【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年8月9日~8月21日)
2026.08.26
2026年8月9日から21日までに発表された国際安全保障と地域情勢に関する重要文書(一次資料)を紹介します。
長崎原爆投下の日の式典における挨拶や被団協結成70周年声明のほか、弾道ミサイル発射通知に関する共同声明と中国の反論を掲載しました。さらに、米国の国際刑事裁判所(ICC)制裁を巡る声明や中東情勢に関する共同声明など、注目の一次資料を紹介しています。
文章執筆の際に参照する一次資料として、ぜひご活用ください。
写真出典 左:首相官邸 右:ウィキメディア・コモンズ
2026年8月9日~8月21日の重要文書
2026年8月9日(日)
【日本】長崎市長による「平和宣言」
【日本】長崎平和祈年式典における高市首相の挨拶
【日本】長崎平和式典における長崎県知事 慰霊の詞
2026年8月10日(月)
【日本】被団協結成70周年 声明「ふたたび世界への挨拶」
2026年8月11日(火)
【米英仏独日韓など41か国】弾道ミサイル発射通知に関する共同声明
2026年8月12日(水)
【中国】郭嘉昆外務省報道官、弾道ミサイル発射通知に関する共同声明に反論
2026年8月18日(火)
【米国】米国の国際司法裁判所所長などへの制裁声明
2026年8月19日(水)
【国際司法裁判所】米国のICCに対する制裁への非難声明
【日本】高市首相 米国のICC赤根所長への制裁に対するコメント(記者会見)
2026年8月21日(金)
【中東】アラブ・イスラム諸国8カ国の外相による「E1」入植計画および関連する入植活動を拒否する共同声明
バックナンバー
【脱軍備・平和情報モニター】〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年2月28日~3月13日)
【脱軍備・平和情報モニター】〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月14日~3月27日)
【脱軍備・平和情報モニター】〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月28日~4月17日)
【脱軍備・平和情報モニター】【特集】第11回NPT再検討会議:各国の一般演説・国別報告書(2026年3月2日~5月8日)
【脱軍備・平和情報モニター】【特集】第11回NPT再検討会議:ワーキングペーパーおよび最終文書案(2026年3月3日~5月24日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年5月20日~6月17日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年6月17日~6月26日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年6月22日~7月10日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年7月1日~7月23日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年7月24日~8月8日)
2026年8月9日(日)——————————————————————————————
【日本】長崎市長による「平和宣言」(8月9日)
出典:令和8年(2026年)平和宣言
(ガイド)
令和8年(2026年)長崎平和祈年式典における長崎市長の平和宣言は、被爆者故吉田勝二さんの「平和の原点は、人間(ひと)の痛みがわかる心を持つこと」を引用し、被爆の実相を伝えるとともに、「核抑止論は極めて危うい。核兵器は『必要悪』ではなく『絶対悪」であり、人類と核兵器は決して共存できない」と強調した。
(本文全文)
1945年8月9日、米軍機が投下した一発の原子爆弾は一瞬にして長崎のまちを破壊し、その年の終わりまでに人口の3分の2にあたる15万もの人々が死傷しました。
13歳で被爆した故・𠮷田勝二さんは、地獄のような惨状をこう語っています。
爆心地の方に向かうと黒焦げで炭化した人、目が飛び出ている人、内臓が飛び出した人、手足がない人たちが右往左往していた。浦上川にたどり着くと、ここも焼けただれた多くの人が、油と血と汚れた水、その水を飲みながら次々に亡くなっていった。私は、全身血だらけ、皮膚は剥がれ体の下の方にだらりとぶら下がっていた。顔も皮膚は付いていたものの、どす黒く焼け焦げていた。
𠮷田さんの顔には生涯消えることのない大きな火傷の痕が残り、周囲からの視線に苦しみ続けました。辛うじて死を免れた人々も、心身に深い傷を負い、放射線の影響でがんなどが発症することへの不安と恐怖を一生抱え続けています。
今、地球上に存在する核弾頭は、1万2千発以上。
なぜ、これほど残酷な兵器に固執する国があるのでしょうか。
国際社会に蔓延する相互不信と対立・分断を背景に、大国の「力による支配」が横行しています。核保有国が当事者となったウクライナや中東の紛争も未だ予断を許さない状況です。さらには、核兵器の近代化や増強など、核軍縮に逆行する動きが加速しています。こうして、相互不信と対立・分断を一層深刻化させる悪循環に陥っているのです。
これは、核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議が核軍縮に向けた成果文書を3回連続で採択できなかったことでも浮き彫りになっています。
核兵器に依存する国は、核兵器を実際に使用しなくても、保有することで他国に攻撃を思いとどまらせることができるという「核抑止論」を主張します。しかし、戦争という極限状況の中で自国の存亡を懸けた究極の判断を迫られたとき、それでもなお「核のボタン」を押さないと、誰が言い切れるのでしょうか。
広島・長崎への原爆投下は、人間が人間への核兵器使用という一線すら越えてしまう現実を突きつけました。
人間の命も尊厳も木っ端微塵に破壊する核兵器の威力を身をもって知る被爆者や被爆地は、その体験から確信をもって訴えます。
核抑止論は、極めて危うい。核兵器は「必要悪」ではなく「絶対悪」であり、人類と核兵器は決して共存できない、と。
一つの地球に暮らす「地球市民」の皆さん。平和な世界をつくるために、私たちにはできることがあります。
「平和の原点は、人間(ひと)の痛みがわかる心を持つこと。」
これは𠮷田さんが被爆体験を語るとき、いつも伝えていた言葉です。
相手の立場や苦しみに心を寄せ、分かり合おうと努力することは、対立や衝突を避けるための大事な一歩となります。それが人と人、国と国、それぞれの場面で信頼を育み友好関係を築く礎になるのです。
𠮷田さんの言葉を心に刻み、行動につなげていきましょう。
すべての国の指導者の皆さん。国連憲章の理念に基づく多国間主義と「法の支配」を早急に取り戻してください。人間の尊厳と基本的人権を守り、国際協調を通じて恒久平和と人類共通の繁栄を実現するという国連創設時の精神に立ち返ってください。
核保有国と核抑止力に依存する国の指導者の皆さん。核抑止力に頼れば頼るほど、核戦争の危険もまた高まる現実を直視すべきです。NPTの義務を履行し、核軍縮に向け着実に前進することを強く求めます。
とりわけ日本政府は、今年初めて開催される核兵器禁止条約再検討会議に参加し、唯一の戦争被爆国としての歴史的使命を全うすべきです。不戦の決意が込められた日本国憲法の平和の理念と非核三原則を堅持し、国際社会の緊張緩和と軍縮に向けた外交を強化してください。北東アジア非核兵器地帯の実現などを通じて、核兵器に頼らない安全保障政策への転換を求めます。
さらに、平均年齢が86歳を超えた被爆者への援護の充実と、未だ被爆者と認められていない被爆体験者の一刻も早い救済を強く要請します。
原子爆弾で亡くなられた方々とすべての戦争犠牲者に、心から哀悼の誠を捧げます。
被爆者の声を直接聞くことのできる今だからこそ、未来へ向けて被爆の記憶と被爆者の思いをしっかりと受け継いでいきます。
「長崎を最後の被爆地に」。この誓いを永遠の事実とするために、長崎は世界中の平和を求める人々と連帯し、核兵器廃絶と世界恒久平和の実現に向けて、決してあきらめず歩み続けていくことをここに宣言します。
2026年(令和8年)8月9日
長崎市長 鈴木史朗
【日本】長崎平和祈年式典における高市首相の挨拶(8月9日)
出典:高市首相 長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典挨拶
(ガイド)
広島に続き、長崎においても平和祈年式典における挨拶において、「非核三原則」については「堅持しており」という表現にとどまった。
(本文全文)
81年前の今日、長崎の地に投下された一発の原子爆弾により、多くの方々の貴い命が失われました。
街は一瞬にして焦土と化し、この地におられた方々の日常は瞬時に断ち切られ、家族と過ごす時間も、将来への願いも、すべてが奪われました。
一命をとりとめた方々にも、耐え難い苦難の日々をもたらしました。
内閣総理大臣として、原子爆弾の犠牲となられた方々の御霊(みたま)に対し、謹んで、哀悼の誠を捧(ささ)げます。
そして、今なお被爆の後遺症に苦しまれている方々に、心からのお見舞いを申し上げます。
焦土と化した街が、このように美しく復興を遂げたことに、私たちは改めて、市民の皆様が積み重ねてこられたご努力、そして、平和の尊さを強く感じる次第です。
81年前の長崎と広島の惨禍を決して繰り返させてはなりません。
我が国は、『非核三原則』を堅持しており、「長崎を最後の被爆地に」という誓いの下、「唯一の戦争被爆国」の使命として、「核兵器のない世界」の実現に向けた現実的かつ実践的な取組を推進しています。
先般の『核兵器不拡散条約(NPT)運用検討会議』は、厳しい国際安全保障環境の下での開催となりましたが、我が国は、被爆地の方々の思いを伝えながら、『NPT』の維持・強化に向けた結束を各国に呼びかけました。
今後も、「ヒロシマ・アクション・プラン」に基づき、一歩一歩、着実に努力を積み重ねていく決意です。
世界に被爆の実相の正確な理解を広めていくことの重要性は、ますます高まっています。
世界中の指導者や未来のリーダーに被爆地訪問を呼びかけ、被爆の実相に触れていただくことで、核兵器使用の惨禍に関する記憶を継承していく取組を続けてまいります。
被爆から長い年月が経過し、被爆者の方々がご高齢となられる中、多様化する課題に向き合いながら、保健、医療、福祉にわたる「総合的な援護施策」を進めてまいります。
特に、「原爆症の認定」について、一日も早く結果をお知らせするため、できる限り迅速な審査を行うよう、努めてまいります。
「被爆体験者」の皆様に対しましても、被爆者の方々と同等の医療費助成を、着実に実施してまいります。
この街には、81年前のあの日を経験した被爆樹木があると伺っています。
強烈な爆風と熱線によって幹を焼かれ、枝を折られても、しっかりと大地に根を張り、再び葉を芽吹かせた被爆樹木の姿は、筆舌に尽くし難い苦しみと深い悲しみの中にあった方々の心に、希望の光を灯したことでしょう。
被爆樹木の姿は、廃墟から見事に復興を遂げられた長崎の皆様の姿とも重なります。
市民の皆様の不断のご努力により、「国際文化都市」として今日の姿を築かれた長崎市において、「核兵器のない世界」と恒久平和の実現に向けて尽力することをお誓い申し上げます。
結びに、原子爆弾の犠牲となられた方々の御霊の安寧と、ご遺族、被爆者の皆様、並びに参列者、長崎市民の皆様のご平安を祈念いたします。
令和8年(2026年)8月9日
内閣総理大臣 高市早苗
【日本】長崎平和式典における長崎県知事 慰霊の詞(8月9日)
出典:被爆81周年長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典 慰霊の詞
(ガイド)
2026年2月に新たに就任した平田研長崎県知事による、はじめての原爆慰霊祈年式典における挨拶。日本政府にたいし「非核三原則を堅持しながら、核兵器廃絶に向けてあらゆる努力を尽くされますよう」と訴えた。
(本文全文)
原爆犠牲者慰霊平和祈念式典に当たり、長崎県民の皆様とともに、原爆の犠牲になられた方々の御霊に謹んで哀悼の誠を捧げます。
1945年の8月9日、この上空で一発の原子爆弾が炸裂しました。強烈な熱線と爆風は一瞬にして街を破壊し、7万4千人もの尊い命を奪いました。
あれから81年、廃墟と化した街は、残された人々の懸命の努力と多くの方々の支えにより復興を遂げ、今日では、緑豊かな平和を願う美しい街に生まれ変わりました。しかし、被爆者の心と体には今もなお、生涯癒えることのない傷痕が残されています。
このような歴史と経験を有する長崎には、被爆の実相を語り継ぐ大切な責務があります。ただ現実には、被爆者の高齢化が進んでおり、その切なる声に耳を傾ける機会は年々限られつつあります。次の世代へ被爆の実相を着実につないでいくための人材を育成し、核兵器廃絶の実現に向けた取組を続けていかなければなりません。
世界に目を向けますと、様々な地域で紛争が発生し、各国の安全保障環境の緊張が高まる中で、核兵器を巡る情勢は一層厳しくなっています。多くの国による核弾頭の増加に加え、AIなどを組み合わせた核戦力の強化も懸念されております。
さらに、今年開催されたNPT再検討会議においては、三回連続で最終文書の採択に至らず、誠に残念な結果となりました。国際的な合意形成が停滞する現況は、核軍縮のみならず、核不拡散体制の将来にも大きな不安を抱かせるものです。
だからこそ今、核兵器は一発たりとも使用されてはならない兵器であるという認識を、すべての国が改めて深く、そして揺らぐことなく共有しなければなりません。核兵器国も非核兵器国も、互いに対話と行動を積み重ね、核兵器廃絶に向けた歩みを、一歩ずつ着実に進めていく必要があります。
そのためにも、本式典に御参列の皆様、そして世界の指導者の方々には、被爆地を自らの足で訪れ、被爆の実相に真摯に向き合い、その重みを自らの課題として受け止めていただきたいと強く願います。
日本政府におかれては、国際的な安全保障環境が大きく変化する今、唯一の戦争被爆国として、常に国際社会の先頭に立ち、非核三原則を堅持しながら、核兵器廃絶に向けてあらゆる努力を尽くされますようお願いいたします。
また、ここ長崎には、未だ被爆者として認められていない被爆体験者の方々がいらっしゃいます。なぜ、広島で黒い雨に遭った方々が被爆者として認められ、長崎で同じ事情にあった方々が被爆者として認められないのでしょうか。被爆体験者の切なる思いを受け止め、どうか救済の道を開いていただきますようお願いいたします。
最後に、原爆の犠牲になられた多くの御霊の安らかならんことをお祈りし、核兵器廃絶に向け、たゆまない努力を続けることを、ここに固く誓い、慰霊のことばといたします。
令和8年8月9日
長崎県知事 平田研
2026年8月10日(月)——————————————————————————————
【日本】被団協結成70周年 声明「ふたたび世界への挨拶」(8月10日)
出典:声明「ふたたび世界への挨拶」
(ガイド)
8月10日、日本被団協は結成70周年を迎え、改めて被団協設立時点からの要求である「核兵器廃絶」と「原爆被害への国家補償」を訴えるとともに、最近の日本政府の安全保障政策に対して、「非核三原則」の堅持と平和憲法を守ることを要求した声明となっている。
(本文全文)
被団協結成70年声明「ふたたび世界への挨拶」
日本被団協が長崎の地で結成されてから8月10日で70年を迎えました。
原爆投下から11年あまり、日米両政府による支援もなく、厳しい報道規制の下、被爆者は病苦と差別と偏見の中で沈黙を強いられました。
1954年ビキニ環礁の米水爆実験で、日本の多くの漁船が「死の灰」を浴び、マグロが汚染され、第五福竜丸の船員が亡くなり、国民は放射能の怖さをはじめて知りました。3000万人を超えた原水爆禁止を求める署名が大きな力となって、翌年、広島で原水爆禁止世界大会が開かれ、国内外のみなさんから暖かいまなざしが向けられ被爆者は立ち上がる勇気を得たのでした。翌1956年、長崎での第2回世界大会の二日目に日本被団協は結成され、結成宣言「世界への挨拶」で「私たちは自らを救うとともに、私たちの体験をとおして人類の危機を救おう」と、高らかに宣言しました。
あれから70年間、私たち被爆者は、世界中のだれにも自分たちと同じ経験をさせたくない、ふたたび被爆者をつくらせてはならないと、体験を語り、核兵器の廃絶を訴え続けてきました。核兵器は人間として死ぬことも、人間らしく生きることも許さない、人間と共存できない悪魔の兵器であることを語り続けてきました。そして“国の存亡をかけた戦争による国民の犠牲は、生命、身体、財産の被害も「がまんせよ」という国の方針に抗って、戦争を遂行した国の責任にもとづく原爆被害への償いを求めてきました。
世界は被爆者の声を聞き、核兵器禁止条約を採択・発効させました。長年被爆者が願い、訴え続けてきたこの条約の成立に、私たちは「生きていてよかった」と喜びを分かち合いました。2024年のノーベル平和賞受賞も大きな喜びでした。核兵器や武力ではなく、言葉が、対話が大事であることが改めて示されました。被爆者の存在が、日本被団協の運動が、核兵器の使用をおしとどめてきたことが授賞の理由にあげられ、世界に知られました。
しかし今、世界は激動しています。2022年のロシア・ウクライナ戦争からイスラエル・ガザの戦い、2026年の米国とイスラエルによるイランへの武力攻撃など終わりが見えません。大国の指導者たちの国際法を蔑ろにした横暴、殺りく、核の威嚇は到底、許されるものではありません。
日本の現政権は、非核三原則や憲法を十分な議論もなしに変えようとしています。戦争をしない国として世界の信頼を得てきた平和憲法は世界の宝です。
私たちの要求は「核兵器廃絶」と「原爆被害への国家補償」です。日本被団協は被爆者に関する3つの法律を制定させてきました。しかし、1994年に制定された現行の「原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律」にも国家補償は入らず、社会保障の域を出ない魂の抜けた法律となりました。あの時、自分が死ぬことも知らず、被爆者と呼ばれることもなく死んでいった人たちへの償いを含め「いのち、からだ、こころ、くらし」にわたる戦争被害への償いを国が認めること、核兵器禁止条約に日本が署名、批准することは、世界に対する被爆国の歴史的責任であり、平和な世界への第一歩です。
被爆者が願い続けてきた「核兵器も戦争もない人間社会」を築くのは、世界の市民ひとりひとりです。私たちは残されたいのちの限り訴え続けます。共に闘ってまいりましょう。
「人類の危機を救おう」と立ち上がった先人らの誓いと共に、未来への伝言といたします。
2026年8月10日
日本原水爆被害者団体協議会
2026年8月11日(火)——————————————————————————————
【米英仏独日韓など41か国】弾道ミサイル発射通知に関する共同声明
出典:Joint Statement on Notifications of Ballistic Missile Launches – United States Department of State
(ガイド)
中国による2026年7月6日の太平洋でのSLBM発射試験などを背景に、米国、日本、韓国など41か国が、ICBM、SLBM、宇宙打上げ機の発射について少なくとも24時間前の事前通報を求める共同声明を発表した。声明は中国を名指ししていないが、米国の同日発表の国別声明では中国の発射試験を問題視している。
(本文全訳)
以下の声明の本文は、アメリカ合衆国、アルバニア、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブルガリア、カナダ、クロアチア、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、ハンガリー、アイスランド、イタリア、日本、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マーシャル諸島、モンテネグロ、オランダ、ニュージーランド、北マケドニア、ノルウェー、パラオ、フィリピン、ポーランド、ポルトガル、韓国、ルーマニア、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、トルコ、ウクライナ、ならびに英国の政府によって発表された。
本文開始
私たちは、すべての関係国に対し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)、および宇宙打上げ機(SLV)の発射について、影響を受ける国々に事前通報を提供するための取り決めに参加することを約束するよう求める。145か国がそのようなメカニズムの一つである、弾道ミサイル拡散に対するハーグ行動規範(HCOC)に参加している。
最近、太平洋地域で行われたミサイル試験活動は、ほとんどの国がICBM、SLBM、およびSLVの発射について通報し、相互の危険な重複や誤認を避けるために採用している標準的な慣行に従わなかった。十分な事前通報および詳細な情報を伴わずに、核兵器搭載能力を有する弾道ミサイルのテストを実施することは危険であり、これらのテストの近隣に位置する関係国の平和と安全を損なう。それは、誤算のリスクを高め、世界の安定と安全を損ない、長距離ミサイル能力を保有することに伴う責任と両立しない。
私たちは、すべての国、特に核兵器国に対し、ICBM、SLBM、およびSLVを発射する場合、そのような発射について少なくとも24時間前までに通報するよう求める。通報には、弾道ミサイルまたはSLVの一般的な種類、予定されている発射通報時間帯、発射区域、および予定されている進行方向などの情報を含めるべきである。各国はまた、リスクを低減するため、国際基準に沿った、航空関係者および船員に対する明確な通報を行うべきであり、これには予想される落下区域または着陸区域も含まれる。
定期的かつ透明性のある通報の取り決めは、いかなる国の軍事開発または作戦上の必要性も制約するものではない。むしろ、それらは誤算のリスクを低減し、信頼を構築し、安全保障に対する共通のコミットメントを反映するものである。私たちは、すべての国と協力して、通報の枠組みの実施を強化し、その対象を拡大すること、そして、その行動が自らの責任を果たすには至らないいかなる国に対しても責任を問うことに引き続き取り組む。
本文終了
2026年8月12日(水)——————————————————————————————
【中国】郭嘉昆外務省報道官、弾道ミサイル発射通知に関する共同声明に反論(8月12日)
出典:2026年8月12日外交部发言人郭嘉昆答记者问
(ガイド)
米国など41か国は、関係国の最近の太平洋へのミサイル発射が事前通報の標準的慣行に従わず、誤判断のリスクや地域の不安定化を招くとして批判し、ハーグ行動規範の履行を求めた。中国は、これが7月の潜水艦発射戦略ミサイル試射を念頭に置いた政治的対応だとして、「二重基準」と批判し、対話による軍備管理を求めた。
(本文全訳)
『人民日報』記者:8月11日に開催されたジュネーブ軍縮会議において、米国などの国々が共同声明を発表し、関係国が最近、太平洋に向けて行ったミサイル発射テストが、事前通報の標準的な慣行に従っておらず、誤判断のリスクを高め、地域の安定を損なっていると非難し、関係国は「弾道ミサイル拡散防止に関するハーグ行動規範」を履行すべきだと主張しました。外界では、この共同声明は中国側が今年7月に行った潜水艦発射戦略ミサイルのテストを念頭に置いたものだとみられています。中国側はこれについてどのようにコメントしますか。
郭嘉昆:米国などの国々がジュネーブ軍縮会議でいわゆる共同声明を発表し、「弾道ミサイル拡散防止に関するハーグ行動規範」を持ち出して、中国側のミサイル試射活動を暗に指し示したことは、完全に政治的目的によるものであり、その偽善的な姿と「二重基準」のやり方を十分に露呈しています。
中国側は関係国に対し、多国間軍備管理メカニズムの濫用をやめ、真摯な対話によって理不尽な対抗に取って代わり、軍備管理分野における対話・交流を強化するために必要な条件をつくるよう促します。
2026年8月18日(火)——————————————————————————————
【米国】米国の国際刑事裁判所(ICC)所長などへの制裁声明(8月18日)
出典:Advancing the United States’ Campaign to Address the Threat Posed by the International Criminal Court
(ガイド)
米国トランプ政権は、国際刑事裁判所(ICC)による非締約国関係者への捜査を「主権侵害」と批判して裁判官らに制裁を科してきたが、今回ついに赤根智子所長も対象とした。なお、ICCローマ規程では、ICC非締約国の国民であっても、犯罪発生国による管轄権の受諾や国連安保理による付託などにより、ICCの管轄権が及ぶ場合があると定めている。
(本文全訳)
トランプ政権の立場は明確である。国際刑事裁判所(ICC)は、腐敗し、致命的なほど政治化された超国家的な裁判所であり、その権限を悪意を持って濫用し、権限の範囲を超えている。我々は、国家主権に対する同裁判所の侵害を決して容認しない。
ICCの権力乱用に対処するため先月開始した外交的取り組みを推進するにあたり、私は大統領令第14203号「国際刑事裁判所に対する制裁の課すこと」に基づき、ICCの2名の職員――ICCの赤根智子所長(日本)およびICC上級公判弁護士のアブドゥライ・セイェ氏(セネガル)――を指定する。 これらの人物は、自国政府がICCの管轄権に同意していない高官に対し、ICCが調査、逮捕、拘束、または起訴を行う取り組みに直接関与してきた。
ICCは、その管轄権に同意していない、あるいはローマ規程を批准していない米国やその他の国の国民に対して、繰り返し権限を行使しようとしてきた。これはすべての国にとって危険な先例となる。
ICCが国家主権に及ぼす脅威を排除するための、政府全体を挙げての取り組みは広範なものとなるでしょう。また、この政治化され、説明責任を果たさない裁判所への資金提供や参加を停止することで、より多くの国々が我々の取り組みに加わることを期待しています。ICCが米国国民やその他の非締約国の国民を標的にする能力は、終わらせなければなりません。トランプ政権は、必要に応じて、ICCが脅威を及ぼす能力を失うまで、同機関を体系的に解体するための追加措置を講じる用意がある。
2026年8月19日(水)——————————————————————————————
【国際司法裁判所】米国のICCに対する制裁への非難声明(8月19日)
出典:The ICC strongly rejects new US sanctions designations
(ガイド)
米国が赤根智子ICC所長への制裁を発表した直後、ICCがそれに反対する声明を発表した。
(本文全訳)
国際刑事裁判所(ICC)は、同裁判所の赤根智子裁判長(日本)および検察局の上級公判弁護士であるアブドゥライ・セイ氏(セネガル)に対し、米国政府が新たな制裁対象として指定したことを遺憾に思う。
これらの制裁措置は、世界各地の締約国から付与された任務に基づき活動する、公平な司法機関の独立性に対する露骨な攻撃である。この指定の結果、現在、18名の裁判官のうち9名、2名の副検事長、前検事長、および職員1名が、米国による制裁対象となっている。
各国からICCに付与された任務の遂行に向けて尽力する裁判官、検察官、職員を対象としたこのような措置は、法の支配を損なうものである。司法関係者が法を適用したことで脅威にさらされる時、危険にさらされるのは国際法秩序そのものである。脅威や強制措置は、他のあらゆる手段が尽きた後に裁判所に救いを求める被害者たちが正義を求める能力にも影響を及ぼす。
前述の通り、当裁判所は決して屈することなく、職員および想像を絶する残虐行為の被害者を断固として支持する。当裁判所は、ローマ規程に完全に準拠し、国際犯罪の被害者の利益のために、独立性と公平性を保ちつつ、その任務を全うし続ける。
ICCは、締約国、市民社会、そして国際犯罪の被害者のための法の支配と正義を支持するすべての人々から、一貫して示されている連帯を高く評価している。当裁判所は、すべてのパートナーと協力し、締約国からの揺るぎない支援を得て、その任務が効果的かつ独立して
遂行されるよう、今後も活動を続けていく。
【日本】高市首相 米国のICC赤根所長への制裁に対するコメント(記者会見)(8月19日)
出典:エルドアン・トルコ共和国大統領との電話会談及び国際刑事裁判所(ICC)に対する米国の制裁についての会見
(ガイド)
米国のICCに対する制裁について、記者会見でコメントを発表、米国への直接批判はなく「大変残念である」との発言にとどまった。
(コメント全文)
ICCの赤根所長の件につきましては、先ほど外務省から(外務報道官)談話を発表したところでございますが、大変残念に思っております。
これからもですね、米国を含む関係国と意思疎通を継続しながら対応してまいります。
2026年8月21日(金)——————————————————————————————–
【中東】アラブ・イスラム諸国8カ国の外相による「E1」入植計画および関連する入植活動を拒否する共同声明(8月21日)
出典:Joint Statement by Foreign Ministers of Eight Arab-Islamic States Rejecting the “E1” Settlement Plan and Related Settlement Activities
(ガイド)
8月18日、イスラエル政府は、西岸地区中部における大規模入植地建設計画「E1」プロジェクトで、新たに1234戸の住宅建設の入札を開始したと発表した。これに対し、アラブ・イスラーム地域の8か国が出した批判声明である。欧州・カナダ・オーストラリアなど21か国・地域が20日に出した声明に対し、トランプ米大統領の「ガザ包括的和平計画」に言及し、イスラエルの決定をこれに反するものだと強調している点に明確な特徴がある。この8か国の中のパキスタン・トルコ・サウジアラビア・エジプトは、「イラン戦争」を受け、「R4」として3月から6月にかけて4度の外相会談を開催、8月7日には、エジプトを除く3カ国がメッカ相互防衛協定を結んだ。これまで、この地域における勢力再編の動きの中で目立っていたのは、「アブラハム合意」や「I2U2」、「IMEC」など、パレスチナ問題が未解決のままでイスラエルとの外交関係の「正常化」を進めようとする枠組みであった。今回の声明に見られる「R4」のイニシアチブは、「アブラハム合意」の手法の限界を認識し、より包括的な問題解決を、トランプ政権の中東政策の行き詰まりに便乗するかたちで実現することを目指すものだと言える。短期的には「R4」のガザ危機に対する取り組みの成否が、この枠組みの有効性の試金石となるが、ハマースの評価を含め、より抜本的な発想転換がなされない限り、様々な合従連衡の一幕に終わる可能性も大きいと言わざるを得ない。
(本文抄訳)
パキスタン・イスラム共和国、エジプト・アラブ共和国、トルコ共和国、インドネシア共和国、ヨルダン・ハシミテ王国、カタール国、サウジアラビア王国、アラブ首長国連邦の外務大臣は、占領下のパレスチナ領土におけるイスラエルの継続的な違法入植政策を断固として非難し、占領下の東エルサレム東部における「E1」入植計画および関連する入植活動を断固として拒否する。さらに、イスラエル占領当局の支援を受けた入植者によるパレスチナ人民とその財産に対する侵害行為および暴力行為を改めて非難する。こうした行為はパレスチナ人民の不可侵の権利を何ら損なうものではなく、国際法および関連する国連決議に違反するものであり、地域および国際社会の平和と安全に重大な脅威をもたらすものであることを強調する。
閣僚らは、「E1」入植計画は入植地の拡大と併合をさらに進め、占領下のパレスチナ領土、特にヨルダン川西岸と東エルサレム間の地理的連続性を損なう危険なエスカレーションであり、それによって1967年の境界線に基づき東エルサレムを首都とする独立した連続したパレスチナ国家の存続可能性と実現を脅かすものであると警告した。このような行動は、平和の実現を目指す国際的な努力、とりわけドナルド・トランプ大統領の包括的和平計画(併合と強制移住の明確な拒否、和平委員会を通じた実施を含む計画の実施メカニズム、そして安定の実現と紛争の終結を目指してヨルダン川西岸の併合を許さないというトランプ大統領の確固たる決意を含む)に対する直接的な挑戦である。
閣僚らは、国際法および関連する国連決議に則った二国家解決こそが、公正かつ包括的で永続的な平和への唯一の実現可能な道であることを改めて確認する。そして、この解決策を損なうことを目的とした行動は、緊張をさらに高め、地域および国際的な平和と安全を脅かし、地域における永続的な平和と安定の見通しを危うくする恐れがあると警告する。
こうした状況において、閣僚らは、E1入植計画を含む違法入植活動に関与した団体や個人、ならびに入植地の拡大や併合政策を支援、促進、または実施する団体や個人に対する適切な国際措置や制裁措置を含め、説明責任の確保を目指すあらゆる取り組みを支持する。さらに、違法入植地の設立、拡大、または定着に寄与するあらゆる支援や資金提供の停止を求める。閣僚らは、説明責任の欠如が人権侵害の継続につながり、公正かつ包括的な平和の見通しをさらに損なうことを強調する。
閣僚らは、「E1」入植計画を直ちに停止し、これに関連して講じられたすべての措置を撤回し、占領下のパレスチナ領土の地理的および人口構成上の特徴を変えることを目的としたすべての入植活動およびその他の措置を停止するよう求める。さらに、国連安全保障理事会、すべての国家、および関係する国際アクターに対し、国際法に基づく責任を遵守し、違法な入植地の拡大を停止し、国際法および関連する国連決議に従って、パレスチナ人民の保護を確保し、自決権を含む不可侵の権利を保障し、独立国家を実現するための緊急かつ効果的な措置を講じるよう求める。


