【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年7月1日~7月23日)
2026.07.29
2026年7月1日から23日までに発表された平和・安全保障に関する重要な一次資料を紹介します。
今回は、国連によるAIガバナンスをめぐる国際科学パネルの中間報告、AIと核戦争の危険性について警鐘を鳴らしたノーベル賞受賞者会議の「ローマ宣言」、ガザ地区を実効支配するパレスチナのイスラム主義組織「ハマース」の新政治局長ハリール・アル=ハイヤ氏の就任演説、そして核不拡散や地域安全保障などを扱った第33回ASEAN地域フォーラム(ARF)議長声明を収録しました。
AI、核兵器、中東情勢、アジア太平洋地域の安全保障をめぐる議論の動向を知るための基礎資料としてぜひご活用ください。
2026年7月1日~7月23日の重要文書
2026年7月1日(水)
【国連】 AIに関する国連独立国際科学パネルの中間報告の発表
2026年7月16日(木)
【NGO】ノーベル賞受賞者会議が「AIと核戦争」のテーマで「ローマ宣言」を発表
2026年7月22日(水)
【パレスチナ】ハマース新政治局長ハリール・アル=ハイヤ氏の就任演説
2026年7月23日(木)
【ASEAN】第33回ASEAN地域フォーラム議長声明
バックナンバー
【脱軍備・平和情報モニター】〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年2月28日~3月13日)
【脱軍備・平和情報モニター】〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月14日~3月27日)
【脱軍備・平和情報モニター】〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月28日~4月17日)
【脱軍備・平和情報モニター】【特集】第11回NPT再検討会議:各国の一般演説・国別報告書(2026年3月2日~5月8日)
【脱軍備・平和情報モニター】【特集】第11回NPT再検討会議:ワーキングペーパーおよび最終文書案(2026年3月3日~5月24日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年5月20日~6月17日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年6月17日~6月26日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年6月22日~7月10日)
2026年7月1日(水)——————————————————————————————
【国連】 AIに関する国連独立国際科学パネルの中間報告の発表(7月1日)
出典:Launch of the preliminary report by the Independent International Scientific Panel on Artificial Intelligence
(ガイド)
国連総会は2025年8月26日、AIに関する国際対話パネル(コスタリカ、スペイン共同議長)は国際科学パネルの設置を決議(A/RES/79/325)。40名の専門家から鳴る国際科学パネルが活動を始め、2026年7月1日に中間報告(Preliminary Report)を発表。AIがもたらす機会とリスクについて、客観的な分析結果をまとめた。AIが現代社会にもたらしている大きな変化に注目し、その効用とリスクについて、暫定的な分析結果をまとめている。特に将来、AIの急速な進歩と効果的なリスク管理の「ギャップ」は破壊的な結果をもたらす、と警告している。
(Executive summaryの抄訳)
AIの機能と普及状況
近年、さまざまなAI機能において急速な進歩が見られ、一部の分野ではそのペースがさらに加速している。(略)概して言えば、多くの重要な分野における技術的進歩は、ここ数年、技術進歩に対する一般的な予想を上回る速さで進んでいる。(略)
AIエージェントへの移行が進む中、その将来的な普及と経済への影響は、人間の監督をほとんど、あるいは全く必要とせずに知識労働を遂行する能力の継続的な向上によって左右される可能性が高い。AIエージェントとは、利用可能なツールを用いて目標達成に向けた計画を立て、自律的に行動できるコンピュータシステムのことである。こうしたシステムは近年急速に進化しており、ある研究によると、最先端のシステムが遂行できる特定のソフトウェアタスクの処理時間は、4~7か月ごとに倍増していることが明らかになっている。(略)
リスクの理解と管理
AIの開発にはリスクが伴い、人権、社会システム、環境に悪影響を及ぼす可能性がある。例えば、AIによって生成された児童性的虐待素材や、ディープフェイク技術を利用した性的暴力に関するコンテンツが、インターネット上でより頻繁に流通するようになり、女性や子どもたちに不釣り合いな被害をもたらしている。また、正確性にかかわらずユーザーの既存の信念を強化するようなAIの「おべっか使い」的な振る舞いは、死亡事例を含むいくつかの深刻なメンタルヘルス上の事件と関連付けられている。AIにより、誤解を招くように設計されたコンテンツを含め、説得力のあるコンテンツを大規模に作成・配信することが容易になり、情報の信頼性が徐々に損なわれる一因となっている。これは、公衆の信頼、社会的結束、民主的な審議に必要な「共有された現実」を弱体化させる恐れがある。犯罪者や悪意のある行為者が、サイバー攻撃を支援するためにAIシステムを利用している事例も報告されている。こうした被害の多くは、もともと不利な立場にある人々に不釣り合いなほど大きな影響を与えている。
今後、急速に進化するAIの能力と、効果的なリスク管理手法との間のギャップが、壊滅的な結果をもたらす恐れがある。例えば、高度な技術力により、経験の浅い民間主体であっても、詐欺、ソーシャルエンジニアリング、サイバーセキュリティ、偽情報、バイオテクノロジー、金融操作など、幅広い分野でAIを悪用することが可能になるかもしれない。高度に自律的なAIシステムに対する制御を維持するための信頼性の高い手法は、現時点では欠如している。AIエージェントが指示に違反しないという科学的保証はなく、すでに指示に違反している事例の証拠も蓄積されつつある。実験室環境では、AIシステムがシャットダウンを回避するために安全指示に違反することが実証されている。主要なAIシステムがテスト環境を認識し、自身の継続的な稼働に有利となるような誤解を招く評価結果を生成する能力が高まるにつれ、同様の挙動が評価や監視の手法に課題をもたらす可能性がある。さらに、複数のエージェント間の相互作用から、新たなリスクが生じる可能性もある。(略)
人工知能を適切に管理し、その恩恵活用とリスクの軽減
AIの恩恵を最大限に引き出しつつ、そのリスクを最小限に抑えるには、適切なガバナンスが不可欠である。経済的・労働面での利益とその公平な分配は、自動的に実現するものではない。(略)
このガバナンスの在り方を模索する政策立案者は、政策の根拠に関するジレンマに直面している。すなわち、情報に基づいた重要なガバナンス上の決定を下すためには根拠が必要だが、根拠や証拠が得られる頃には、AI開発のペースに証拠が追いついていないため、決定を下すにはすでに手遅れになっている可能性がある。AIシステムに倫理や人権を組み込むことを目的とした数十もの異なるガバナンス手段が、すでに各管轄区域で活用されているが、それらは断片化しており、少数の企業に集中している上、実世界での有効性が測定されることはほとんどない。評価手法自体も未発達であり、独立した能力評価やリスク評価を行うために必要な機関は、依然として初期段階にとどまっている。
AIのリスクや影響に関する既存の証拠に基づいて行動する能力は、不均等に分布している。多くの先進国を含む大半の国々は、最先端の「フロンティア」モデルを評価したり、そのガバナンスに有意義に関与したりするための技術的専門知識を欠いている。計算インフラ、評価の専門知識、およびデータ(例えば、さまざまな言語を網羅するためのデータなど)は、AIが開発される場所に集中しており、その結果、大半の加盟国は、自国で構築・検査・監査することができず、現地の状況に完全に適応させることもできないシステムに依存せざるを得ない状況にある。AIツールへのアクセスだけでは、平等な利益は生まれない。アクセスを有用で費用対効果が高く、かつ安全な導入へと転換するための、データ、スキル、ワークフロー、制度への補完的な投資が必要であるが、それらは不均等に分配されている。
2026年7月16日(木)——————————————————————————————
【NGO】ノーベル賞受賞者会議が「AIと核戦争」のテーマで「ローマ宣言」を発表(7月16日)
出典:Rome DeclarationーHumanity at the Threshold: A Declaration on Artificial Intelligence and Nuclear Weapon
(ガイド)
2026年7月14~16日、ローマにてノーベル賞受賞者国際会議が「AIと核戦争」のテーマで開催された。ノーベル賞受賞者に加え、核軍縮専門家、AI専門家、核軍縮や人権などのNGO代表が集まり、3日間の議論を行い、最終的に「ローマ宣言ー人類の分岐点:AIと核兵器に関する宣言」を発表。急速にシンポするAIが核兵器の使用リスクに与える影響について、極めて深刻な状況にあるとして、軍備の撤退、責任あるAIの開発・使用、核軍縮の推進を訴えた。
(本文抄訳)
序文
人類はその歴史において、決定的な分岐点に立っている。
核時代の幕開けから80年以上が経過し、人工知能時代の入り口に立つ今、私たちはかつてない課題に直面している。科学の進歩がこれほどまでに並外れた機会をもたらすと同時に、私たちの共通の未来にこれほど深刻なリスクをもたらしたことは、かつてなかった。(略)
核システムに組み込まれたAIは、危機的状況において人間の判断に割く時間をほとんど残さないばかりか、人間の判断そのものを置き換えてしまうことさえある。この技術は、核保有国同士が競い合う状況そのものを変えるものである。(略)
最先端のAI技術、計算リソース、データインフラは、ごく少数の国や企業にますます集中しつつあり、その結果、著しい力の不均衡が生じ、協力のインセンティブが損なわれている。AIは、経済、軍事、社会に大変革をもたらす技術であり、人類史上かつてないスピードで発展している。
核軍拡競争が激化する中、私たちは同様に危険なAI競争の渦中に突入しつつある。
教皇レオ14世は、さまざまな宗教の伝統に共通する価値観に言及し、人類に対し「非武装かつ軍縮による平和」を呼びかけた。我々は、恐怖や支配、あるいは相互破壊の恒久的な脅威の上に、永続的な安全が築かれるという考えを拒否する。安全は、相互破壊という現実に無期限に依存して成り立つものではない。(略)
1.次の軍拡競争を阻止する
私たちは、AIが、かつての核兵器と同様に、戦略的競争の舞台であることを認識してる。私たちは、各国政府、最先端のAI開発者、研究者、そして国際社会に対し、利益配分メカニズムの導入、人類の福祉に寄与するAIアプリケーションの推進、そして最も不安定化を招くようなAIの活用に対する自制といったガバナンスの枠組みを通じて、選択の余地がまだ残されている今、直ちに行動を起こし、こうしたリスクを軽減するよう求める。AIと核の両方による次の軍拡競争が、次の世紀をも決定づけてしまう前に、私たちはそれを阻止しなければならない。
2.責任ある開発
AI開発者は、モデルの挙動を導く原則を透明性を持って公表すべきであり、それらのモデルが当該原則を遵守していることについて責任を負うべきである。AIは、国際法や人権の尊重を含め、人類の利益に沿うよう開発・監視されるべきである。
さらに、いかなる組織も、人工知能システムにおける完全自動化された再帰的な自己改善を、そのシステムを監視し、必要に応じて停止させる手段がない状態で開始してはならず、また、いかなる政府もこれを許可してはならない。
3.AIの責任ある利用
核兵器の発射に関する最終決定を、自動化されたシステムが行うことは決してあってはならない。我々は、人間による実質的な統制が維持されるよう、核の指揮・統制・発射システムへの人工知能の無謀な導入を禁止する国際条約の採択を求める。
サイバー作戦や重要な核インフラに対する攻撃において、人工知能が悪用されることを防止しなければならない。核保有国は、AIによる不正な制御や操作に対する核戦力の脆弱性を低減するため、フェイルセーフ(安全装置)の検証に取り組まなければならない。(略)
4.責任あるガバナンス
私たちは、政府、企業、国際機関に対し、検証や厳格な内部・外部評価といった共通の仕組みを確立することで、最先端のAI開発を協調的に減速させるよう求める。(略)
5.責任あるリーダーシップ
私たちは、私たちが直面する課題は、おそらく次世代のリーダーたちによって解決されるであろうと認識している。若者たちが、教育、メンター制度、世代間の連携、そしてあらゆる地域、文化、コミュニティにわたる包摂的な参加を通じて、核兵器やAI、その他の壊滅的な脅威に立ち向かえるよう、力を与えられなければならない。(略)
私たちは、核兵器、規制の及ばないAI、その他の存亡に関わる脅威に対する理解と行動を促進するために、データを蓄積する「デジタル・コモンズ」の構築を求める。
6.核軍縮
我々は、合意された期限付きの枠組みの中で、検証可能かつ不可逆的な核兵器の廃絶につながる、緊急かつ持続的、かつ誠意ある交渉を行うよう求める。国際社会は、核兵器を恒久的な安全保障手段として常態化させることを拒絶し、「核兵器不拡散条約」および「核兵器禁止条約」に具現化された人道的・法的規範を強化しなければならない。
我々は、核保有国に対し、新たな軍拡競争と核兵器備蓄の拡大を停止し、軍備管理および軍縮に関する二国間および多国間の交渉を再開し、国際法に基づく義務と約束を履行するよう求める。各国は、検証可能な抑制と削減を追求し、警戒レベルを引き下げ、意思決定時間を延長し、「警告即発射」や「即時報復」の姿勢から脱却し、安全保障ドクトリンにおける核兵器の役割を縮小し、危機時の意思疎通を強化し、核の指揮・統制・通信に対するサイバー攻撃を防止し、誤解、誤算、意図せぬエスカレーションを防ぐための協力を構築すべきである。
核保有国は、核兵器の役割を縮小し、先制使用や壊滅的な戦争の可能性を低減させる政策や戦略を推進しなければならない。
2026年7月22日(水)——————————————————————————————
【パレスチナ】ハマース新政治局長ハリール・アル=ハイヤ氏の就任演説
出典:Al-Hayya outlines 6 priorities for Hamas
(ガイド)
2026年7月20日、パレスチナのハマース(正式名称:イスラーム抵抗運動)は、2024年10月のヤヒヤ・シンワール政治局長がイスラエルによって殺害されて以降、空席となっていた事実上の代表ポストにハリール・ハイヤ氏を選出したと発表した。その間のハマースの意思決定は、カタルおよびトルコに駐在する在外指導者5名による暫定的な集団指導体制を取っていた。その5名の中でハイヤ氏とハーレド・マシャアル氏の争いとなった諮問評議会による投票結果は、35対34でのハイヤ氏の辛勝であったと報道されている。ガザ出身のハイヤ氏は、ハディース(預言者ムハンマドの言行録)学の博士号を有し、ハマース創設時からの指導者である。4人の息子をイスラエルに殺害され、自身も度重なる暗殺未遂を生き延びてきた。イスラエルとの停戦合意では中心的な役割を果たした。本演説は、そのような経験に裏打ちされたものだといえる。
(本文抄訳)
(略)この信託は重大であり、その責任の重さは計り知れません。ましてや、私たちの民族的大義の歴史において、極めて重要かつデリケートな局面にある今、その責任はなおさら重大です。この信託は、この祝福された木を植え、清らかで神聖な血で水をやり、木が強くしっかりと根を張り、農民を驚かせ、敵を激怒させるまで育て上げた、正義の殉教者たちの誓約です。
(略)ブラーク革命(訳注:1929年)とカッサーム革命(訳注:1931-35年)に、大革命(訳注:1936-39年)、それに続く革命の波、祝福されたインティファーダ(訳注:1987-93年)とアル・アクサー・インティファーダ(訳注:2000-05年)、そして大洪水(訳注:2023-25)に至るまで、揺るぎないパレスチナ人民は、自らの土地で忍耐強く闘い、権利を堅く守ってきました。パレスチナ、難民、そしてディアスポラにおいて世代を超えて、私たちの人民は、土地と権利を諦めず、忘れない揺るぎない抵抗者であり、それを要求する者がいる限り、いかなる権利も失われることはないでしょう。
(略)ガザの皆さん、私の家族、私の同胞、私が生涯を共に過ごしてきた皆さん、私たちは皆さんのことをよく知っていますし、皆さんも私たちのことをよく知っています。そして、皆さんがどれほど苦しみ、痛みを感じ、どれほどの傷を負ってきたか、私たちは理解しています。皆さんはテントや廃墟となった家に住み、地面に寝て、空の下で暮らしています。一日分の食料、泣き叫ぶ子供たちを慰める食べ物さえ見つけられない日々が、どれほど過ぎたことでしょう。皆さんの涙は私たちにとってかけがえのないものであり、皆さんが経験している痛みは、私たちの胸と心にも深く刻まれています。私たちは、神の御心ならば、あらゆる手段を尽くして皆さんの苦しみと痛みを癒し、ガザの愛すべき、誇り高く、忍耐強い人々にふさわしい尊厳ある生活をガザに取り戻し、かつて私たちが知っていた美しく輝かしいガザを再び見ることができるまで、努力を続けることを約束します。
(略)ここでいくつかの点を強調しておきます。私たちの第一の明確な優先事項は、占領軍による侵略、殺害、テロ行為の完全な停止、そしてガザ地区からの完全撤退の実現です。私たちは、交渉プロセスを支援する国々に対し、合意された内容を実行に移し、次の段階への移行を完了させるために、極右占領政府に真の圧力をかけるよう呼びかけます。(略)この文脈において私たちは、仲介役を務めてくれたエジプトとカタールの兄弟たち、交渉開始から現在に至るまで流血を止めるためにあらゆる努力を尽くしてくれたトルコに感謝します。
第二の優先事項はガザ地区のパレスチナ人民に尊厳ある生活を取り戻させ、あらゆる陰謀、特に強制移住を阻止し、復興を加速させることです。これは人民の固有の権利であり、誰かからの贈り物や恩恵ではありません。いかなる取引、譲歩、政治的立場とも結びつくものではありません。ガザはパレスチナ国家の一部であり、これまでもそうであったし、これからもそうあり続けます。私たちはガザ、ヨルダン川西岸、エルサレムのために、あらゆる方向で並行して前進を続け、囚人を解放し、彼らの苦しみを終わらせ、彼らの闘争と犠牲にふさわしい生活を提供するために尽力していきます。
第三に、私たちは、責任ある立場からすべてのパレスチナ人の構成要素と勢力に手を差し伸べ、合意された民族的計画に従って共通の基盤の上に結集するよう呼びかけます。(略)私たちは、国民対話の即時開始と、パレスチナ解放機構をはじめとするパレスチナの国家機関を、すべてのパレスチナ人を含む国民的合意に基づき民主的な基盤の上に再建するためのメカニズムの確立、意思決定における完全な政治的パートナーシップ、国家戦略の策定と実施、そして祖国とディアスポラのあらゆる場所におけるパレスチナ人民の苦しみを終わらせるためのあらゆる努力の動員、それによって私たちの人民の目標と願望の地平を切り開き、敵の制限と条件によって閉ざされた選択肢の輪から抜け出すことを求めます。
私たちの第四の優先事項は、アラブおよびイスラム圏との戦略的な関係を強化することです。私たちは偉大な民族に属しており、聖地を守る最前線に立つことは私たちの使命です。敵は一つであり、いたる所で私たちの血が彼の手に滴り落ちています。彼の侵略と野望には際限がありません。ハマースはすべての人に開かれており、パレスチナの大義における役割を強化し、占領を終わらせ、私たちの人々と地域からその脅威を取り除くために、国民のあらゆる構成員と協力し続けます。
第五に、この地域で急速に進展している状況は、パレスチナ人民の安定と安全、そして彼らが権利、自由、独立を獲得することが、地域全体の安全と安定の鍵であることを証明しています。私たちは、アラブ・イスラム諸国の各国政府、諸機関、そして国民に対し、パレスチナ人民に対する殺戮と絶滅の機械を止めるために効果的な行動を取り、圧力をかけ、兄弟愛に基づく歴史的、宗教的な責任を果たすよう呼びかけます。
この文脈において、パレスチナを支持し、絶滅戦争に直面したガザを支えてくれた、アラブ・イスラム民族のすべての息子たち、その民衆と勢力に、心からの挨拶と感謝の意を表します。私たちを支援し、パレスチナ人の権利を守る上で傑出した役割を果たしてくれた国々に感謝するとともに、特に、血と武器を分かち合い、私たちを支えてくれたイエメン、レバノン、イラク、イランの兄弟たちに感謝します。
第六に、私たちは、国際社会と国連に対し、ガザの子どもたちを守ることも、犯罪者を訴追することもできないのであれば、人間の正義の基準は完全に崩壊すると訴えます。
私たちは、世界各国の首都、広場、海上でパレスチナと連帯するために立ち上がったすべての人々、そして自由な人々を称賛します。これはパレスチナの人々とその民族の大義に大きな影響を与えました。この連帯、そしてあらゆる形態の連帯、支援、援助は、パレスチナの人々に加えられた歴史的な不正義を終わらせ、世界の目の前で敵が侵害している正義と人道の原則を実現するために、さらに大きな影響力と寄与が必要です。
私たちが所属する、栄誉あるパレスチナ人民の闘争と抵抗の道は、どれほど時間がかかろうとも、必ず勝利へと導かれると確信しています。この運動はパレスチナ人民に奉仕し、彼らの権利と犠牲を守ることに尽力しており、不正義の嵐に屈することはありません。そして、祝福されたパレスチナの地について妥協することは決してありません。
2026年7月23日(木)——————————————————————————————
【ASEAN】第33回ASEAN地域フォーラム議長声明(7月23日)
出典:CHAIR’S STATEMENT OF THE 33rd ASEAN REGIONAL FORUM
(ガイド)
2026年7月23日にマニラで開催された第33回ASEAN地域フォーラム(ARF)閣僚会議の議長声明である。声明は、NPT第6条に基づく核軍縮義務の履行、東南アジア非核兵器地帯の維持、国際法に沿った南シナ海行動規範の交渉加速、米国・イラン間を含む中東全域での敵対行為の完全かつ即時の停止、北朝鮮の核・ミサイル開発に対する懸念と安保理決議の完全履行などを求めた。会議には日米中露などARF参加27の国・機関の外相・代表が出席した。北朝鮮は欠席した。
(本文抄訳)
(略)
14. 会議は、核不拡散・軍縮および化学、生物、核技術の平和的利用に関する国際的および地域的な協力の取組を強化するとともに、大量破壊兵器の究極的な廃絶という目標を前進させ、その拡散を防止することの重要性を改めて強調した。会議は、ASEAN地域フォーラム(ARF)の不拡散・軍縮に関する会期間会合(ISM on NPD)が、不拡散および軍縮の問題について対話と意見交換を行う場を引き続き提供していることを歓迎した。(略)
15.会議は、核兵器国(NWS)に対し、核不拡散条約(NPT)第6条に従い、核軍縮を前進させるための義務を履行するとともに、いかなる状況下においても核兵器が二度と使用されないことを保証する唯一の方法は、核兵器を完全に廃絶することであるという必要性を認識するよう求めた。会議は、ASEAN憲章および東南アジア非核兵器地帯条約(SEANWFZ条約)に規定されているとおり、東南アジア地域が非核兵器地帯(NWFZ)であり、かつあらゆるその他の大量破壊兵器の存在しない地域として維持することへのコミットメントを改めて表明するとともに、SEANWFZ条約の完全かつ効果的な実施の重要性を強調した。(略)
南シナ海情勢
17.会議は、南シナ海における、ならびにその上空における平和、安全、安定、安全航行および上空飛行の自由を維持・促進することの重要性を改めて確認するとともに、南シナ海が平和、安定、繁栄および持続可能な開発の海であることの利益を認識した。この点に関し、会議は、南シナ海における関係国の行動に関する宣言(DOC)全体の完全かつ効果的な実施の重要性を強調した。会議は、国際法、特に1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)に従った、実効的かつ実質的な南シナ海行動規範(COC)の交渉を本年中に妥結するよう引き続き努力することを期待した。会議は、南シナ海の状況をさらに複雑化させ、緊張を高め得る活動について、2002年の南シナ海における関係国の行動に関する宣言(DOC)に言及されているものを含め、領有権を主張する当事国およびその他すべての国によるあらゆる活動において自制することの重要性を強調した。会議は、とりわけ関係当事者間の信頼および信用を高めるための信頼醸成措置および予防措置を講じることの重要性を強調するとともに、1982年の国連海洋法条約(UNCLOS)を含む国際法を堅持することの重要性を改めて確認した。
中東情勢
18.会議は、中東において急速に進展している情勢、特にアメリカ合衆国およびイラン・イスラム共和国が関与する敵対行為の再開について深刻な懸念を表明した。会議は、これらの展開が主要な仲介者による現在進行中の努力を著しく損ない、対話と外交を通じた平和的解決の見通しを低下させていることに深い懸念を表明した。会議は、すべての関係当事者に対し、最大限の自制を行使し、情勢をさらに悪化させ得るいかなる行為も回避するよう求めた。会議は、地域の平和、安定および繁栄を維持し、国際法を堅持するとともに、紛争および緊張に対処するために真摯な対話と外交を促進することの重要性を強調し、その中には、中東のすべての戦線における敵対行為の完全かつ即時の停止の必要性も含まれることを強調した。会議は、中東に永続的かつ持続可能な平和をもたらすための外交的努力への支持を表明するとともに、この点に関する協調的な努力について、パキスタン・イスラム共和国、カタールおよびその他すべての関係当事者による取組を称賛した。会議はまた、レバノンおよびガザにおける人道状況について深い懸念を表明するとともに、武力紛争において、国際人道法を含む国際法、国際連合憲章および関連する国連安全保障理事会決議に従い、すべての当事者が文民および民間インフラを保護する義務を負っていることを改めて表明した。(略)
朝鮮半島情勢
20.会議は、朝鮮半島における最近の情勢の進展に懸念を表明するとともに、非核化された朝鮮半島における永続的な平和と安定を実現するため、すべての関係当事者の間で平和的対話を再開することの重要性を強調した。会議は、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)が関連する国連安全保障理事会決議に違反して核兵器および弾道ミサイル計画の開発を継続していることに重大な懸念を表明し、これらが地域の平和と安定を脅かす憂慮すべき進展であるとの認識を示した。会議は、関連するすべての国連安全保障理事会決議の完全な履行を求めるとともに、平和的な方法による朝鮮半島の完全な非核化を実現するための国際的な取組に留意した。すべての関係当事者の間で平和的対話に資する環境を整えることを含む外交的努力は、引き続き優先事項であるべきである。会議は、関係当事者間の平和的対話に資する環境を促進するため、ARFなどASEAN主導の枠組みを活用することを含め、建設的な役割を果たす用意があることを改めて表明した。(略)


