の有無」も挙げられるに至った。また、後述するように、核保有国が加盟後に廃棄する道筋が規定されたことと整合させるべく、文言が整えられた。
 保障措置(第3条)に関し、素案では条約独自にNPTと同様のものを規定していたが、第3次案の段階で「締約国はIAEAの保障措置を受ける義務を維持し、IAEAとの保障措置協定が未締結の国は一定期間内に締結する」旨の規定に書き換えられた。
 議論の最大の焦点が、核保有国の条約参加に関わる第4・5条(第3次以降、4条に一本化)だった。
 本誌前号でも述べたとおり、素案は、①保有国が核兵器を廃棄してから条約に加盟する、②核兵器の放棄を決意した保有国が条約締約国との間で廃棄プロセスを交渉して議定書を締結しそれに従って廃棄する、という方法を規定していた。会期中、南アフリカからさらに、③核放棄を決意した保有国が、一定期間内に核兵器を一定の計画に従い廃棄することを宣言した上で条約に加盟し、その計画通り廃棄していく、という道筋が提案された。
 非公式会合での審議を経た第3次案に至って、保有国の参加方法としては、上記①案および③案を基本にしつつ「廃棄後に加盟する」、「加盟後に廃棄する」という2つの道筋が整理された。後者における廃棄期限は最初の締約国会議までの間に決めることとされ、締約国が廃棄の検証を行う国際機関を指定すべきとされた。また、領域内に他国の核兵器を置いている国も③案と類似のプロセスで条約に加盟できると規定された。

発効要件国数は50に増加

 紙幅の制約から、上述した以外の条項については最終案の要点を記すにとどめる。
・被害者援助や環境回復の義務を定めた規定と、条約上の義務履行に際しての国際協力の規定との関係が整理された。被害者の所在国のほか核兵器使用や核実験の実施国の責務が明記された。
・締約国会議は、初回を発効後1年以内、以後は原則隔年で開催する。臨時会議も開ける。発効から5年後、以後原則6年毎に再検討会議を開く。
・締約国会議と再検討会議には、非締約国、関係の国際機関およびNGOが、オブザーバーとして招待される。
・素案で40だった発効要件国数は50となった。
・素案には「この条約はNPT締約国の権利及び義務に影響を及ぼさない」と規定する条文があったが、議論の末、他の条約との関係についての一般的な規定に置き換わった。

秋の国連総会で署名開放へ

 条約は17年9月20日から署名開放される。賛成票を投じた交渉参加国をはじめ多くの国が速やかに署名、批准し、条約をできる限り早期に発効させることが求められる。そのための市民社会の取り組みも続く。(荒井摂子)


1 オランダが反対、シンガポールが棄権した。
2 本誌前号(522号、17年6月15日)参照。
3 他の発言団体は、新日本婦人の会、創価学会インターナショナル、日弁連、日本被団協、ピースボート、平和首長会議(広島市長、長崎市長代理)。
4 発言原稿(英文)はwww.reachingcriticalwill.org/images/documents/Disarmament-fora/nuclear-weapon-ban/statements/19June_PeaceDepot.pdf

くわしく

<資料3>呼びかけ人・賛同人一覧(17年6月12日現在)

公開日:2017.10.12

青木 敬介(浄土真宗本願寺派西念寺元住職)
赤岩 聡(カトリック司祭)
秋葉 正二(日本基督教団代々木上原教会牧師)
秋山 徹(日本基督教団上尾合同教会牧師、関東教区議長、世界宣教委員会委員長)
朝倉 真知子*(カトリック市川教会信徒、平和といのちイグナチオ9条の会)
浅田 秋彦(宗教法人大本代表役員・人類愛善会会長)
旭 日重(日蓮宗大本山重須本門寺貫首)
荒川 庸生(日本宗教者平和協議会理事長)
安藤 英明(日蓮宗碑文谷向原教会担任)
安藤 麻友美(日蓮宗碑文谷向原教会副担任)
池住 義憲*(元立教大学大学院キリスト教学研究所特任教授)
石川 清章(妙法慈石会登陵山清川寺法嗣)
石川 勇吉(真宗大谷派報恩寺住職)
石橋 秀雄(日本基督教団総会議長)
石渡 一夫(創価学会平和委員会議長)
泉 哲朗(念仏者九条の会・山口代表、光明寺住職)
伊藤 幸慶(曹洞宗永福寺住職)
井上 豊*(日本キリスト教会広島長束教会牧師)
猪子 恒*(大本東京センター次長)
梅林 真道*(浄土真宗本願寺派浄光寺住職)
江崎 啓子(熊本YWCA会長)
遠藤 恭(大船教会所属カトリック信徒)
大江 真道(日本宗教者平和協議会代表委員、日本聖公会司祭)
大倉 一美*(カトリック東京教区司祭、カトリック正義と平和協議会事務局長)
大月 純子*(日本基督教団上下教会牧師、西中国教区性差別問題特別委員会委員長)
大西 英玄(音羽山清水寺執事補)
大原 光夫(浄土真宗本願寺派布教使浄泉寺住職)
大森 良輔(浄土真宗本願寺派教師)
岡田 仁(富坂キリスト教センター総主事)
大來 尚順(浄土真宗本願寺派大見山超勝寺衆徒)
小武 正教*(浄土真宗本願寺派西善寺住職)
小野 文珖*(日蓮宗天竜寺院首)
小畑 太作(日本基督教団牧師)
堅田 晃英(念仏者九条の会・大谷派九条の会会員、浄土真宗信徒)
勝谷 太治*(日本カトリック正義と平和協議会会長、カトリック札幌司教区司教)
加藤 順教(浄土真宗本願寺派布教使)
加藤 大典(曹洞宗永林寺住職)
加納 美津子(日本聖公会東京聖十字教会)
鎌野 真*(日本基督教団福山延広教会牧師)
神谷 昌道*(世界宗教者平和会議国際委員会軍縮安全保障常設委員会シニアアドバイザー)
河合 公明(創価学会平和委員会事務局長)
川崎 洋平(真宗大谷派衆徒)
河田 尚子(アル・アマーナ代表)
川野 安子((公財)日本キリスト教婦人矯風会理事長)
神崎 正弘(真宗大谷派法生寺住職)
菊地 純子(日本キリスト教協議会ドイツ委員会委員長)
岸 俊彦(日本基督教団東京教区総会議長、日本基督教団経堂北教会牧師)
岸野 亮淳(浄土宗西山禅林寺派)
くじゅう のりこ(カトリック東京正義と平和委員会、平和といのちイグナチオ9条の会)
栗原 通了(日本基督教団福山東教会役員)
黒住 昭子(黒住教婦人会会長)
郡島 恒昭(浄土真宗本願寺派光照寺元住職)
小島 教昌(日蓮宗本山妙覺寺執事)
小島 寛(浄土宗西山禅林寺派良恩寺住職)
小西 望(日本基督教団仙台北教会牧師)
小橋 孝一*(日本キリスト教協議会議長)
小林 克哉(日本基督教団呉平安教会牧師)
小林 恵太(アトンメントのフランシスコ会副地区長修道士)
小宮 一子(名古屋YWCA総幹事)
近藤 理恵子(真言宗寺族)
齋藤 昭俊*(大正大学名誉教授、真言宗智山派寶蓮寺住職)
齋藤 真(浄土真宗本願寺派光尊寺住職)
坂上 良*(浄土真宗本願寺派布教使)
佐々木 孝始(浄土真宗本願寺派教覚寺住職)
塩出 大作(創価学会広島平和委員会委員長)
島田 茂(日本YMCA同盟総主事)
芝 幸介(椿大神社禰宜)
島村 眞知子*(日本基督教団広島牛田教会役員、日本基督教団西中国教区常置委員)
釈 徹宗(浄土真宗本願寺派如来寺住職、相愛大学教授、NPO法人リライフ代表)
赤銅 聖治((宗)円応教円応青年会会長)
白戸 清*(宗教法人日本基督教団野辺地教会牧師)
城山 大賢*(真宗報正寺住職)
菅原 龍憲(浄土真宗本願寺派僧侶、真宗遺族会代表)
杉谷 義純*(元天台宗宗務総長、世界宗教者平和会議軍縮安全保障常設委員会委員長)
杉谷 義恭(天台宗国際平和宗教協力協会専門委員)
鈴木 孝(真宗大谷派推進員)
鈴木 伶子(平和を実現するキリスト者ネット前事務局代表、元日本キリスト教協議会議長)
平良 愛香*(平和を実現するキリスト者ネット事務局代表、日本基督教団、三・一教会牧師)
高石 彰也(浄土真宗正円寺前住職)
高橋 悦堂(曹洞宗普門寺副住職)
高見 三明*(カトリック長崎大司教区大司教)
立石 明日香(真宗誠心寺副住職)
田中 庸仁(真正会会長)
田邊 修一(西山浄土宗布教使)
谷川 寛敬(日蓮宗真成寺副住職)
月下 美孝*(日本基督教団広島東部教会牧師、広島市キリスト教会連盟代表)
出口 玲子(日本宗教者平和協議会常任理事、キリスト教信徒)
土井 桂子*(日本基督教団廿日市教会役員、日本基督教団西中国教区常置委員)
釈 恵子(真宗誠心寺)
徳永 翔(真宗大谷派門徒)
冨田 成美(日本宗教者平和協議会常任理事)
豊田 靖史(浄土真宗本願寺派西光寺住職)
長岡 裕之(浄土真宗本願寺派龍雲寺住職)
中野 東禅*(曹洞宗僧侶)
中村 憲一郎(立正佼成会常務理事)
西嶋 佳弘*(日本基督教団広島牛田教会牧師)
西田 多戈止*(一燈園当番)
西原 廉太*(立教学院副院長、立教大学文学部長、日本聖公会司祭)
忍関 崇(浄土真宗本願寺派崇徳寺住職)
橋本 直行*(日本基督教団光教会牧師、日本基督教団西中国教区核問題特別委員会委員長)
幡多 哲也(浄土真宗本願寺派西方寺住職)
樋口 美作((宗)日本ムスリム協会理事、前会長)
平野 晶男(日本基督教団(東京教区・北支区)「百人町教会」教会員)
昼間 範子(日本カトリック正義と平和協議会事務局)
深水 正勝(カトリック東京大司教区志村教会主任司祭)
藤 大慶(浄土真宗本願寺派西福寺前住職)
藤田 桂一郎(立正佼成会墨田教会教務副部長)
藤谷 佐斗子*(日本YWCA会長)
藤原 玲子(静岡YWCA会長)
古川 明*(生長の家信徒)
牧野 美登里*(日本キリスト教会神奈川教区なか伝道所)
松岡 広也(曹洞宗光明寺住職、世界仏教徒青年連盟顧問、全日本仏教青年会国際委員長)
光延 一郎(イエズス会司祭)
宮城 泰年*(聖護院門跡門主)
三宅 善信(金光教泉尾教会総長)
三吉 小祈(日本基督教団広島府中教会牧師)
村上 雅子(国際基督教大学名誉教授)
村瀬 俊夫*(平和を実現するキリスト者ネット事務局副代表)
山崎 美由紀(日蓮教学研究所研究員)
山崎 龍明*(浄土真宗本願寺派僧侶)
吉岡 輝彦(創価学会長崎平和委員会委員長)
吉澤 道子(名古屋YWCA会長)
吉田 敬一(浄土真宗単立再栄寺僧括)
吉田 達也(公益財団法人庭野平和財団プログラムオフィサー)

くわしく

<資料2>宗教者声明「私たち日本の宗教者は、日本が『核の傘』依存を止め、北東アジア非核兵器地帯の設立に向かうことを求めます」

公開日:2017.10.12

 核兵器は、そのいかなる使用も壊滅的な人道上の結末をもたらすものであり、私たちの宗教的価値、道義的原則、そして人道法に反します。従って、宗教者にとって核兵器の禁止と廃絶は、神聖な責務であります。

 「核兵器のない世界」実現のためには、すべての国が核兵器に依存しない安全保障政策をとる必要があります。被爆を経験した日本は尚更であり、一日も早く「核の傘」から出ることが求められます。北東アジア非核兵器地帯の設立は、日本の安全を確保しつつ「核の傘」から出ることを可能にする政策です。それは、「核兵器のない世界」に向けた国際的気運を高めるとともに、深刻化した北東アジア情勢を打開する有効な方法でもあります。

 2013年7月、国連事務総長の軍縮諮問委員会が「事務総長は、北東アジア非核兵器地帯の設立に向けた適切な行動を検討すべきである」との画期的な勧告を行いました。また、2013年9月の国連ハイレベル会合において、モンゴルのエルベグドルジ大統領は、北東アジア非核兵器地帯の設立への支援を行う準備があると表明しました。さらには、米国、オーストラリア、日本、韓国などの著名な研究者たちが北東アジア非核兵器地帯設立への包括的なアプローチを提案しています。

 私たち日本の宗教者は、北東アジア非核兵器地帯の設立を支持し、これによって日本が非人道兵器である核兵器への依存から脱し、被爆国として積極的に「核兵器のない世界」実現に貢献することを求めます。

代表呼びかけ人(50音順)
 小橋 孝一(日本キリスト教協議会議長)
 杉谷 義純(元天台宗宗務総長、世界宗教者平和会議軍縮安全保障常設委員会委員長)
 高見 三明(カトリック長崎大司教区大司教)
 山崎 龍明(浄土真宗本願寺派僧侶)

 プロジェクト連絡先:NPO法人ピースデポ
 協賛:世界宗教者平和会議日本委員会(WCRP)

くわしく

<資料1>外務大臣宛て要請書

公開日:2017.10.12

2017年6月15日
外務大臣 岸田文雄様
   
北東アジア非核兵器地帯設立を求める宗教者声明
代表呼びかけ人 小橋 孝一
杉谷 義純
高見 三明
山崎 龍明

要 請

 日本の宗教者が添付のように声明「私たち日本の宗教者は、日本が『核の傘』依存をやめ、『北東アジア非核兵器地帯』の設立に向かうことを求めます」を出しました。本日時点での賛同者の名簿を添えて申し入れます。

 本日、国連本部(ニューヨーク)では核兵器禁止条約の交渉が再開されます。この交渉に被爆国である日本が参加しないことをたいへん残念に思います。このことは、日本が「核の傘」に依存していることと密接に関係しています。声明に賛同する私たち日本の宗教者は、日本政府が核兵器依存政策から脱却するための真剣な政策検討を始められんことを切に希望します。
以上

添付:宗教者声明
   賛同人名簿

くわしく

【北東アジア非核兵器地帯設立を求める宗教者声明】日本は「核の傘」依存を止め、禁止条約に参加を宗教者124人分の署名を政府に提出

公開日:2017.10.12

17年6月15日、「北東アジア非核兵器地帯設立を求める宗教者声明」の代表呼びかけ人ら7名が外務省を訪れ、岸田外務大臣あての要請書を124人の声明賛同署名を添えて提出した。呼びかけ人らは、日本政府の「核兵器禁止条約交渉」への不参加と、その根底に「核の傘」依存政策があることを批判し、同政策の変更を真剣に検討するよう求めた。


 この日は、16年2月12日に発足した同キャンペーン1として、最初の署名提出の機会となった(2~3ページの資料1・2・3)。
 行動に参加した呼びかけ人は小橋孝一(日本キリスト教協議会議長、代表呼びかけ人)、高見三明(カトリック長崎大司教区大司教、代表呼びかけ人)、小野文珖(日蓮宗天龍寺院首)、朝倉真知子(カトリック市川教会信徒)の各氏である。他に協賛団体である世界宗教者平和会議日本委員会から篠原祥哲氏、ピースデポから梅林、湯浅が同行した。まず長崎から駆けつけた胎内被ばく者でもある高見大司教から薗浦健太郎外務副大臣に要請書を手渡し、小橋議長が声明文を読み上げ主旨を説明した。
 対応した薗浦副大臣は、「朝鮮半島の非核化は、政府にとっても目標であり大賛成である。しかし、北東アジアは厳しい安全保障環境にあることも事実である」と答えた。6か国協議の再開は考えていないのかとの問いには、北朝鮮以外の5か国で協議はしているが、北朝鮮は中国の言うことも聞かなくなっており、簡単ではないと述べた。
 また、参加者からは、同日、国連で再開された核兵器禁止条約交渉に日本政府が参加しないことについて、被爆国として核兵器の非人道性を熟知している立場から核兵器廃絶へのイニシャチブを発揮するためにも、積極的に参加すべきだとの発言が相次いだ。これに対し薗浦副大臣は、核保有国と禁止条約推進国との間の溝は深刻で、両者の橋渡しをすることをめざす日本政府としては、参加しない方がいいと判断している、と繰り返し答えた。
 短時間の面談であり、両者の言い分を主張しあったにとどまるが、宗教者が、「日本政府が核兵器依存政策から脱却するための政策検討を始めること」、そして、その具体的な方策として北東アジア非核兵器地帯構想に一歩踏み出すべきことを申し入れた意義は極めて大きい。
 その後、衆議院第2議員会館において記者会見を行った。今後もこの署名をできる限り多く集めること、取り組みを国際的に発信し、海外の宗教者に広め、かつその支援を得ていくことなどが確認された。(湯浅一郎)


1 本誌490-1号(16年3月1日)参照。

くわしく