<資料>日本決議(主文全訳)

公開日:2017.04.13

A/C.1/71/L.26
2016年10月14日
(共同提案国省略)
総会は、(前文略)
1.すべての加盟国は、すべての人にとって、より平和な世界、ならびに核兵器のない平和で安全な世界を達成することをめざし、核兵器の全面的廃絶に向けて結束した行動をとるという決意を新たにする。
2.これに関連し、すべての核不拡散条約(NPT)※締約国が第6条の下で誓約している核軍縮につながるよう、保有核兵器の全面的廃絶を達成するとした、核兵器国による明確な約束を再確認する。
3.すべてのNPT締約国が、条約の全条項に基づく義務を遵守し、1995年再検討・延長会議※及び2000年※、2010年※再検討会議の最終文書で合意された諸措置を履行することを求める。
4.すべての加盟国が、再検討会議の第1回準備委員会が2017年5月にウィーンで開催されることを念頭に、2020年再検討会議の成功に向けて最善をつくすことを奨励する。
5.すべてのNPT未締約国が、その普遍化をめざして即時かつ無条件に非核兵器国として加盟するとともに、条約加盟までの間、同条約のすべての条項を遵守し、条約を支持する実際的な措置を講じることを求める。
6.すべての人にとって減じられず、強化される安全保障という原則のもと、核兵器の全面的廃絶に向けてさらなる実際的措置や効果的措置を講じることをすべての加盟国に求める。
7.核兵器国と非核兵器国が、核軍縮及び核不拡散のための実際的かつ具体的な措置を講じることを促進するような有意義な対話を一層進めることを奨励する。
8.核兵器使用による人道上の結末に対する深い懸念が、核兵器のない世界に向けたすべての国家の努力の基礎となり続けることを強調する。
9.ロシアと米国が、可能な限り早期の交渉妥結をめざし、核兵器備蓄のさらなる削減の達成に向けた交渉を早期に開始することを奨励する。
10.すべての核兵器国が、一方的、二国間的、地域的あるいは多国間的措置などを通じて、配備・非配備を問わず、あらゆる種類の核兵器を削減、究極的には全廃するためさらに努力することを求める。
11.すべての加盟国が、核軍縮及び核不拡散プロセスに関連して、不可逆性、検証可能性、透明性の原則を適用することを求める。
12.核兵器国が、核軍縮の行動の促進をめざして定期会合を継続的に開催し、これまでの透明性向上に向けた努力を一層拡大し、相互信頼を増進することを奨励する。これには、条約の締約国による2020年再検討会議に向けたNPT再検討プロセスにおける核軍縮努力の中で廃棄・削減された核兵器や運搬システムに関する、より頻度が高く詳細な報告の提出が含まれる。
13.関係する加盟国が、核兵器の役割や重要性の一層の低減のために、軍事・安全保障上の概念、ドクトリン、政策を継続的に見直していくことを求める。
14.核不拡散体制の強化につながりうる、核兵器国による明確で法的拘束力のある安全の保証を受けることにおける、非核兵器国の正統な関心を認識する。
15.核兵器国各国による一方的宣言に留意しつつ、1995年4月11日の安保理決議984(1995)を想起し、すべての核兵器国が安全の保証に関する自らの既存の誓約を全面的に尊重することを求める。
16.適切な場合には、地域の関係国の自由意志による取り決めに基づき、また、国連軍縮委員会の1999年指針に従い、さらなる非核兵器地帯を設立することを奨励する※。また、核兵器国が、消極的安全保証を含む関連議定書に署名・批准することにより、非核兵器地帯の地位に関する、また、当該条約の締約国に対し核兵器の使用あるいは使用の威嚇を行わないという、法的拘束力のある個別の誓約を行うことを認識する。
17.核兵器を保有するすべての国が、意図されない核爆発の危険性に包括的に対処していく上で必要となるあらゆる努力に継続的に取り組むことを要請する。
18.地域内諸国の自由意志による取り決めに基づき、また1995年の中東決議に従って、中東非核兵器・非大量破壊兵器及び非運搬システム地帯の設立に向けて一層努力すること、および同地帯設立に向けた関係諸国による対話の再開を奨励する。
19.すべての加盟国、とりわけ包括的核実験禁止条約(CTBT)※付属文書2に列挙された発効要件国のうち残る8か国が、これ以上の遅滞なく、また、他国の行動を待つことなしに、条約の署名及び批准に向けた独自のイニシアチブを発揮するとともに、CTBT発効までの間、核兵器の爆発実験もしくは他のすべての核爆発に関する現行のモラトリアムの継続、および継続の政治的意志を宣言することを要請する。また、すべての加盟国に、同条約14条のプロセスおよびその他の相互補完的な取り組みを通じて、条約の発効を促進するための努力を倍加することを要請する。
20.すべての関係諸国が、2012年12月3日の決議67/53第3節が求めた政府専門家グループの報告書※を考慮しつつ、核兵器あるいは他の核爆発装置用の核分裂性物質の生産を禁止する条約に関する交渉を直ちに開始し、1995年3月24日のCD/1299文書及びそこに含まれる任務に基づき早期に締結するとともに、同条約発効までの間、あらゆる核兵器もしくは核爆発装置のための核分裂性物質の生産に関するモラトリアムを宣言し維持することを要請する。
21.すべての加盟国が、軍縮・不拡散教育に関する国連事務総長による報告※に述べられた諸勧告を履行することによって、核兵器のない世界の達成を支援することを奨励する。
22.「ヒバクシャ」の経験を将来の世代に引き継ぐために、各国指導者や若者らが、原爆を生き延びた「ヒバクシャ」などのコミュニティや人々を訪問し交流することを含め、核兵器使用がもたらす現実に対する意識を喚起するためあらゆる努力が行われることを奨励する。
23.NPTのもとでは核兵器国の地位を獲得できない朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)による最近の核実験と弾道ミサイル技術を利用した発射を最も強い言葉で非難する。DPRKがさらなる核実験の実施を思い留まること、および現在行っているすべての核活動を完全かつ検証可能で不可逆的な方法により即時停止することを強く要請する。また、DPRKに対し、関連するすべての安保理決議を完全に遵守し、2005年9月19日の6か国協議共同声明を履行するとともに、早期に国際原子力機関(IAEA)保障措置を含む同条約の全面的遵守に復帰することを要請する。
24.すべての加盟国が、関連安保理決議の完全な履行などを通じ、朝鮮民主主義人民共和国(DPRK)の核兵器開発およびミサイル開発計画がもたらす脅威に対処するための努力を強化することを求める。
25.また、すべての加盟国が、核兵器とそれらの運搬手段の拡散を防止し阻止する努力を倍加させるとともに、核兵器と決別するとの誓約に基づく諸義務を全面的に尊重し、遵守するよう求める。
26.さらに、すべての加盟国が、核兵器の拡散防止のため、国内での効果的な統制を確立・実施することを求めるとともに、核不拡散への取り組みにおける国際的パートナーシップおよび能力構築を促進するための、国家間の協力および技術援助を行うよう奨励する。
27.国際原子力機関(IAEA)保障措置の不可欠な役割ならびに包括的保障措置協定の普遍化の重要性を強調するとともに、追加議定書の締結が各国の主権にもとづく決定であることに留意しつつ、1997年5月15日にIAEA理事会が承認したモデル追加議定書に基づいた追加議定書を未だ締結、発行させていないすべての加盟国が、可能な限り早期にそうした行動をとることを強く奨励する。
28.決議1540(2004)の履行状況の包括的な見直しの結果に基づいて、すべての加盟国が、2004年4月28日の決議1540(2004)と2011年4月20日の決議1977(2011)を含む関連安保理決議を完全に履行することを求める。
29.すべての加盟国が、世界の核保安体制をさらに強化するため、また2016年12月にウィーンで開催予定の核保安に関する国際会議の成功に向けて協働するため、核物質と放射性物質の保安をより重視し、これを強化することを奨励する。
30.第72会期の暫定議題として、「全面的かつ完全な軍縮」と題する項目の下に「核兵器の全面的廃絶に向けた新たな決意のもとでの結束した行動」という小項目を含めることを決定する。
(訳:ピースデポ)
訳注 ※印には原文では参照すべき文書の名称などが注記されているが、省略した。