【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年6月23日~7月11日)

2026.07.17

2026年6月23日から7月11日までの核兵器問題や中東情勢をめぐる重要な一次資料を紹介します。

中東では、2月28日の米イスラエル共同作戦(エピック・フューリー作戦)で殺害されたイランのアリ・ハメネイ前最高指導者の追悼式典と葬儀が7月3日から9日にかけてイラン・イラクの5か所で実施され、数千万人が参列したと報じられています。7月11日には新指導者モジュタバ・ハメネイ師による報復声明が出され、緊張が高まっています。

一方、北朝鮮での党中央委員会総会(6月20日〜22日)や、トルコでのNATO首脳会議など、世界の安全保障を左右する重要会議が開催されました。以下、これら東西の動向がわかる一次資料を掲載します。

写真出典 左:北朝鮮外務省 右:フランス外務省

2026年6月23日~7月11日の重要文書 

2026年6月23日(火)
【北朝鮮】朝鮮労働党第9期中央委員会第2回総会拡大会議における金正恩国務委員長の演説
2026年6月24日(水)
【北朝鮮】駆逐艦「崔賢」就役式における金正恩国務委員長の祝賀演説
2026年7月8日(水)
【NATO】アンカラ首脳宣言
2026年7月10日(金)
【米国】米国の拡大抑止政策と地域核能力
2026年7月11日(土)
【イラン】米・イスラエルへの復讐を呼びかけるイラン最高指導者モジュタバ・ハメネイ師のメッセージ

バックナンバー
【脱軍備・平和情報モニター】〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年2月28日~3月13日)
【脱軍備・平和情報モニター】〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月14日~3月27日)
【脱軍備・平和情報モニター】〈イスラエル・米国 vs イラン〉戦争 緊急特設ページ(2026年3月28日~4月17日)
【脱軍備・平和情報モニター】【特集】第11回NPT再検討会議:各国の一般演説・国別報告書(2026年3月2日~5月8日)
【脱軍備・平和情報モニター】【特集】第11回NPT再検討会議:ワーキングペーパーおよび最終文書案(2026年3月3日~5月24日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年5月20日~6月17日)
【脱軍備・平和情報モニター】核兵器問題・中東情勢に関する重要一次資料(2026年6月17日~6月26日)


2026年6月23日(火)——————————————————————————————
【北朝鮮】朝鮮労働党第9期中央委員会第2回総会拡大会議における金正恩国務委員長の演説(6月23日)
Report on Enlarged Meeting of Second Plenum of Ninth Central Committee of WPK
出典:https://kcnawatch.org/newstream/1782167450-894154036/report-on-enlarged-meeting-of-second-plenum-of-ninth-central-committee-of-wpk/

(ガイド)
金正恩(国務委員長は、朝鮮労働党第9期中央委員会第2回総会拡大会議(2026年6月20日〜22日)の最終日に総括演説を行った。演説の中で金委員長は、米韓の軍事協力や核協議グループ(NCG)の動きを「核戦争の脅威」と断定し、これに対抗する唯一の道は核戦力の増強であると強調。1万トン級戦略誘導ミサイル巡洋艦の建造や通常兵器開発、海軍基地整備などを強力に推進する方針を示した。同時に、韓国を「最も敵対的な国家」と規定する対敵路線を堅持し、反帝・自主外交をさらに推し進める姿勢を改めて鮮明にした。

(本文抄訳)
(略)金正恩同志は結語演説において、国家の国防力をより速い速度で強化するというわが党と国家の確固たる政策的立場を改めて確認した。

今年もまた、米国と韓国は、この地域における軍備の増強と近代化に向けた動きをますます露骨に進める一方で、韓国による原子力潜水艦の保有を推し進めており、さらに朝鮮民主主義人民共和国に対する軍事演習や諜報活動をたびたび実施し、朝鮮半島情勢を極度に悪化させている。

さらに危険なことには、米国と韓国は、「核・通常戦力統合態勢」などの核要素を用いて朝鮮民主主義人民共和国を攻撃することを目的とする核戦争機構である「核協議グループ(NCG)」の軍事協議を再び開催した。

これまでに、このような協議は6回行われ、その場では戦争形態、任務の遂行順序、演習および作戦要素を含む詳細な核戦争シナリオが作成された。これは、朝鮮半島情勢を核戦争寸前の瀬戸際へと追い込むこの機構の犯罪的性格を明白に示している。

帝国主義との不可避の対決を伴うわが革命の特性に言及し、金正恩同志は、現在の地政学的危機に対処するため、自衛のための強力かつ絶対的に信頼できる抑止力をさらに拡大・強化するための、より積極的な努力を行うという、わが党と政府の確固たる立場を改めて明確にした。

総会は、朝鮮民主主義人民共和国の軍事的主権の中核であり、戦争抑止および戦争遂行戦略を実行する要である核戦力を不断に拡大・強化し、核兵器国としての地位を徹底して行使することこそ、多面的に複雑化する予測不可能な国際軍事・政治情勢に積極的かつ自信をもって対処するための、最も正しく唯一の道であるとの認識で一致した。

結語演説は、今後の戦争抑止力の発展における、より高度化した核技術の地位と役割を評価したうえで、核技術を基盤として、より広範で、より革新的で、より鼓舞的な計画が、ますます速い速度で実行されるであろうことを強調した。

金正恩同志は、世界を追い越すことを目標として、われわれ独自の方式で、強力な防衛資産を絶え間なく増強するための事業を力強く推進する課題を提示した。

とりわけ、朝鮮労働党中央軍事委員会の4月4日の決定に従って進められる1万トン級戦略誘導ミサイル巡洋艦の建造を加速するとともに、わが軍の戦闘能力強化において大きな意義を有する強力な通常兵器の開発・生産に大きな力を注ぐ必要がある。(略)

さらに、現在進められている南部国境の要塞化事業を質的に完成させるとともに、海軍艦隊のための新たな基地、ならびに国家の国防力強化に不可欠なその他の軍事基地および軍事施設を建設する必要があることを強調した。

金正恩同志は、わが党と朝鮮民主主義人民共和国政府が、敵に対する闘争原則を堅持し、反帝・自主勢力との同盟戦線を強化し、帝国主義者による侵略と戦争の企図に対して断固として闘うという確固たる外交政策上の立場を改めて明らかにした。(略)

外交部門にとって重要なのは、対外関係のすべてを自主的に力強く推進し、それらを国家の利益の擁護と富強な国家建設に従属させ、その方向に導くという観点を堅持することである。

とりわけ、韓国を最も敵対的な国家と規定したわが党が示した敵に対する闘争原則を徹底して堅持することが不可欠である。(略)

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2026年6月24日(水)——————————————————————————————
【北朝鮮】駆逐艦「崔賢」就役式における金正恩国務委員長の祝賀演説(6月24日)
Comrade ‘s Congratulatory Speech at Commissioning Ceremony of Destroyer Choe Hyon
出典:https://kcnawatch.org/newstream/1782973039-58355481/comrade-s-congratulatory-speech-at-commissioning-ceremony-of-destroyer-choe-hyon/

(ガイド)
北朝鮮初の本格的な多任務駆逐艦「崔賢」の就役式が南浦港で行われ、金正恩国務委員長が出席して演説した。同艦は対空・対艦・対潜能力に加え、巡航ミサイルや弾道ミサイルの運用能力を備えた新世代艦とされる。金正恩は、海軍を沿岸防衛中心の部隊から核戦力を備えた戦略軍種へ転換する方針を示し、新たな海軍基地建設や1万トン級戦略軍艦の配備を進める考えを表明した。また、敵国周辺海域での活動や先制的な軍事行動にも言及し、海軍力強化によって地域の軍事バランスを変え、抑止力を高める姿勢を強調した。

(本文抄訳)
(略)

昨日、第9期党中央委員会第2回総会において、われわれは海軍艦隊のための新たな基地の建設について討議し、それを決定しました。

われわれが海軍は変化していると言うとき、それは単に艦艇が大型化していることや、その装備がより高度な技術を備えるようになっていることを意味するのではありません。

最も重要な変化であり、特筆すべき最も重要な進展は、海軍が異なる地位、異なる使命、そしてその活動が及ぶ異なる海域を担うようになり、それに応じて異なる成果を達成するようになるということです。

わが海軍が自国沿岸の海域を防衛するための部隊として存在していた時代は、明らかに過去のものとなりました。

海軍への核兵器配備計画が予定どおり着実に進められていることにより、海軍は戦略的手段を備えた本格的な軍種へと発展しつつあります。

これは、わが国家の核戦力を多面的かつ効率的に運用できる態勢に維持し、十分に強力で信頼できる、より一層確実な核戦争抑止力を獲得することによって、海洋防衛および戦争抑止のための軍事活動において主導権を握ることを可能にするという、極めて重要な戦略的路線であります。

朝鮮人民軍海軍は、自ら選択するいかなる海域にも軍艦を派遣できるほどの大きな航続力を備えており、必要な場合には先制的な掃討を行うため、敵国の軍事資産や基地が配備されている海域を哨戒する任務を与えられています。

今や、海上であれ海中であれ、わが国家の安全を脅かすいかなる侵略の企図も、わが艦隊にとってより大きな成果という結果に終わることは明らかです。

同志の皆さん、

この駆逐艦が起こす波は、誤った慣行に彩られた歴史に終止符を打つ最初の嵐を必ずや生み出すでしょう。そして、恐るべき恐怖と不安に打たれたわれわれの敵は、わが軍艦の性能と威力を確認することになるでしょう。

「崔賢」に続いて、われわれは間もなく駆逐艦「姜健」を作戦に就かせます。その後も、1万トン級の戦略軍艦を次々に進水させるでしょう。

われわれの軍艦が絶え間なく姿を現し、その航路を進むことは、わが国家の海洋主権を確実に守り、この地域における軍事的均衡に変化をもたらすでしょう。

そのようにすることによってのみ、わが国家の安全保障、この国の現在と未来を、より確固として守ることができるのです。

発展の新たな段階に入ったわが海軍は、新たな出発点において新たな歴史的使命を担うこととなりました。

最も重要な海域に最も機微な戦略資産を展開する国家として、われわれは共和国の主権、北東アジアの安全保障環境、そして世界平和を守るという原則的かつ責任ある意思を示し、その実現のために新たな、そしてより大きな貢献を行うでしょう。(略)

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2026年7月8日(水)——————————————————————————————
【NATO】アンカラ首脳宣言(7月8日)
The Ankara Summit Declaration
出典:The Ankara Summit Declaration | NATO Official text

(ガイド)
第2次トランプ政権の発足以降、米欧関係の地盤沈下が懸念される中、トルコのアンカラで開催されたNATO首脳会議において共同宣言が採択された。同宣言では、NATO条約(ワシントン条約)第5条に規定された集団防衛義務の履行が改めて確約された。また、NATOの抑止力は核戦力、通常戦力、およびミサイル防衛能力の三者の組み合わせによって維持される方針が示されたほか、イランの核保有を容認しない姿勢も重ねて表明された。

(本文抄訳)
1.我々、北大西洋同盟の国家元首および政府首脳は、ワシントン条約第5条に基づく我々の集団防衛に対する揺るぎないコミットメントと、大西洋をまたぐ結び付きを再確認するため、アンカラに集った。一国に対する攻撃は、全加盟国に対する攻撃である。(略)

3.我々は未来を築いている。すなわち、より強力なNATOの中のより強力な欧州――近代化された同盟である。欧州の同盟国およびカナダは、米国と連携しながら、同盟の防衛に対してより大きな責任を担いつつある。NATOの抑止力および防衛力は、核戦力、通常戦力、およびミサイル防衛能力の適切な組み合わせを基盤とし、これを宇宙およびサイバーのアセットが補完している。(略)

5.同盟は、我々を取り巻くより広範な安全保障環境を特徴づける戦略的競争、広範な不安定性、ハイブリッドの脅威、および繰り返し発生する衝撃に対応し、それに適応し続けている。同盟国は、イランが決して核兵器を保有してはならないことを改めて表明するとともに、イランに対し、ホルムズ海峡における航行の自由を全面的に尊重するよう求める。(略)

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2026年7月10日(金)——————————————————————————————
【米国】米国の拡大抑止政策と地域核能力(7月10日)
U.S. Extended Deterrence and Regional Nuclear Capabilities
出典:U.S. Extended Deterrence and Regional Nuclear Capabilities | Congress.gov

(ガイド)
本資料は、米国議会調査局(CRS)が議会審議のために作成した政策ブリーフであり、米国の拡大抑止政策と地域核能力の現状を整理したものである。それによれば、米国は前方配備核兵器や核・非核両用航空機(DCA)、低出力核弾頭、海洋発射核巡航ミサイルなどを通じて同盟国への拡大抑止を維持・強化している。欧州ではロシアに対するNATOの核抑止強化や英仏の核協力が進み、インド太平洋では日韓豪との防衛協力や核協議を通じ、中国・北朝鮮に対する抑止態勢の強化が進められている。

(本文抄訳)
(略)

米国の地域核能力
(略)米国は、前方配備された核兵器、危機時に展開可能な通常任務または核任務遂行能力を有する米国本土配備の航空機、ならびに戦略核戦力を通じて、同盟国に対して核抑止を提供している。米国の地域核抑止能力の公表された主な目的は、ロシア、中国、および北朝鮮による限定的な核兵器使用、ならびにこれらの国々による米国の同盟国およびパートナーに対する核による威圧を抑止することである。地域核抑止システムには、以下が含まれる。
・核・非核両用航空機(DCA)。これには、NATOの「核負担分担」の一環として複数のNATO同盟国が運用する航空機が含まれる。F-16航空機から移行するため、米空軍は、一部の米国の同盟国およびパートナーと共同でF-35を調達している。DCAは、B61重力爆弾を搭載可能であり、この爆弾は米国の作戦統制下で一部のNATO基地に配備されている。
・2018年の**核態勢見直し(NPR)で示された要件に従い、米海軍は、トライデントII D5潜水艦発射弾道ミサイルに、W76弾頭の低出力型(W76-2)を配備している。
・2024年、米海軍は、公法118-31第1640条に従い、核武装した海洋発射巡航ミサイルを調達するための計画を開始した。
・2026年の証言において、米戦略軍司令官である海軍大将リチャード・コレルは、米国は「追加的な戦域核能力の開発および配備を加速すること」を目指していると述べた。(略)

欧州大西洋地域
NATOによれば、「核兵器は、通常戦力およびミサイル防衛戦力と並んで、(同盟の)抑止および防衛のための全体的な能力の中核的構成要素である」。米国の戦略核戦力ならびに英国およびフランスの独立した戦略核戦力は、NATOによって、加盟32か国の安全保障に対する「最高の保証」であると位置づけられている。米国は、通常戦力およびDCAによる運搬のための核兵器を前方配備している。また、米国は英国との間で軍事核協力に関する協定を結んでいる。

NATOは、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、自らの抑止能力の強化を図ってきた。2025年以降、一部のNATO同盟国は、自国の安全保障を確保するための追加的な取り決めを模索してきた。2025年7月の英国とフランスによるノースウッド宣言では、「両国の核協力および調整を深化させる」ことが誓約された。2026年3月には、フランスのエマニュエル・マクロン大統領が、フランスと近隣諸国との戦略的協力を含む新たな「前方抑止」戦略を発表した。カナダやスウェーデンを含む一部のNATO加盟国では、核兵器問題について政府当局者の間で議論が行われている。

インド太平洋地域
米国の同盟国である日本、韓国(正式名称:大韓民国〈ROK〉)、およびオーストラリアは、中国および北朝鮮の核兵器その他の能力の変化について懸念を表明している。米国は、日本および韓国、ならびに地域内のその他の場所に通常戦力を維持しているが、もはや同地域に核兵器を前方配備してはいない。2018年の核態勢見直し(NPR)およびバイデン政権当局者は、核武装した海洋発射巡航ミサイルは、この地域において敵対国を抑止し、同盟国を安心させることを目的とするとの見解を示している。

1960年、米国は日本との間で相互防衛条約を締結した。米国と日本は、拡大抑止対話を含め、同盟および防衛協力に関する協議や活動を定期的に実施している。(略)

1953年、米国は韓国との間で相互防衛条約を締結した。2023年のワシントン宣言を受けて、米国と韓国は核協議グループを設置した。(略)

近年、日本および韓国の政府当局者は、核兵器問題について公の場で議論している。両国政府は引き続き、自国独自の核兵器を保有することは求めておらず、三か国協力を含む拡大抑止の強化を支持するとの立場を改めて表明している。

1951年、米国はオーストラリアおよびニュージーランドとの間で相互防衛条約(ANZUS)を締結した。1980年代、米国は、ニュージーランドの核兵器政策の変更を受けて、同国に対する防衛上の義務を停止した。米国とオーストラリアの相互防衛関係は現在も継続しており、両国は戦略政策対話を実施している。(略)

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2026年7月11日(土)——————————————————————————————
【イラン】米・イスラエルへの復讐を呼びかけるイラン最高指導者モジュタバ・ハメネイ師のメッセージ(7月11日)
出典:Leader vows to avenge martyr Ayatollah Khamenei’s blood(イスラム共和国通信)

(ガイド)
2026年7月4日から行われてきた前イラン最高指導者アリ・ハメネイ師の葬儀の最終日9日付で7月11日に発表された現最高指導者モジュタバ・ハメネイ師のメッセージ。シーア派神学に沿ったかたちで、父ハメネイ師の殉教の意味を位置付けている。米・イスラエルに対する復讐を呼びかける声明として報道されているが、シーア派独自のメシアニズムにもとづく表現としても解釈でき、少なくともイラン政府自身が復讐を行うとは述べていない。

(本文抄訳)
(略)平和と祝福がイマーム[・フサイン]にありますように。生命を与える彼の蜂起の呼びかけは、預言者の使命の力強く響き渡るこだまを歴史の奥深くまで響かせ、ついにイラン・イスラム革命を引き起こしました。この革命は、その性格において根本的にフサインのものであり、イマーム・フサイン(彼に平安あれ)のスローガンと原則に基づいて築かれ、育まれたものでした。殉教したイランの指導者もまた、まさにこれらの原則の下で成長しました。彼は、フサインのような性格であり、フサインのように考え、フサインのように行動し、イマーム・フサイン(彼に平安あれ)と同様の方法でジハードと抵抗運動に従事しました。彼はフサインの模範に従って生き、最終的に殉教することで、フサインの思想の道に血を捧げました。

 フサインの信奉者の中には、彼の道において、また彼の思想と理想のために不当に血を流すこととなった時、イスラム共同体を奮い立たせ、彼らの時代をアシュラ[イマーム・フサインが殉教した日]と、彼らの場所をカルバラ[イマーム・フサインが殉教した地]に結びつけた者たちがいます。そして今、その同じフサインの熱意が我が国を再び目覚めさせ、偉大なるホメイニ師と殉教したハメネイ師の教えを新たな光の中で明らかにしました。これは、イマーム・フサインの無実の叫びと「ハル・ミン・ナシリン・ヤンスルニ(私を助けてくれる者はいないのか?)」という彼の[殉教に際しての]呼びかけに呼応する、生命を与える叫びである。この叫びはイラン全土に響き渡り、その後イラクや他の国々にも伝わり、偽りの基盤を揺るがしています。この機会に、イランとイラクの都市や村々、特にテヘラン、ゴム、ナジャフ、カルバラ、マシュハドにおいて、数千万もの人々が信じられないほどの、敵を打ち砕く歴史的な参加を見せてくれたことに、心からの感謝の意を表したいと思います。

 (略)我が国民はフサイン[シーア派における第3代イマーム]の血の復讐を誓います。長年にわたり、この偉大な国はフサインの道を歩み、フサインの敵、そしてフサインの教えの敵と戦い、多くの子供たちを犠牲にしてきました。今日、この国はフサインの血、そして現代のフサインのような人々の血の復讐を誓います。

 今、殉教した指導者に、私はこれらの言葉を捧げます。不当に殺された指導者よ! 抑圧されながらも高められたあなた方よ! 神の正義の下僕よ! 涙に暮れ、打ち砕かれた心であなたの遺体に別れを告げるにあたり、私たちはあなたの遺産を守り、あなたが敷いたまっすぐな道を揺るぎなく歩み、道中のいかなる困難も恐れず、あなたのように神の約束と吉報に心を捧げることを誓います。私たちは、あなたの清らかな血と、この二つの戦争のすべての殉教者の血を、犯罪的で恥ずべき殺人者たちに復讐することによって、奪い返すことを誓います。この復讐こそ、我が国民が求めているものであり、必ず成し遂げなければなりません。最高位から最下位まで、その名が完全に記録されているこれらの犯罪者たちは、安らかな死を夢見て墓場まで行くことになるでしょう。彼らは、このことが私の存在や他のいかなる高官の存在にも左右されないことを知るべきです。私たちがここにいようといまいと、これは必ず成し遂げられるのです。まもなく、世界中の自由な人々が、それぞれこの神聖な使命の一部を担うことになるでしょう。

 (略)崇高なる主よ! 寛大なる方よ! 慈悲深いイマームよ! アブー・アル=ハッサン・アル=レザー・アル=ムルタザ[シーア派における第8代イマーム]よ、あなたに神の最高の祝福がありますように! 今日、あなたの下僕の一人であり、あなたの純粋な子孫の一人である下僕の、引き裂かれ、砕かれた遺体が、長年の絶え間ない献身と絶え間ない闘争の末、彼の家族の殉教者たちの遺体と共に、この聖なる地に横たわっています。それぞれがカルバラの平原の殉教者を思い起こさせます。彼らは、神の命令により、世界を照らす太陽、地上の神の残滓[イマーム・マフディ](神が彼の高貴な再臨を早めてくださいますように)が、隠蔽の雲の後ろから現れ、地上の人々に神の慈悲の光を放つ日まで、ここに安置されるでしょう。私たちが間もなく訪れると願うその日には、真実を語る者、殉教者、そして神に最も近い者たちの中から星々が彼に付き添うでしょう。殉教した指導者が、再び神の御業とアラストの契約[神と人類の魂との原初的契約]への忠誠のために、輝かしく比類なき姿を見せてくださることを願っています。そして、その日には、これらの仲間たちが再び彼の傍らに立つことでしょう。(略)

サイード・モジタバ・ホセイニ・ハメネイ
1405年ティール月18日
[2026年7月9日]

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